トライリンガル
朋友ポンがまたまた仕事辞めたい病である。
しょっぱなから話はそれるが、朋友と言う言葉は
日本にいた頃は、
なにか特別な、たとえば長く連絡を取らなくても
心は通じ合っている見たいな(笑)
関係を想像していた。
聞きなれない、使いなれない言葉に対して
そう言うちょっと良いイメージ
を持っちゃうってことありません?
この言葉を知ったばかりの頃、多分小学生の終わりか、中学生の頃だった
と思うが、
ちょうど家の本棚にあった武者小路実篤の「友情」を読んで
これぞホウユウ…なぞと、
自己陶酔して、思ったものである。
…さして勉強も出来ない頭でなに考えてるんだか。
今思い出しただけでも恥ずかしい。
それがこっちの言葉で、ただ単に「友達」だと知ったときは、ものすごく
ずっこけた。
こっちの人は一度でも顔を合わせたことのある人だと
(特にその人が自慢に値するような人であれば余計)
“ポンヨー(朋友)! ポンヨー(朋友)!”と
連呼するので、
その度に私は
「いや、それはただの顔見知りだ」
とか
「ん?近所って言うだけだろう」
と心の中で突っ込みを入れていたのだが、
顔見知りとか、知り合いと言うだけなら、こっちにだって「認識的」という
言葉があるし、
ご近所「隣居」と言う言葉もあるのだから
それもこれも全部ひっくるめて「朋友」で済ませられるくらい、
「朋友」と言う言葉は、なんと言うか生活レベルの言葉なのだ。
じゃあ、ポンはそこら辺の市場の通りすがりと同じ位、
どうでも良い
「朋友」かと言うと、考えてみれば結婚前からのお友達。
もう足掛け8年の歴史を持つ。
失望した彼氏のパンツの柄から
夫婦喧嘩の中身まですべて筒抜けの仲である。
日本でだって、小中学校の幼友達を除いて
10年キャリアで
マメに連絡を取っている友達が何人いる??
そう思うと、この外国でそんな仲の良い友達が出来たのは
うれしい事だ。
ポンは真面目にポンヨー、いや、ホウユウである。
(ちなみにそう言う特に仲の良い友達の事は「好朋友」と言う)
きっと旦那と別れる事になっても、こやつとは連絡を
取る気がする(笑)
なんだか「余談」の話で、一回分のスペース埋めてしまう勢いだが、
そうそう、そのポン、仕事辞めたいのよね。
まあ、女も30近く。独身で、ほかの多くの台湾の人みたいに
仕事も変えない。
こっちは男も女も条件悪けりゃ仕事は辞める。
女性のなかには「あまり長くいると、古だぬき見たく思われるし」
と言って
3年くらいで職種を変える人も少なくない。
そんな中、ポンはもう証券業7年目。
キチキチと昇進試験もこなし、
「足掛け?腰掛け?家計の足し?」
3年後には勤めているかどうかもわからない
おばちゃん、お嬢ちゃん社員の上に立って
がんばっているのである。
ストレスも溜まるんでしょうな。
3ヶ月に一回位は辞めたい病を発病しうちに来て
大騒ぎである。 そ
して解決策として
買い物してみたり、旅行に行って見たり…。
もちろん堅実過ぎるくらい堅実な彼女だから
散財しすぎると言う事はないんですけどね。
さてさて今回、どうやって乗りきるぅ?
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「お金あるんだしさ〜、仕事に未練ないんだしさ〜。
思いきって、2年くらい留学しちゃえば良いじゃん♪」
元祖フラフラ大好きコンビのたくみ&旦那である。
(出会いだって、結局お互いフラフラしている時だったんだし 笑)
フラフラ、新しい環境でのんびりする。
あ〜良いわぁ。。
殆ど私達の「あくまで希望的観測」な老後計画見たいな留学話。
日頃の生活では意見の食い違いばかりだが
こう言うところでは、めちゃくちゃ気の合うばか夫婦。
ポンをよそに、何処が
「独身女性の心の疲れを癒してくれる
ベストな留学先か」
などと盛り上がっていると
「興味ない」
と思いっきりしらけた声が帰ってきた。
「え〜!なんで?!」
「観光なら旅行で十分。リラックスしたいって言うのに
なんでどえらい金払って
言葉も通じず、食べ物もまずいところに行かなきゃならんのか
理解できない。余計に自分を虐待している気分だね。
私はマゾじゃない。」
そこまで言うか?!
