ロボット コマンドゥ

 

 

 

 

主人公作成&ロボット操縦マニュアル・・・ワーォ!(´°∀°` --Robot Commando--

 

 ♪くっやしいけれど おまえっに むちゅうー ギャランドゥ! ギャランドゥ! (`∀´)

 

 いや違うがな。コマンドゥだってばよ。

 少なくともこのブログを呼んでる皆さんは、西条秀樹なんて知らないだろうな。

 

 みなさんこんにちは。

 運命の乱気流に巻き込まれているブリッツくんはちょっとお休み。FFリプレイブログ『Livre dont vous etes le heros(君が英雄になれる本)』は、今日から新シリーズ突入です。

 今回よりSF編。「ロボット コマンドゥ」(Robot Commandoがスタートします!

 作者はアメリカン・スティーブ・ジャクソン。そして訳者は・・・出ました御大!いよっ!!安田均さんだあ!!( ´ ▽ ` )

 

 さて、今回の主人公である「君」は開拓惑星タロスで働いている恐竜飼いの牧童。通称“カウボーイ”です。

 恐竜だって???(・A・)

 そう、惑星タロスは原始爬虫類である恐竜が棲息している惑星です。そしてそれらの巨獣に対抗するため、人間たちは強力なパワーを有する巨大人型機械を建造し、それに乗り込んで仕事する文明を持つに至りました。

 巨大ロボットを使いこなし、恐竜を飼い慣らして家畜化させ、あたかもアーリーアメリカンのように牧場で開拓生活を営む人々。その一人が主人公なのです。

 危険な野生恐竜の脅威はあるものの、だいたいは平和に暮らしていた惑星タロスの人々に、ある日突然侵略者が襲いかかります。ミノス皇帝率いる星間帝国カロシアンが襲来してきたのです。

 奴らは侵略の手始めに、バイオテロで「眠り病」のカプセルを惑星中にばら撒きました。これによりタロスの善良な人民はみんな睡眠状態に陥ってしまい、無力化したところをまんまとカロシアン帝国は侵攻していくのです。

 しかし「君」は(主人公特性によって)なぜか無事で眠らずにすみました。愛する故郷の人々を救うためにロボットで戦うことができます。

 そう、一匹狼のゲリラとなって、強大で野蛮なカロシアン帝国のロボット軍団と戦うのです!

 

 まあなんだな、ぶっちゃけ言うと、ザブングルとダグラムとボトムズと、それに少しマクロスを加えて、隠し味にダンガードAをまぶした感じの、香ばしい80sのジャパニメーション・ロボット世界だと思えばよし!

 そうなんですか?よくわかりません!!(`А´)

 

 しかし、そんなことかまわず、まずは主人公の能力値とキャラ設定の確認だよ。

 当ブログではSF編のGamebookは、全て「宇宙(そら)の一族」サワムラ家の年代記として扱ってます。そして今回の主人公もご多分にもれず、一族に連なるリュート・サワムラ君になります。能力値はサワムラ一族の一子相伝で、以下を引き継ぐのです。

 

 【技術点11/11 体力点18/18 運点12/12

 

 彼の祖父は「さまよえる宇宙船」の主人公、ホクト・サワムラ。

 父は「宇宙の暗殺者」の主人公、ハヤト・パウロ・サワムラ。

 兄は「宇宙の連邦捜査官」の主人公、マサト・サワムラ。

 姉は「電脳破壊作戦」の主人公、ケイト・サワムラなのだ。おおー!(´。`

 こうして見ると、なかなかにスゴイ家系なんだけどね、なぜかリュート君だけはそんな能力に目覚めず、おっとりした呑気な人間に育っちゃった・・・ことにしようか。

 波乱万丈の兄や姉の生き様を見て「こりゃちょっと僕にはムリだわ」と考えたリュート君。あまり戦いとか争いごとを好まない彼は、開拓農民の道を選んで、地に足付けた平和な一生を送るはずだった。だけど時代はそんな生き方を許してくれない。暴虐な侵略者を前にして「宇宙の一族」であるサワムラ家の血は、確実に彼の心を燃え上がらせ・・・

 おおっ!いいじゃん!燃えてきましたヨー!!ヽ(´▽`) .:*:'゚☆。.:*:'゚★。.:*

 

 さあ、キャラの個性も決まったところで、戦闘ルールの確認だ。

 個人戦闘はいつものFF戦闘と同じ。すなわち技術点+2d6の振り合いで、負けた方が体力点-2。体力点がゼロになったら死亡です。運試しもあるよ。

 で、今回のキモ。ロボット!!:*:( ̄∀ ̄ )。・:*:

 この世界のロボットにもやっぱり能力値があり、それらは乗り込むそれぞれによって違ってくることになる。

 

◎装甲点・・・この値がゼロになると破壊される。体力点のようなものと考えればよい。

◎速度・・・ロボットの敏捷性だ。戦闘での有利・不利に関わってくる。これは 【低速】<【中速】<【高速】<【超高速】(飛行タイプのみ) の4段階があり、相手より速度が高いなら技術点+1のボーナスを得る。また、相手より速度が低ければ、戦闘中「逃亡してもよい」と指示されていても、それはできなくなってしまう。

◎戦闘修正・・・ロボット戦闘の際、操縦者の技術点にプラス(またはマイナス)の修正を与える。一部のロボットはガンダムみたいな戦闘目的に特化したもので、そういうのは当然戦闘修正にプラスがつく。逆に作業用の旧ザクみたいなのは戦闘に向いていないので、戦闘修正にマイナスがかかるわけだ。

◎特殊能力・・・飛行する、変形する、必殺ウェポン搭載、など。これは乗り込むロボットによっていろいろ特色があって違うものになる。くうっ楽しみだ!!(´・∀・`

 

 ロボットとロボットが戦闘する場合も、基本的には個人戦闘と同じだ。すなわち操縦者の技術点+2d6の振り合い。だけどそのとき速度修正と戦闘修正を加えることに注意だ。負けた方は体力点の代わりにロボットの装甲点を2点引く(このとき運試しもできる)。そして装甲点がゼロになったロボットはBOOM!破壊される!!

 単純だがそれなりに特色の出たシステムだな。さすがアメリカンなスティーブ・ジャクソン。「OGRE」や「カー・ウォーズ」のデザイナーだけあるぜ!!(^v^)

 

 さあ、これでロボット操縦マニュアルはおしまい。レジスタンスの舞台は整った。

 のんびりカウボーイのリュート・サワムラ君は、果たしてカロシアン帝国に侵略された惑星タロスを救うことができるのか?

 提供はバンダイ、製作はサンライズでお送りする(←ウソ)

 SFアニメ「ロボット コマンドゥ」 1話、ON AIR!!

 

※特殊ルール説明でけっこうスペース使っちゃったんで、タイタン世界の紹介コーナーは今回お休みさせていただきます。どうかご了承ください・・・(ー人ー)

 

 

 

1話「カロシアン侵略」 --Robot Commando--

 

【技術点11/11 体力点18/18 運点12/12

 

 茫漠とした開拓惑星タロスの原野に朝日が昇る。

 この瞬間が僕はいちばん好きだ。この光景は銀河のどこにも負けないと思う。

 地平線と空の境界線がピンクに染まり、のんびり草を食むプロントザウルスを照らす。そして僕は自然の大きさと、人間の小ささを知る瞬間を堪能する・・・。

 

 僕の住むタロスは人間文明圏の辺境に存在する星だ。前銀河連邦時代の交易路から外れ、星民の80%は第一次産業に従事する、ひっそりした田舎の農業惑星だ。

 だけどそのおかげで、あの人類の存亡をかけた戦い、対アルカディア戦争の被災もなく、その後の混沌渦巻くディアスポラ時代も、タロス地方政府はのんびりと対処してきた。

 惑星タロスは、人間が植民する以前は、巨大な爬虫類型生物が支配する星だった。知能は馬や牛の哺乳類並みで、長い尻尾や角や牙を有し、立ち上がれば高さ23mはある様々な個体。僕たち人間はこれらの先住生物を総称して「恐竜」と呼んでいる。

 そしてこの星の恐竜たち(特にトリケラトプスやイグアノドンのような草食恐竜)は、素晴らしく滋養に富む肉を有していた。開拓者たちはこれらを家畜化することに成功し、牧場で飼い始め、やがて竜肉はタロスの主要輸出品目になる。

 そうなるまでには、草食恐竜へ適度に運動させ、餌場までの移動を誘導する役割が必要だった。さらには家畜竜を狙う獰猛な肉食恐竜から群れを守り、必要ならばロボットに搭載した武装で追い払う役割も必要だった。

 こうして、僕のような職業--カウボーイ--が生まれた。

 

 ふう、そろそろ牧場に戻るとしようか。

 僕は牧場から借りてきたマーク5A万能型ロボットのイグニッションキーをひねる。全高5mのありふれた巨大人型機械、通称「カウボーイロボット」は、ディーゼルエンジンの唸りを上げて2足歩行モードを再開した。

 そう、僕の名はリュート・サワムラ。まだ16歳だけど一人前のカウボーイだ。

 

 実は(自慢するわけじゃないけど)僕の家系は「宇宙(そら)の一族」とあだ名されるだけあって、なかなかにすごい人物が揃っている。

 おじいさんのホクト・サワムラはトラベラー号で多次元遭難から生還を果たした奇跡の艦長。

 父さんのハヤト・パウロ・サワムラは悪の要塞ヴァンダーベッケンを陥落させた特殊工作員。

 兄さんのマサト・サワムラは、麻薬組織を撲滅した銀河連邦警察の敏腕捜査官。

 そして姉さんのケイト・サワムラに至っては、レーザーソード片手にレジスタンス活動を繰り広げ、人類世界を侵略したアルカディア帝国を崩壊させている。それもたった1人で!

 だけど僕は、あまりそういうことは・・・

 幼いころから優秀な兄や姉に、勉強やスポーツで負け続けたからかもしれない。他人と競って優劣をつけるのが、すごくつらかった。

 そんな子供の頃の泣き虫の僕に、お守り役だったメイドアンドロイド“ジェニー”が、にっこり笑ってこう言ってくれたのを覚えている。

 

ジェニー「ですがリュートはリモコン飛行機を飛ばすのがお上手ですよ!それにヴェクサスにいちばん好かれているのは、何といってもリュート坊ちゃんです!ね、誰だって、1つくらいはとりえが・・・」

マサト父さん「ジェニー、それ、フォローになってない・・・んじゃないか?」

 

 あ、ちなみに、ヴェクサスっていうのは僕ら兄弟がガキの頃に飼っていた犬の名前だ。

 まあそういうわけで僕は、この星で動物とロボットに囲まれつつ、犯罪や革命や戦争からは無縁の慎ましやかな生活を送ることにしたんだ。

 そして、それでよかったんだと思う。誰しも英雄になれるわけじゃないんだ。兄さんや姉さんのように・・・。

 

 ぐんぐん太陽が空高く昇っていく。今日も過ごしやすい1日になりそうだ。雨は降らなさそうだからのんびりできそうかな。

 あっでも、ケイト姉さんが明日戻ってくるから、格納庫を掃除しといた方がいいな。エンジンオイル臭いっていつも言われているから・・・

 僕は今日やることを確認しつつ牧場までの進路を急ぐ。

 姉さんのこと?うん、ケイト姉さんはスゴイ剣の使い手なんだけど、なぜか今は素性を隠して、この星で僕といっしょの牧場で働いている。

 人類世界を救った彼女の業績は全銀河でも一部の人しか知らない。実は、この星で彼女の冒険譚を知っているのは僕だけだ(そして、それは姉さんが強く望んだことでもある。「あまり言いふらすなよ」と、凄みの利いた声で念を押された・・・)。

 姉さんはつい1週間前、ベラトリックスとかいう舌を噛みそうな名前だけどすごく偉い政治家に招待されて、新銀河連邦の建国式典に招待されたのだ。ブツブツ言いながらも旧友に会えるうれしさも滲ませながら、彼女は旅立っていった。

 やれバランス良い食事だの適度な運動だの早寝早起きだのと、口うるさい姉がいなくなり、僕は1週間の自由を満喫していたのだが、それも明日まで、か。(溜息)

 

 ええっと、そんなことはどうでもいいや。

 僕は口笛を吹きながら牧場に戻ってきた。頭上の晴れた空には、つんざく高音で飛行型ジェットロボットが一直線に雲を描いていた。あれに姉さんが乗って帰ってきたのかな?唯一の恒星間ジャンプ可能な宇宙船、タロス政府専用機のニュー・サクラ号じゃないかな??

 いや違う。僕の両目2.0の視力が異常を発見する。上空から何やら光る粉のようなものを振り撒いているのだ。今日は農薬散布日じゃないぞ。

 

 いったいあれは・・・?

