台湾人の悪口

 

前回までお送りしていた「台湾侵略計画」、
気がつけば計12回、 単純計算で3ヶ月続いておりました。
長かったね。

本文にも書いたけど、日本の物って言ったらゴミでも売れそう…
と思ったのがきっかけで書き始めて
締めでは、まるで近い将来台湾人は自ら日本人になるのか??
と言う勢いで締めくくりましたが。

ギャーッハッハッハッハッハ!

ありえないー。

1万歩譲って台湾が日本の領土になったって、
台湾人は台湾人のままです。
性格的に台湾人が韓国人になる(もしくはその逆) があったとしても、
日本人はないんじゃないかと。

3年前のサッカーワールドカップで
「観客のブーイングがイエローカードを レッドカードに替える」と言われたほどの
韓国の 熱狂振りを見て、 それまで寡黙なイメージのあった韓国人に対して
一気に台湾人的な要素を見出してしまいました。

ここ何年かの韓国ブームで大うけの韓国男性、
(盛り上がっているのは、どう見ても男性より女性だもんね)
日本に帰った際には、
はまっちゃったの♪と言う女性から
そんなのとは全然関係ない世界で生きている隣のおじいちゃんまでに

「韓国の男性は、レディーファーストで、ジェントルマンで
おまけにやさしくて、やめられないらしい」

と聞かされて、 いや、そのやさしさの中に、
あのレッドカードの情熱(?) を秘めているとしたら、
それは、ちょっと… その情熱を見せつけられた日には、
だまされた気分にもなるんではないか? と思ってしまった私ですが。

って、これじゃ韓国人の悪口になっちゃいますね。
そう言う話じゃなくて 台湾人にもああ言う熱狂ノリ、あるなあ(笑)

個人的には、韓国の方が上を言っていると思うのですが
台湾人も暑い、いや熱いです。

ふと、台湾人てどんな感じ?と考えてみると
南国らしい、陽気さと、柔軟さとおおらかさと と思えなくもないのだけれど、
同じ台湾人を見ていても、いつもそう思えるとは限らない
と言うのが人間と言う物で。

調子が良いと2年に1回位、悪いと一年に2回は
「やってらんね〜よ。まったくおみゃーらはよー!!」 モードに突入するわけでありまして。
今回は、そんな主婦があちこちで聞いてきちゃった
もしくは体験してしまった 「…アホやね〜、台湾人」 てな話をしていきたいと思うのであります。

ゴキブリ徘徊なんてなんのその。
今日も夜市は大繁盛。

足元のべたつきなんて当たり前。
油と砂糖でてかっているような地面に落ちている
汚れたティッシュはやっぱり見た目に、ものすごく汚い。

ついでに水道なんかついていなくて 大きな桶で洗われている食器達。。。
これは全部じゃないし、そうであっても気をつけて見なければ 気がつかない事。
でも、いくらおいしいお店だと思っても、
一度これを発見してしまうと 私はそこで出される食器類が
ほぼ使い捨ての物であっても それからはあまりおいしく頂けない。

その水は一体どのくらいの頻度で取り替えられているの?
と言う質問は聞いては行けない、いやその回答を信じては 行けない物だと思っている。

そんな中、ここに集まってくる人達は
そこらにある物を、店前の椅子で、または道路の端の花壇に腰掛け、
あるいは立ったまま、なんともおいしそうに食べている。
基本的にそう言う汚いのが嫌いな台湾人が
汚い汚い言いながら、顔をしかめて食べに来るわけはないのだから
当たり前の事なのだけれど
それにつられて、やはり夜市で食べてしまっている私は、
たまにお腹を壊すと、彼らのおいしそうな笑顔に ダマされた気分になる。

観光客の皆さん、ガイドブックに載っている、 彼らのおいしそうな笑顔の裏には、
強靭な胃袋があるということ を忘れないで頂きたい。

そして夜市どころか、レストランで出てくる料理でさえ
ありは愛嬌。虫は度胸。
ディンタイフォンのチキンスープを飲みに行こうと
テクテク歩って永康街。(本店はこの通りの頭の所にあるのだ)

あまりの行列にめまいがして、3軒くらい後ろにある 殆ど同じメニューを出す店に入ってみる。

こちらだって、ディンタイフォンには負けるが
台湾高島屋に支店をだすくらいに、ちょっとした店。
こちらでじゃあ♪とお待ちかねのチキンスープを 頼んだ所、

「あ…、ありが入っている」 と最初に気がついたのは私。
今日はラッキーだね♪と言って笑う旦那も
3秒後には自分のスープにありが入っているのを見て フリーズする。

まさかなあと思いながらも太郎のスープを覗いてため息をつく親二人。
スープ三つ頼んで、三つともあり入りのサービス。
まあ、同じスープなのだから、ありえなくはないけれど
どんな鍋にはいってんだよと聞いてみたくなる。

