8月28日(金) ランスとパリ モンマルトルの丘2017/6/25 この日はまた足を延ばして、これまた世界遺産があるランスへ向います。しかし今日はもう夜にはフランスをたって帰国の途につくので、朝チェックアウトしてまず荷物を空港往きのRERが出る北駅のコインロッカーに預けます。 北駅のコインロッカー入り口 サン・レミ聖堂TGVでかつ直行な(途中どこも止まらない)のでパリから45分ほどでランスに着いてしまいました。距離的には昨日行ったプロヴァンより遠いのですが時間は半分です。とりあえずバスに乗って、駅から一番遠いサン・レミ聖堂まで行きました。ランスでは街全体が世界遺産になっている訳ではなく、この後見るノートルダム大聖堂とその横にあるトー宮殿、及びこのサン・レミ聖堂の3箇所だけが世界文化遺産に登録されています。
ノートルダム大聖堂ランスのシンボルノートルダム大聖堂です。正面が一部工事をしていたのが残念ですが、これくらい仕方ないですね。
816年にルイ1世が初めて戴冠式を行ってから、1825年のシャルル10世に至るまで、25人の王が現大聖堂で聖別を受けています。大聖堂で戴冠式を行った王には、15世紀ジャンヌ・ダルクに連れられて聖別を受けに来たシャルル7世については特に有名ですが、ルイ13世、ルイ14世、ルイ16世などその後のお歴々もいます。
大聖堂の隣にあるトー宮殿も世界遺産とのことですが、少なくとも外観は何てことないです。中にも入ってませんが。 パリに帰ってきました。今回の旅行で数え切れない程乗った地下鉄の写真を一枚も撮ってなかったことに気づいたので撮りました。 パリ モンマルトルの丘地下鉄の工事中駅が多く、直線距離的には大したことのない東駅からモンマルトルの丘まで1時間くらいかかってしまいました。 モンマルトルはパリで私が最も好きな界隈です。パリに来るたびに必ず訪れます。 いつのまにかモンマルトルの丘を登るケーブルカーができてた、と思ったら調べてみると100年以上前からあるとか。モンマルトルは3度目なのに初めて見ました。99年はえっちら階段を登ったけど、もしケーブルカーがあるのを知ってたら乗ったのに。
モンマルトルを去り、旅の最後にお世話になったアパートの近くのチュイルリー公園でゆっくりしました。
この後「ひぐま」というパリで老舗といえるラーメン屋で、少し早い夕食をとって、帰国の途につきました。 パリ北駅について、預けておいたコインロッカーから荷物を出して、シャルル・ド・ゴール空港までのRERの切符を買いに向います。 しかしここで、旅の最後の最後にすこぶるいやな思いをしました。昨日、RERの切符の買い方を下見しておいたのは書きました。しかし何と自動発券機がどれも紙幣が使えないのです。沢山自動発券機があるのにどれもです。シャルル・ド・ゴールまで3人で30ユーロ(約4,000円)です。旅の終わりにこんな多額のコインなど持っているはずがありません。しかもクレジットカードは使えるのですが、ICチップ付きのものしか使えず(これはパリでは殆どそうでしたが)、我々は持っていませんでした。人がいる窓口もありませんし、何と両替機すらそばにないのです。正直途方にくれました。 こういう事態を避けるために昨日わざわざRERチケットの買い方の下見までしたのに、紙幣が使えないということまで確認してませんでした。不覚でしたが、仕方ないです。これまで紙幣が使えない自動発券機などどこにも無かったのでチェック項目になってなかったからです。 そんなとき、とある黒人が同じように困っている韓国人観光客に代わりに購入してあげていたのです。その黒人が私たちにも代わりに購入をしてあげると言って、何やら専用のカードを使って切符を購入してくれました。そしてその費用として30ユーロを渡しました。もっとも渡すというよりは財布から30ユーロを出したら勝手にそれをひょいと取っていった感じでした。その後その黒人はこっちこっちというジェスチャーをしながら、改札に入って行って見えなくなってしまいました。 家内は、当初からこの黒人を怪しんでいました。なぜ駅員でもないのにこんなに親切にするのか。更に購入してくれた切符を見ておかしいと言いました。普通の地下鉄の切符と全く同じだと言うのです。その上、黒人は行ってしまった。これは詐欺だと主張します。 しかし私はまだ信じていました。RERの切符と地下鉄の切符が似ていても不思議はないと思ったので、この切符を使って行こうと主張しました。でも家内は明らかにこの切符はただの地下鉄の切符だと主張します。もしRERの切符でなかったら、ここでは入れるが、下車駅で出られず多額のペナルティを取られます。 仕方なく先ほど荷物を出してきたコインロッカーのところに両替機があったので、そこまで家内が戻って紙幣を両替してきました。そして正規の切符をコインで買いました。やはり家内の言うとおり、RERの切符は、地下鉄の切符とは明らかに違うものでした。黒人が買ってくれた切符はただの地下鉄の切符だったのです。これで騙されたことを私もやっと確信したのです。間違った切符で乗らないで良かったです。 それにしてもこのことは、これまで何事もなく過ごしてこれた旅行の最後の最後に起きたので、金額云々よりも非常に悔しくてたまりませんでした。しかもこの後RERに乗りながら、家内が確か似たようなことが地球の歩き方に書いてあったといって、その記事を探したところ、何と全く同じ被害の記事だったのです。その記事自体はそばにいた警官のおかげで事無きを得たというものでしたが、状況(紙幣が使えなくても困っていたなど)や手口(巧みに言い寄って変なカードで買ってくれるなど)は全く同じでした。 家内もいろいろなリクスをガイドブックやWebの口コミなどから入手して、万全の準備をし、旅の間もずっと細心の注意を払ってきました。それでもさすがに全リスクを完全に記憶しておけるはずもないのですが、非常に悔しがったのは言うまでもありません。 それにしても恨めしいのが、あのRER切符販売の仕組みです。そもそもなぜここだけ紙幣が使えないのか。小さな地下鉄駅の自動発券機ですら使えたのに、RERのように比較的長距離で高価な切符の販売機で、北駅というメインステーションですよ。その上、両替機もそばにない、窓口もない。クレジットカードはICチップ付きしか使えない。この状況を詐欺師は完全に利用しているのです。 このような詐欺、犯罪の温床になる仕組みをなぜ改善しないのでしょうか。どうぞ詐欺師さん活躍してくださいと言っているようなものです。返す返す腹立たしいです。 これで旅の楽しさはすっかり興ざめしてしまい、息子などは二度とフランスには来たくないとまで言ってます。 旅慣れていたつもりでいても、最後の落とし穴に落ちてしまいました。金額はたかだか4,000円です。しかし金額ではありません。旅慣れた者のプライドが傷つけられたということでしょうか。まあ慢心を諌めるいい経験(授業料)と受け取る他ないですね。
08:30 アパートチェックアウト |