「れっつ・ぷれい! とらんすれいと!」
〜その3;実践編〜
みなさんこんにちは。マッコイです。海外RPGの訳し方も、もう3回目になりました。
そんなわけで今回は、実際に英文の訳し方をやってみましょう。ちょっと横文字が多いけど、まあ、クイズ感覚でお付き合いください。それでは!
1.例文登場!
THIS GAME IS FANTASY
The action of a Dungeons & Dragons game takes
place in the imaginations of the players. Like actors in a movie, players
sometimes speak as if they were their characters or as if their fellow players
were their characters. These rules even adopt that casual approach, using “You”
to refer to and to mean “Your character.” In reality, however, you are no more
character than you are the king when you play chess.
Likewise, the world implied by these rules in an
imaginary one.
ふううう! なれない英文タイプはたいへんだあ! 実はこれ、D&D3rdのPlayers Handbookの序文にあるコラムです(もし持っている方は、6ページ目の右下をご覧ください)。いろいろ観念で訳し方を話していてもしょうがないので、実際に例文を基にしてみることにしました。
え? こんな長い文章、もうだめ? やっぱり英語なんて訳せないって?
まあまあそんなこと言わずに…。自動翻訳ソフトにかけてみましょう。とお!
このゲームはファンタジーです
ダンジョン&ドラゴンゲームの行動はプレーヤーの想像力において起こります。映画の俳優のように、まるでそれらがそれらの文字であったか、または、それらの仲間プレーヤーがそれらの文字であるかのようにプレーヤーは時々話します。これらの規則は、平均に、および平均「あなたの文字。」に参照するために、「あなた」を使用してその偶然のアプローチを採用しさえします。しかし、実際、あなたがチェスをする時にあなたが王ではないことと同様にあなたは文字ではありません。同様、架空のもののこれらの規則により暗示されている世界。
あははははは。こりゃだめだ。最初はまだいいけど、後ろに行くにしたがってめちゃくちゃだあ。
結論を先にぶっちゃけて言っちゃえば、あまり自動翻訳ソフトって当てになりません。いや、開発に関係している方がいたらごめんなさい。でもゲームは専門用語が多く(例えばClassは一般世界なら「階級」と訳されます。「職業」なんて言葉に変換されるのは、まずTRPGくらいでしょう。Turn, ZOCなどもゲーム用語ですよね)、普遍的な文章に変換してしまう翻訳ソフトでは、どうしても的外れになるってことです。
というわけで、自分の頭で何とかしてみましょう。例文を細切れにしてみます。まずはピリオドで…落ち着いて落ち着いて…
2.翻訳開始!
@THIS GAME IS FANTASY
AThe action of a Dungeons & Dragons
game takes place in the imaginations of the players.
BLike actors in a movie, players sometimes speak as if they were
their characters or as if their fellow players were their characters.
CThese rules even adopt that casual approach, using “You” to refer to
and to mean “Your character.”
DIn reality, however, you are no more character than you are the king
when you play chess.
ELikewise, the world implied by these
rules in an imaginary one.
ピリオドで分けてみれば、この段落は6つの文になります。
まず文@;「このゲームはファンタジーである」って言ってます。ここでピンと来た人はかーなーりーのーマーニーアー(笑)。昔々の1979年、D&Dに傾倒しすぎた米大学生が現実とゲーム世界の区別がつかなくなって、失踪してしまうという事件が起きました(これを「エグバード事件」と言います)。どうやら、それを戒める文章のようですよ。だいたい電子辞書があれば意味がわかる単語ばかりなので何とかなりそうです。
文A:主語はどこでしょう? The action of a Dungeons & Dragons gameですね。とすれば述語はtake place。これは「起こる、発生する」という熟語です。主語と述語がわかれば、もう大丈夫。
文B;この中でいちばん難しそうですね。長い文で単語数も多いですし、なんか複雑そうですよね。ゆっくり見てきましょう。まず最初のLikeは「好き」じゃなくて「〜のように」という意味。ダメですよ「映画の中の俳優を好きになれ!」なんて訳しちゃ(笑)。次が息を継げないくらい長い部分ですが、よーくみるとas
if(まるで〜のように)が2つあり、その間にorが挟まっています。どうやら下線部2つは、同格で並ぶみたいですね。で、それら全部ひっくるめて述語speakを修飾するもののようです。
players sometimes speak as if they were their
characters or as if their fellow players were their characters.
