◆岩山をのぼってエド・ディルへ
食後、遠い岩山のうえにある、エド・ディル(修道院)をめざした。
石灰岩の岩壁をえぐる、曲がりくねった狭い道。1時間かけて、800段のぼる。といって、整った石段があるわけではない。自然石の段差の数が、そのぐらいあるということらしい。かなりきつい。
観光客をのせたロバがゆく。目線が高くなって、よけい恐いだろうに、と思う。とてもロバ君に命をお預けする気にはならない。
とちゅうに、ライオンの墓というのがある。ライオンのレリーフは消えかかっている。どういう由緒のものか、聞きもらした。
ようやく坂道をのぼりきった。みぎてにエド・ディルが見える。しかし、だれもが、ひだりての岩穴にある休憩所に直行した。まず日陰で冷たいものでも飲んで、休みたいのだ。
岩穴から、エド・ディルを眺める。高さ40m、幅46m。エル・カズネより大きい。エル・カズネのような優美さはない。造作が重厚で、色が黄褐色。だから、名前が修道院なのだろう。
ここも内部はただのがらんどうだ。入口が地面から1.2mほども高く、よじのぼらないといけない。カミさんは、はいるのをパスした。
エド・ディルの正面、休憩所のうしろは低い丘になっている。ここにのぼると、北方の死海が視野にはいる
下りは30分。こんな岩山のどこで草を食べていたのか。黒い羊の1群が、鈴を鳴らして急斜面をおりてきた。
レストハウスで解散。帰りは思い思いに、もういちど見たい場所に立ちよりながら、おなじ道をもどる。もう馬にはのらない。歩きつづける。
けっきょくホテルにつくと、きょう1日のカミさんの万歩計の数字は、28,000歩を示していた。
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