っていうか、そこまでされて、文句を言おうとも考えず、
他の料理をつついていた私って…すっかり台湾人なのだろうか
と今ごろため息が出た。

辛い物好きな義母の誕生日に四川料理の店に行く。
子供もいるし、辛い物ばかりと言うわけにも行かないので
最近日本でも出回っているらしい空心菜の炒め物を頼む。

ニンニクのかけらとは思えない妙な形の薄緑の物体に 目が止まり、
凝視した私はここでもフリーズだ。
芋虫ちゃん登場…。

「野菜についてる虫は栄養があるって、食べる民族もいるのよ。 大丈夫よ。」
とよけようともせずに、反対端の野菜を口に入れる義母。
何処の国のなんて言う民族ですか…。持って行ってさしあげましょう。
と心の中で悪態をつく私の隣で、義姉が「がはは」と笑いながら

「たんぱく質が余計に入っていると思えば良いわよ〜♪」

とさくっと自分の箸で摘み取り、ティッシュに包んで捨ててくれる。
ありがとう。寄せてくれて。 でもやっぱり私は食べられません。

まだ結婚前(かなり昔の話だ)会社の同僚と6、7人と一緒に
「あんかけ弁当」を頼む。
皆して同じご飯の上にあんかけがかかった弁当である。

仕事が終わらない者や持ち場を離れられない者もいるから、
私はちょうど手の空いていた男性同僚と二人で そのお弁当を食べることになったのだが。

食事を始めて5分もしないうちに木耳にしては 変わった形だなという黒い物に目が行った。
何気なくつまんで持ち上げてみると

… ぎゃー!!! ゴキやん!!これ!!!!

ミニサイズのゴキブリが混ざっていたのである。
思わず箸をバン!!と置き、お弁当のふたを閉める私。
同僚はそんな私を不思議そうな顔で見ていたが
彼の弁当はすでに4分の一が残っているほどである。

自分の気持ちを落ち着けるので手一杯だった私は
彼の残り分を見て、更に「ゴキブリがいた…」とは言えず…。

「食欲が無い」と言うことで、ゴキブリ入りを ごまかしてしまった。
もちろん、まだ弁当に手をつけていない同僚もいたわけだが、
一緒に食べた同僚に言えなかったのに、彼らに言うわけにも行かず、
結局、私以外の弁当はきれいに片付けられたのである。

今思うとひどいことをしたなあと思うのだけれど、
あの時は、自分の弁当に「ゴキブリ」がいたというだけで 十分パニックで、
他を思いやる気持ちなんて無かったね。

いや、そう言いながらも私だって、日本の外食産業を 100%信頼しているわけではない。

事実、私自身ファミリーレストランで
ガラスの破片いりチョコレートパフェを食べた事があるし、
知り合いは、これまた「客の入っていなかった」 と強調してはいた物の、
やはりファミリーレストランに 入ったら、
料理にゴキブリが入っていた事がある と話してくれた事がある。

とはいえ、日本に住んで23年、覚えている限りとはいえ、
異物混入食はただの一度である。
それなのに台湾在住たった10年で食物異物混入経験は
前述の3件だけじゃないんだから。

どうよ、これ。

台湾人の、いや、中国人の食に関する追求はすごい物があると思う。
良い例が大人気の日本のテレビ番組だ。
話題のドラマや、バラエティ番組も確かにたくさんある。

だが、比率で言ったら、食に関する番組がなんと多い事か。

バラエティとしても楽しめる 「どっちの料理ショー」から始まって、
3大和牛、舌鼓の旅とか、北海道海鮮めぐりとか
福岡の屋台も、名古屋のみそかつも 北陸、大阪、京都も神戸もなんておいしそうだこと。

確かにおいしそうに番組を作っているのは日本の製作会社だが
良くもまあ、これだけ食べ物の番組を集めたもんだと 思うと
台湾人にも感心してしまう。

その食べ物に関する意欲を、もう少し衛生面にも 向けてくれたらなぁ…とは
思うのだけれど その希望はあるのだろうか?
なんていうか、汚いからうまい!みたいな感じもなくも ないよなあ。

そうして今日も、うまいと言われれば、小籠包から台湾煮込み、 パンやお菓子まで。
いや、そんなに興味ないから、と思っていても、
以外に、お裾分けでもらえちゃうのが台湾なのよね。
こうやってなんでも余計に買う台湾人の気質がまた
お店を余計に繁盛させるのよね〜。