「この位の年になって、ゆったり語学の勉強なんて良いご身分だろ。
その上、帰って来た時はもう一つ語学も出来るようになってて
再就職にも有利じゃないか」
バカップルの片割れ、旦那もそう言ってみるが
「+αで特別な語学が必要な所になんか就職しようと思わないもん」
なんとも身も蓋もない話である。
かといって、ポンはまったくの語学音痴と言うわけではない。
学校で習っただけと言う英語と日本語(日本語は大学の副専攻)で
北京語が打てないわたしのパソコンとのチャットでは
英語だし、
ひらがなもただ読むだけならなんの問題もない。
私なんか、習った覚えはあるのだが、ドイツ語もイタリア語も
ABC…さえままならないのだから、
それから比べたら 立派なもんだ。
「あー、もういい。あんたらに相談した私がばかだった。」
と言ってポンはプリプリ怒っていた。
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と、そんな騒ぎのあった後、
週末にパパが映画を見に行くと言うので、
その間外で時間を潰す事にした
私はポンに出てこないかと電話した。
「これから大学時代の友達のうちに行くんだ。
たくみも外でチビ二人の
世話大変でしょ(読まれてる(笑)だから電話したのだ)
よかったら一緒に行かない?」
う〜ん。チビ達騒ぐだろうし…迷惑かもと考えていると
「大丈夫。ケリーとジャンボと一緒にリンメイのうちに行くの。
3人とも知ってるでしょ」
知ってる♪ ケリー子供好きだし♪
んじゃ、行く。
女独身4人集まればやっぱり男の話(笑)
おー、良く話す、良く食べる。
見ていて気持ちが良いぞぉ。
ケリーはこの後、夕方に彼氏が迎えに来るそうだ。
ジャンボは彼氏がカナダで後1年半ほど遠距離恋愛。
リンメイは…多くを語るのは難しいが
イベントで知り合った二人のお子さんを持つ
…ご婦人とお付き合い中らしい。
顔はビビアン・スー見たいでダントツにかわいいのに
人って良くわからない。
で、ふと気がついた。
私は彼女達の話しが断片的にしかわからない。
ケリーは北京語だが、
ジャンボは台湾語の方が話しやすいらしい。
台湾語も男の話となるとスラング多くて、私にゃさっぱりわからない。
で、ポンとリンメイコンビが話し出すと…
まったくもってわからない。
「…ね〜。ポンとリンメイが話してるのって、台湾語??」
と聞いたら
「あ、違う違う。客家語。」
ポンとリンメイは客家人なのだ。
ご存知の方もいらっしゃると思うが、客家と書いて日本語では「はっか」と読む。
北京語では「カーチャー」と言う感じか。
元々は中国の客家という地方の民族。
台湾にもその末裔が沢山いて
客家語が存在するとは知っていたが、
こんなお嬢さん達まで話せちゃうの〜??
ちなみにうちの婆は、広東産まれで3歳まで広東省にいた人だ。
小さい頃は広東語も話せたそうだが、今ではすっかりわからない。
台湾の学校教育はすっかり北京語。
ここ何年かになってやっと
「台湾語」の授業もあると聞くが…
時代が進むにつれて「主流」じゃない言葉はだんだん廃れていくのかと
思っていたが
(だからそう言う文化を残しましょうって運動もあるんだし)
なんだ。
こんな若い世代にまでちゃんと伝わってるんじゃん。
外省人家族のお宅では北京語は殆ど。
子供は台湾語は聞けても
話せないなんて言う子供も多い。
(聞けない子供だってもちろんいる)
内省人の子供は学校は北京語でも、父ちゃん、母ちゃん台湾語だから
両方出来る。
それだけでもすごいと思うのだが、
その上、あんた達は客家語かい!
