Fading Sunの世界

これは、Holistic design社から発売されているSFRPG「Fading Sun」(日本未訳)の世界設定資料です。更新は訳の進行状況により不定期です。ご了承ください。

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その歴史 History

 ウンワールド(Known World)における人類の歩みは、足かけ二千年紀にわたる激動の歴史である。貪欲なコロニー入植者による初期開拓時代から、血みどろの皇帝戦争(The Emperor Wars)まで、宇宙において平和な時代は滅多になかった。人類は繁栄し、挫折し、そして再び希望を見出そうとしている。さらに言えば、人類は歴史の経過をただ孤独に歩んできたわけではない。この長い歴史は亜人種(Alien races)とともに歩んだ道程であり、そして未来も彼らと共にある。なぜ我々はこの星々で生きているのか、その始まりから見ていくことにしよう。

 

前史時代 Prehistory

 類が宇宙に進出するまでの歴史は、ほんの断片として残っているにすぎない。ウル=オブン(Ur-Obun)族やウル=アカ(Ur-Ukar)族などの亜人種の歴史記述に人類が登場する以前の期間は、第二共和政の考古学者やフォウ(Vau)が生半可な知識で謎の古代文書を解析しようとしているが、その結論ははなはだ疑問である。

 これらの伝説と、惑星改造の際に行われる地表修復作業時に見つかる遺跡などにより、考えられる限り2つの推論が導き出される。一つ目は現存する種族よりもはるかに高度な文明を持っていた、今は絶滅している亜人種がいたということ。そして二つ目は、この仮定の亜人種は、この宇宙にジャンプゲート(Jumpgate)を残していったということである。彼らについて解ることは皆無に近い。太古の遺跡やジャンプゲートにおいて、天使と悪魔の両方の外観を併せもった石像(その地点を守護していると思われる)が、発見されるのみである。

 この太古の謎の亜人種は、アナンナキ(Anunnaki)またはプレアダマイト(Preadamites)と呼ばれている。彼らはまたウル(Ur:初期人種)としても知られており、学者たちはこれらのうちどれか一つ、おそらく一番歴史の深いウルがジャンプゲートを建設したのあろう、という仮説をうちたてている。ジャンプゲートを建設したウルは、ジャンプマスター、ゲイトキーパー、インセプター、アーキテクツなど、現在さまざまな名で呼称されている。これよりも若い種族で、今も存続しているウル=オブン族やウル=アカ族の伝承においては、このウルの一種族は“成功者”または“収奪者”として名づけられている。彼らの神話によれば、太古において定命の者を守護してくれた神々と、逆に災いを与えつづけた神々とが、二つに分かれて争ったとある。考古学者たちは、この“神々”という記述は、彼らの記憶の中にある何かの隠喩を示すのではないか、と考えている。

 この神話が生まれた発想の元として、前史時代に超科学力を持つ亜人種が戦争を繰り広げたとされる物理的根拠がある。前述したジャンプゲートや彼らの遺跡には、遥かなる過去の時代に破壊が行われたとされる痕跡が確かに見うけられるのである。これらの遺跡はそこにいた生物が単にこの場所を放棄したのではなく、戦争によって崩壊させられたことを示している。高技術の熱線兵器---おそらくフュージョンガンまたは爆弾---によってきれいに溶解された切断面は、たとえ惑星規模の大変動が起きたとしても、自然現象としては証明できない。A.D.100年頃におけるこの大規模な戦乱を境として、アナンナキは確実に歴史から姿を消した。残されたウルの子孫たち(The Children of the Ur)は、彼らを庇護していた亜人種、そして災厄をもたらしていた亜人種から、見捨てられてしまったのである。

 ウルの子孫たちは、先駆者であるアナンナキと接触していた唯一の種族というわけではない。その証拠はジャンプゲートや、それだけでなくゲート近在の惑星にも見うけられる。ジャンプゲートにおいてウルの子孫たちが外来者に対するチェックを行っていたような痕跡や、彼らの神話上の記述で、異種族と何らかの会話を交わしていた小さな都市遺跡が実際に発見されていることなどが、この宇宙にいる人種は彼らだけではなかったことを示している。たしかに、人類を含む大部分の人種は、彼らの文明発達の過程で、アナンナキとの接触及び影響を受けていたことを認識している。しかし、この謎の亜人種がどのような目的を持っていたかまでは知る由もない。

 アナンナキの最大遺産は、彼らが有していた科学技術力である。ジャンプゲートは人類やウルの子孫たち、そしてフォウ族に対しても開かれていたのだが、それらは未だ神秘の影に隠されていた。人々はジャンプゲートの淵にいる守護像を畏れ、決してその中に踏みこもうとはしなかったのである。

 

