公共バス

 

…日本のバスはどんな物だったのだろうと考えてみる。

乗った事のあるのは幼稚園の頃の田舎のバスと、大学の時の東京のバス。
田舎バスは園が終わると先生がまとめて私達を乗せてくれ、
下車する所には母親が待っていたので、
バス自体が親切だったのか不親切 だったのかは覚えていないが不便はなかった。
30分に一本とか言う時刻表も自分の意思で乗る時間を決めらるわけではない
この年齢にはたいして影響はない。

東京で乗ったバスは教授の家へ行くためだ。
もう10年以上も前の事だが 前面の電光掲示板に行き先が光り、
次のバス停名と共に付近の主要な 建物の案内が放送される。
微妙な違いがあるものの、普通車も走っている一般道路を走っているのに
バス停に表示された時刻通りにバスが到着するのが 何気にすごいと思っていた。

じゃあ、台湾のバスはどないなの??と言うと…
便利性にに関して言えば、台北に限り問題はない。
確認したわけではないが地方だと、高雄や台中と言った都市でも
「え?乗ったことない」なんて言う人はザラなので、
そんなに便利な ものではないかもしれない。
まあ、台湾の人は雨が降ってもスクーター だからね。

台北は最近MRTと呼ばれる台湾版地下鉄見たいのが走っており
通勤通学の足を更に便利にしているようであるが
私にとっては8割方無用の長物。
…と言う言い方も変だが 使わない訳じゃないけど、
なくても良いってことよ。
だって、最寄にMRTの駅ないんだもん。

私の足で歩いて15分弱。
なんて書くと東京の皆さんには、そんなもの、まだまだ射程距離じゃないかぁ!
と言われそうだが、ここは台湾。
九州と同じ位の狭い国。
台北なんて小さい台湾のそのまた一角なのである。
遠いよ、15分は。

毎度の事ながら話はそれるが、
日本では公開になっているかどうか私には わからない、
金城武の「向左走、向右走」と言う映画の中でのこと。
主人公の金城武に目をつけたモデル役のおね〜ちゃん(ヒロインではない)が
「仕事終わったんでしょ。送ってってあげるわ」 と言うシーンがある。
彼女が苦手な金城君は
「あ…方向違うかもしれないし、良いですよ」 とけん制するのだが、
彼女は
「台北がどんだけ広いって、あんた! 方向が正反対だって、近所みたいなもんよお!ガッハッハ」
と笑って、彼を無理やり送っていくのだ。
正に彼女の言葉は台北を的確に表している。と私は思う。

そんな小さな町だもの。
歩いて15分近くかかるMRTの駅なんて 隣町みたいな物だ(とここまで書くと大げさだけどね)。
そこをチビ二人連れて歩いてみい。
あっち見こっち見していたら(途中に餌付けの出来る池があるんだ、また)
軽く30分ははかかってしまうのだ。
目的地に付く前に疲れてしまうって。

その点、バス停は最寄りに4っつ。
その上台北のバスは「こんな小道まで…?」 と言うくらい縦横無尽に走っているので、
どこへ行くのにも 大変便利である。
MRTに乗らなきゃ行けないくらい郊外に住んでいる友達のところには 車で行けば良い。
まだまだ、いつ飽きて暴れ出すかわからない次郎を
連れていてはその方が絶対安心。
と言う事で、世間はすっかりMRTなのだが、
「たまには電車に乗った気分〜♪」と言う時意外、
私はまだまだバス派の 人間なのだ。

 

…私が始めて台湾のバスに乗ったのは8年前。
その頃のバスと今のバス、何が違うかって…

・ ボロボロさが(結構)改善された。

・ 運転手さんがやさしくなった(かも知れない)。

・ 前に電光掲示板が出来た(もちろん全部ではない)