と言うことで、汚いお店に行きたくない人は、 気にしない人に買ってきてもらえば良いらしい。
と言うわけで、汚い汚い言いながらも、うまい店は やはりどんどん流行っていくのだ。
台湾人もすっかり食べ物で行列するのに慣れてきている。
その上、うまいと言ったら、タクシー使ってまで はせ参じる友人リン。

ああ、台湾外食産業。とどまる所を知らず驀進中。
こんな所で、一台湾の嫁がいくら汚いと騒いでも、 全然びくともしないらしい。

そう言えば、おいしい物があればタクシーに乗って、 行列してまで食べに行くとは先週の話なのだけど。

ところで台湾のタクシーってドウよ??
話が唐突過ぎます、と言う突っ込みはここではなしと言うことで。 唐突過ぎるのは当たり前。
だって、タクシーの話がしたいが為に、先週「タクシー」の 文字を話の中に入れたのだもの。
無理があるのが笑って許していただきたい。

10年前始めて台湾に降り立った私は、殆どタクシーを 使った事がなかった。
ま、24時間アッシー君(って言葉今でもあるのかしら?)の 元彼氏、現旦那が
電話一本で大体迎えに来てくれたと言うのもあるが それよりなにより、
旦那及び旦那の親戚家族に
「台湾のタクシーは危険。言葉もろくに話せない者が乗ったら お金取られて、暴行されて、山に死体を捨てられる」
とマインドコントロール(?)されていたからだ。

いやはや、実際そう言う事件がなかったわけではないでしょうけど。
これだけどこもかしこも黄色のタクシー走っている今の台湾で
それに遭遇するのは、よっぽど遅い時間に かなり人気のないところで
タクシー拾わないと無理なんじゃない? と思えるくらい、
なんて言うか夜更かし帝国台湾だもの。

ちょっと山の中。
ちょっと郊外なんて言っても大体人がいるもんね。

信号無視で突っ走るわけにも行かないだろうし、
そうそうそんな事件は起きませんて。
台湾に観光に来る皆さん。
タクシーは絶対とは言えないまでも 安全ですよ。

言葉が話せなくても、行きたい所の名刺渡せば すぅっと連れていってくれます。

おっと、こんな事を書いていたんじゃ、「台湾人の悪口」なんかじゃ ないじゃないか。
ええ、皆さん、台湾のタクシーは危なくないですけどね。
「道も知らないガイコク人」と思われると、ぼられる事も多々 あるということを頭の中にいれておいて頂きたい。
真っ直ぐ行って、右を曲がれば済む所を 大きく一周されたり。
高架橋登ればすぐの所を、間違ってはいないけど わざわざ下の道を通って見たり。
台北は一方通行も多いからね。 こうなると着くのにえらく遠回りになるのだ。

そこで口答え出来ない自分が悪いと言えばそれまでだし、
気がついた頃に文句を言ってみても明るく 「こっちからも行けるし〜♪」と言われるだけで、
(戻ったら余計にお金がかかるのだから) どうしようもない事だけど、
これまた「バスにしようかな〜。いいや今日はタクシーで」 なんてチマチマ暮らしている私には
この何十元の小ざかしさが、また腹が立つのだ。

ま、海外に出て、タクシー代ぼられるなんて、 何もここだけじゃないわけで。
先進国に行こうと途上国に行こうと結構聞く話である。
全然そういう心配のない日本の方が変だ、と私は思うくらいだ。 

だから。

そんなもん、土地の言葉も分からない者のお勉強代だね と言われてしまえば
それまでのような気も、実はしている。

でも、これは、ちょっと… されてイヤな事だってあるんだわよ。

…彼女は私と同じ台湾の嫁。
まだ台湾に来て3年ほどのお嫁さま。
その彼女がまだ台湾に来たばかりの頃の話。

中国留学経験もある彼女は私よりも、ずっときれいで通じる 中国語を話すし、
彼女の気さくな性格は誰とでも打ち解けるから、
彼女がたまたま乗り合わせたタクシーの運ちゃんと 話が合ったと言っても、
私はなんとも不思議には思わなかった。

というか、こっちのタクシーの運ちゃん、世間話好きだし。

うちの旦那なんかも、
「良い車情報、安くて美味い店情報」は タクシーの運ちゃんに聞け!と格言している位だから、
タクシーに乗ると、大体運ちゃんとひっきりなしに話している。

で、この3年嫁さん、タクシーの運ちゃんと、 「占い」の話で盛りあがりまして。
もともとそう言うことに興味のあった彼女は、
どこがあたるとか、 あそこは○○で有名とか言う話の後で、
タクシーの運ちゃんに実は自分の友人も占いをやっていてと名詞を
見せられ、自分もまた手相を見るのだよと言われ、 どれ、ちょっくら見てやろうの言葉に、
警戒しながらも 手を差し出してしまったのだ。