直訳すれば「ときどきプレイヤーは、まるでキャラクターのように、またはキャラクターがプレイヤーの仲間のように会話する」となります。うーん、ちょっと回りくどいですので、あとでもっと意訳しましょう。このAorBというかたちは、長文に比較的多いです。
文C;これもなかなか難解かも。まずevenは「〜でさえも」という訳にしときましょう。そうすれば「これらのルールであっても、より堅苦しくないアプローチを取り入れている」と訳せます。後半は? to
refer toとto meanが並んで同じ意味っぽいので、to meanだけ採用してみましょう。「“あなた”とは“あなたのキャラクター”を意味している」となりますね。
文D;However(「しかしながら」の意味)!! この単語を知っておけば、英文翻訳はもう大丈夫ってくらい重要な単語です。一般にTRPGのルールブックにおいて、逆説的表現を行うときはButではなくHoweverを用いるみたいです。文頭においたり、今回の例文みたいに2番目に挿入したりしていますが、ようするに今まで述べてきたことに対して、がらっと反対意見が入るってことです。
文E;Likewiseは「同様にして」という意味。oneは「1」ではなく「そのもの(ここではworldになるかな?)」ですからね。あしからず…。ちょっと文章にしにくいですけど、まあここまでくれば気合でやっちゃいましょう。
3.Take it easy!! 日本語らしくしてみよう
さあ、どこかしっくりしないぎすぎすした部分を丸くして、すこし日本語らしくしてみましょう。ちなみにマッコイはこう訳してみました。
このゲームはファンタジーである
Dungeons&Dragonsの全ての行動は、プレイヤーの頭の中で行なわれる。映画俳優のように、時折プレイヤーは自らをまるでキャラクターのように、またはキャラクターを自分の友達のように話すだろう。この本に示されているルールは、より親密にあなたがアプローチできるようにしている。つまりここで書かれている“あなた”とは“あなたのキャラクター”と同じ意味なのだ。しかしながら、現実において、例えばチェスでキングの駒を動かすときに、あなたはあなたでしかなく王様ではない。
同様にして、これらのルールによって意味をなす世界もまた、想像上のものである。
ちょっとくだけすぎ? まあ大意は合っているので、良しとしましょう。もっと的確に訳せる文章力がマッコイにあればいいんですけどね。今はこんなものでしょう。
まとめると…
ポイント@ 長いセンテンスでもパニックにならず、ピリオドに分けて見る。
ポイント@ 文の中で主語と述語をみつける。
ポイントA 長い文だったら、AorBまたはAandBのかたちがあるかもしれない。もしあったらAとBの範囲を的確につかむ。
ポイントB However, Likewiseなどの単語で、文章の大意がどう変化するのか予測しておく。
ポイントC (これ大事!)現在進行形とか過去形とか、時制はあんまり気にしない。とにかく大意が通じればよしとする。受身形だの名詞/形容詞/副詞的用法なども同様に。
ポイントD (これもっと大事!)あまり細かいことは気にしない。大切なのは「全ての単語をどう正確に訳すか」ではなく「みんなで遊べるように、その文章をどうわかりやすく日本語にするか」ということ。
ようするにTake it easyの精神で、頭を柔らかくしていきましょう。世間には「超訳」なんて言葉が出回っていますが、「適当な訳」つまり「適訳」でいいと思うのです。私達はそれで出版してお金をとるわけじゃなく、ただ仲間で遊びたいだけなのですから。
というわけで、今回もおしまいです。次回は最終回。翻訳をするにあたって気をつけること(著作権法や心構えなど)を中心に述べてみたいと思います。それでは!