 

 今は早朝で家畜竜の頭数確認でいちばん忙しいときなのに、牧場の中はひっそりとしていた。いやな予感がして、僕はカウボーイロボットをすぐ降り、施設内の牧童宿舎に駆け込む。

 中にで見たのは、全員ぐっすり眠っている僕の同僚たちだった!

 なんだこれは・・・いったい・・・

 日常ではありえないシュールな光景に混乱しつつも、僕はいちばん近くにいた牧童頭のデーバン・ハコレダーケさんを乱暴に揺さぶる。

 

リュート「デーバンさん、起きてください!どうしたんですか!!」

デーバン「ね・・・」

リュート「ね?」

デーバン「ねむ・・・い・・・」(ガク)

 

 姉さんに一目ぼれしているから僕をダシにして、しょっちゅう酒場へ誘ってくれる陽気なデーバンさん。しかし今は、テーブルに突っ伏し、腕を枕にそのまま眠りこけている。

 そうかニュースなら!しかしテレネット映像は砂嵐だ。こうなったらしょうがない。物置からラジオ(!)を引っ張り出して1年ぶりにつけてみた。切れ切れながらアナウンサーの声が聞こえてくる!!

 

アナウンサーの声「みんな眠っています・・・カロシアンの攻撃・・・起きられない・・・」

 

 ここで大きくピー!ザ!ザ!!と雑音が入った。それから・・・

 

ミノスの声「こちらはカロシアン軍のミノス司令官だ!」

 

 カロシアン!近隣星系にある軍事独裁国家だ!!

 僕たちの星タロスの豊富な食料をいつも狙っている野蛮な国家。ディアスポラ時代になって銀河連邦政府の統制が及ばなくなった今、脅迫に近い外交圧力を頻繁にかけていることを、ケイト姉さんは眉根を寄せて語っていたっけ。

 

ミノスの声「ここに最終フェイズである同時縦深降下は成功した!敵の抵抗は皆無!繰り返す!作戦名“メルクーア”は完全に成功!勝利の美酒をゆっくりと味わおうではないか!!ワハハハハハ!!!!」

 

 ミノス司令官の自慢げな談話から、ここで僕はようやく敵がやったことを悟る。

 彼らは上空から強力な睡眠誘発ウィルスを散布したのだ。タロスの大気を長らく吸引している人間だけが感染するこの悪性ウィルスは、患者を--ほぼ永久に--意識不明に昏倒させる。安らかに眠ったように・・・。

 そしてその隙をつき、カロシアン侵略軍は何千人の兵士と何百機ものロボットからなるエリート部隊を強行降下展開させ、惑星タロスの中枢組織全てを制圧した!

 しかし、これは単なる始まりにすぎない。

 無力化したタロスの人々を前に、このミノスという人物と、彼の率いるカロシアン軍は略奪の限りを尽くすだろう。富や家畜竜やロボットは彼らの物となり、僕たちタロス人は奴隷として強制収容所に送られてしまうのだ。

 

 ちょっと待て。

 今ここで起きているタロス人は・・・

 僕だけ・・・なのか・・・!!!

 

 僕は唾をごくりと飲み込む。考えをまとめ、決断するまで約1分かかる。

 そして自分のコテージに戻った。ケイト姉さんの部屋にあった古いレーザーソードを腰にとめる。これに触ると姉さんはすごく怒るんだけど、今は留守だから大丈夫だ。

 食料は問題ない。牧場内に竜肉加工製品が溢れているので、僕はそれらをたやすくザックに詰め込むことができる。そうだ5箱の医療キットも持っていこう(1箱使うと体力点が1点回復します)。

 そしていつものパイロットスーツに身を固め、自分の格納庫に向かう。

 

 どうして僕なのかはわからない。

 だけど僕が何をすべきなのかは、わかっているさ!! 

 

 

 

2話「いきなりT-Rex --Robot Commando--

 

【技術点11/11 体力点18/18 運点12/12

 

 携行品をザックに詰め込んだ僕は牧場のロボット格納庫に向かう。運の悪いことに、朝のロボット整備が終わって牧童たちが乗り込んだところに睡眠ウィルスが侵入してきたので、居眠り運転の末路がそこかしこに残されている。

 まだ無傷で、長距離移動に使用できそうなのは2体だけだ。1つは僕がさっき朝日を見に乗りまわしていたロボット、歩行型の標準式「カウボーイ」と、超高速の飛行型軽量タイプ「ドラゴンフライ・モデルDだ。

 手っとり早く移動するなら、トンボそっくりの姿をした飛行型ロボットだ。だけどこれからカロシアン軍と遭遇するかもしれないことを考えると、武装が貧弱で装甲も薄いのが気がかりだ。

 よし、勝手知ったるカウボーイにしよう。頼むぞ!!

 この人間型をしたロボットは、僕ら恐竜飼いがよく使う汎用作業機だ。僕も目をつぶって操作できるくらい慣れ親しんでいる。獰猛な肉食恐竜に対処するため据付機銃を搭載しているが、それは戦闘用ロボットほど強力な武装というわけではない。

 

【カウボーイ・ロボット】  装甲点:10  速度:中速  戦闘修正:0

特殊能力:なし。

 

 さあ、いつまでもここにいるわけにもいかない。カロシアン軍を倒す手立てを見つけなければ!

 僕はナビゲーションGPSのスイッチを入れ、目的地を設定する。おそらくカロシアン軍はそこかしこにいるだろうが、主力の司令部は首都に置いたはずだ。だけどこのちっぽけなカウボーイでいきなり乗り込んだって玉砕してしまう。

 地下抵抗組織を作るにしても、慎重に準備して、事を進めなければ・・・

 この牧場のすぐ近くにある大都市は2つ。「知識市」「産業市」。僕にとって親しみがあるのは「産業市」の方だ。何回か機械の整備や日常品の買い出しに立ち寄ったことがある。ここなら大工場もあるし、侵略者に立ち向かえるロボットや発明が見つかるかもしれないぞ。

 

 そういうわけで僕は「産業市」への針路をとる。道路沿いに歩行するとカロシアン軍に発見されてしまうので、面倒だが道を外れて原野をジグザグに進むことにした。

 広大な惑星タロスの岩場を、僕を乗せたカウボーイロボットは苦労しながら進んでいく。

 やっぱり飛行型にすれば良かったかな。そうすれば軽くこんな土地は通過することができたのに・・・相次ぐ振動で僕の尻が悲鳴を上げ始めたそのときだ。

 BEEPBEEP!!

 コクピットに警報が鳴り響く。岩陰からぬうっと出現した熱源をレーダーが察知したのだ。地響きのような唸りを上げて僕のロボットに突進してくるそいつは・・・

 

 T-Rex!!

 

 全身に悪寒が走る。なんてこった、普通でもとびきり厄介な害獣なのに、こんな非常時に遭遇してしまうなんて!!

 そう、僕がいきなり出くわしたのは、恐竜界の帝王と異名を持つティラノザウルスだ。

 邪魔な人間がいなくなったのをこれ幸いと、こんな人間の生活圏近くまで下りてきてやがった。そして速やかに恐るべき食欲を満たすため、顎を大きく開けて飛びついてくる。もちろん金属のロボットだから食べられない、なんてことは思考の範疇外だ!

 こいつは僕のロボットより動きが速い上に、この地形に慣れている。逃亡することはできない。恐竜vs人間、生存を賭けたデス・マッチだ!

 

【ティラノザウルス】  装甲点:8  速度:高速  技術点:9

特殊能力:なし。

1R (ティラノザウルス/15+1)(リュート/17) ティラノザウルス装甲点-2

2R (ティラノザウルス/20+1)(リュート/17) カウボーイ・ロボット装甲点-2

3R (ティラノザウルス/20+1)(リュート/18) カウボーイ・ロボット装甲点-2

4R (ティラノザウルス/15+1)(リュート/19) ティラノザウルス装甲点-2

5R (ティラノザウルス/17+1)(リュート/18) Draw

6R (ティラノザウルス/18+1)(リュート/16) カウボーイ・ロボット装甲点-2

7R (ティラノザウルス/11+1)(リュート/19) ティラノザウルス装甲点-2

8R (ティラノザウルス/14+1)(リュート/16) 運試し吉 ティラノザウルス装甲点-4 ←KiLL!!

 

 地面に転がっての取っ組み合いで、運良くカウボーイ・ロボットの据え付け機銃が、ティラノザウルスの牙だらけの口の中に入った。今だ!!

 ガガガッガッガガガッ!!

 12.7mmの据え付け機銃がティラノザウルスの顎を粉砕する。惑星タロスでいちばん獰猛な生物はこれによって止めを刺された。

 ふうーー!コクピットで安堵のため息を漏らす僕。だけど・・・

 格闘戦の代償は高くついた。あっという間に僕のカウボーイ・ロボットはひっかき傷だらけで関節ユニットもボロボロだ。装甲点は残り4点まで低下した。さらには地面になぎ倒されたショックで、僕も体力点-1の軽傷を負ってしまう。

 レッドランプがそこかしこに点灯しているが、とにかくだましだまし「産業市」まで持っていくしかないか。

 

 そして僕はどうにかこうにか「産業市」に到着した。

 普段はがやがやとにぎわっている商工業の中心都市だが、今はどこにも生き物の気配が見られない。さて、どこに向かおうか?

 

 

 

3話「猿とロボット」  --Robot Commando--

 

【技術点11/11 体力点17/18 運点11/12

【カウボーイ・ロボット 装甲点4/10

 

 ここは「産業市」。

 何もかも眠った街のメインストリートで、僕は次の行き先を思案する。とりあえずではあるが街中を偵察して出歩いてみよう。僕以外で起きているタロス人がいるといいが・・・。

 ストリートはそこかしこで大きな乗り物が塞いでいる。運転や操縦していた者がその場で眠りこけてしまって立往生したのだ。カウボーイで乗り込める路地を東へ東へと順に向かっていく。

 すると街外れに出てしまった。なあんだ。僕は肩をすくめる。

 

 ここはロボットの廃品置き場だ。様々なスクラップの山が見渡す限りに広がっている。

 引き返そうかと思ったそのとき、何かが動いた!屑鉄の山の背後から僕を見張っている奴がいる!!

 「誰かいるのか?」僕はロボットを下りて、ゆっくりと刺激しないようにそっちの方角へ近づいてみた。すると「うきい!!」と奇妙な雄叫びに出迎えられる。

 僕は驚いて目と口をあんぐりと開ける。なんとこいつはオランウータンだった!

 この大猿は小型ロボットの脚を棍棒のように持っているが、威嚇行動はしてこない。僕を好奇心に満ちた目つきでじっと見ている。 たぶん廃品置き場の主人がペットとして飼っていたんだろう。

 「や、やあ、元気かい?」僕が穏やかに話しかけると、大猿は跳ねたりして喜んでいる。人懐こい性格のようで、人間の役に立ちたくてしょうがないようだ。

 「邪魔はしないでくれよな」僕は愛想笑いをしながら、スクラップの中からカウボーイ・ロボットの補修に使えそうな部品を探し当てる。おっ、関節駆動用のエアチューブを見つけたぞ。だけど重いなあ。フォークリフトも壊れているし、せめてもう一人、人手があれば・・・

 「うきゃ!」そのとき、オランウータンが、ひょいっと手を貸してくれた!

 本当かよ!こいつは僕が調べているロボットを、慣れた手つきで器用に分解し、部品を運んでくれる!!

 信じられないことだが、大猿との共同作業によるロボット整備で、僕のカウボーイ・ロボットは装甲点を4点も回復することができる。

 「ありがとうよ!」「うきゃっきい!」軽快にハイタッチをかわす僕と大猿。彼にアルバイト料としてバナナ味の携行食糧チューブをあげよう。とにかく、素敵な芸を仕込んでくれていた廃品置き場の主人に感謝だ。 

 

 廃品置き場を出てさらに市内をぶらつく。やがて大きな広場に出た。

 その端に「ロボット実験センター」という標識の出た大きなビルがあるぞ。以前「産業市」に買い物で来たときは、あそこは一般人が入れないくらいのセキュリティレベルだった。最高機密実験が行われていると噂されていたんだ。

 だけど今の無人状態の街なら大丈夫かもな。これからの活動に役立つ物があるかも・・・

 僕はビルの正面にロボットを乗り付け、降機して正面ロビーに入ってみる。案内板を見ると様々な実験が行われていたようだ。

    2階→インターフェイス機器   3階→兵器開発

    6階→体力強化計画      10階→ロボット抑止工学

 どれも最先端科学分野なので、どんなものか想像もつかない。ビルの上から順に下りつつ探ってみるとしようか。

 

 まずは10階。ロボット抑止工学のフロアだ。

 一面に背の高い本棚が並んでいて、床にもたくさんの書物が散らばっている。何か情報がないかと探してみるが・・・だめだ!複雑すぎてわからないや!しかも・・・

 ごつん☆ぶっとい工学用語辞典が高い棚から落ちてきて、僕の額にクリーンヒットしてきやがった。あたた・・・体力点-1だ・・・うんざりしながらこのフロアを去る・・・

 

 次に6階。ここは体力強化計画のフロア。

 まるで実験室と体育館を組み合わせたような感じの部屋で、真ん中には鎧のような装備が置いてある。すぐ横には運動服姿の職員が眠っていて、顔の周りは殴られたように青あざだらけだ。

 そうだ、たしかこれは「パワードスーツ」というやつだぞ。ニュースで見たことがある。ほとんどロボットと同じくらいの力を装着者に与えるはずだ。

 じゃあさっそく着てみよう。

 (ゴウン!) うわっと、すごいパワーだ・・・

 (ゴウン!ゴウーン!!) いやちょっと待て、パワーがすごすぎる!