第一共和政 The First Republic

 類の宿願であった世界統一政体は、ついに22世紀初頭に実現した。人類統合に向かう世界の時流の中で、死に物狂いであがいていた過激民族主義者による争乱が約10年間あったものの、人々は平和の代価として支払われる民族的自立を喜んで投げ出し、数年間でこの民族暴力主義は疲弊していった。

 第二共和政下の歴史家たちは、第一共和政(The First Republic)なるこの時代を「人類統合時代(Human Combine Age)」と名づけている。この政体の下では企業のコングロマリット化及び多国籍化が進行した。富の蓄積に血道を上げた資本家たちは、自分たちがライバル企業相手に利潤追求のボーダーレスな戦争に巻き込まれたことを、はっきりと認識したのである。世界政府の主導権は、初め国際連合(国連:United Nation)が握っていたのだが、やがてこれら“ザイバツ(Zaibatsu)”が政治をも支配することとなる。第一共和政の発足当初、立法議員は国連に加盟していた国家の代表で組織されていたのだが、力をつけたザイバツの代表者がこれに取って代わった。彼ら多国籍企業の資本の流れは、国家にとって大きな経済問題となっていったのである。最終的には、一般大衆の選挙による議員選出すらも夢想となり、第一共和政下で選挙権を持つ者は、特定企業のトップ階層のみとなってしまった。そして企業のポリシーがそのまま政治の方向性となった。政府によって認可された企業が発行する社章は、強大な警察権を持ち、さまざまな市民生活上の特権をもたらすシンボルとなった。それでもなお、この時代の人々は自分たちの政治組織を“共和”政体として位置付けていたのである。

 第一共和政の基本的政策としては、人口増加のはけ口として、そして枯渇しつつある地球資源の代替地として、ニューフロンティアが常に要求されていた。企業体は宇宙に目を向け始めたのである。最初は月で、月面開発基地が時を置かずすぐに建設された。続いて火星。最初は失敗ばかりであったが、人類はついにこの赤い惑星に下り立ち、厳しい自然の手厚いもてなしを受ける。これらの植民地に埋蔵されている莫大な資源を掘削するための動力源として、ソーラーシステムがこの時代に多用された。

 さらなる誘惑として、遠く離れた星々への植民計画が長期的な視野の下に開始された。光速以下で航行する宇宙船に乗りこみ、遥か未来において今まで閉ざされていた星系に到達させるという気の長い計画である。にもかかわらず人々は、地平線の向こう側にある新しい世界への遠征隊にこぞって志願した。このような計画は2種類あり、一つは乗組員が船内で小世界のように生活し、やがて子や孫といった彼らの次の年代に希望を託すジェネレーション・シップ(Generation Ships)である。そしてもう一つは、乗組員を冷凍睡眠させて自動航行するディープスリープ・シップ(Deep-sleep Ships)である。今生の別れになることを覚悟の上で、愛する者たちにさよならを告げた彼らであったが、子孫たちは必ず新しい世界に到着してくれるという希望を抱いていた。これらの宇宙船は遠縁にある星々の光に向けて発射され、空虚な闇の中へ旅立って行った。

 その後24世紀に入り、とうとうジャンプゲートが発見されることとなる。太陽系の外縁を回る冥王星の近くに浮かんでいたそれは、遠い過去の時代において亜人種が建築した、驚嘆すべき建造物であった。

 

ジャンプゲート The Jumpgate

 ャンプゲートは、人類が未だ出会ったことのない異種族の生活技術をさし示す、興味深いモニュメントであった(長い間政府によって隠蔽されていた火星遺跡は例外とする)。それは“力が低下”しており、稼動している証拠はどこにもなく、発見者を当惑させた。しかし熱い議論の末、ついに探査班はこのゲートを再び活動させるトリガーを見つけ出したのである。輪の中に見える向こう側の宇宙は星の光が屈折して見えた。そしてこの亜人種が見た、遥か彼方の星系を映し出したのである。

 これはアナンナキによる人類への、最初の確たるサインであった。地球に住む人々は自分たちが宇宙へ進出した唯一の生物ではないこと、そして自分たちの技術がこの謎の建造物に比べ卑小なことも悟ったのである。しかしこれら一連の出来事は人類のフロンティアスピリットを迅速に呼び覚ました。ザイバツは畏れとともに、このジャンプゲートに近づき始めていく。

 力が再び甦ったゲートから、膨大なデータが送られすぐに翻訳された。そしてゲートの建造技術と科学理論で以て、試作型のジャンプエンジンが作成されることになる。それは巨大でかさばる物であり、ほとんど望みのない旧式な探査ロケットであったが、政府はともかく開発計画をスタートさせた。汎世界的なこの計画のために、大量の人員がゲート付近に集められ発射作業に従事した。そして閃光とともにそのロケットは旅立っていく。新たなる歴史のこれが始まりである。