普通、怪しむだろ? そりゃ彼女がバカだろう?? と言われればそれまでなのだろうけど。
私だって、公園にいる知らない爺ちゃんから
「子供かわいいねえ」とバナナ一房もらったり(断ってるんだけどね)
始めて行った道端の洋品店の老板娘(おかみさん)と話が盛りあがり、
「全く、子供が抱っこ抱っこで肩が凝る」と言ったら、
「うちの旦那はマッサージ上手いよ!!」と奥にいる旦那さん呼び出して (これまた断ったのだけどね)
10分ほども スプーンマッサージしてもらった事もある輩ですので。

これが公園での話だったら、きっと手を差し出していただろう なあと思えてしまう私は
なんか変だなあと思っていても、
その場の雰囲気で 話が良い具合に進んでしまった場合、
ま、手ぐらい差し出して しまうかもな、って思うわけですよ。

で、彼女の場合、ただ手相を見てもらったと言う話には ならなかった訳だ。          

彼女だって、突然タクシーの運ちゃんに手相を見てやるといわれて、
ひるまなかったわけでは無い。
抵抗はあったが、それまでの盛りあがりから、断るに 断れなかったのだ。

そして、信号で車が止まった際に手を差し出した彼女は
占い師運ちゃんに言われるのである。

「あ、こりゃ、ダメだね。離婚するよ。アンタ達。 旦那はプレイボーイ、すぐ彼女作るよ〜」

…余計なお世話だっちゅうの。
この時点で多いに不快感を感じる3年嫁さんだが、彼女の不快感は ここで終わらないのだ。

…運ちゃん、そのまま手を離しません。

「可以[口馬]?」(もう良い?)、と聞いても、
「好了!」 (もう良いよ!)、と言っても、
運ちゃんは、突然中国語を理解しなくなってしまったかのように 黙ったまま。
さわさわさわさわ彼女の手を触っているのである。

ここまでされて、身の危険を感じない人間はいないわけで、 無理やり手を離した彼女は、
その場でお金を払い、 もちろんおつりを受け取ること無く、 車を飛び出してしまったのであります。

いや、これを聞いた私は、 「…ま、なんて言うか、…何もなくて、良かったよ。」 としか、
言えない。いや、ホント。

3年嫁さん、それははっきり言って、もしかしたら、 明日の社会面、
トップ記事になっていても不思議じゃないよ。

そして、自分の方になんの非が無くてもそんな目にあっちゃう人 だっているのだ。

シュナさんはカナダ人を旦那さんに持つ駐在さんは、マダームなお方。
彼女の交通手段は殆どタクシーなのだけど、その彼女もまた タクシーの魔の手にかかってしまっている。

最初はソフトに「何人?」「観光??」「旦那さんは何人??」なんて 質問が続く。
これは外国なまりな中国語を話す私達がタクシーに乗れば、 3回に1回は聞かれることなので、
それが家族構成とか旦那の給料など かなりプライベートな質問に及んでしまっても、
まあ、これって、 台湾よね…と軽くかわせば良いことなのだが。

話が子供の話題になってから彼女の場合は雲行きが怪しくなる。
(彼女は夫婦二人+わんちゃんのいる生活を謳歌しているのである)

運ちゃん: 「旦那さんはいくつ?」

シュナさん: 「○○歳」

運ちゃん: 「ふ〜ん。旦那さん子供作りたいって言わない?」

シュナさん: 「………」

運ちゃん: 「一緒に寝てないの?」

シュナさん: 「何話してるのかわからないわ!」

運ちゃん: 何回も同じ事を繰り返して分からせようと必死。

シュナさん: 「分からない」

そしてここで終わらず、

運ちゃん: 「週に何回エッチをするんだ?」

シュナさん: 驚きの余り顔引きつりながらも無視。

運ちゃん: ボディーランゲージで応酬。赤信号で止まったら ご丁寧にも新聞の端っこに【性愛】と書いてシュナさんに見せ、
「週に何回だ、、って聞いてるんだけど」と。

この後も、この運ちゃんはシュナさんが真面目に怒りをあらわに するまで、
延々とこの話題から離れないのである。

これってドウよ?! 小さな親切大きなお世話にも、勘違いし過ぎ。
これが会社の中だったら立派にクビぞよ、運ちゃん。
問題なのは、こう言う輩に、無言の抵抗以外 どう対処したら良いか、わからない台湾の嫁なのだ。

ナンバー控えて、警察行っても…ねえ。 なんか良い方法ありませんかね?