 制御できない!!うわあああ!!!

 そうなのだ。力はロボット並みになっても、僕の身体がロボットみたいに鋼鉄の固さを持つわけじゃない。すぐ横で寝ていた職員がどうしてあんなに打撲していたのか、もっと用心深くなるべきだった。チクショー!

 イタ!イタタ!!壁や床、天井などにガツガツぶつかりながら、やっと僕は停止スイッチを押して、この不完全なパワードスーツの動きを止めることができる。体力点-2だ。

 

 ええい、ろくなもんじゃないなロボット実験センターは。本当に役立つ物があるのか???

 ここに入ったことを半分後悔しながらエレベータを下りてきて、お次は3階。兵器開発のフロアだ。

 「モウシワケナイノデスガ、タチイリキンシデス!」

 いきなり人間サイズの警備ロボットに呼び止められたぞ。僕は自分に課せられた使命のことを、そして今は非常時であることを説明しようとしたが・・・

 「タチイリキンシ!タチイリキンシ!」

 そいつは手荒く僕を担ぎ上げて、エレベータに放り込みやがった。うーん、融通が利かない、えらく安物のAIを使ってるんだな。さっきの大猿の方がよっぽど賢かったぞ!

 もうしょうがないなあ。僕は舌打ちしてレーザー剣のスイッチを入れる。選択肢が失敗続きでちょっとムシャクシャしていたんだ。こうなったら力ずくで突破してやる!

 この警備ロボットは人間サイズだから、ここでの戦闘は個人戦闘になるぞ!

 

【警備ロボット 技術点8 体力点10

1R (警備ロボット/12)(リュート/19) 警備ロボット/体力点-2

2R (警備ロボット/19)(リュート/20) 警備ロボット/体力点-2

3R (警備ロボット/13)(リュート/17) 警備ロボット/体力点-2

4R (警備ロボット/16)(リュート/21) 警備ロボット/体力点-2

5R (警備ロボット/18)(リュート/20) 警備ロボット/体力点-2 ←Destroy!!

 

 僕はロボットの背中に袈裟がけでレーザー剣の一閃を叩き込む。BOM!!警備ロボットはまばゆい光を発して爆発四散した!!

 どうだ!こんな頑固なロボットより、僕の使命の方が重要だ!

 僕は残骸を跨いで、改めて兵器開発室に侵入する。はてさて、こんな大立ち回りを演じてまで、ここで何を手に入れたかというと・・・

 

 

 

4話「燃料工場を襲撃せよ」  --Robot Commando--

 

【技術点11/11 体力点14/18 運点11/12

【カウボーイ・ロボット 装甲点8/10

 

 こいつはすごいぞ!

 兵器開発室の中に入った僕は小さくガッツポーズをする。中央に安置されていたのは、開発モデルのホーミングミサイルだった。

 以前、軍事マニアご用達の雑誌で読んだことがある。こいつは非常に手軽かつ高い破壊力を誇り、どんなロボットにも据え付けられる。もちろん僕のカウボーイロボットにもだ。

 そしてロボット戦闘において、このミサイルは戦闘ラウンドの間いつでも発射できる。1回だけの使いきりだがミサイルは自動的に命中し、敵に装甲点-10の大ダメージを与える!!

 僕は急いでビルを出て、外に駐機していたカウボーイロボットに乗り込む。そして3階の窓を拳で破壊した。フロアにあったホーミングロボットをわしづかみ、ロボットの肩に取り付ける。

 あっという間にコンピュータの初期化もOK。操縦システムとのリンクも問題ない。ふふふ上等上等。思わずニヤニヤしてしまう。

 だが、この破壊行為によってロボット実験センターは大騒ぎだ。さっきの警備ロボットがわらわらと出現して、僕のロボットに銃撃を浴びせてくる。うわわ、もうここには戻れそうにないな・・・。

 

 僕は急いでロボット実験センターのビルから離れる。

 そして少し考えた。最新式のホーミングミサイルを手に入れたわけだし、ここらでカロシアン軍の奴らにいやがらせができないだろうか?

 「産業市」には燃料工場がある。そこはロボットの動力源である燃料ポッドを精製している重大な戦略拠点だ。もちろんカロシアン軍は侵攻時にしっかりとここを抑えているだろう。

 だか、ここで僕が燃料工場への破壊工作を行ってしまえば、奴らのタロス侵攻作戦はかなりの打撃となるはずだ。

 待てよ、そんな大胆なことができるのか?

 ・・・いや、やらなきゃいけないんだ。誰かが。僕は決断し、燃料工場へ向かう。

 

 そこは思った通り、カロシアン軍の駐屯地になっていた。

 勇んで襲撃ポイントまでやってきたが、戦わないで中に入れればもっと成功確率が増すはずだ。だから僕は、まず計略で相手を騙そうと、カロシアン軍のふりをしてゆっくりとカウボーイロボットを接近させていく。ところが・・・ 

 『以前カロシアン軍の兵士に合言葉で呼び止められたことがあり、その番号を覚えているか?』

 いや、そんな遭遇はしていない・・・

 「こちらコールサイン88、対応するナンバーを返答せよ、おい、どうした!」無線でカロシアン軍兵士が呼びかけてきた。くそ、そんな合言葉、知るわけない!

 ガン!ガン!ガン!

 不審機である僕に対して即座にカロシアン軍が重機関銃を発砲してくる。しこたまにぶち当たり、僕のカウボーイロボットの装甲点が1点削られた。

 ここまできたらもう引き返すわけにはいかず、警戒網を突破するしかない。僕は駆動ギアをトップスピードに入れた!

 

 カロシアン軍の警戒部隊は2機のトライポッド・ロボットだ。この動きの速い機体は3本の脚で歩行し、銃やその他の装置を扱う金属の触手を備えている。もともとは燃料工場で使われていた作業機を徴発したもので、戦闘配備としては二線級の機体だ(もっとも、僕のカウボーイロボットも同じようなものだけど)。

 それでもさすがは専門の兵士が操縦しているだけあり、高度な連携機動で僕に襲いかかってきた。この戦闘で敵は2体同時に攻撃してくる。僕がラウンドで勝ったとしても、どちらか一方にしかダメージを与えられないのだ(FFの複数戦闘と同じルール)。

 だが・・・僕にはこれがある・・・ホーミングミサイル、発射!!

 

【トライポッド・ロボット1】  装甲点:7  速度:高速  技術点:8

特殊能力:なし。

【トライポッド・ロボット2】  装甲点:7  速度:高速  技術点:10

特殊能力:なし。

1R (リュート/ホーミングミサイル使用) トライポッド2/装甲点-10 ←Destroy!!

2R (トライポッド1/17+1)(リュート/16) カウボーイロボット/装甲点-2

3R (トライポッド1/11+1)(リュート/17) トライポッド1/装甲点-2

4R (トライポッド1/18+1)(リュート/16) カウボーイロボット/装甲点-2

5R (トライポッド1/14+1)(リュート/19) トライポッド1/装甲点-2

6R (トライポッド1/15+1)(リュート/19) トライポッド1/装甲点-2

7R (トライポッド1/14+1)(リュート/16) トライポッド1/装甲点-2 ←Destroy!!

 

 トライポッド・ロボットの2号機はミサイルで一瞬に炎上させた。復讐に燃えた敵の1号機の反撃は激烈だったが、何とか僕は戦闘に勝利する。しかし精製施設の中に一歩入り込むと・・・

 うじゃうじゃと敵の支援部隊がいる!

 これじゃだめだ!!

 あの砲火陣地に捕捉されたら、作業用機械に毛が生えた程度のカウボーイロボットでは、絶対に避けきれない・・・。

 結局、僕はこの場所から逃げるしかなかった。敵のトライポッド・ロボットの残骸から装甲板を見つけたのが唯一の収穫だ(装甲点+1)。

 

 僕は無駄な戦闘で傷ついたカウボーイロボットを操縦して「産業市」を去る。敵の追撃部隊の捜索包囲網をかわして、やがて郊外に達した。

 よし、ここまで来れば大丈夫だろう。いちばん近くにある次の拠点「娯楽市」へ進路をセットして、自動操縦モードで歩行しながら、僕は親指の爪を噛んでゆっくりと思案する(考え事をするときに爪を噛むのは、僕のクセなのだ)。

 今更ながらわかったことは、カロシアン侵攻軍の力はとても強大だということだ。

 真っ正直にタロス全土の各駐屯地を順繰りで襲撃していっても、多勢に無勢、いつかはこっちが駆逐されてしまうだろう。

 なにか一発逆転の方策を考えるしかない。

 たとえば睡眠ウィルスを即座に駆除できる方法とか、侵攻軍の司令官を捕虜にするとか・・・。

 

 

 

5話「友との別れ」  --Robot Commando--

 

【技術点11/11 体力点14/18 運点11/12

【カウボーイ・ロボット 装甲点4/10

 

 カロシアン軍の追撃部隊をかわして、僕とカウボーイロボットは「娯楽市」に到着した。

 ここは健在だった頃のタロス政府が肝いりで開発していたリゾート地区だ。人々はみんな昏睡して無人の静けさだが、白い砂浜と青い海だけは変わらずに迎えてくれる。

 「娯楽市」には重要戦略目標がないので、カロシアン軍も駐屯していない。しかし今はゴーストタウンみたいでも、以前はたくさんの観光客がごった返していたはず。ひょっとしたら僕のように昏睡していないタロス人も・・・

 淡い期待を抱きながらロボットから下りて、大きく目についたゲームセンターに入ってみる。そこはたくさんの大型筺体が未だに稼働中で、凄まじい音とチカチカする光にあふれていた。

 牧場の娯楽室には、小型画面で時代遅れのゲーム機しかなかったんだよな・・・。

 楽しげなデモプレイの音にウズウズしてしまう。

 ち、ちょっとだけ息抜きしてみようかな。でも僕はレジスタンスなんだぞ。あまり任務を忘れないようにしなきゃ。ちょっとだけ、ちょっとだけ・・・

 

 レジスタンスの闘士にも休息は必要さ。

 僕は「恐竜狩りゲーム」にコインを投入して遊んでみることにした。が・・・

 失敗だった。退屈な旧式のゲームで、すぐに恐竜がホログラムだとわかっちゃう。これなら僕の恐竜牧場での暮らしの方が、よっぽどスリリングだったよ・・・あーあ。

 うんざりして席を立つとき、ドアの注意書きに気がついた。

 『・・・このゲームは、現在開発中の装置「透明マント/モデル3を着用して行われています。「透明マント/モデル3」は、現在恐竜保護地区でもテスト中です・・・』

 ふうん。透明マントねえ。まあ頭の片隅に留めておこう。さて次は・・・

 あれだ!

 僕は次に「ワスプ・ファイター」というゲームを遊んでみることにした。これはタロス軍の最新鋭戦闘機ワスプ200の疑似空戦フライトシュミレーターだ。

 おおっと、おもしろいぞ!まるで本当に空を飛んで敵戦闘機とドッグファイトをしているように感じる。僕は自分に課せられた使命を忘れて約20分、没頭して遊びまくる!

 あー楽しかった・・・ところが・・・ゲーム機のファンファーレが鳴り響く。

 「上級ゲームOK!!

 僕のスコアが高得点だったので、エキストラステージが現れたのだ!

 いやちょっと、こんなことしている場合じゃ・・・ああでも、しょうがないなあ!

 隠しステージとあれば逃げるわけにもいかない。もうちょっとプレイしようか。そんなこんなでもうあと20分、僕は「ワスプ・ファイター」を堪能する・・・(ここで運試しは吉だ)・・・そしてやっとゲームオーバーになった。

 すると知らず知らずのうちに、僕はワスプ200の操縦法に詳しくなっていた!この戦闘機に乗るときは、技術点がさらに+1されるのだ!

 それはよかった。じゃあさっそく復習だ。もう1回コンティニュー・・・

 いやいやいや、ちがうって!もうこれ以上遊んでいるヒマはないぞ。さっさとここを出なきゃ。

 

 いやあ、それにしても、おもしろいゲームだったなあ。

 ワスプ200かあ。すごい速度と運動性だったな。武装も強力だったし。流線型の外殻もすごくエッジが利いてカッコよかったなあ。

 だけどあんな最新鋭戦闘機、そうそう手に入れられるわけは・・・

 

 ・・・あった!

