Celeron自作(2000年友人用)2017/11/25 舞い込んできた自作機会昨年1999年にCeleronで自作をしてから約1年、やはりボチボチ、パーツのアップグレードはしてきましたが、さすがにまたパソコン一式自作するほどの動機も機会もありませんでした。 2000年4月、そんな時飛び込んできたのが、家内の友人からのパソコンが欲しいという相談です。そろそろパソコンを始めたいのだけれどお金はあまりないので、とにかく安くて、とりあえずインターネットくらいできるパソコンが欲しいとのこと。ショップランドや直販メーカーを薦めても当然良かったのですが、自作をすれば若干安く済みます。勿論手間を考えると自作よりショップブランドなどの方がいいのですが、そこは私なら自作をしたくてうずうずしているのですから渡りに船です。二つ返事で自作を引き受けたのは言うまでもありません。4年連続自作ができて、喜び勇んで計画を練りました。 因みに当時私が住んでいたのは東京都町田市。厳密な住所的には神奈川県相模原市にでしたがJR町田駅からはたった4分ほど。そのためJR町田駅前のヨドバシカメラと小田急町田駅近くのソフマップがこの頃のパソコン部品調達先の中心でした。もう遠い秋葉原に行くことはめっきり減っていました。 方針決め今回はとにかく安くあげることが命題です。これはこれで面白いです。勿論それでもそれなりのパフォーマンスを追求する。なかなか自作冥利に尽きる命題です。 まずCPUは何にするか。この頃ハイエンドモデルではPentiumIIIとAthlonが壮絶なクロック競争を繰り広げていました。ちょうどAthlonがx86CPU史上はじめて1GHzを達した時で、鼻差でリードしていたというタイミングでしょうか。 一方エントリーモデルはやはりCeleronとK6-2がデッドヒートを繰り広げてます。1999年1月15日にCeleronが533MHzに達すると1月29日にはK6-2が追いつくといった様子でした。 因みに1年ほど前にAMDからK6-IIIが出るのですが、これは失敗に終わります。内容的にはCeleronに引き続きCPUコア内蔵の2次キャッシュを搭載し、しかもCeleronの128kBに対して256kBを載せてきて、従来のマザーボード上(フロントサイドバス)のキャッシュは3次キャッシュとして使うという画期的なものでした。 これは新時代を築くかと思ったのですが、時期尚早だったようです。当時の0.25μmプロセスでは256kBという大きな内蔵キャッシュはやはり相当の歩留まりの悪さを招き、ハイエンド並みの価格から一向に下がらず、クロックもなかなか上がりませんでした。最終的にも450MHz止まりでした。結局Athlonが登場して存在意義が薄れ、静かに消えていきました。 そのため良いものを安くという命題からするとエントリークラスでデッドヒートをしているCeleronかK6-2の二択ということになります。いずれも私としては自作実績があり、どちらでも良かったと思うのですが、Celeronにしています。あまり記憶にはないのですが、CeleronはPentiumIIIと同じマザーボードが使えたので、マザーボードの選択肢が若干K6-2より広かったからかもしれません。 パーツ選びIntel Celeronにするとしてもクロックはどれくらいにするか。丁度この頃CeleronもCoppermine版が登場してました。しかし当然それは若干高いです。そのため従来のMendocino最後のクロック533MHzにしました。価格も税込みでも1万5千円切っていました。
[Intel Celeronプロセッサー Mendocino 533MHz] 次にマザーボードですが、ABITのVA6という製品を選んでいます。VIAのApollo Pro133というチップセットを積んだSlot1仕様のマザーボードでした。今さらなぜもう3年も前に登場したSlot1仕様なのかというとPentiumIIIのCoppermineが出て、Socket370仕様になったのは昨年末。Slot1が時代遅れになってからまだ4ヶ月ほどしか経っていませんでした。結構息の長い規格だった訳ですが、ちょうど入れ替わりの時期ということで前仕様のSlot1マザーボードは在庫をはきたい状況なので、かなり安くなっていました。 前回自作同様にSocket370→Slot1変換アダプター、通称ゲタが必要ですが、これを追加してもまだ安かったのだと思います。アダプターはマザーボードと同じメーカーのABITのSlotketIIIという製品を選んでます。あまり選択肢はなかったものと思われます。 ただ実は最初に買ったマザーボードはこれではありませんでした。日記などにちゃんと書いてないので最初のマザーボードは何だったのか分からないのですが、とにかく当初はこれではないマザーボードを買っており、これは2枚目なのです。その顛末は後程。 一応パソコン一式買いそろえているので当然他にも沢山選んでいる訳ですが、特筆すべきものはないのでこれくらいにしておきたます。但し最後に一つだけビデオボードを挙げておきます。 Creative Labsという、どちらかと言うとサウンドカードで有名なメーカーのビデオボードGraphic Blaster TNT2というモデルを選んでいます。とにかく安いものを選んでいるのでこれと言った特徴はありません。製品の特長というよりはこの後ちょとこのAGPのビデオボードが問題になるので、ここで取り上げておきました。