 三ヶ月後、ゲートは再び活動しはじめ、未知の宇宙空間で採集したデータとともに、探査船が再び太陽系に戻ってきた。そのデータ中には、太陽系が待ち焦がれていた、地球によく似た環境を持つ居住可能な惑星があったのである。この異なる世界へ赴く志願者を揃えるまで、政府はほとんど時間をかけなかった。乗組員は選抜され、長い期間の訓練の後、その惑星に向かう宇宙船がついに用意された。

 再び世界中の頭脳がゲート付近に結集した。恐れ知らずのクルーたちは、亜人種のジャンプゲートを見ても特に何も感じなかったが、次に待ちうける物事は誰も知り得なかった。この宇宙飛行士たちは、深き闇を切り開いて真実を持ち帰ってくる崇高な使命に興奮していた。とうとう向こう側へ旅立つとき---もうその記憶は遥か彼方に薄れてはいるが---勇気ある彼らの名はサテラ(Sathra)と呼ばれ、人々の胸に刻み込まれて、やがて信仰の対象となった。

 新しい世界はおよそ人間らしい生活はできなかったが、とにもかくにも新しい植民地が立ちあがった。この地はサテラズ・ブーン(Sathra's Boon)と名づけられ(後世にスーテックと改名)、すぐに大脱出が、そして大征服が始まった。宇宙における新しい世界の支配権をめぐり、ザイバツ間の暗闘が始まったが、大多数の民衆は、地球や火星、そしてサテラズ・ブーンにおけるこの闘争に気づかなかった。

 第一共和政府はサテラを信仰する人々(サテライズム)が勃興していることに困惑していた。航行中に「神を見た」と言うパイロットの口をふさぐことは、困難になりつつあった。加えて、パイロットはその経験を得るため、必要以上にジャンプを繰り返し、自分の肉体(と宇宙船)を消耗させ、蝕んでいったのである。サテライズムは法により規制されたが、何の効果もなかった。この信仰を遠ざけるため、サテラが受けたような経験を遮断するためのフォースフィールドを宇宙船に取り付けるに止まった。宇宙船は、この緩衝材が絶対不可欠なものとなり、それを設置できない船は解体された。もう神秘的なヴィジョンを得ることはなくなった。しかし、このミスティックな経験を得たパイロットたちの、再び神に出会うための熱望は抑えきれない。この薄暗い夢のような感覚を忘れ去ることなど、とてもできなかったのである。サテライズムたちは自分たちの宇宙船を建造し、数年後には再びこのヴィジョンを受け取ることができるようになる。だが政府は、宇宙海賊やサテライズムの宇宙船を追い詰め、情け容赦ない攻撃と弾圧を加えた。長いときを待たずに、サテライズムは人々より忘れ去られ、この宗教は少数の信徒ともに地下へ潜った(しかし彼らは、再び脱出すべき機会が来ることを、かたくなに信じ続けている)。

 版図拡大のために、人類の前進を阻むものは何もなかった。人類はさらに学習し、未だ到達していない世界への新しいルートを、このジャンプゲートが示していることを知った。星々への幌馬車隊が編成され、人々はさらに遠い世界へ急速に拡がっていった。やがて各ザイバツは、彼らのライバル会社によって編成された開拓船団への攻撃、及び自社の開拓船団を他ザイバツの襲撃から護衛する仕事に、忙殺されるようになる。この仕事に不満を抱きザイバツへ反乱を起こした者たち、そしてテロリズムの闇へと走った理想主義者は、彼ら自身で戦闘団を組織し、星々を襲撃するようになった。新植民地は急速に中央への求心力を失い始める。第一共和政は衰退し、ディアスポラ時代(The Diaspora)が始まりつつあった。

 

ディアスポラ時代 Diaspora

 コロニーの最初の入植者は、主に企業に雇われていた資源採掘作業員であった。しかし彼らは、次第に遥か彼方の地にあるザイバツの支配、及び地球の中央政府の束縛から逃れる術を模索し始める。第一共和政は中枢にいるトップエリートのみが富を蓄えられる構造となっており、彼らは一般階層の言うことに聞く耳など持ってはいなかった。しかしひとたびジャンプゲートが新世界への道筋を拓いたとき、そのジャンプルートは新たな時代の幕開けをも導いた。第一共和政はもはや星間において求心力を失いつつあったのだ。

 民族の団結と独立、そして第一共和政からの脱退の時代が始まった。固く結束したこの共同体は、彼ら独自の宇宙船を保有し、旅立っていった(ジャンプゲート・エンジンの技術は無政府主義者の陰謀によりとっくに漏洩されていた)。到着した星系の多くで、彼らは第一共和政とは全く異質な政府形態を試みることになる。開拓初期の植民地世界では同人種での民族構成が多かったため、この実験への動きはさらに加速された。民族排他主義的となった各植民地では、決してよそ者は信用されず、ノウンワールドは各植民地同士での野蛮な生存競争へと陥っていった。第一共和政府はこの内乱を放置し、救援の動きを何ら見せなかった。なぜならば太陽系内で続発する反乱の鎮圧に忙しかったからである。ノウンワールドの多くで、他者をねじ伏せた力強い指導者に率いられた独立政府が発足する。さらに権力はその次の世代に世襲され、徐々に権力者としての高貴な血統が形成されていった。これらの貴族(Noble House)が第一共和政の資源基地を強奪することにより、中央政府の影響力はじわじわと削減していき、ザイバツの力はさらに弱まっていった。