 

 ゴシゴシと目をこする。やっぱり、ある!

 僕が次にやってきたのは「娯楽市」の飛行場だ。ひょっとしたらカウボーイロボットを補修できる装甲板があるかもしれないと思い、やってきたのだ。ところが様々な娯楽用グライダーに紛れて、滑走路のはずれの格納庫に、とんでもない機体があった!

 そう、ワスプ200だ!!

 なぜこんなとこにあるんだろう?そうか、たぶん武器密輸業者が、軍から横流しを企んでいたのかもしれないな。

 心臓の鼓動を感じつつ、僕はいそいそとコクピットに乗り込み、フライバイワイヤを確認してみる。まだ新品でカバーのビニールも外されていない。そして燃料もたっぷり、ミサイルも機関砲弾も武装もフル装備だ。いける!

 

【ワスプ戦闘機】  装甲点:6  速度:超高速  戦闘修正:+2

特殊能力:戦闘ラウンドで、君が敵の攻撃力より4以上大きい攻撃力を出した場合、文字通り高みの見物をしゃれこめる。つまり次の戦闘ラウンドも自動的に勝ちとなり、2回分のダメージを敵に与えられる。

 

 やったぞ。ついに僕は故郷を解放するための強力な飛行ユニットを手に入れたんだ。

 だけど寂しいことに気づいた。今までの相棒、カウボーイロボットとはここでお別れしなくてはならないのだ。

 もちろんワスプ200の方が戦闘では高性能だから、どっちを選ぶかはわかりきっている。

 さっきゲームシミュレーションで特訓した僕は、正しい操縦法を知っているので、さらに技術点+1だしな。

 でも・・・わかっては、いるんだけど・・・

 どことなく寂しげな表情に映る、カウボーイロボットの頭部スキャンカメラを、僕は拳でコツンと叩いた。

 マーク5A万能型。牧場で始めて乗せられたときは、歩行型独特の振動におっかなびっくりだったなあ。だけど君は優しく僕をナビゲーションしてくれたっけ。

 

 ありがとう、君のことは忘れないよ。

 侵略者どもを倒したら、また迎えに来るからね。それまでここの格納庫で眠っていてくれ!

 

 さあ、テイク・オフ!

 旧友と別れて、僕は滑走路から最新鋭戦闘機ワスプ200を離陸させる。

 ここから飛行範囲内にあるのは「産業市」と「ジャングル市」だけど、「産業市」はさっき行ってきたばかりだから選択するまでもない。

 次に行くのは「ジャングル市」だ!!

 

 

 

6話「リアル・ドッグファイト」  --Robot Commando--

 

【技術点11/11 体力点14/18 運点10/12

【ワスプ戦闘機 装甲点6/6

 

 ゴオオオオォォォォォ・・・!!!

 僕はワスプ200を駆って高度1万フィートまで舞い上がる!

 さすがな上昇出力だ。さっきのゲームセンターよりも鮮やかな青空の中でのフライトを楽しみつつ、僕は一直線に次の目的地「ジャングル市」へと突き進む。

 しかし、そんな快適な空路も長くは続かない。カロシアン軍の防空レーダー網は、すでに綿密に構築されていたのだ。

 やがて無粋な邪魔者が現れる。搭載していたレーダーが電子警告音を響かせた。

 僕のワスプ200を急速に追尾してくるアンノウン!

 いや、こいつも・・・僕と同じ機体、ワスプ200だ!

 レーダーコーンの矩形が一致する。元は僕たちタロス国の戦闘機なのに、奴らは鹵獲して我が物にしているのか。くそう!!

 

【ワスプ戦闘機】  装甲点:6  速度:超高速  技術点:11

特殊能力:戦闘ラウンドで、君が敵の攻撃力より4以上大きい攻撃力を出した場合、文字通り高みの見物をしゃれこめる。つまり次の戦闘ラウンドも自動的に勝ちとなり、2回分のダメージを敵に与えられる。

 

 逃げ切れないな、これは・・・

 彼我の針路的に見て、僕に覆い被さるようなコースで敵機は飛来してきた。僕は腹を括って迎撃するために機首を敵機に向ける。

 それからお互いにぐるりぐるりと急旋回。剣の切っ先を慎重に測る、デュエリストのように・・・

 敵のパイロットの技量は僕とほぼ同じ。だが、さっきゲームシミュレーターで特訓しただけ(技術点+1のボーナス)、ちょっとだけこっちに分があるかな。

 ガシャコン!双方とも同時に燃料増槽を切り離した。火器管制オール・グリーン。

 さあ、最新鋭の戦闘機同士、ドッグファイトだ!

 

1R (ワスプ戦闘機/17)(リュート/19+2+1) ワスプ戦闘機/装甲点-2

 

 高速旋回のGで顔が歪む。身体がきしむ・・・くっ・・・だが・・・

 僕の方が、少しだけ、速い。根競べは僕の勝ちだ。後ろについたぞ。

 機関砲を撃つ!! HIT! HIT だけど?えっ??消えた???

 

2R (ワスプ戦闘機/23)(リュート/16+2+1) リュート/装甲点-4

 

 ああっ!高速ヨーヨーか!!逆転でケツにつかれた!!!

 ドズゥン!!操縦桿を捻る暇もなく、敵ミサイルが僕の機体のエンジンを直撃する(攻撃力が4以上大きいため、ワスプ戦闘機の特殊能力により2回分のダメージを受けます)。

 だけど、まだ、飛べるっ!

 僕はループによる減速で敵のオーバーテイクを誘い、再び背後についた。くらえ!!

 

3R (ワスプ戦闘機/20)(リュート/20+2+1) ワスプ戦闘機/装甲点-2

 

 高空の決闘もクライマックスだ。

 機体が互角ならば、勝負も互角だ。お互いに残す装甲点は2点のみ。ということは、次に命中を受けた方が、地べたに堕ちる!

 知らず知らずのうちにお互いが12時正面に相対した。

 火器管制レーダーが敵を捕捉し発射準備をスタンバイする。それと同時に、ヘッドアップディスプレイが敵に捕捉されてレッドアラートを告げる(たぶんあっちもそうなっているはずだ)。

 ここで臆病にも回避したら、後ろにつかれていずれはやられるだけ。

 だから・・・両方とも・・・直進、増速、突っ込む!

 C'moooonn!!!

 

4R (ワスプ戦闘機/18)(リュート/19+2+1) ワスプ戦闘機/装甲点-2 ←Destroy!!

 

 ヒュイン! 一瞬の交錯。そして・・・ ズガアアッ!!

 まだ飛んでいるのは僕の方だ!

 敵のワスプ戦闘機が僕からの直撃弾を受け、空中で四散し、火を噴いて墜落していく。脱出ポッドは確認できない。そう、ゲームセンターと違い、実戦では、人が死ぬのだ・・・

 (ゴスッ!ガスッ!)

 くっ、感傷に浸っているヒマはない。

 僕のワスプ200も残り装甲点は2点だけ、敵ミサイルの直撃を受けたので、煙を吐きながらやっとのことで飛んでいる状態だ。このまま新たな迎撃機に遭遇したら、絶対に食われる。

 やむをえないな、脱出だ!

 僕はシートの横にあるイジェクションレバーを引き、脱出ポッドを作動させる。操縦席がワスプ200の機体から分離して、横から小さい翼が伸びた、超小型の飛行ロボットになった!

 

【脱出用ロボット】  装甲点:1  速度:超高速  戦闘修正:0

特殊能力:なし。

 

 僕はワスプ200を見捨て、脱出用ロボットで目的地までの残りの行程を飛行する。操縦する主がいなくなり、自動飛行モードとなったワスプ200に、わらわらとカロシアン軍の迎撃機が寄っていくのがレーダーで確認できる。

 ほどなくして光点が消えた・・・撃墜されたのだ・・・

 だけどその前にまんまと脱出していた僕は、燃料が切れるか切れないかギリギリのところで「ジャングル市」の郊外にたどり着き、脱出用ロボットを不時着させることができるのだった。

 これからのことを考えれば、当然のことながら、こんな簡素なロボットではカロシアン軍に太刀打ちできない。

 この街で新たな機体を見つける必要があるな。

 僕は脱出用ロボットを見捨て、徒歩で「ジャングル市」にこっそりと進入する・・・。

 

 ここは惑星タロスの中でも比較的小さな都市だ。その名の通り、野生の恐竜が生息している大密林が街の近くまで接近している。だから侵攻される前は、探検家、植物採集家、野生愛好家たちの拠点となっていたところだ。

 さて、まずは、市内の探索か。

 カロシアン軍の駐屯部隊に遭遇するリスクもあるけど、恐竜たちがうろついているジャングルに身体一つのままで入り込むことは、それこそ自殺行為だ。だからまずは「ジャングル市」の中を探ってみることに決めた。

 僕は建物の影に隠れながら、こそこそと移動を始める。

 どこかに僕でも動かせるロボットがあるといいんだが・・・

 

 

 

7話「足なんて・・・飾り?」  --Robot Commando--

 

【技術点11/11 体力点14/18 運点10/12

【現在、ロボットはありません】

 

 建物の影に隠れながら注意深く、僕は市街の北部に向かう。だが荒廃したここら辺の地区は、ますますジャングルに隣接した区域だ。

 こんなに植生界が近づいていると・・・僕はぞくっと背筋が寒くなる・・・

 グアアアオオオオ!

 嫌な予感が的中した。僕はジャングルから市街に迷い込んできた、1匹の野生恐竜といきなり遭遇してしまう!そいつは4本脚で歩行し、沼地に潜んで腐肉をあさる肉食竜、ノトザウルスだ!!

 もちろんロボットに乗っていない僕では、とうてい太刀打ちできない。素手で戦うには、相手は巨大すぎる。

 だから・・・逃げるっ・・・!!!

 

 (ここで運試しは吉でした)

 

 ふう・・・はあ・・・もう・・・大丈夫かな?

 暴れまわる空腹のノトザウルスが別の建物を破壊している隙に、僕は命からがら逃走することができた。

 あー疲れた。へたり込んで少し休憩する僕。そして水筒からがぶがぶミネラルウォーターを飲んで一息つく。ふーう!

 しかしあいつ、早く始末しとかないと、昏倒して無力な「ジャングル市」の人々に危害が及ぶな。とにもかくにも戦えるだけのロボットを・・・

 僕は切実に焦りつつ、今度は市街の南部に回った。

 

 カロシアン軍は・・・いないな、よし!

 曲がり角で一つひとつ確認してから、慎重に、かつてきぱきと街路を歩いていく。幸い、敵はこの都市を見捨てているらしく、出会うのは(さっきのノトザウルスを除けば)小さなトカゲだけだ。そんな捜索が1時間ほど続き・・・なんだここは?

 僕は巨大な斑模様のパイプが横たわっている街路にたどり着いた。

 近づいて調べてみよう。ずっしりと鎮座しているパイプをコンコン、と手で叩いてみる・・・

 むむ、この音は!さらにもっと力強くぶっ叩く。ガィーン!

 長く響いてくる低音に聞き覚えがある。ロボットと年がら年中暮らしている僕みたいなカウボーイが間違えるわけはない。外殻成形によく使用されるクロムナイト鋼板だ!

 そうか、パイプに見えたものはロボットの胴体だったのだ。こいつは蛇型ロボットサーペントⅦじゃないか!

 

【サーペントⅦ】  装甲点:9  速度:ジャングル…高速/その他…中速  戦闘修正:+1

特殊能力:戦闘でサーペントⅦの攻撃力が16以上なら、いつでも敵を締めつけることができる。締めつけている間、各戦闘ラウンドでは敵にダメージを1点余分に与える。これはどちらの攻撃力が上回るかは関係ない(攻撃に失敗しても、敵に1点のダメージを与える)。締めつけはサーペントⅦが逃亡するか、どちらかが破壊されるまで続く。ただし、飛行している敵には締めつけをできない。

 

 巨大な蛇を模したこのロボットに脚部はない。そして作業用アームも使用しないときは胴体に折り畳めるように設計されている。だからこいつは胴体そのものを伸縮させ、まるでミミズのように移動することになる。植物が欝蒼と絡まりあう地表の密林地帯においては、その方がはるかに効率的なのだ。

 それにしてもジャングル戦闘に特化した革命的な機体だ。ロボット乗りの伝説によれば、このロボットの開発主任は「足なんて飾りですよ」と大胆にも言い放ったらしいが・・・

 まあ、そんなトリビアはどうでもいい。

 とにかく今、僕が動かせそうなロボットはこれだけだ。僕は早速サーペントⅦに乗り込み、市街の北部に再び向かう。乱暴を働いているノトザウルスを成敗しに行くのだ!