こうして台湾の嫁は 「野菜の中に虫入ってましたよ〜」と言っても
「あ!ごめんね〜」でかわされ、 タクシーの運ちゃんに遠回りされて
「大丈夫、こっちからでもつくから♪」と言われて反抗できずに居ても、
それでも今日も外をうろついているのである。

いえ別に、メルマガのネタを探すべく台湾のあら捜しを しているわけではなく、
息子達と一日中家の中に居るのは なかなか難しいからなのだと一応断りを入れてみたいのだが。

ふらふらコンビニまでの散歩道。
たまには通りの向こうまで、 と足を伸ばしてふと気がつく。
市場の外れ、そのずっと後ろ側が市場になっていると知らない人は
なぜにこんなところに?と不思議がるくらいに、
にぎやかなとおりから、ずっと外れた全くの住宅街に 1軒の電気屋さん。

この個人商店さん、ついている電気は前半分なのである。
外からぱっと見た目には明るいので、入っていこうとして 後ろ半分が暗いのに気がつき、
「ひょっとしてお店の人はいないのかしら??」 とひるむのだが、
勇気を出して中に入って行くと、お店の人が 後ろ半分の電気をつけながらお店まで出てくると言う次第だ。

それを見て、思い出したのが台湾に居た頃の食器やさん。
そこはお客がくるまで全く照明をおとしている店だった。
なんと言っても台湾の太陽はでかいのだ。
その上商品防止対策のひさしやなんだで、ただでさえ家の中、屋内と 言うのは暗く感じるのもの。
(ただでさえ暑いのだから、わざわざ窓を大きくとって 明かりとりなんて事もあんまりしないのよね〜)

それなのに、照明もついていない店の中というのは
営業しているのかどうかもわからない…というより、はっきり言って 何を売っているのかも良くわからない
薄暗くて怪しい場所なのだ。

ああ所は、一見さんお断りなのしら?
知り合いを通してしか、商売しないとか?? かくいう私も、
当時まだ血縁関係は無かった、現在の舅に 紹介されて行ったのだもの。
行って扉を開けた所で「黄さんから電話もらっとりますよ〜♪」 と言うにこやかな態度と共に、
電気がついたからこそ 入って行けたのである。

見習うべき省エネルギー精神と言えば、それまでだけど、
なんていうか、まあ、客商売なんだからさ。 良いじゃないの。電気くらいつけておいたって。
と思うのは私だけだろうか??

そして、「こ、これは負けた」と思えたのが、 事務所後ろ側の賃貸。

事務所として使うのは、前部分だけで十分で、
簡単な水道なんかもついている、後ろの空き部屋(?) は使っていないから、
経費削減の助けにと、人に貸して いるのである。

完全に締まりきっていない、大きな引き戸の奥を覗くと、
事務所と地続きだと言うのに、ベッドや玩具やらの生活観のある空間。

ここはユニットバスを化粧室として、それを後ろの部屋の住人と 共同で使っていたから、
夕方会社にお邪魔して、 トイレを借りようと思ったら、お母さんが子供を
お風呂に入れていたところに出くわしたこともあった。 (なぜ戸を閉めて入らんのだ!)

おいおい。

と思いながらも 節約術もここまで出来れば立派である。

そして台湾は自営の小さな会社もたくさんあるが、 旦那さんが自営のお宅なんかでよく見かけるのが…
奥さんが会社にいる。
子供を連れて会社にいる。

いや、事務所の上が自宅でたまたま下りてきていると言う 訳でもなく、
元から仕事を手伝っていたので、 子供が出来た今もベビーカー付きで出勤している (こう言うケースもあるけれど)訳でもなく、
うちに一人いても つまらないから(?)と、旦那様についてきているのである。

このケース、台湾の嫁の方の中でも見られる。

旦那様が自営で事務所は旦那様ともう一人の社員の二人だけ。
台湾に来たばかりで言葉も不自由だろう。
子供と二人じゃ飽きるだろうから、暇なら事務所にいたら良いと 言われたそうだ。

台湾での知り合いは旦那様一人である。
最初妊娠中だった彼女は、いいのかい?という疑問はあったものの 一緒に付いて行く。

重たいお腹で夕飯どころか、朝も昼も食事を作る事はなく、
気が向けば散歩に出たり、買い物したり。
そうでなければ本を読んだりして、時間を潰す。

子供が出来てからも、もちろんベビーカーと共に、
一日分の大荷物 を抱え一緒に出勤状態。

せっかく寝た子どもが仕事の音で起こされたり、 仕事中ぐずって騒ぐのを、
立ちっぱなしで抱っこしてみたり と言うこともあったが、
一歳近くなった子供の興味が会社の物へと移り いたずらに手が負えなくなるまで、
一年以上そうして過ごしたのである。

子供と二人だけの自宅は時間を持て余すのではと不安だった と言う彼女は、
いざ自宅にいると、昼寝の邪魔は入らないし、 少しくらい騒いでも放っておけるし、
今思うと、 事務所に通っていたあの一年がもったいなかったと笑っていた。