 ノウンワールドのそこかしこで行き先を失った資本を元にして、植民者たちにより通商組織から発展した国家が創り出される。また他の場所では、貧しい資源の奪い合いで苦しく暴力的な戦争が起こった。そして民衆は平和への希望を追求していた。せめて心の中だけでも平穏を求めていたのである。

 

預言者とその教会 The Prophet and His Church

 沌が充満する世相の中で、預言者(Prophet)と呼ばれる者が活動を始めた。彼らは星系から星系を股にかけて流浪し、片手に宿った途方もない力で新しい宗教を作り上げていった。

 ウルが残したジャンプゲートに代表される、人類よりも進化した亜人種科学技術の発見は、人類の存在基盤を根底から奪い去るものであった――人類はもはや道具を使う知能を有する唯一の生物ではないのである。地球における主要な宗教の指導者たちは、外の星々で見られた異人種たちの知的生活レベルの痕跡に照らし合わせてみても、宇宙旅行の新しい時代において、自分たちの教義が相当未発達であることを痛感していた。ノウンワールドにおいて後進であることを悟った人類は、神を見放し、新たな何かを探し求めるようになった。

 ディアスポラ時代は中央政府の結集力が解かれて、人類社会と宗教が粉々に分解された時代である。もはや地球の宗教は死に絶えて、物質万能の技術社会で運命を縛りつけられて心を荒廃させた植民者たちの中では、怪しい多神教や無神論に転ずる者が増加していった。植民地内の各人種の中で、信仰する宗教の教義や儀礼が相違していく現象が始まった。

 しかしノウンワールドの中では、古い時代の宗教及び儀礼的慣習も混在して存続していた。全ての宗教は、希望を表出させる新たな何かを、人々から要求されていた。この虚しい信頼感はやがて預言者を生み出すこととなる。彼らの多くは自分が感じた神意を記述するだけにとどまっていたが、そこから分岐して、信者を組織し、真の言葉をゴスペルなどの集団表現で伝える者が出現した。

 その者の名はゼブロン(Zebulon)という。彼は正当なキリスト教の牧師で、ジャンプゲートによって拓かれた新たな技術力に魅惑されていた。彼はさらに星々をめぐり、新たな異人種の失われた技術を探し求め、ついに遥か彼方の惑星にてそれを見つけたのである。2723年、預言者は聖なる炎(Holy Flame)を見た。」と、彼の信徒全てがこの文句をそらんじることができる。フロンティア(での見捨てられた異人種の遺跡)において、ゼブロンは遥か太古の人種が遺していった神秘的なビジョンを、神の放った聖なる炎と解釈したのである。彼の言う“神”は、預言者と彼の信徒たちに、さらに新たなる星々を探索せよとの啓示を与えた。さらに彼はもう一つのビジョンを与えられた。それはこの聖なる炎をこそこそと嗅ぎつけようとしている“星々の闇(Dark between the stars)”という悪魔たちが住まう地獄の光景であった。彼の教団のトップたちは、太陽がこの闇の悪魔を封じこめ、この邪悪なものが人間にもたらす様々な害悪から、聖なる炎が全宇宙的規模で我々を守護しているのだと説いた。

 ゼブロンは自分の見たものを開拓地において説教し、彼の信者は増大していった。彼は星々の間には悪魔が住んでおり、その姿は聖なる炎により影を潜めているのだと語った。彼の布教活動は広範に渡って民衆の間に浸透していき、やがて信徒の精神的結合を示す集合地として寺院が建立された。彼はディアスプラ時代に蔓延していた機械万能崇拝をものともせず、魂のない機械に操られ空虚な人生を送ることへの反抗を示した。

 ゼブロンは地球や他の星の知恵を記した、聖なる書を編纂しようとした。そして彼は、人類の知恵を結集し統一させることにより、星々に山積する様々な問題は解決され、人々の信仰心は復活するであろうと悟った。預言者は自分の教えを本にまとめ、さまざまな他宗教の者たちに自分のこの思考を紹介した。彼は神を汎創造者(Pancreator)と位置づけ、全ての宗教は、同じ神の言葉を語っているのだと説きまわった。そして人類が宇宙に進出した今、神は、宇宙とそこに生きとし生ける者全てを、大いなる恩寵のもとに創造されたのだとふれた。太陽は、単に光を発するシンボルというだけではなく、全ての命を守護する聖なる炎を発する、汎創造者から授かった大いなる御心の現れであると定義された。