 

 ズルズルと地面をのたうちながらサーペントⅦを移動させ、再び市街北部にやってきた。

 腐肉あさりのいやらしいノトザウルスは相変わらずそこにいた。そいつは眠りこけた市民で満員のエアラフトバスを押し倒し、今まさに食べようとしている!

 ズガン!僕は威嚇射撃をノトザウルスの鼻面に放つ。怒りに燃えた目でノトザウルスは顔を向け、雄叫びで脅し上げた。どうやらこのロボットを完全に動物だと思っているようだ!

 

【ノトザウルス】  装甲点:7  速度:低速  技術点:9

特殊能力:なし。

1R (ノトザウルス/14)(リュート/21+1+1

 ノトザウルス/装甲点-2 and 締めつけ開始!

2R (ノトザウルス/16)(リュート/20+1+1

 ノトザウルス/装甲点-2 and 装甲点-1(締めつけ!)

3R (ノトザウルス/12)(リュート/17+1+1

 ノトザウルス/装甲点-2 and 装甲点-1(締めつけ!) ←OverkiLL!!

 

 ぎゅうううううう・・・ブチイッ!

 僕の操縦するサーペントⅦはノトザウルスの胴体に絡まり、最大出力で締め上げる。そして思いっきり切断してやった!

 僕のロボットに損害はなかったものの、おびただしい血液や臓物が街路に散乱している。いやあ、強いことは強いが、戦ったあとはなかなか凄惨なことになるなあ。このサーペントⅦは。

 だけど僕たちは、まだ眠っている「ジャングル市」の人々を恐竜の脅威から救ったのだ。そのことだけは少し誇りに思ってもいいな。運点+2だ!

 よし、この調子で大密林も調査してみよう!

 

 

 

8話「密林の苦闘」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/11 体力点14/18 運点11/12

【サーペントⅦ 装甲点9/9

 

 というわけで僕は、「ジャングル市」に隣接して広がる大密林に乗り込んでいく。踏み分け道を進んでいくわけだが、こうしてみると、まるで僕のロボットも大自然の一部になったみたいだ。

 やがて分かれ道に着いたので右に進むことにした。すると・・・

 BOMBOMBOM

 なんだ?ジャングル中に轟く騒音が僕のロボットに接近してくるぞ。

 その音の正体は、やがて道端にぬうっと現れた。また野生の恐竜だ!背が低く、分厚い装甲皮を持ち、棍棒のような尻尾を前後に振りまわしている。

 この恐竜はアンキロザウルスだ。小型だが獰猛で、体のあちこちが鎧状になっている。尻尾の先端には大きな骨の固まりがあり、それを棍棒のように振り回して攻撃してくるのだ。

 どうやら僕らを、縄張りに踏み込んだ大蛇だと思いこみ、明らかに威嚇している。そして一声叫ぶと一直線に突っ込んできた!応戦するしかあるまい!!

 

【アンキロザウルス】  装甲点:12  速度:低速  技術点:9

特殊能力:君のロボットが2本足か4本足の場合、アンキロザウルスの攻撃によってダメージを受けたら、君は転倒する。次の戦闘ラウンドで、君の側の攻撃は(通常通りサイコロを振るものの)アンキロザウルスに対してダメージを与えることができない。つまり1戦闘ラウンドの間は防御のみとなる。

1R (アンキロザウルス/12)(リュート/出目3

 サーペントⅦ/装甲点-2 ←しかし2本足でも4本足でもないので特殊能力の効果は受けない。

2R (アンキロザウルス/18)(リュート/18+1+1

 アンキロザウルス/装甲点-2 and 締めつけ開始!

3R (アンキロザウルス/16)(リュート/16+1+1

 アンキロザウルス/装甲点-2 and 装甲点-1(締めつけ!)

4R (アンキロザウルス/12)(リュート/22+1+1

 アンキロザウルス/装甲点-2 and 装甲点-1(締めつけ!)

5R (アンキロザウルス/14)(リュート/15+1+1

 アンキロザウルス/装甲点-2 and 装甲点-1(締めつけ!)

6R (アンキロザウルス/18)(リュート/16+1+1

 Draw

7R (アンキロザウルス/17)(リュート/出目3

 サーペントⅦ/装甲点-2

8R (アンキロザウルス/18)(リュート/17+1+1

 アンキロザウルス/装甲点-2 and 装甲点-1(締めつけ!) ←OverkiLL!!

 

 何とか撃退したものの・・・くそ、損害は予定外だったな。

 僕は舌打ちしつつ、サーペントⅦの作業用アームでアンキロザウルスの死骸を投げ捨てる。そしてこの怪獣がなぎ倒していた茂みの後をレーダーで探ってみた。ん、何やら反応があったぞ?

 それは大型のキャタピラロボットだった。

 乗員はもちろん眠っている。コクピットは頑丈な作りなので、恐竜に襲われても大丈夫だろう。それに僕がこのロボットに乗り替えたら、この人はジャングルに置き去りだ。それは寝覚めが悪いし気が引けるな。そのままにして先を進もうか・・・

 立ち去りかけたそのとき、僕はこのキャタピラロボットに付属していたオプション装置に気がついた。

 なんて書いてあるんだ?えーっと・・・

 

 飛行機等に作用する実験用--妨害フィールド--

 ただし確実とは限らない。直ちに飛行型恐竜に対してテストすること

 

 僕は直感した。うん、何かの役に立ちそうだぞ。

 こんな密林の中でオーバーホールはできないから、とりあえずこの「妨害フィールド」とやらを取り外して持っていくことにしよう。あとでじっくりロボットとの適合性を調べてみればいいや。

 

 そして再び大密林を進み始めると、また分かれ道に出た。

 左には大きな標識が立てかけられており「危険!植物に注意!!」とある。恐竜ならわかるけど、動きもしない植物に対して「危険!」って、どんなリスクなんだろう?

 まさかブラックロータスみたいに毒性の胞子を撒き散らすような・・・

 うーんなんだか怖いな。何の表示もない右の道を行こう。

 

 だがこっちの道は・・・ずぶ・・・ずぶずぶ・・・

 湿地帯に続いていた!

 くそ、まずい!泥沼に沈みこんでいくぞ!!

 だけどなんとか姿勢を安定させ、落ち着いて操縦することができた。蛇型に設計されたフォルムが効力を発揮したのだ。

 接地面が小さい2本脚ロボットならたちどころに身動きがとれなくなるはず。しかし腹這いになって進むサーペントⅦなら、沈下するスピードは比較的ゆっくりなのだ。

  (技術点チェック、成功!!)

 ゴオオオオォ・・・バシャアアア・・・!!

 僕は急加速をかけて、はまり込んだ危険から脱出することができた。

 

 危地を脱してさらにジャングルを進み続ける。しかし残念なことに、それ以後はあまり収穫もなく、市街地に戻ってきてしまったぞ。

 しかも密林を潜り抜けた蛇型ロボットのサーペントⅦは、道なき道で悪戦苦闘を強いられ、小さなダメージを機体のそこかしこに受けてしまった。装甲点-2だ。

 うーん、どうやらこの都市には、これ以上僕の抵抗活動に役立つ物はなさそうだ。そう悟った僕は、このまま「ジャングル市」を去ることにした。

 

 サーペントⅦでにょろにょろと荒野を這い進み、次の目的地に向かうことにする。

 ではどこへ行こうか?コクピットの中でGPSを参照してみる。ここから行けるルートは、「産業市」「知識市」「娯楽市」そして「首都」の4方向だ。

 このうち「産業市」と「娯楽市」はすでに調査済み。じゃあ「首都」か?

 いや、そこはカロシアン軍の主力部隊が駐屯しているはず。おそらくミノスとかいう司令官もいるだろう。ちょっとまだ力不足だな・・・

 じゃあここしかない。僕は「知識市」へ針路を向けるのだった。

 

 

 

9話「医科大学のブルーワクチン」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/11 体力点14/18 運点11/12

【サーペントⅦ 装甲点3/9

 

 途中でカロシアン軍に悩まされることもなく、僕は無事「知識市」に到着した。

 ここは惑星タロスで最高かつ最新の科学技術を誇っていた文教都市だ。ここでなら僕のレジスタンス活動について、局面を打開する切り札が見つかるかもしれない。そう淡い期待を抱いてやってきたのだが・・・

 僕みたいな一介のカウボーイにとっては、もっとも縁がなかった都市でもある。

 うーん、優秀な兄さんや姉さんと違って、僕は勉強が苦手だったから牧童になったわけで、どこで何を探していいのか、ピンとこないな。

 しょうがないから片っ端から調査してみるとするか。

 

 僕は目についた大きな建物のなかで、いちばん近くにあった「医科大学」を訪れてみることにした。ここはタロス最大の病院だ。そして有数の医学実験施設でもあると、以前ホログラムテレビが特集を組んでいたっけ。そんぐらいの知識しかないのだが・・・

 とりあえずロボットを玄関に停めて、施設の中に入っていく。幸い、ここにカロシアン軍はいないようだ。 

 まずは僕の怪我を手当できる場所はないかな?

 そう考えて医科大学の付属病院の方に行ってみる。すると間もなく、医療キットを1箱見つけた。よし、これは持っていこう。

 それから、おっ、外科医ロボットがいたぞ。だけどこれには「故障中」と大きな札が掛けられていた。医者たちはこのロボットを修理できないので放置していたみたいだ。

 だけど僕なら運試し、成功!

 なんだ、配線が絡まっているだけじゃないか。こんなの簡単に直せるよ。ふふっ、医学知識はゼロだけど、ロボット修理ならお手のものさ。

 やがてモーターが動き出し、外科医ロボットは再起動した。もちろん僕は自分を治すよう、このロボットに命じる。

 

外科医ロボット「コッテマスネ、オキャクサン、マッサージ、シマショウカ???」

リュート「いや、そんなのいいから・・・」

 

 外科医ロボットの懇切丁寧、かつスピーディな治療で僕の体力点は原点に戻った!さらにこの幸運に運点+1だ。

 よーしいいぞ。病院で十分な治療を受けて英気を養った僕は、もうちょっとここに留まることにする。なぜかというと、カロシアン軍がばらまいた「眠り病ウィルス」について、何かわかるかもしれないと悟ったからだ。

 続いて研究実験棟に行ってみよう!

 

 この部屋かな?

 医学図書室って書いてあるけど???

 扉にロックはされていない。そおっと中に入ってみると、部屋の中は埃だらけの本の山だ。

 うえっ、まだデータベース化されていなかったんだぁ。うんざりしながら背表紙だけをチェックしていくと・・・あった!・・・の、かな?

 それは医学生用に作られた一冊の古い教科書だ。中には「あらゆる眠りを覚醒させる薬品の成分表」が記載されていた。

 本当かよ?「あらゆる眠りを覚醒させる」ってのが、なんだかなあ・・・

 だけどインチキ薬の調合法であっても、今はこれしか頼る術がないのも事実だ。僕は隣の化学実験室に行き、教科書にあるとおりに作ってみることにする。

 幸い、必要な材料はそろっているし、作成手順は簡単だ。ほどなくして僕は睡眠ウィルスを無効化するワクチンを作ることができた!

 

 ・・・1リットルだけ。

 

 ガックリする。今ある材料だけでは、この怪しく輝くブルーの薬は、たった1リットルしか生成されなかったのだ。

 あ、でも、ちょっと待てよ。教科書には1リットルもあれば、惑星全体の人間が影響を受けるほどの量である」と書かれてある。そして僕はまた思う。

 本 当 か よ ?

 ますますいかがわしさが漂ってきたぞ。この薬は揮発性で、ビンの蓋を開ければたちまち蒸発して空中に拡散するそうだ。つまり、眠っているタロス人を1人ずつ嗅がして回ることはできない。国中の人々に、いちどきに薬を嗅がせないとだめだ。

 そんなのできるわけないじゃないか!

 無駄な作業だったかな。肩をすくめる僕。まあここで捨てるくらいなら持って行くけどさ。だけど・・・あれ?あれれ?まだ何か書いてあるぞ。教科書に???

 意外な脚注を見落としていた。

 このワクチンを生成するには、食人植物のエキスが必要なのだが、それは新鮮なものであればあるほど、効果は高いのだ。

 だけどこの科学実験室にあったそれは、数ヶ月前に採取された干からびたものだ。まっさらなものを手に入れて、もう一度調合しておいたほうが効果は確実だ。

 だけど食人植物なんてどこに植生しているんだろう?

 

 僕は医科大学内の研究実験棟を後にする。

 「もうここではなにも見つけられないな」と判断したからだが、ロボットに戻る途中で、とんでもない追跡部隊と出くわした!

 キーキーキー!

 ギョッとする。僕が遭遇したのは実験動物のオオトカゲ3だ。飼い主が眠りこけた隙に檻から逃げ出したそいつらは、赤い目をらんらんと光らせて、今まで閉じ込められていた恨みを晴らそうと、人間様に容赦なく飛びかかってくる!

