■ブティックについて

平成12年9月

 独立した頃、個別にブティックを訪問させていただいて、コンサルティングの話を持ちかけておりました。すると、興味のあるお店とそうでないお店が非常にはっきりわかれることが分かりました。興味のあるお店は過去に既に、コンサルタントに相談したことがあるお店や、診断士の3次実習に協力した店、店主が船井総研の船井幸雄氏のファンであるお店など、その他に、開店してまだまもない必死のお店や、店員にやる気のある明るい雰囲気のお店です。
 コンサルティングに対して経験のあるお店と、経験はないがなにか得ることもあるんじゃないかと前向きに考えているお店です。
 逆に、あまり興味を示さないお店は、2通りあって、はなからコンサルティングなど信用していない、コンサルタントに何がわかるのか、と思っているお店と、業績不振で完全にギブアップしているお店です。後者のお店は、店に入る前からその雰囲気が伝わってきます。これでは一般のお客さんも来てもらえないでしょう。私も入るのに躊躇しますが、仕事なので、覚悟をきめて訪問します。訪問しても帰ってくる答えは素っ気ない物です。何とか協力したいと思いますがかえってこちらの気合いがなくなります。
 前者のお店は、わたしがコンサルティングについて説明するなり、「もう30年もやっているのよ。」と言ってコンサルティングには無関心です。わたしの考えからすれば、近年のブティック経営は年数は全く関係ありません。ここ数年で、激変してきた業界にどのように対応してきたかが最も大切であると断言できます。いままでの様にメーカーに頼り、売れ残れば返品などと考えているお店が非常に多い。毎日のようにディスプレーを変更して、売れない商品でも売れるように息を吹きかけているお店がどれだけあることかと思います。
 衰退していった多くのブティックはお客にお世辞をいってただ商品を売っているだけでした。商品を置いていれば勝手に売れたので、流行・着こなしの提案など真剣に勉強してお客にサービスすることを怠った。洋服が好きなだけで商売を始めてしまって、景気のいいときは良かったがこのような不況になるとどうすればいいのかわからない状態。そんなお店が非常に多いような気がします。
 在庫の評価減の方法すら知らずに儲かっていないのに税金を一生懸命納めているお店もあります。
 ブティックはサービス業です。商品と共に「空気」を売らなくてはなりません。あるお店は店長のキャラクターを、あるお店は店頭ディスプレーを、あるお店は縫製の技術力を、商品と共に 顧客へ販売してお客様からの支持を得ています。自店は何が「売り」かをもっとつきつめて研鑽していかなければ、お店はつぶれます。「30年やってる」は「売り」にならないと思います。
 


酒販免許の大幅緩和で、業界は空前絶後の大激変  
                     (酒類業研究会 杉本 収/木下安司 編著 「酒販店」 経営情報出版社より)

1.新規免許取得者激増
〜酒販店は消費者に選別される厳しい時代を迎える〜

(1)甘い時代は終わり、酒販店免許は実質フリーに

 つい数年までは、「酒屋さんはうらやましい」と周囲の小売店から羨望のまなざしで見られていた。酒販免許さえもっていれば、家族4人が喰うに困らないだけの収入が確保できたからである。
 しかし、1994年の大手スーパーにおける輸入ビール安売りを契機として、酒類ディスカウントストア(以下、酒DS)が各地にでき、一般酒販店の売上は激変した。そればかりではなく、ビール安売り競争に巻き込まれ、いくら売っても利益が出ない状態に追い込まれ、今や、青色吐息で商売を続けているお店が少なくない。
 そのような状況で、酒販業界が壊滅するのではないかと思わせるような激震が走った。それは、1998年3月31日に国税庁長官より出された、酒流販売業(小売業)免許の規制緩和である。今まで免許制度で保護されていた酒販業界が、実質的にはほぼフリーで酒小売ができるできることになったと言えよう。この結果、多くの新規参入が予想され、大変厳しい競争の嵐に巻き込まれることとなったのである。
 なお、今回の酒販店免許改正は、小売業のみであるが、卸売業も数年後にはやがて、フリーの時代になるだろう。当面は、激動する酒類小売業界にどのように対応していくかを考えることが重要である。それと同時に、自社の経営の方向性をしっかり見据えていないと、卸売業もやがて、激動の波に巻き込まれ、消え去る会社が多く出ることは間違いない。