 預言者は全ての信徒を自らの元に結集させたが、その中でも7人の弟子が彼によって特別な使徒としての地位を認められた。この弟子達はアレクシアス帝の時代には一種の聖人のような崇拝を集め、様々な寓話が作られるようになる。8人目の使徒はウル=オブン族の女性であったが、彼女は教会によって黙否される。教会の中でウル=オブン族の信徒がある一定の力を得るまでは、彼女の存在を認めている者は少数派にすぎなかった。

 ゼブロンが存命している時代に、サテライズムたちはジャンプ時のエクスタシーを妨げるフォースフィールドを分解させる技術者とともに、静かに再起した。彼らに歯止めをかける中央政府はすでになく、パイロットたちは再び共同体を結成することができた。しかし教会は、この羽目を外したジャンプによる幻覚に反対の立場をとって立ち向かった。教会権力の増大とともに、サテライズムは再び下火となっていった。それほど時を置かずに教会への信仰心が篤い人物となった宇宙船の持ち主は、自分の船からサテライズムたちを閉め出し、乗組員として雇用しなくなった。とうとう最終的には全ての宇宙船が造船工場で再び緩衝材がとりつけられるようになり、ここにサテライズムは死滅することとなった。

 当時ノウンワールドで猛威を振るっていたフォウの脅威に制裁を加えるため、平定に赴く途中のジャンプゲートで、ゼブロンは事故死した。教会はこれをフォウの謀略と決めつけていたが、預言者は彼自身の最後の使命として、フォウを慰撫させて人類と和平させる道を望んでいたようである。教会のシンボルがジャンプゲートにおいて絶命したことは、死の間際における彼の謎めいたメッセージとともに、ノウンワールドの大きな謎の一つとなっている。

 預言者ゼブロンの死後、教団の中核を成した者たちが「オメガ・ゴスペル(Omega Gospel)」と呼ばれる書文を刊行した。教会の神学者が認定したこの本は2つの部分から構成されており、前半の「オメガ・ゴスペル」の部分では、邪悪なる勢力への警告と、それに対抗する力を養うことを勧めている。そして後半の「慈しみの真実(Compassionate Truth)」の部分では、友愛の教えが神秘的に記載されている。預言者が星々を渡り歩いた時代から一千年紀が経過し、教会組織が肥大すると、彼らは預言者の説いた教えの中での様々な疑問に対して、それぞれが自ら答えを用意することになった。アレクシアス帝の時代になると、教会はたくさんの神学派に分派することになる。

 その中の一派で「宇宙教会(Universal Church)」という組織が、使徒の一人であったパラメデス(Palamedes)という人物により形作られることになる。彼はウル=アカ族やフォウの脅威に対して抵抗する同志を集合させ、先鋭的な私兵団を組織した(後世の教会史におけるパラメデスの地位は、教会を庇護し、また彼自身の帝国も教会の恩恵を受けた、後の皇帝ウラジミールにより復権された)。この会派の出現はまさに青天の霹靂で、わかりやすい教義を示していた。預言者の死後、他の使徒たちも教団の進むべき道をそれぞれに模索していたが、最終的にパラメデスの会派が勝利したのである。
 パラメデスは自らを
「教皇」と称し、現世における教会組織の総首長になった。彼はまた(枢機卿の中から)未来の教皇を指名できる権利をも付与されることになる。この時点から後、教会は歴代の教皇が記された古い荘厳なリストを書き連ねていくことになる。教会は人類社会の精神を導き、内外からの様々な邪悪なる勢力に対して立ち向かう善き心を育成することとなった。

 

シャンタール族との遭遇 First Contact: The Shantor

 乱に明け暮れるディアスポラ時代のさなかに、人類は自分たちの力によって、最初の亜人種と遭遇した。シャプラット星系に住んでいたシャンタール(Shantor)族は馬によく似た種族だったが、限定されたものながら道具を使用できる能力を備えており、彼ら自身の共同社会を形成していた。この種族はシャプラット星系の広大な草原地帯に居住しており、強固な家長制のもと洗練された文化を有していた。同時にこの強い家族の絆は、部族同士で決して融和しない暴力的な争いが行われていたことも意味している。氏族にとって他部族との抗争は日常茶飯事であり、良き戦士は部族内で最大の尊敬を得ることができた。しかしながら、いくら力が強くても、自分の部族を裏切ったり保つべき宗教儀礼(彼らは太陽崇拝に似た原始宗教を有していたらしい)を守らなかった者は、決して敬意を払われることはなかった。