 だったらレーザー剣を抜いて個人戦闘だ。言っとくがなトカゲども、僕はひょろひょろした学者連中じゃないぞ。タフなカウボーイなんだ。覚悟しておけ!!

 

【オオトカゲ1 技術点7 体力点4

【オオトカゲ2 技術点6 体力点6

【オオトカゲ3 技術点7 体力点5

1R (オオトカゲ1/13)(リュート/21) オオトカゲ1/体力点-2

2R (オオトカゲ1/13)(リュート/18) オオトカゲ1/体力点-2 ←KiLL!!

3R (オオトカゲ2/9)(リュート/20) オオトカゲ2/体力点-2

4R (オオトカゲ2/17)(リュート/17) Draw

5R (オオトカゲ2/9)(リュート/18) オオトカゲ2/体力点-2

6R (オオトカゲ2/10)(リュート/17) オオトカゲ2/体力点-2 ←KiLL!!

7R (オオトカゲ3/13)(リュート/19) オオトカゲ3/体力点-2

8R (オオトカゲ3/12)(リュート/17) オオトカゲ3/体力点-2

9R (オオトカゲ3/13)(リュート/21) オオトカゲ3/体力点-2 ←OverKiLL!!

 

 狭い病院内の通路だもの、落ち着いて1匹ずつ始末していけば、楽勝だ!

 荒野であんな獣はさんざん相手してきたんだ。大したことないさ。へへっ。

 僕はオオトカゲの来襲を難なく退けた。だけど他にもうろついている実験動物がいるかもしれないな。さっさとここから出たほうがよさそうだ。

 

 僕は自分のロボットのサーペントⅦまで戻り、勝利の余韻に浸りつつ、口笛を吹いて「知識市」の次の調査地点へと向かう。

 そこで、ふと、思い出したことがある。

 さっきの食人動物のエキスについてだ。

 以前訪れた「ジャングル市」の大密林の中で、植物を異常に警戒していた地域があったじゃないか。ひょっとしたら食人植物って、そこに生えているんじゃないだろうか。

 ここ「知識市」の調査が終わったら、もう一度行ってみるか?

 だけどそうするなら、この傷だらけのサーペントⅦから、違うロボットに乗り換える必要があるなあ。あそこには獰猛な恐竜もまだまだいそうだし・・・

 

 ま、それは後々の検討材料として、今は調査を続けよう。

 よし、次はここに入ってみることにしようか。僕はロボットを降りて、次に目についた建物「タロス博物館」を訪れてみることにするのだった。

 

 

 

10話「その名はスーパーカウボーイ!」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/11 体力点18/18 運点11/12

【サーペントⅦ 装甲点3/9

 

 タロス博物館はこの星最大の知識収蔵庫だ。ありとあらゆるテーマについて、いろんなものが展示されている。

 注意を怠らないできたが、どうやらここにもカロシアン軍の姿はない。ロボットを止めて降車し、向き合ったドラゴンの石像の間を通って、正面階段を上った。

 タロス人の博物館職員たちはやっぱり昏睡していたが、小さな案内ロボットだけはかいがいしく仕事をしている。訪問客である僕をセンサーで感知すると、ヒュルルル・・・と浮遊しながらやってきた。そして人間どもの非常時なんか関係なく、呑気な声で応対する。

 

案内ロボット「ドノヨウナ ゴヨウケン デショウカ?」

リュート「あ、ええっと・・・」

 

 ここで僕が調べたいのは・・・

 そうだ、敵のことをもっとよく調べてみよう。そうすれば百戦危うからずだ。

 

リュート「僕はカロシアン人のことを知りたいんだ」

案内ロボット「カシコマリマシタ」

 

 案内ロボットは内蔵プロジェクターでこの館の見取り図を映す。カロシアン人の歴史と文化について、エプシロン・ホールに展示品が飾ってあるようだ。

 さっそく行ってみよう。僕は案内ロボットに礼を言うと、そっちの方へと向かった。

 しかし館内はけっこう広く、移動に時間がかかる。

 途中、何度かおかしな異音も響いた。やっぱりカロシアン軍が来ているのかな?焦って早足になりながら、やっと僕はエプシロン・ホールに到達した。

 ここでの中心はカロシアン人の文化や慣習についての特設展示だ。僕にとって必要な、軍事関係やロボットのことにはあまり触れられていない。

 じっくり調べると1時間くらいかかる。タイムロスだ・・・だけどこの機会を逃したら、もうここに戻ってこれないかもしれない・・・ええい、奴らが来たら、そのときはそのときだ!

 僕は腹を据えて、じっくり調査してみることにした。

 

 ・・・ ・・・ ・・・ ん? おもしろそうなことを知ったぞ。

 だだっ広いホールをゆっくり回って、最後の最後に、僕は興味深い情報を見つけた。

 それはカロシアン人の決闘についての風習だ。それはどうやら惑星カロシアンに植民した初期移住民による古来からの伝統らしい。部族間の論争にカタをつけるときは、お互いの代表である“チャンピオン”を選び、戦争の代用として決闘を行い、決着をつけるのだそうだ。

 なんとも古風なしきたりだなあ。でもなんとなく、姉さんが喜びそうな気もするな。

 さて、この情報に関係あるデータリンクナンバーは111だ。よし、頭に留めておくとしよう。

 

 僕はエプシロン・ホールを去り、近道をして巨大なギャラリーを見下ろす広い通路を通って玄関に戻ろうとする。

 ところが、下のギャラリーをみると、めちゃくちゃに破壊されている!!

 大きな展示区画にはぶち破られた壁の残骸が散乱し、その中に黒服のカロシアン軍兵士が2人、動かずに横たわっている。

 僕はそおっと足音を立てずに下へ降りた。カロシアン人の兵士は・・・やっぱり死んでいた・・・どうやらこの博物館を接収しようとやってきたら、思わぬ逆襲にあったみたいだ。

 しかし誰によって?タロス人はみんな眠っている。オートマティックの侵入者撃退装置?いやだけど、それが博物館の外壁まで破壊していたんでは、本末転倒だ。

 僕は死体の近くにあった展示台の名前を読む。展示台の上には何も置かれていないのだが、そこには「ティラノサウルス」と書かれていた。そして、巨大な尻尾を引きずったような痕跡が展示台の上から外壁の穴まで伸びていて・・・ま、まさかな・・・は、はは・・・

 詮索しても僕には何の関係もない。少なくとも今のところは。

 僕は死んだ兵士のカロシアンの軍服を脱がして、自分に着用してみた。うん、ぴったりだ。敵を欺けるかもしれないので、このまま着ていくことにしよう。

 そうこうしているうちに名前を呼ぶ声が聞こえた。こいつらを捜索していた部隊が近づいてくる気配がする。

 僕は急いで手近なドアから抜けて受付に回り、博物館を後にした。

 

 ふー、脱出成功。さて次は「知識市」のどこへ向かおうか。

 そこで僕はちょっと気がかりなことがある。さっきの、兵士どもを殺戮して博物館から逃げ出した「ティラノサウルス」とかいう展示品。もしあれが本当に、本当にだ、T-Rexだったとしたら・・・

 街中をうろつかせておくには、危なすぎるぞ!

 僕はサーペントⅦを急いで恐竜保護地区の方へと向けた。

 

 恐竜保護地区は獰猛な野生恐竜を研究用に閉じ込めてある場所だ。

 そこの金網が破られておらず、T-Rexが逃げ出していないことがわかって、僕はほっとする。だとしたら僕の心配は取り越し苦労だったわけだ。

 さて、ロボットを降りてみる。

 金網のこちら側は気持のよい緑の草地で、向こう側は生い茂った森林地帯だ。そしてこっち側には管理用ビル格納庫があった。

 待てよ?

 以前「娯楽市」で恐竜狩りゲームを遊んだ時に、確か恐竜保護地区でテストしている、とかいう物が・・・

 心当たりがあった僕は、ひとまず管理用ビルの中を調べてみる。

 すると、やっぱりあった!

 戸棚の中に未使用の衣装ハンガーがあって、そこには光学迷彩を施した最新鋭のカモフラージュウェアがあったのだ。そう、僕は「透明マント/モデル3の本物を手に入れたのだ。

 こいつは着用者の周りの光線を通過させて、約一時間透明でいることができる。その間は潜伏し放題。僕のようなレジスタンスにはうってつけのアイテムだ。

 しかしまだ実験段階であり、充電なしで作動するのは1回だけ。そして充電方法はマニュアルに記されていない。要するに、1回こっきりの使い捨てってわけだ。

 使いどころを間違えないようにしなくちゃな。さて、お次は格納庫だ!

 

 次に侵入した格納庫は、頑丈な金属でできた巨大な扉がある。そこには【危険!立入禁止!】と大きく紙が貼ってあった。

 だからどうした?今だって十分危険じゃないか!

 そんな脅しに屈することなく、僕は扉を開放するスイッチを押した。

 ギギギ・・・と大きな音を軋ませて開く扉。するとその中には・・・

 (ピュー♪) 

 僕は口笛を吹く。中には最新鋭のカウボーイロボットがたくさんあった!

 格納庫に配置されていたこいつらは、僕が牧場で使用していたカウボーイロボット、マーク5A万能型よりも重武装かつ重装甲だ。獰猛な大型恐竜を駆逐するためにカスタマイズされた改良機で、戦闘用ロボットとほぼ同じくらいの強力な武装を備えているのだ。

 

【スーパーカウボーイロボット】  装甲点:14  速度:中速  戦闘修正:+1

特殊能力:このロボットは恐竜誘導用として「音波発生器」が装備されている。恐竜と戦うときはこれを稼働するので、敵の技術点を-1すること。残念なことだが、この特殊兵器はロボット相手には効果がない。

 

 上物じゃないか!

 ここまで乗りまわしてきた蛇型ロボット「サーペントⅦ」もかなりガタが来ていた。それにやっぱり、勝手知ったる歩行型のカウボーイロボットの方が、僕は扱い慣れている。

 どう見てもここらが乗り換え時だな。僕は迷わずスーパーカウボーイロボットのうちの1つに搭乗し、イグニッションキーを回してタービンを始動させてみた。

 うーん、思った通りの高出力!腹の底からビンビン痺れるロックンロール(排気音)だ!

 試運転がてら、金網を乗り越えて森林地帯を探ってみるとするか!

 

 

 

11話「再びジャングル市へ」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/11 体力点18/18 運点11/12

【スーパーカウボーイロボット 装甲点14/14

 

 僕は最新鋭のスーパーカウボーイロボットを操縦し、地上から恐竜保護地区に入り込む。

 そしてさっそくお出ましだ。外敵を排除しようと、2匹のトリケラトプスが角を振りかざして突進してくる!

 それでは使ってみよう。音波発生器、スイッチオン!

 「ゴワラキャアアア!」恐竜たちは苦悶の雄たけびを上げる。彼らにとって嫌がる周波帯の音波が放出されて、恐竜たちは技術点-1だ。その隙に僕はすかさず接近して戦いを挑む。

 しかし今回の戦闘では2匹と同時に戦わなければならない。攻撃するときにどちらかを選択する必要がある。そして攻撃力が違うもう1匹の相手より高かったとしても、そっちにはダメージを与えられないのだ(注:FFの複数戦闘と同じルールだ!)。

 

【トリケラトプス1】  装甲点:9  速度:中速  技術点:9

特殊能力:なし。

【トリケラトプス2】  装甲点:10  速度:中速  技術点:8

特殊能力:なし。

1R トリケラトプス1を選択 (トリケラトプス1/12-1)(トリケラトプス2/14-1)(リュート/16+1

 トリケラトプス1/装甲点-2

2R トリケラトプス1を選択 (トリケラトプス1/15-1)(トリケラトプス2/20-1)(リュート/19+1

 トリケラトプス1/装甲点-2

3R トリケラトプス1を選択 (トリケラトプス1/14-1)(トリケラトプス2/19-1)(リュート/22+1

 トリケラトプス1/装甲点-2

4R トリケラトプス1を選択 (トリケラトプス1/13-1)(トリケラトプス2/11-1)(リュート/17+1

 トリケラトプス1/装甲点-2

5R トリケラトプス1を選択 (トリケラトプス1/15-1)(トリケラトプス2/15-1)(リュート/17+1

 トリケラトプス1/装甲点-2 ←OverkiLL!!

 

 ガガガッガガガッガガガッ・・・!!!

 リズミカルに20mmガトリング砲が響く。僕は一斉掃射でトリケラトプスの片割れを始末した。さすが最新鋭機、圧倒的な火力だ。もう1匹も速やかに片付けるぞ!!