[Creative Labs Graphic Blaster TNT2] 組み立て4月22日(土)朝9時半、まずは価格調査のためヨドバシとソフマップを回りましたがPCケース以外のパーツをソフマップで購入することにしました。なるべく統一した方が問題発生時に相談しやすいからです。午後2時に家内の友人と待ち合わせてソフマップへ。因みに家内の友人はもう一人お友達を連れていました。ソフマップで購入予定のパーツを買い、ヨドバシへ行ってPCケースを購入。すぐに帰宅して組み立てを始めました。 組み立て自体は特に問題なくできたのですが、何といきなり起動しない。いろいろやってもだめなので、4人でソフマップへ。こういう時殆どのパーツを同じ店で、かつ近所で買っていると助かります。相談したところ、見てくれるけど2時間後とのことなので、もう遅いのでお二人には帰ってもらいました。 夕食後家内と二人でソフマップへ行くと、どうしてもだめみたい。理由や詳しい状況、症状は覚えていませんが、結局マザーボードは返品することとして分解をお願いして、ヨドバシに向かいました。こちらで買ったのが先のABITのVA6でした。なぜ店を変えたのかは全く覚えていません。(日記の記述通り) ソフマップへ戻り、ばらした他のパーツを受け取って帰り、また早速組み立てました。しかしまた起動しないのです。今度もいろいろ刺し直しなどしてもだめです。この日は諦めました。 翌朝家内と二人で今度はヨドバシに持っていきました。1時間ほどみてもらっている間にまわりをうろちょろして戻るとソケットの設定だったとのこと。このソケットとは変換アダプターのことだと思うのですが、どういう設定だったかは覚えていませんが、マザーボードを替えたので、設定も替える必要があったのでしょう。 とりあえずほっとして持ち帰り、早速起動してみると、何とまた起動しない。が〜ん。一体今回は何なのだ! しかしいろいろやってみると、どうもAGPのビデオボードをしっかり刺さないと起動しなさそうだということが分かってきました。
[Creative Labs Graphic Blaster TNT2] マザーボードがいけないのか、ケースの精度なのか、ビデオボード側の問題なのか分からないのですが、ちょっとビデオボードを動かしてみると起動したりしなったりするのです。一旦動く状態にして、そっとしておけば問題ありません。 とりあえずこの状態で友人には引き渡しをしました。 しかしこれではまたちょと動かすとどうなるか分かりません。そこでまた会社からPCI接続のビデオボードを調達してきました。翌週4月29日(土祝)に友人宅に伺って、ビデオボードを交換しました。すると最初はまた起動しないのです。これは何とかなったようです。何を対処したのかは日記にも詳しく記述されていないので覚えていません。 ただこの後は問題を引きずった記憶もないし、日記にもそのような記述はないので、とりあえず解決したのでしょう。 二度と人のためにはそれにしても今回の自作は心痛がひどかったです。これまでで最悪でした。自分用なら何があっても最後は自分が納得すれば諦めることもできますが、人のものなのでそういう訳にいきません。友人から作業費をもらっていた訳ではありませんが、部品代は友人が拠出しているので、やはり作れませんでしたという訳にはいかなかったのです。 私もそうですが家内も自分の友人ですから、それはそれは心配しており、特に自分ではどうしようもなく、私を信じ、頼るしかないので、尚更もどかしく辛かったでしょう。 この後、親戚、親類も含め、二度と人のためにパソコンを作ることはありませんでした。記録が少なく、一体どんな教訓を学んだのかが分からないのも残念ですが、とにかく人のためにはパソコンを作らないという点だけは強く肝に銘じたのです。 尚、今回自作の副産物として、前述のビデオボードGraphic Blaster TNT2と以下のサウンドカードSound Blaster CT4810 PCIが手元に残りました。 [Creative Labs Sound Blaster CT4810 PCI] ビデオボードは前述のように会社から持ってきたPCIボードに置き換わったので余った訳です。一方サウンドカードは、よく覚えてないのですが、最初のマザーボードにはオンボードのサウンド機能が無かったので買ったのですが、次に買ったマザーボードABITのVA6にはオンボードサウンドが付いてました。 VA6のバックパネルを見るとオンボードサウンドがついているのが分かります。そのため余ってしまったのでしょう。ビデオボードもサウンドカードも本来友人に渡すべきですが、恐らく全く使うことはないでしょうから、もらっておきました。 この2つが手元に残ったとは言え、別に欲しかったものでもないので、今回の心痛の代償としてはあまりにも安過ぎます。 以下に今回自作時の購入分を纏めておきます。
実際、最終的な友人のパソコンに付いてないものは色分けしてますが、とりあえずかかった費用として計上しています。ただなぜかPCケースの価格が記録にありませんし、恐らくディスプレイも買っているはずですがその内容、価格も記録にないでの計上できてません。恐らくこれに+4万円はかかったはずです。 まあ10万円を超えてますが、当時としては十分安くあげることができたとは思います。それだけが救いです。 Celeron自作(1999&2000)のトップページへもどる パソコン自作奮闘記のトップページへもどる パソコンのトップページへもどる |