 この星系は非常に鉱物資源に恵まれており、それを採掘するための固有の技術も彼らは有していた。ディアスポラ時代に、この星系付近の地域を統治していた国家がここの鉱物資源を欲したとき、シャプラット星系の入植者たちは、自分たちがこの原住民のシャンタール族を狩り立てなければ、誰か他の者がそれをやるだろうと予測した。シャンタール族と人類がコミュニケーションをとるのは容易ではなかった。入植者の言語はシャンタール族にとって難しすぎたのである。また人類の方も、この原住民をほんの少し頭の良い獣程度にしか見ていなかった。このような理由から、人類はこの地からシャンタール族を駆逐するのに、誰も良心の呵責を感じなかった。彼らは馬に似たシャンタール族の家族の絆を引き裂き、鉱山に送りこんで奴隷のような労働を強制させた。

 大多数のシャンタール族が蜂起し、草原にある入植者の鉱山基地を襲撃した。体が大きく賢いシャンタール族の戦士は怒らせるととても危険で、入植者のリーダーが彼ら部族の一員の生命を奪った場合、とてつもなく激怒した。軍隊がシャプラット星系に降下し、この御しがたい反乱を鎮圧しようとした。ゲリラ戦は続発したものの、その結果は疑問符がつくものであった。敗れたシャンタール族の反乱組織はまとめて宇宙船に詰め込まれ、遥か遠くの人類地域にある星系の特別保護区へ隔離された。この地において彼らシャンタール族は決して歓迎されることはなかった。部族は引き裂かれ、彼らは二度と再び集うことはなかった。

 こうして人類の最初の亜人種との遭遇は、全く恥ずべきかたちで終わった。ただ預言者ゼブロンだけがシャンタール族の分解された生活習慣を探し求め、彼らの悲劇について語る。しかしながら彼の信徒はこのころまだ少数だったため、この歴史の流れを変えるには至らなかった。生き延びたシャンタール族に対して、土地の返還は未だに行われていない。もし預言者がフォウの地において早すぎる死を迎えていなかったら、人間らしい感情が人類の間にまき起こり、シャンタール族の運命はまた違っていたものになっていただろうと、人々は固く信じている。しかしこの亜人種を政治的に縛りつけて無気力にしてしまった不公平な行動には、宇宙教会の初代教皇であるパラメデスが、密接に関係している。

 そして人類と出会った亜人種の多くが、シャンタール族と同じような運命をたどった。自分たちの技術レベルに関係なく、亜人種は人類の保護下に縛られるかたちとなった。人類とウル=オブン族、ボロックス族、ガノック族などとの平和な共存時代の裏には、人類による深く苦しい亜人種への権利侵害があったのである。人類が行った亜人種たちに対する強制移住命令とその後の土地収奪は、ノウンワールドにおいてもっとも力のある勢力が勃興するという悪循環を生み出した。フォウ(Vau)との遭遇である。

 

フォウ Vau

 しく発見されたジャンプゲートが、人類の小さいながらも経済的価値のあるニューモナコ(New Monaco:後世にアプサイと改名)星系に移設された。ここは独自の美しい植生層の中で、丹精こめた荘園を所有する昆虫型の亜人種であるグネシュ(G'nesh)族の住む惑星であった。彼らは人類の入植者たちを最初は無視していた。しかし入植者たちの軍隊が彼らの荘園に侵害したとき、グネシュ族は「そなたたちは認められぬ、立ち去るがいい。」と相当に憤慨した。もちろん、人類はこれをあざ笑い、脅迫して土地を供出させた。

 しかし、グネシュ族には後援者がいた。

 ジャンプゲートを通って宇宙船の混成艦隊が現れたとき、人類は今まで見たことのない物事に遭遇した。荒れ狂うプラズマエネルギーを利用した巨大な火球である。ニューモナコ星系において人類艦隊の巨大戦艦は破壊され、戦闘艦の防護陣がなくなり破損した小型艦艇は、惑星に強制的に降下させられ、フォウの戦士たちに積荷を奪われたのである。

 この組織化された戦闘部隊は、次々と遭遇した人類の入植者を駆逐しはじめた。圧倒的な技術力を持つ軍隊の攻勢の前に、絶望的になったごく少数の入植地では降伏の試みが行われたものの、フォウたちは聞く耳を持たず、出会った者全てを殺戮していった。

 最終的に、入植者は宇宙船に乗りこみこの星系から去ることになり、グネシュ族は自分たちの荘園に戻ることができた。そしてフォウはメッセージを残した。「この惑星より立ち去るべし。ここはフォウが主導する地である。ここより先、ジャンプゲートより通路を通すことも許可し得ぬ」と。