そうして、自営の会社にいるのは実は、奥さんだけではない。

お友達とか、仕事仲間とかが、なんでかわからないが ベターっと座ってお茶を飲んでいたりする。
(そういう友達の輪の友達の輪の友達の輪がビジネスチャンスを
生んでいると最近の私は理解するようになったのだが)

…十人十色。十会社十色。

個人に個性があるように会社にも個性が あって結構だとは思うが、
なんともここはユニークだなあ。
ついでに言うと、そうやって奥さんやお友達が和んでいるのだから 零細企業かと思えば、
事務所の前に止まっている車は ベンツやBMWだったりするのだから、こりゃまた失礼しました ってなモノなのだよ。

じゃあ、大企業ってどんな感じよ?

奥さんや友達が普通に遊びに来て、一日会社にいても 全然構わない、
同じようなアットホーム感をかもし出しているの かしらん??
いやいや、それはありえない。

湿気地獄の真夏の台湾。
陽が落ちてもまだまだ暑い夏日は、まるで残暑の東京。
一年の半分までもがそんな状態だと言うのに、
彼らは 今日も律儀にシャツにネクタイで出勤だ。

(いや、それが普通だよと言われても、ポロシャツにスラックス で出勤するのがありの人もいるのだし)

飲みすぎて遅くなった次の日には、よほどの急用がなければ
フレックス出勤をする自営業の皆さんを横目に、彼らはちゃ〜んと 律儀に朝イチ出勤。

出勤、退社時間を会社のIDカードで管理されている彼らにとって
重なる遅刻はそのままお給料が減ったり、評価が下がることを 意味するのだから。

ということで、「こりゃあ台湾にも骨のある奴がいるじゃないか!」 とお思いの皆さん。

そうなんですよ〜。 そう言う人だっているんです。

…でも、それだけだったらここには書かないんです。

大きな企業から小さな企業まで貿易を生業とする会社が少なくない ここ台湾では、
勢い求人にあたって外国語能力を求められることも多い。
移民は当たり前。
そうでなくてもお出来がよけりゃ、大学、大学院は 是非とも海外にと考えるのも当たり前なこの国では、
海外育ち、留学帰りの人間も当たり前。

そんな彼らが、ビジネスの仲介役として今日もがんばっている 訳だが。

確かにそうなんだけど。

たま〜に、言葉が出来ないのに、そこにいる。
なんでかわからないのに、そこにいる。 ということがある。

「(新しい社員を)日本語出来るって言うから、取引に連れていったのに、
全然話がわかんなくて…悪いけれどこれから近所まで行くからさ〜。 ちょっと手伝ってくれない?」
と私はコーヒー一杯で(実は、安取引だったと後悔している。 ケーキも頼めばよかった)
友人に即席通訳を頼まれたことが2度、ある。

おいおい。で、ある。

こっちに仕事で来ている日本人にも、

スタッフには日本語も出来る人をお願いしますと言うんだけどね〜。 出来ない人もいるんだよね〜。困るんだけどさ。」
とたまに言われる。

いや、私に言わないで、現地の総務に言えば?と思うのだけど、
そこまでの問題でもないらしい。 (足のきれいなお姉さんなのかもしれない、と、私は思ったりして)

ま、履歴書と、本人の「大丈夫で〜す♪」と言う言葉だけ 信じて採用する方も採用する方だと思うが、
その、語学力(だって、本当挨拶程度)で「語学必須」の 面接受けに来る方もまた立派である。

「なせばなる。もまれりゃ、鍛えられる。」 と思っているのか?

それとも、 「入っちまえば、こっちのもん」 と思っているのか。

私は、理由はないのだが、なんとなく後者な気がしている。

もうひとつ、日本人が台湾の人間と仕事をしていて不思議なことは アポイントメントの反古だそうだ。

それを話してくれた人曰く、
打ち合わせするのはOK。
場所も相手方のビル。
時間もOK。

ということでこちらから出向くけど、会議室が取れてない なんていうのは、何度もあります(笑)

それは日本ではNGって言うんですけどね。
それでもまだ、ロビーのちょっと座るような ところで話を聞いてくれるならましな方。
今日は会議室が無いからダメだって言われる ことも何度か。。

ちゃんと出る時に確認の電話までしてるのに、 いったいどういうこと?