(2)改正後の酒類販売業免許制度はこうなる。

 @需給調整要件の変更

  ●距離基準は、既に廃止された。・・・自店の隣に競合店ができる!
   今までは、既存の酒小売販売場との距離が、一定以上離れていなければ、大型店等の特例を除き、新規免許は下りなかった。販売地域の格付けによって差はあったものの、既存店との距離が100〜150m必要だったのである。他の要件を満たしていても出店できなかった。すぐ近所に競合店ができないよう法律で保護され、のんびりと商売できたのである。
  ●人口基準は2003年(平成15年)9月1日をもって廃止・・・酒類取り扱い小売店数が激増!
   販売地域の格付けによって、一定人口数に1店舗しか許されなかった。その基準は、東京都の特別区や人口 30万人以上の市など、いわゆる大都市では人口1500人に1店、中都市では、1000人に1店、小さな町村等で 750人に1店と言う基準人口がd設定され、免許が付与されていた。
 つまり、仮に、人口5万人の中都市に、既存の小売店が50店あったなら、大型店等の特例を除き、絶対に酒小売免許はおりなかった。これが、2003年には、撤廃される。

 A人的要件の変更

   申請者と販売責任者それぞれに対して、未成年者飲酒防止にかかる適切な酒類販売について指導する旨が規定された。また、申請者の販売能力については、販売数量の基準の要件が削減された。しかし経営姿勢および販売体制にかかる事項の例が具体的に列挙されるなど、社会的要請に応えようとする姿勢が一層強くなっている。

2.他業種、他業界からの参入が増加し、従来通りの営業方法では生き残れない。

 今回の酒類小売免許制度の改正は、酒類業界と関係のない者から見ると、さほど大きな改正に見えないかも知れない。しかし、酒類小売業の現場ではまさに「大激震」である。各種規制の恩恵によって、競争の嵐に巻き込まれず、長年、平穏な商売を続け、今まで生き残れた数多くの酒販店が存在していたことは間違いない事実である。
 これらの店舗にとっては、新規に免許を取得し市場参入してくる競合店が増加することで、経営を根本から揺るがされることになる。策を持たず時を経れば、多くの一般酒販店が経営不振や廃業に追い込まれることは必死である。
 ここ数年の低価格による酒類販売の流れで、酒類事自体は大きな粗利益を稼げる商材とは言い難くなった。しかし、酒類は関連販売(クロスマーチャンダイジング)の素材としてはまだまだ大きな魅力を持つものであり、新規取り扱いに意欲をみせる業種も多い。
 量販店、コンビニのみならず、新規取り扱いが考えられる他の業種・業態店の参入について考えてみる。
 ”店にちょっとしたスペースの余裕があるから酒でも置いてみるか”、と安易に考える店には免許はh付与されない。免許付与には場所的要件の規定がある。
 新規免許の基準として、「申請者の営業が販売上の企画割り、専属の販売従事者の有無、代金決済の独立性その他販売行為において他の営業主体の営業と明確に区分されない場合には場所的要件を満たさない」と規定されている。(場所的要件)
 とはいうものの、各種人的要件(注)をクリアし、販売スペースの確保、レジの分離、販売員の設置の体制づくりを実現すれば、免許付与条件を満たすため、数多くの業種業態が参入してくることは間違いない。特に食品関連の業種店であるパン菓子店、食品専門店、米穀販売店など、10万店近い最寄り店で、更なる商売拡大の可能性を求める者はこぞって参入してくる。
 また、酒DSは、量販店との競合によって、個店レベルでは厳しい環境を迎えそうだが、新たにドラッグストアやホームセンターからの参入が見込まれ、酒販のチャネルとしてはそこそこのシェアは確保しそうだ。しかも酒DSは、ここ 10年来のミスマーケティングを経験しているだけに、単なる価格偏重型の戦略を破棄し、今後は酒専門化による専門店カテゴリーキラーに転じる可能性は高い。
 

3.消費者の選考基準が変わってきている。今後の経営は、業態の明確化がポイント

(1)特定商品専門店
 @酒類に対する期待は大きい。
 A独自性を発揮する。

(2)食文化提案型店

(3)デリバリー機能強化店