 もちろん、人類は報復措置として、フォウの母星を探し出し攻撃しようとした。かくして人類がフォウの領土に入りこんだとき、そこは広大な版図で卓越した科学技術を有した地域であった。伝え聞くところによれば、ごく少数の艦艇のみが“許可されて”人類の領土へ帰還することができたという。しかしフォウは、最終的にはユスティニアン(Justinian)家の当主ベンジャミン=バーデン(Benjamen Verden)を窓口として、人類との外交交渉を受け入れることになる。ベンジャミンはフォウの圧倒的な科学の中で滞在した後、人類の星域へ戻った初めての人物である。彼は一つの考えを彼らへの感謝とともに確信した。すなわち、フォウたちに領土拡大の意志はないということである。彼らの非常に政治的な機構は、他の全ての星系において安定効力をもたらしていた。そしてフォウの帝国は、人類に何世紀もの間、変革をもたらすことになる。彼らに自分たちの皇帝を押しつけたのである。

 ベンジャミンはグネシュ族を通して、フォウの征服方法を洞察した。フォウは人類とは全く違ったやり方で自分たちの思想をグネシュ族に影響させていたのである。以前グネシュ族は、フォウに対しても抗戦する道を選択した。しかし降伏した後は、グネシュ族の将軍は何のわだかまりもなく彼らの文化を学んでいた。フォウたちは戦闘を停止する前に、彼らの“顔を立てて”いたのである。名誉と尊厳が最重要視されるということは、フォウの生活様式ではとても重要な要素なのだ。フォウはグネシュ族に先進医療による長い生命と、従属下での平和安定状態を与えた。それと引き換えに、グネシュ族の将軍はフォウに敗北したという恥辱を喜んで受け入れた。言いかえれば、グネシュ族は自分たちの土地においてフォウによる駐屯を認め、ノウンワールドから引退したのであるから、グネシュ族の将軍はフォウの文化を排斥せず、理解したわけである。

 フォウたちによるこの統治法は、人類がフォウによる間接的な支配を受けつける際にも大きな助けとなった。しかし現在では、フォウは人類の星域を“汚染されている”とみなしており、何の興味も示していなかったことが明らかとなっている。両者の関係はどこかよそよそしい儀礼的なものであった。後日明らかになったところでは、フォウは人類社会に感染されることを求めておらず、また自分たちの科学技術を人類に流出させることもしたくなかったようである。

 フォウとの一連の遭遇は、教会勢力の支持基盤の拡大を促した。特にそれは、預言者ゼブロンがフォウの星域にあるジャンプゲートで死亡した事件が起こってからが顕著であった。人類はそれまで亜人種の卓越した技術力を(侵攻の意志はないと知っていながらも)脅威に感じていた。教皇パラメデス率いる教会は、彼ら独特の自信が民衆に支持されて、信徒は増大していった。畢竟、人類は星々に選ばれた生物であり、これは即ち我々の持つ運命である。ひるがえって現在の状況を見れば、汎創造者は失敗したと言わざるを得ない。そう強く主張する教会の僧侶たちは民衆の世論を束ね、フォウによって与えられた敗北者のメンツで満足している輩に対し、敢然と立ち向かっていった。人類は教会により、さらなる技術革新を駆り立てられた。後世、行き過ぎた科学技術のもたらす弊害に対し、同じ教会が警鐘を発したことを考えると非常に皮肉なことではあるが。

 預言者ゼブロンの死後、フォウとの融和を示唆した彼の遺言が届く前に、この教会勢力の結集は直ちに行われた。そしてこの動きは全ノウンワールドに広がっていくことになる。

 

ウル=アカ戦争 The Ukar War

 きにわたってウル=アカ(Ur-Ukar)族は、地下から宇宙空間に至るまで、人類に対し敵意ある闘争を繰り広げてきた。彼らはオクチャ(Okh'cha)星系及びクラドル(Kradle)星系という隣接した星系地域に居住しており(後世に前者はエイロン星系、後者はイシュタク星系と改名)、クリティコラム(Criticorum)星系まで進出していた人類に遭遇したときは、さらなる星々へ進出しようとしている文明段階であった。ウル=アカ族は人類を嫌悪した。自惚れの強いウル=アカ族は、人類の星系を征服し魅力ある(と思っている)自分たちを崇拝させようとしたのである。彼らはほんの少しの警告を発した後、クリティコラム星系の首府を攻撃した。人類はこれに対し素早い対応をとった。シャプラット及びニューイスタンブル星系に在住していた貴族たちは、征伐のための宇宙艦隊を編成する。そしてこれらの星系において、長く苦しい戦争が勃発したのである。

 ウル=アカ族蜂起の広がりは、他の星系において亜人種ゲリラ組織の結成に進化した。時を置かず人類は何十もの近在の星系で亜人種反乱による損害を被ることになる。人類がシャンタール族の次に遭遇していたウル=オブン(Ur-Obun)族は、ウル=アカ族と太古の時代において兄弟のような人種であったということをすぐに理解したが、彼らの暴力的な戦略については堂々と反対の意見を述べた。彼らがウル=アカ族に対し非難声明を発したことは、後世のアレクシアス帝の時代において、ウル=オブン族が自らの主権独立国家を獲得する一助となっている。