いや、客家語がわかると言うのは
聞いていたが、
せいぜい私が「愛してる」ならイタリア語でも
ドイツ語でもわかるぅ♪って
そう言う程度かと思っていたのだよ。
すごすぎるぜぃ。
「で、いつから話せるの?」と聞いて見たら
そんな事考えてみた事もないという感じで
「普通に。話せるようになったときには」
・・・ 「なんで話せるようになったの?」
おばかな質問とは思いながらも聞かずにいられない。
日本語オンリーで育った私には、英才教育のほかに
3言語を軽く取得すると言うことが理解できない。
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「え?だってパパとママは3っつ話せるけど、爺婆は台湾語と客家語だけ。
近所の人は北京語しか出来ない人もいたし。みんなそれぞれに出来るものを
最初に口に出た言葉で話すからさ。どれが先って言うわけじゃなくて
みんな話せるようになったね」
すっかりあきれ返ってるポンを横に、リンメイがやさしく説明してくれた。
しかし、すばらしい。これぞ天然言語教育。
人間、本当にそう言う環境に置かれれば、いくつでも言葉って話せるように
なるのね。
ちなみにうちのパパ&義姉は中学位から少しずつ台湾語を覚えた。
台湾訛りの北京語しか出来ない爺が「標準」の発音が出来るように
と、婆と共に北京語だけで育てたので、最初から台湾語が出来たわけではない。
パパの友達のサン(漢字がものすごく難しくて書けない 笑)さんは
お母さんが台湾人だそうだが、うちではいつも北京語だったので兵役に
出るまで台湾語は出来なかったそうだ。
みんなそうやって一言語一言語習得しているのかと思っていた私にとっては、
語学研究家の提唱するような理想的な語学環境がそんなに功を奏すとは
驚きだ。
「だからさ、留学なんて言うのも、私としてはばからしいわけ」
ボソッとポンがそう言った。
「二年や三年その国に行ったからって、どれだけ言葉が理解できる?
言葉の面白いところって、シニカルな話が出来るところじゃん」
そりゃそうだけど…
「私にとって必要な日常会話が出来るって言うのはその言葉が「出来るってことではあっても、
その言葉が「解る」って事じゃないと思ってるし」
「でも私は海外に出て初めて英語で「会話」が出来るようになって
すごくうれしかったけどなあ」
考えてみれば、私は中高大と計10年も英語教育を受けてきた物の
いざイギリスに留学となったとき「HOW DO YOU DO?」も
すんなり思い出せないほど英語音痴だったのだ。
「それは生活に必要なかったからじゃん。日本にいたって、
アンタが自分を、英語を使うような状況に置いたら今のレベル位にはなってたよ。
太郎をみてごらん。アンタがまめに見せてるディズニーの英語教材DVD
どんだけ役に立ってる?いいとこ、バイバイ、サンキュー、ハロー
じゃないか。それに比べてなんの「教育」もしてない日本語なんか
毎日毎日怒鳴られてるせいで、今じゃ立派に冗談まで言ってるだろ?
そう言う事よ」
マメに見せてるわけじゃないもん・・・。次郎が好きだから
なんとなく見せてる時間が多いんだもん…。
半分本当、半分負け惜しみ(いや、8割負け惜しみか)。
心の中でそう言い返すが、言葉にするほどの根性はなかった。
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「じゃあ、私がやってることは、なんの意味も無い訳?」
熱心にと言うわけではないが、やはり普通に英語のDVDを見せている
私は、
聞いてみる。
「私的にはね。私は英語で苦労したから…
なんて言って 色々DVD見せてるママはただのズボラだね。
その苦労を子供にさせたくないと思うなら、
家庭の中で、自分が苦労してでも英語を使ってやるべきだよ。
でも、まあ、DVDも必要ではあるとは思うけどね」
そう?! そうよね♪
例え今はなんの役に立たなくても、いざ本当に英語の勉強を始めた時、
耳が英語に慣れてれば、学習に取り組みやすいよね!