 

6R (トリケラトプス2/16-1)(リュート/21+1) トリケラトプス2/装甲点-2

7R (トリケラトプス2/13-1)(リュート/21+1) トリケラトプス2/装甲点-2

8R (トリケラトプス2/17-1)(リュート/出目3) スーパーカウボーイロボット/装甲点-2

9R (トリケラトプス2/14-1)(リュート/18+1) トリケラトプス2/装甲点-2

10R (トリケラトプス2/16-1)(リュート/19+1) トリケラトプス2/装甲点-2

11R (トリケラトプス2/11-1)(リュート/18+1) トリケラトプス2/装甲点-2 ←KiLL!!

 

 オーケー、スイープ完了だ!

 旧式機なら手こずったであろう2匹のタフな野生竜相手に、1回の手傷を負っただけで脅威を排除することができた。だけど11ラウンドもかかった長丁場な戦いだったので、僕もさすがに疲労を感じてしまう。体力点-1だ。

 しかしこのスーパーカウボーイロボットは、恐竜相手なら無敵に近いぞ。この機体なら「ジャングル市」に戻って、あの大密林を調査することも可能だろう。

 なぜそうしなければならないかというと、医科大学で生成した覚醒ブルーワクチンを完成させるには、あそこに植生している食人生物のエキスが必要だからだ。惑星タロスの全住民に、いちどきにこれを嗅がせる方法はまだ見つからない。だがその手段が見つかったときのために、ワクチンは完成させていた方が、いい。

 僕は恐竜保護地区を抜け出る。そしていったん「知識市」を後にすることに決めた。来た道を逆戻りして「ジャングル市」へ戻るのだ。

 

 ・・・ ・・・ ・・・ 着いたぞ。

 

 久しぶりに訪れた「ジャングル市」は、相変わらずひっそりとしてい・・・なかった!

 カロシアン軍の斥候隊が市内を巡回している中に、いきなり飛びこんでしまったのだ。奴らは自前のロボットは持っていないのだが、「ジャングル市」の作業用ロボットを徴発して自分たちのものにしている。

 しょせん非戦闘型ロボットだろ、落ち着いて戦えば、大丈夫だ!!

 

【清掃ロボット】  装甲点:4  速度:低速  技術点:7

特殊能力:なし。

【牽引ロボット】  装甲点:6  速度:中速  技術点:7

特殊能力:なし。

【交通ヘリ】  装甲点:3  速度:高速  技術点:8

特殊能力:なし。

1R (清掃ロボット/19)(リュート/17+1+1) Draw

2R (清掃ロボット/18)(リュート/19+1+1) 清掃ロボット/装甲点-2

3R (清掃ロボット/12)(リュート/19+1+1) 清掃ロボット/装甲点-2 ←Destroy!!

4R (牽引ロボット/10)(リュート/16+1) 牽引ロボット/装甲点-2

5R (牽引ロボット/13)(リュート/18+1) 牽引ロボット/装甲点-2

6R (牽引ロボット/10)(リュート/20+1) 牽引ロボット/装甲点-2 ←Destroy!!

7R (交通ヘリ/20+1)(リュート/17+1) スーパーカウボーイロボット/装甲点-2

8R (交通ヘリ/19+1)(リュート/19+1) Draw

9R (交通ヘリ/14+1)(リュート/20+1) 運試し吉 交通ヘリ/装甲点-4 ←Destroy!!

 

 ちょこまか飛び回るヘリが厄介だったけど、ガトリング砲で一斉掃射だ!!

 ドガン!ドガン!ドガン!カロシアン軍の斥候隊を見事撃破した。そして、ゲリラの僕は人知れず大密林の中へと消えていく。まるで幽霊のように・・・

 そう、奴らは誰にやられたのか、当分は気付かないだろう。

 

 

 

12話「白熱の追撃戦」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/11 体力点17/18 運点10/12

【スーパーカウボーイロボット 装甲点10/14

 

 再び僕は「ジャングル市」近郊の大密林の中にいる。

 行くとこが決まっているので、今度は道に迷う必要もない。アンキロザウルスに出くわさないように気をつけて・・・っと、ここだな。

 「危険!植物に注意!!」という標識看板があるところまでやってきた。僕は、今度はそっちの方角に踏み入ってみる。

 すると、間もなく広い空地に着いた。ぽっかりと開いたスペースの中央には、棘だらけの葉を無数につけた巨大な植物がぽつんと立っている。

 これが食人植物か!

 木の幹には、大きな、赤黄色の花がいくつか咲いている。注意深く観察しているうちに、相手も僕のことを見張っているのではないか、と不安になってきた。

 そおっと、そおっと、刺激しないように・・・

 よし、つかんだ!

 僕はロボットの腕を伸ばし、細心の注意で花の1つを摘んだ!

 素早くロボットの吸入口を通じて花を取り込む。すかさずブルーワクチンの入ったビンの蓋を開けて花を中に落とし、揮発する前に素早く蓋を閉める。

 おお、ワクチンが、みるみるうちに青からラベンダー色に変化していく・・・

 成功だ!僕は貴重な覚醒ワクチンを入手したぞ!!

 

 だが浮かれるわけにはいかない。

 

  ( ガリ・・・ガリリ・・・ギギギギ!!! )

 

 スーパーカウボーイロボットの外殻がきしむ。なにかに引っ掻かれているようだ。

 モニターを見て背筋に悪寒が走る。僕のロボットを食ってしまおうと、食人植物が棘だらけの触手を絡みつかせてきたのだ。そして花のついた茎が後ろによじれ、牙のある口が現れた!この植物は空腹なのだ!!

 食人植物に移動力はないのだけれど、すでに僕のロボットは触手で身動きが取れなくなってしまっている。だから逃亡はできない。戦って生きる道を切り開くしかないぞ!

 

【食人植物】  装甲点:8  速度:--  技術点:9

特殊能力:戦闘が始まる前に相手を捕えてしまうので、速度は問題とならない。

1R (食人植物/16)(リュート/18+1) 食人植物/装甲点-2

2R (食人植物/18)(リュート/23+1) 食人植物/装甲点-2

3R (食人植物/14)(リュート/15+1) 食人植物/装甲点-2

4R (食人植物/12)(リュート/19+1) 食人植物/装甲点-2 ←KiLL!!

 

 幸いなことに、このような鋼鉄の巨体を、奴は食べたことがなかったようだ。噛みついた瞬間の歯ごたえに「???」と怯んだ一瞬を、僕は見逃さなかった。スーパーカウボーイロボットの怪力は触手を引きちぎり、至近距離から高火力で一撃だ!

 DOGOM!!

 ・・・戦いは終わった。食人植物は粉みじんに破裂して根っこを残すのみだ。

 もうこのジャングルの中で僕を邪魔するものは何もない。湿地帯のぬかるみに苦しみながらも(また装甲点-2だ)、僕とスーパーカウボーイロボットは、なんとか泥まみれの大密林を抜け出すことができた。

 だがしかし、市内に入ろうとした僕は、立ち止まる。

 斥候隊が撃破された「ジャングル市」は、カロシアン軍の非常線が張られていたのだ。他の使えそうなロボットを探している暇はないな。

 僕はこのままひっそりと「知識市」へ行くことにした・・・

 

 ・・・ ・・・ ・・・ 一回通った道だ。たどるのは簡単だ。着いたぞ。

 

 僕は再び「知識市」の近くまでやってきた。

 しかしここで邪魔者が入った。無線通話でコクピットに知らない声が割り込んできたのだ。慌てて索敵レーダーを参照すると、上空に戦闘機ロボットを示す光点が輝いていた。

 

無線の声「こちらコールサイン88!アンノウン応答せよ!アンノウン!どうした!!」

 

 しまった!知らないうちに追尾されていたんだ!!

 だけど僕はこの「コールサイン88に対応する合言葉をまだ知らない。まごまごしているうちにレッドアラートのブザーが鳴り響く。容赦なくカロシアン軍の戦闘機ロボットが攻撃機動に移ったのだ。

 こいつはすらりとした矢のような形のロボットだ。脚を延ばして着地はできるものの、常に飛行形態でしか戦えない。僕はガトリング砲を空に向けて応戦姿勢をとる。くっ動きが速い。対空砲火で、どこまで戦えるかっ!?

 

【戦闘機ロボット】  装甲点:7  速度:高速  技術点:9

特殊能力:なし。

1R (戦闘機ロボット/18+1)(リュート/18+1) Draw

2R (戦闘機ロボット/17+1)(リュート/出目3) スーパーカウボーイロボット/装甲点-2

 

 うわ、これはたまらない。

 敵の叩きつけるような機銃掃射を逃れ、僕は建物の陰で遮蔽をとることにする。

 よし、ちょうどいい凹みに入り込めたぞ。ここから狙撃できる。くらえ!

 

3R (戦闘機ロボット/10+1)(リュート/15+1) 戦闘機ロボット/装甲点-2

4R (戦闘機ロボット/12+1)(リュート/20+1) 戦闘機ロボット/装甲点-2

5R (戦闘機ロボット/15+1)(リュート/18+1) 戦闘機ロボット/装甲点-2

6R (戦闘機ロボット/13+1)(リュート/20+1) 戦闘機ロボット/装甲点-2 ←Destroy!!

 

 形勢逆転!僕の攻撃が敵機のエンジンカウルを貫き、戦闘機ロボットは煙を吐いて地面に突っ込んでいった。あの爆発では誰も生きてはいないだろうな。

 

 追撃してきた戦闘機ロボットを排除し、僕は改めて「知識市」の中に入る。だけど・・・

 スーパーカウボーイロボットの関節駆動部が悲鳴を上げているぞ。短い期間に次々とロボット戦闘をこなしたので、機体はいつのまにかボロボロだ。14点あった装甲点も、半分以下の6点まで低下してしまった。ここら辺で修理が必要だな。とすると・・・

 危険な気もするが、行ってみるか。軍事大学へ。

 前回来たときはカロシアン軍の遭遇を恐れて後回しにしてきた地区だ。しかしこのままでは僕のロボットが消耗して、いずれジリ貧に陥ってしまう。

 虎穴に入らずんば虎児を得ず、だ。

 

 

 

13話「奇襲!軍事大学!!」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/11 体力点17/18 運点10/12

【スーパーカウボーイロボット 装甲点6/14

 

 軍事大学はレンガ造りの5角形の建物だ。カロシアン侵攻前は、惑星タロスの防衛を担う軍事開発基地だった。そして今は、もちろん・・・

 敵のロボットがいる!

 僕の機体にいちばん接近しているのは、1機の見慣れない形をした軍事ロボットだった。こいつの上半身は戦闘機のノーズのように尖っていて、下半身は普通の2本脚だ。

 そうか、軍事雑誌で見たことがある。これはカロシアン軍の主力機「ミュルミドン」だ。飛行も歩行もできる万能戦闘タイプのロボットなのだ。

 

1)直ちに攻撃する

2)侵略軍の一員のような態度で通り抜けようとする

3)気づかれぬうちに、その場を去る

 

 ここに何しに来たんだ?というわけで(3)は却下。どうにかして軍事大学の内部へ侵入したいのだが、正攻法か、それとも計略を用いるか、だ。

 しかしカロシアン軍の用いている合言葉、コールサイン88の対応数値がわからない・・・だから(2)を選んだとしても、どうせ戦闘になるのがオチだ。

 だったら、こっちから先手を打ってやる!僕は奇襲攻撃をかけた!!

 ガガガガ!!スーパーカウボーイロボットのガトリング弾がミュルミドンに集束命中していく。まさか射撃を仕掛けられるとは思ってなかったらしい。相手のパイロットは完全に不意を突かれた!

 ここで2d6・・・結果は6敵ロボットの装甲点を-6してから、戦闘開始だ!

 

【ミュルミドン】  装甲点:6  速度:中速  技術点:10

特殊能力:この戦闘については、なし。

1R (ミュルミドン/13)(リュート/20+1) ミュルミドン/装甲点-2

2R (ミュルミドン/17)(リュート/17+1) ミュルミドン/装甲点-2

3R (ミュルミドン/19)(リュート/21+1) ミュルミドン/装甲点-2 ←Destroy!!

 

 やった!敵の主戦機をやっつけたぞ!!

 ミュルミドンを破壊した僕は、そのスクラップに近づいて調べてみることにした。ヒューマノイド歩行型から戦闘機飛行型に可変するデバイスって、いったいどういうものなんだろう?

 いや、ただ単に、ロボット乗りとして純粋に興味があるだけなんだけど・・・

 僕のロボットは敵機のコクピットハッチに手を伸ばす。中にはまだ敵パイロットがいる。生きてるのかな?だったら捕虜にできるかもしれないぞ??

 

 (ピカッ!) ここでいきなりミュルミドンの残骸が爆発した!

 

 畜生、なんて奴だ!敵パイロットは自爆装置を作動させたんだ!