 ウル=アカ族はシャプラット星系において、シャンタール族に人類への反乱を強要させるために、自分たちの超能力(Psychic power)を用いた。草原の中の保護区にあったシャンタール族の町村において、民族闘争の嵐が吹き荒れることになったが、これを撃破した人類は断固たる報復措置をとった。生き残って降伏したシャンタール族の約1/4が反乱の罪で処刑・虐殺されたのである。また、ウル=アカ族の用いた超能力に着目した教皇パラメデスは、宇宙教会の形成にとってまた一つ新たな武器を手に入れることになる。

 ジャンプゲートを通じて宇宙に進出した人類は、超能力の開発を強く望むようになり、そしてこの新しい力は、年代を経るにしたがってじっくりと人類の中に結実していった。サテライズムに対する抑圧は、この超能力の形成を抑えることになったものの(この時に限り、超能力は危険なものであるという思想観念があった)、人類はこの新しいポテンシャルエネルギーに強く惹かれていた。しかしウル=アカ族との遭遇を経験したとき、人類は超能力に対し180度の方向転換を行わざるを得なくなる。

 ウル=アカ族は生まれながらにして超能力に長けた亜人種であったが、それを支配統治に用いたことに対し、人類は多少の良心的呵責を覚えた。シャンタール族にマインドトリックを用いて反乱に参加させたのを見て、人類は彼らを怖れた。そしてもはやクリティコラム星系の戦争は、平和的解決の選択肢がないことを悟った。他人の精神を操る彼らを全て牢に放りこむまでは、決して休息のときはこないであろうということを思い知ったのである。

 教皇パラメデスは、亜人種の危険性とそれに対抗するための人類統合を呼びかけるために、教団の私兵団を布教に用いた。預言者ゼブロンの言葉における“星々の闇”という部分がこの計画のために拡大解釈され、彼らはノウンワールドにおける邪悪や悪魔について薄気味悪く語った。ゼブロンの特別な8人の弟子たちの中で、ウル=オブン族の使徒の存在が、この時点で都合よく見落とされた。教会への改宗者が日を追って増え始め、彼らはウル=アカ狩りのテロ行動に参加するようになる。ついに、パラメデスはウル=アカ族を嫌悪する諸勢力を結集することに成功し、もともとこの亜人種からはじめた敵意行動に対し、報復を行うことになった。

 無数の種々雑多な情報を集約し、パラメデスは今まで秘匿されていたウル=アカ族の本拠地に攻撃艦隊を送りこんだ。渦巻いたジャンプゲートより出た瞬間、艦隊は分割され目標となる全てのものを攻撃した。何の備えもないまま奇襲を受けたウル=アカ族の艦隊は、密集体型を組み自分たちの本拠地から撤退せざるをえなかった。敗走が始まったのである。

 眼下の惑星においてはパニックが起き、ウル=アカ族の氏族同士で内戦が勃発した。領土拡大論者で権威ある君主(Overlord)によって保持しつづけていた惑星の防御システムを、反乱した氏族は作動させることをサボタージュした。惑星上における彼らの抗命を受けて、ウル=アカ族の艦隊の中にいた反乱氏族の血族は、自らの船を密集艦隊から離脱させ、防御システムがずたずたになった母星へ襲来させた。人類の攻撃艦隊は惑星地表へ爆撃による猛攻を加えた。ウル=アカ族の都市の大部分が地下に存在することを気づかなかったためである。

 攻撃艦隊は君主の存在する首都を制圧するため、上陸隊を送りこんだ。しかし君主は隠された地下洞窟の中でライバルの氏族に降伏していたのである。氏族たちは人類が去った後に、この惑星の相続人となることを目論んでいたが、彼らが望んでいたように事態はうまく運ばなかった。人類はここから去ることはなく、それは長い時間をかけて、全てのウル=アカ族のレジスタンスが鎮圧されることを意味していた。貴族と商人ギルドは連合して、ウル=アカ族の勢力が再び隆盛させない方策を確実に行った。制圧されたウル=アカ族のコロニーは、最後には貴族の領地として売られることとなり、それはさらに商人ギルドの連合体に転売された。

 後世の第二共和政時代(The Second Republic)において、ウル=アカ族は自らの誤った歴史経過から生じた圧政への解放を、強く訴えるようになる。そして彼らは自由を与えられた。が、今日においては、この亜人種はわずかな人口を有しているにすぎない。
 パラメデスの勝利は人類のノウンワールド支配を揺るぎなきものとした。教会の説話は隅々まで行き渡ることになった。遠く離れた星系で行われたウル=アカ族の征伐行による直接被害は、人類の星系の中では小さかったものの、この一連の出来事は重要な事柄であると教会は強調し、その主張は確かに効果をあげた。亜人種の侵攻は差し迫った人類の危機として認識されるようになり、そして教会勢力は、闇を払う光の先鋭として、それらの敵に対抗できることを証明して見せたのである。

 

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