と言う期待でもって私が顔を輝かせると
ポンのやつ、
にまっと笑って
「こう言う教材系って、廃れないんだよねえ。出版社関係、業績が落ちこんでも
こう言う教材発売すると一気に持ちなおす事もあるし♪
これのおかげで食っていけてる人って少なくないと思うよ。
それに、ママ業もなかなかストレス溜まるでしょう?
こう言う教材集めて
「私って、子供の教育に力入れてるわ〜」なんて優越感とかなけりゃ
やってけ無いでしょう♪」
このやろう的な、トドメの一発である。
私がぐうの音も出なくてムスくれていると、
「だから、留学すればって言われたときも、行かない理由言えなかったんだよね。
アンタって、自分が間違い〜とか思うと、子供みたいにすぐムスくれるから」
4っつも年下の友達に性格まで把握されちゃってる私って…。
かなり情けない。 普通は立場、逆でしょう。
とはいえ、ポンの言う事には、かなり信憑性がある。
私も「たろじろ、英語が上手になるといいなあ…」なんて
ぼ〜っとDVD見せてるだけじゃ行けないね。
すっかりご無沙汰してかなり忘れちゃってる英語ですが、
私が使ってあげる
位の努力はしなけりゃ行けませんな。
ポンよ。実経験でもって教えてくれてありがとう。
…私はやっぱり留学は良い人生経験だったと思っているし、
全部が全部同意できるわけじゃないけれど
でも、やっぱり参考になったよ。
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そういや、ポン。
おまえは相変わらず仕事に行っているじゃないか。
なあんて思ってそれとなく聞いてみると、
とってもナイスな
ショッピングスポットを見つけたんだそうな。
これがまた、私もうわさには聞いていて
興味があったの〜!
え?
やっぱり、普通のおうちのようなところに連れていかれたの??
うお!
でもまさか本当にあるとは…(笑)
今度私も連れていってもらおう。
え?なんのお店かって??
それは、ちょっと秘密です♪
えへへ
最後に、前述の客家ですが、客家語もあれば、もちろん客家料理もあるんですな。
中国料理と言えば、広東料理に四川料理、
上海料理(なんだか台湾名物と
化していそうな小籠包ですが、これも実は上海料理)に、
香港の点心と言った ところでしょうか?
ですが、客家料理もなかなか行けます。
客家民族は中国南部を発祥とする漢民族ですが戦争のため何度も移住を
繰り返してきたことから、
お世辞にも裕福だったと言える
民族ではありません。
むしろ、以前の客家人は「超ケチだ」のイメージが先行しており
(まあ、当たらずとも遠からずな生活だったのでしょうが)
客家の男には嫁ぐな。
嫁にもらうのなら客家の女が良い(節約が身についているので)
なんて言われておりました。
そんな感じですので、私が台湾に来た頃でさえ、
自分を「客家人だ」
と言うのをはばかる人も見うけられましたが
今はだんだん生活が平均化してきておりますので
そんな事もありませんし、
普通に「私は客家人です」と言えるように
なってきていると思います。
そんな客家の料理は
フカヒレや、ツバメの巣と言った派手さはありませんが、
どんな食材でも無駄にしないというか、
とても色んな食材から出来ており
中国の田舎料理と言う感じ♪
個人的には中国料理の中で一番お勧めですよd(^-^)!
中国大陸に行くと訪ねた地方の、そのご当地料理しか食べられない感じがしません
か?
これはあくまで個人意見ですが、海外風味なレストランはあっても、
中国でその地域意外の地域料理を見つけるのって大変。
その点台湾は、何処に行っても中国中の地域料理が味わえます。
もちろん客家菜レストランも沢山ありますので、
台湾に旅行される皆さん、小籠包もいいけど、一食くらいは、客家料理も
おためしになってください。
ふう。
言葉のことについて書きたかった今回のお話ですが
話題はあっちにそれ、こっちにそれ。
なんだか取り留めがなくなってしまいました。
駄文に最後までお付き合いくださって
ありがとうございました。
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