HAMA
◆黒いハマの水車
きのうきた道を、ハマ、ホムスとたどってパルミラへ。
ハマで水車を見た。
オロンテス川の水を高地へ流す装置だ。黒い大きな木の水車が、水をはね散らかしながら、ゆっくり回っていた。
ホムスの街中の信号で、バスがとまった。ひだりてにモスクがある。モスクは19世紀はじめのものだが、シリア地方を征服した、マホメッドの弟子ハーリド・イブン・アルワリドの墓が、ここにあるという。
それにしても、信号にひっかるとは、めずらしい。
ここらは世界ではじめて、粘土板で法典を編んだ土地柄。最古と思われていたハンムラビ法典より、さらに古い粘土板の法典も発見されている。さらに、モーゼの十戒。ユダヤ教やイスラム教の厳しい戒律。規則には、こと欠かない。
この旅で、事故を3つほど見た。交通規則が、どうなっているのか、興味深い。
砂漠を走る。油送管があることを示す、黄色やオレンジや青の標識が、平行して延々とつづく。
はるかに素焼きのツボのようなものが点々と見えた。泥でつくったビーハイブ(蜂の巣)とよばれる砂漠の民の住居だ。しかし、毎年、砂漠の乾燥化はすすみ、彼らは北方へ住居を移しているという。
ゆくての左右に、砂の山脈が低く見えてきた。それが合するあたりに、パルミラがある。
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