これをいったいどう説明すればよいか?
私は多くの台湾出張者にアンケートを取った訳ではないから もしかしてそんなことをされたのは彼だけかもしれない。 

…その場合「台湾人て何でこうなの?」と聞かれても、
「う〜ん。嫌われているんじゃない? 」 とニンマリ笑って答えたくなる台湾の嫁なのだが。

いや、きっと、これは、慣れなのではないかと思います。
はい。

彼らだって、一番最初のミーティングではきっちりかっきり会議室 も予約して、
その上夜の接待場所も準備万全で高橋さん(仮名)との 約束に備えたのであろうと思うのだが、
まあ、何回も顔を合わせているうちに、なあなあになってしまったと 言うことで。
っていうか、私にもはっきり言ってわかりません。

ちなみに台湾人である主人に聞いてみても、
「…とりあえず、約束をしていて帰すってことはないでしょう?」 といわれてしまったので、
その真意はここでもわからず。

なんでなんでしょうね?

で、この方は、

仕事の上だけかもしれませんが、決断しないですね。 何もかもが先送りされてしまいます。
それから、結構いい加減(笑)
これは街で見てもそうですが、お客さんも同じです。

ともおっしゃっておられる。

これはあるかもしれない。 基本的に、こだわりのオタク人間がいないところがポイントかな。

加減の程度がそれぞれ違うのだからこりゃ、どっちが悪いとも 言いかねると思うのだけど、

決断しないというのは、どうなんだろう? 思うに会社が大きくなってもまだまだ小さい会社の体制が残って いるのではないか?

この件は、あの部で仕切っていることだから、あの部の部長がすべての 責任でもって、仕事をすればいい。
上に立つ人間は案の経過と結果で持って、アドバイスなり、次回のノルマ なりを与え、
社長はそれらの人間をまたまとめ上げれば いいことだと思うのだけど。

すべての件に口を出したい、自分でかかわっていないと気がすまない 上司に社長。
これは本当よく聞く話。

でも、彼らはすべての件に対して即答できる訳でもなく。
話によっては返事したくないものだってある訳で。

そんな場合は 余計に回答はあとまわし。
結局当事者は決断を待ってもらう事しかできなくなる。

台湾人は決断できない、そういう人も実際いるだろうけれども
決断したくても決断しきれない、

そんな台湾人も たくさんいそうだななんて思ったりして。

それでも台湾ビジネスに、マイワールド感、と言うのは勝手な造語 であるけれど、
なんていうか、常に自分の視点で持って 商売しとるな〜と思えるような感じがするのは 私だけだろうか?

この話は、お仕事でこちらに来ている人の間では 有名なのではないかと思うが、
その良い例が台北のMRT (日本で言う、私鉄とか、地下鉄みたいな存在)である。

開通の際には、火災の場合の避難路などいろいろ騒がれもしたが
今ではすっかり台北の交通手段として定着し、
台北の街を 以前より格段に都市化させたMRT。

1996年の木柵線が最初の開通。以降淡水線、中和、新店、 板南線と路線は伸び、
今も内湖、信義 松山線などが 2012年の全面開通を予定して今日も元気にガッコンガッコン 工事をしている。
(現在皆さんが台湾に来たからにゃぁ!と鼎泰豊〜小籠包有名店〜 本店に顔を出した際に
目の前の通りがとっちらかっているのは、 まさにこのMRT工事のためである)

このMRT、生まれはおフランス。現在の台湾新幹線施行のため 多くの日本人が台湾を行き来しているのと同じく
作る際には、フランスから設計者、技術者を呼んでの大事業であった。

自国とは全く違う気候にもめげずがんばってきたフランスの 業者さん。
試運転も大体完了、もう一踏ん張り、あとは商品を お客さんに渡すだけ。
やっと一息つけるな〜と思ったところで、
カスタマー台湾は いうのである。

「やっぱさ〜。人が多いとき困るといけないからさ〜。 車両は二両じゃなくて、四両編成にしてよ」 …。

開いた口がふさがらないと言うのを実経験で感じるフランス業者 ではなかったろうか。

今まで共に良いMRT作ろうな♪とがんばってきた台湾側の 仕事人は、
実はただの市場のおばちゃんだったか? という 衝撃を受けたのは間違いないと思う。

「てやんでぃ!バロ〜め〜!!」 と叫んだかどうかは知らんが、
車両の数が二倍になったら それまでがんばって作ってきた高架線路のカーブの角度から
ホームの昇降口の位置まで(台湾のMRTはホームも透明な仕切り があって、
そこに付いたドアと電車のドアが開かないと昇降 出来ない)全部変えなきゃいけないのだ。
どうやって、やれっちゅうの??

瞬間、耐え切れずに右手の中指を突き出したとしても
わたしゃ、文句は言わないよ。うんうん。

それでフランス側はどうしたかって?