カッコが多すぎて、それじゃあ、あんまり変わってないじゃないかと言えば そうじゃない。
以前のバスは、80%(あくまで私の感覚でだが)
真っ黒い排気ガスを 吐き出してるのもあれば、
ガガガガガガ…と言う騒音のバスもあり。

降車のときのピンポ〜ンなんてとんでもない。
そう言うバスもなくはなかったが、バスの窓に沿ってゴムのベルトみたいの がくっついており、
そのゴムのところを「ぶにゅ」っと抑えると 「ブー」 っと鳴るのはまだ新歩的な方。
黒い電線のような物がフックで一本、前から後ろに渡してあって
降りたい時はそれをつかんで引っ張ると、
寝ている赤ちゃんなんか びっくりして飛び起きるんじゃないかと言うほど、
けたたましく「ビ〜!!」 っとなるのだってあった。 

それから比べると今のバスは殆どピンポンだし、
最新ガス式バスなんて言うのも あるし、
よっぽどじゃなきゃガガガガゴムベルトバスになんか当たらないのである。

私なんかたまにそう言うバスに出くわすと、懐かしくてラッキー♪なんて 思うくらいだ。

で、一つ飛ばして電光掲示板はと言うと、 昔はそんなもん、無かった。
放送だって無いし(今もないが)客の乗降しないバス停など止まりもしない。
頼るのはひたすら自分だけである。
バス中の路線表が破けていないという保証はないので、
本屋でその当時60元だったかで売っていた、台北バス路線表なる 本と首っ引きになって、
自分の降りたいバス停を目指すのだ。

ちなみに運ちゃんについたら教えてもらうというのもありだ。
(隣のお客でも良いが) ちゃんと「ここよ〜」と教えてくれるが、
これは北京語が出来ての話。

本に気を取られているうちに、止まらなかったバス停を見逃し、
あせりがあせりを呼び、あっという間に 「ここは何処〜??」 なんて言う事にもなりかねない。
加えて乗り過ごしていたりしたら
ちびまるこちゃんのように顔に雨が降るのは必至だ。

運転は荒いし、何処で降りて良いかさっぱりわからないし、
(=何処に連れていかれるかさっぱりわからないし)
言葉も通じないし。
バスに慣れるまでのスリルとサスペンス(?)と言ったら
わざわざ高い金を出して東京ディズニーランドや ユニバーサルスタジオジャパンに行くのが
全く持ってバカらしいくらい、ドッキドキなのだよ。

 

でも電光掲示板があると一気に違うわな♪
とりあえず北京語と英語で流れる文字さえ追っていれば
「ここは何処〜??」と言う事にはならないし、 目的地に辿り着けないと言う事もない。
全く持って便利になったものだ。

でもな〜。すでにうろ覚えではあるがイギリスのバスも そんな感じだったな。
そう思えば、日本が特別に親切なのかもしれないねえ。

さてさて最後になったが、台湾バスの運ちゃんは、と言うと かなり、ユニークだと思う。
先ほど、場所がわからんかったら運ちゃんに聞くのも良し、と言ったが
場所についた時の運ちゃんの対応もさまざまだもの。

ガイコク人な発音の私に気を使って、 知っている限りの英語を駆使して
(と言っても会話の1割未満)
「ここですよ。○×会館行くんでしょ。降りたら右行って 次の信号左に行ってくださいね」
と言ってくれる人もあれば
「ほれ!ねえちゃん!!着いたで!!!」
調で かなり不機嫌モードの方もおる。
こんな「着いたで!!!」運ちゃんに当たった日には、運転もかなりワイルドだ。