ちゃんとわかりきっているともいえる事情を説明して 納得してもらったというなら、
こんな風に伝説は残らない。

おもちゃ付きのお菓子が欲しいという子供は
だめといわれたら床に寝転がって足をばたばたさせて 反抗するのであ〜る。

そう。あくまで主張を取り下げない台湾側。

フランス側はどうしたかというと、車両編成倍増にかかる 設計からやり直しの費用と時間を考えたら、
ここで撤退したほうが まし、ということで、 当初予算の90%しか受け取っていなかったその時点で
交渉決裂したのだ。

とはいっても、その時点でMRTはもう商品引渡しだけの状態 だったのだから、
結局台湾は土壇場になって一割引きの値段を 手に入れたようなもんです。

たかが一割といったって100元のおもちゃ買ったわけじゃ ないんだから。
フランス側はいったいいくら損をしたのでしょう。

そんなんあり?? と思うのはあなただけ。

ありのようです。

ま〜ね〜。常識がないといえばそうなのですが これを聞いて、私は
「言ってみるもんだ」と思いましたね。
常識なんて国レベル個人レベルで変わるものですから。

気にしてなんていられない。 とりあえず、自分のしたいことを主張してみる。
言っても何も替わらないかも知れない。
でも言わなきゃ絶対変わらないんですから。

本当に車両を増やしたかったのかもしれない。
でも、もしかしたら、「ちょっと騒いで見るか?」なんて 気持ちもあったかな?と思う私は
最終的に一割引の値段を 手に入れた台湾は、
吉本興業の社長よりずっとず〜っと 商売上手なんじゃないかと思うのだ。 

商売上手な中国人に、根っからの職人気質な日本人。

口で勝てといってもそれは無理な話かも知れないが、
日々台湾各地で活躍邁進している企業戦士の皆さんに、私は ぜひ言いたい。

毎日毎回、「何で?どうして??そうなるの???」 と自分の常識にとらわれて、
台湾人相手にしていたら やられてしまうよぉ。

台湾人よろしく、自分の目標に向かって、突き進むべし。

終わりよければすべてよし。 目指すは国際社会の「勝ち組」ってなもんである。

実はこの話にはまだ続きがあって、その何年か後、
人が多く利用するだろうと思われる時期に、台湾はかってに 車両を増やして運転したことがある。

言い遅れたがこのMRT、無人運転という交通システムを採用している。

その言葉通り、運転士は居らず、機械が運転しているのだ。

もともと決まったことしかできない、そんなMRTを勝手に車両倍増して 運転するとどうなるかというと、
倍増分の車両の重さ、足すことの余計に乗せることの出来た乗客の重さ が加わり
いつも通りにブレーキがかかったって、止まれはしないのである。

ということで駅についても止まりきれず暴走してしまう車両。
びっくりしたのは乗客だけではあるまい。
車両を増やそうと考えた人も、それを承認した人も、そんな事態を予想も しなかったからやろうと思ったんだろうしなあ。

その方たちもさぞや驚いたことでありましょう。

そんな事故が起きてしまったのを、ほぼリアルタイムにて車のラジオで 聞いていた私、台湾の嫁。

そのアナウンサーは、そのままこう続けるのであった。

「政府としては、このような事態を引き起こしたフランスの制作会社を 訴えるかどうか検討中であるとの事」

は??

なんて、台湾の嫁が思うまもなく、そのままラジオのねーちゃん& にーちゃんは言うのだ。

「ぎゃーっはっはっは!! そんな事いったって、MRTって編成決まってる んでしょ。
それを勝手に車両増やして止まらなかったからって、訴えて意味 あんの〜??」

…だよねえ。と同意しながらこっちもまた大うけでありました。

これですよ、これ。 弁当にゴキブリが入って、タクシーのおっちゃんがスケベで
企業の皆さんはやる気があるんだか無いんだかわかんなくて、
このやろ〜!いつかこんな所、出て行ってやる〜ぅぅぅぅ! なんて思っても、

こういう自爆ギャグ的な日常を目の当たりにしていると
あ〜、こんなのもいっか〜。 なぁんて、今までのイラつきはどこへやら、
ぷしゅ〜と凹んで丸くなっている 自分がいる。

いいじゃん、適当だって。

それでもどうやら経済はちゃんと動いているらしいし。

どうせ茶請けにするなら、暗いニュースより、そんな笑えるニュースの 方が良い。

と言うわけで、本日も台湾人の悪口は、

「〜〜なんだって。まったく、もぅ!!…おっかしいよねえ♪」 で〆られるのだ。

おかげさまで、ここにいる限り、ゴシップ話にきりは無く。
いつだって、時間が足りないわ〜という程おしゃべりが出来るし。
こんなところとはしばらくおさらばよ〜ん♪と、羽がついた勢いで 里帰りしてみても、
ここ1,2年は、日本の杓子定規な毎日に、
居心地の悪さを感じて台湾が恋しくなったりして。

ということで、台湾人の悪口といいつつ、それって愛情の裏返し?

私ったら、結構楽しんで、ここで暮らしているのだわね〜ん♪

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