どのくらいワイルドかと言うと、すっかりそれに慣れてしまった気がする私は
なんとも形容しがたいのだが…。

8年前、仕事の関係で1日に3回はバスに乗っていた私。
そのバス通一年の間に2度ほど、運ちゃん事故ってバス下ろされました。

いくらバスに乗る頻度が高いと言っても、 これはすごい確率なのではないかと思う。
それも車やバイクにかすったとか、かすられたとかとか言う程度で
大きな事故ではなかったけれど、 突然の「ガガガ…」と何がが引っかかった音と共に、
運ちゃんが外に向かって 何か叫ぶ声。
そのあと、
「ちょっと用事出来たんで、次のバス停まで歩くか、タクシー拾ってください」
と否応無しにバスを下ろされるのだ。
その1度なんか、残業で遅くなった夜の11時ごろである。
またまた肉体的なハードさに限界を感じ、仕事を辞めたい頃だった。
そんな時、「ガン!」と言う音と共に、 見知らぬ道に、見知らぬ親父3人と共に取り残された私。
(ま、バスもそこにいるが、乗せてくれないし)
本当に泣きたくなった。  

 

あれは、そう、次郎がやっと首が据わった頃だったと思う。
私は病院に定期検診に行くためバスに乗っていた。
片手に次郎を抱き、側には太郎がおり、
その上、ベビーカーを持って
そのまた上に、赤ちゃんグッツがごっそり入ったでかバックを持っている のである。
動いているバスの中で動けるわけがない。

一つ前のバス停で、ピンポ〜ン♪はした物の、
バスが止まってから 降車口に向かった私は
「おい、小姐(姉ちゃん)、 バス止まる前にここまで来とけよ!」 と言われたのだ。

私がムカついたかって? 
まさか。
もしかしたら言われるかもな、と思っていた台詞である。
「不好意思(すんませ〜ん)」
と言って、バスを降りただけのことだ。

そう言う乗客の気持ちが、運ちゃんの態度を更に助長するのだ とわかっていても、
私は、運ちゃんは態度が悪くて当たり前と、体に染み付いているのかもしれない。
とは言っても、やはり人前で、運ちゃんにムスくれた声を出されるのは おもしろくない。
気がつけば私も太郎も、バスが止まる前に降車口に来るようになっていた。

そんなバスに鍛えられ、よろけながらも転ばなくなった太郎の手を 一応取って、
反対側の肩にバック、腕に次郎、手にベビーカーという井出達で
移動中のバスの中を歩くのだ。

そしたらこの間、
「おい、そこの母ちゃん!あぶないから、ちゃんとバス止まってから 移動しろよ」
と運ちゃんに声をかけられて、私はものすごく、ずっこけた。

た、台湾にも、こんなやさしい運ちゃん居るのだね。

ほんのつい最近のヒットと言えば、
アナウンス代わりに次のバス停を一つ一つ言ってくれる運ちゃんだ。
良く通る声で、後ろに座っていてもちゃんと聞こえる。
これは使える!! と思いきや、この運ちゃん、バス停名を言っている時以外は 。。。
ずっとお経を唱えていらっしゃった。

たまたま一緒に乗っていた友人は敬虔なクリスチャン(関係ないかな?)で
そんな運ちゃんにかなり好感を持ち
「なんか、癒されちゃうわね♪」 などと言っていたが…。
私はと言うと、安全運転の為に唱えていると言うより、
「何か」あったときに、きちんと成仏できるように唱えられているようで、
・・・嫌だったよ。

何はともあれ、台湾バス、良くも悪くも楽しゅうございます。
最近では “バスの対応良くなったよね”とか“ましになったよね” と言う声も聞くし、
私も確かにそうは思いますが、 今でもバスの事故は絶えないんですよ。
2ヶ月くらい前にも、運ちゃんが扉が閉まりきらない内に 発進してしまい、
最後に乗ったおばあちゃんが、振り落とされて 背骨を傷つける事故がありました。

全部が全部良くなるっちゅうのには、まだまだ先は長い ようでございます。
でも、そのユニークさが、 個人的には、
レプリカの多い故宮博物館にいらっしゃるよりも 台湾らしいかと(*^_^*)

一人でがんばってバス乗ってみい!!

と台湾に観光に来る人には勧めたかったりして(笑) 

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