 僕のロボットは爆発に巻き込まれて数m後ろに吹っ飛ばされた。そして僕自身もコクピットの中でしこたまに身体を叩きつけられる。装甲点-2、体力点-2だ。

 恐るべしカロシアン軍。「生きて虜囚の辱めを受けることなかれ」か。その鉄の軍規に戦慄を感じざるをえない・・・。

 

 今のところは、さっきの歩哨役だったミュルミドンが唯一の脅威だったらしい。僕は施設内に入って調査をすることができる。

 もはやあちこちにバックファイアを起こし、ダウン寸前のスーパーカウボーイロボットを降りて校舎の中に入る。ここで新しい機体か、もしくは修理システムを発見できないと、いよいよヤバイなあ・・・そう思いつつ、案内板に従って僕は資料室に向かう。

 だがこの部屋の窓から見えたものは・・・げっ!

 敵の増援だ!しかもミュルミドンが3体も!!

 音をたてて着陸し、足を伸ばして歩行型へと変形しつつある。異常を探知してこっちの建物へ向かってくるぞ。

 僕は資料室を素早く見渡す。机には眠り病ウィルスが広まったとき、誰かが調べ物でもしていたのだろうか、何冊かの本が広げられている。だがそのうち1冊しか読む時間はなさそうだ。だったらどれにしようか?

 

1)「ガーディアンの都市」

2)「緊急事態」

3)「カロシアンの軍事ロボット」

 

 ガーディアン・・・?

 この言葉に何となく引っかかった僕は(1)の本を選んだ。たしか「ガーディアン」って、カウボーイたちの間で伝説になっていた幽霊都市・・・やっぱりそうだ!

 この本は、タロス軍の秘密基地、「ガーディアン市」との交信方法を記した機密資料だったのだ!!

 「ガーディアン市」の座標を記したマップナンバーは22だ。僕はこの番号をしっかり頭に叩き込み、部屋の窓から建物外に出る。

 

 (これから行き先で「ガーディアン市」を選べるときは、そのパラグラフへジャンプできます)

 

 カロシアンの兵士はついに近くまでやってきて、今まさに校舎へ入ろうとしているところだ。

 すぐにこの場を立ち去りたいところだが、僕のスーパーカウボーイロボットは奴らの近くにあって乗りこめない・・・だけど・・・

 あいつら、とんだブロンティ(ブロントサウルス=間抜け者の意味)だ!!

 自分たちの愛機ミュルミドンを無警戒で残したまま、建物を調査しようとしている。コクピットハッチも開放したままだ。すなわち、僕は奴らの機体に乗り込んで、自分のものにできる!!

 僕は素早く移動してミュルミドンによじ登り、コクピットに乗り込んだ。こいつはさっき戦った通り可変型で、ヒューノイド型と戦闘機型をとることができる。

 

【ミュルミドン・人間型】  装甲点:12  速度:中速  戦闘修正+1

【ミュルミドン・戦闘機型】  装甲点:10 速度:超高速  戦闘修正+1

特殊能力:ミュルミドンは可変型機である。人間型から戦闘機型へ、またその逆へ変形できる。変形には1ラウンドを必要とし、その間は通常の戦闘ルール通りにダイスを振るけれども、これは「防御」であって攻撃力で上回っても敵にダメージを与えられない。また、人間型のとき装甲点が2以下であれば、分解の危険性があるため戦闘機型にはなれない。

 

 慌てて戻ろうとするカロシアン軍兵士を尻目に、僕はこのロボットを稼働させ、さっさと軍事大学を脱出することに成功するのだった。

 戦闘機型に変形してテイク・オフだ。このまま「知識市」を出るぞ!

 しかしこの・・・ミュルミドン・・・

 まだ新品の機体だけど、なんだか複雑なリンクデバイスだな。トリムタブも敏感すぎて扱いづらい。こんなのにカロシアン軍は乗っているんだ。それに操縦盤も見慣れない配置だし・・・

 『君はカロシアンのロボットマニュアルを読んでいたか』だって?

 いや、そんなの見る暇なかった。そうすると、僕はこのタイプのロボットの扱いに慣れていないことになる。すなわち、通常の戦闘修正+1は与えられないばかりか、逆に技術点-1のペナルティを負うことになってしまう!

 

 選択をしくじった!

 

 思わず頭を抱える。だけど今さら「知識市」には戻れない。僕のたった一人のレジスタンス活動で警戒レベルを上げ、カロシアン軍がうじゃうじゃ集結を始めているからだ。なのでデリケートなミュルミドンと付き合って、何とか操縦に慣れていくしかない。

 ため息をつきつつ、僕は次の目的地「嵐市」へのコースをとるのだった。しかし・・・ここでまたもや問題が・・・くそ!

 

 巨大低気圧が針路上に!!

 

 

 

14話「機動兵Ⅸ、大地に立つ」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/11 体力点15/18 運点10/12

【ミュルミドン・戦闘機型 装甲点10/10

 

 後悔しても後の祭り。

 かくして僕の操るミュルミドンは、戦闘機飛行モードのまま、巨大低気圧に突っ込むことになってしまった。

 ガスン!ドスン!乱気流で幾度もエアポケットに落ち込みながら、機体の振動を抑え、最大限注意深く操縦桿を握る。しかしキャノピーの外は黒い雨雲だけで何も見えない。

 このままじゃあ・・・まずいかもしれないぞ・・・

 いったん地上に降りて、時間はかかるけど人間型になって、えっちらおっちら「嵐市」へ向かおうと思った、その時だ。

 

 (ここで1d6を振る、結果は1でした)

 

無線機からの声「あな・・・ーディア・・・づい・・・ます」

 

 突然何だ?ミュルミドンの搭載無線機が、途切れながらの通信を拾ったぞ??

 僕は通話発信源を突き止めようとチューニングを合わせてみる。

 ちょっと待て、この周波数帯は・・・

 今まで誰も使用したことのないメガヘルツだ。惑星タロスのどの放送局にも割り当てられていないし、もちろん放送施設を占拠したカロシアン軍も、これは使っていない。

 そして僕は、しばらくして、もっとクリアな声を拾うことに成功した。 

 

無線機からの声「あなたは、ガーディアン市に近づいています」

 

 ガーディアン!

 タロス軍の秘密基地がある場所!!

 嵐に巻き込まれて機位を見失っていたうちに、知らず知らず、近づいていたのか!!!

 

無線機からの声「許可番号をお答えください。マップナンバーはいくつですか?」

リュート(思わず声が上ずる)「に・・・22!!」

無線機からの声「了解。レベル0での進入を許可します」

 

 なんてついているんだ!

 「知識市」の軍事大学で得ていた機密文書の手がかり、それがここで役に立ったのだ。

 僕がこれから赴く「ガーディアン市」こそ、ロボット乗りたちにとって伝説の都市。心臓の鼓動を抑えてビーコンをたどり、着陸への進路をとる。

 いつの間にか巨大低気圧から離れていた。そして雨上がりの空の中、僕は「ガーディアン市」の管制コンピュータに導かれるまま、中心ビルまで誘導される。

 ミュルミドンを人間型に変形、ついに到着だ。市街地に着陸した!

 

 さっそく僕はロボットから降りて、この都市を調査してみることにする。

 なにはともあれ協力者!この秘密基地なら、軍事ロボットの専門家が、絶対にいるはず!!

 しかし・・・ここも眠る人々ばかりだった・・・。

 惑星タロス全域に浸透した睡眠ウィルスからは、この秘密基地も逃れられなかったようだ。僕の手にはラベンダー色の覚醒ワクチンがあるものの、ここで使うのは時期尚早。惑星タロス全ての人々をいちどきに覚ませなくては、あまりよい使い方とは言えない。

 だとすれば、どうしようか???

 僕は当てもなく「ガーディアン市」の市内を徘徊することにした。もちろんここは秘密基地。カロシアン軍も突き止めていない場所だ。だから僕は比較的余裕をもってうろつくことができる。

 

 そしてたどり着いた先は・・・

 

 秘密基地の正面ゲートだ。

 ここは最先端の軍事ロボット開発施設だ。いつもなら、僕みたいな一介のカウボーイが立ち寄れる場所では、決してない。今でもオートコンピュータは作動中なので、侵入者はどこかで排除されるシステムだ。

 だけどこの中には最新鋭のロボットがある。素通りするには惜しい。入れるところまで、入ってみるか・・・。

 ゲートの歩哨は眠りこけていいたので、チェックポイントを難なく通過できた。しかしその先にある生体認証システムは・・・まず、無理だとは思うが・・・ピピ!と電子音が鳴る。

 

オートシステムの声「オールグリーンです。通過してください」

リュート「・・・!!」

 

 どういうことなんだ!?

 まったく謎なのだが、すべてのチェックポイントをパスして、僕はするすると立ち止まらず、格納庫までやってくることができた。そして最後の仕上げと言わんばかりに、最重要区画の正面扉も自動的に開く。まるでここまでコンピュータに導かれるように・・・

 格納庫の中には、最新鋭の軍事ロボットが2体、ブルーシートを被せられたままで鎮座している。1つは重武装の戦車ロボット、そしてもう1つは高速の可変型ロボットだ。

 これらを僕のものにすることが・・・できると・・・いうことか・・・?

 2つのうち気に入った方へ、僕はゆっくりと、可変型機のほうに近づいてみた。

 白い機体に青いラインが描かれた実験機だ。プレートには「機動兵Ⅸ」(Mobile Trooper Ⅸ)と刻まれている。こいつは人間型と戦闘機型の2つのタイプを取ることができるようだ。

 ゴクリ。カッコイイにもほどがある。思わず生唾が口の中に湧く。

 同じ可変型機でも、カロシアン軍の扱いにくいミュルミドンとはまったく比べ物にならないほど、こいつは洗練されたデザインをしている。それも当たり前か。タロス人が開発した、タロス人のための、最終兵器なのだから。

 魔女に魅入られた下僕のようにふらふらとコクピットに乗り込む。シートに座ると、自動的にメインスイッチが入った!

 

コンピュータ「ようこそ機動兵Ⅸへ」

リュート「うわ!びっくりした!!」

コンピュータ「氏名と階級をおっしゃってください」

リュート「ええと、リュート・サワムラです。階級は・・・実は僕、民間人のカウボーイなんだけど・・・」

 

 クリアで理性的なメインコンピュータの声に驚き、真っ正直にしどろもどろとなってしまう僕。なんともしまらないファーストコンタクトだったのだが・・・

 しかしこれが、今考えれば、僕の人生においていちばんのターニングポイントだったのだ。

 キュイインン・・・エネルギーの充填音が格納庫の中に響き渡る。光子エンジンだ!今までのロボットとは完全に違う、まったく新しい駆動エネルギー。理論は雑誌に載っていたけど、まさか実用化されていたなんて。

 

コンピュータ「リュート・サワムラ。了解。貴方を私の操縦者と認証します」

リュート「は、はい!」

 

 コクピットの正面ディスプレイが輝きだす。そこに映し出される文字。

 Special Armed Combine Reinforcement Attacker (特殊武装複合型・強化攻撃機)

 SACRA ・・・

 

【機動兵Ⅸ・人間型】  装甲点:12 速度:中速  戦闘修正:+2

【機動兵Ⅸ・戦闘機型】  装甲点:10 速度:超高速  戦闘修正:+2

特殊能力1:人間型では、片手にレーザーキャノンを、もう一方の手にシールドを持っている。戦闘ラウンドでこちらの攻撃力が18以上なら、相手の攻撃力がそれを上回っても、シールド防護が働いてダメージは受けない。戦闘機型ではこのような特殊能力はない。

特殊能力2:機動兵Ⅸは可変型機である。変形には1ラウンドを必要とする。その間は通常の戦闘ルール通りにダイスを振るけれども、これは「防御」であって、攻撃力で上回っても敵にダメージを与えられない。シールドも変形中は効果がない。

 

コンピュータ「サクラ・ドライバ。稼動。以後よろしくお願いします。マスター」

 

 

 

15話「恐竜大行進」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/11 体力点15/18 運点10/12

【機動兵Ⅸ・戦闘機型 装甲点10/10

 

 幸運なのか何なのか、よくわからないまま最新鋭ロボットの機動兵Ⅸに乗り込むことになった僕は、「ガーディアン市」を出て再び「嵐市」へ針路をとる。

 この美しい都市は大陸の海岸線上にあり、しばしば激しい熱帯低気圧が上陸する場所であるから、その名がついた。

 上空から一望してみると--さっきの低気圧は去った後だが--すぐさま、明日か明後日にも接近しそうな低気圧の渦巻きと目玉が観測できる。

 さっさと調査を終えたほうがよさそうだな・・・

 僕は高度を下げ、もう少し低い高度で海岸線を飛ぶことにした。海辺は狭い砂地になっていて、陸側は崖に区切られている。

 恐竜の大群が見えるな。恐竜たちは何かの周りに集まっているようだ。だが、それが何なのか、飛行状態ではうまく観測できない。よし、着陸してみようか・・・

 僕は機動兵Ⅸを歩行型に変形させ、海岸に降り立った。

 近づいてわかったが、この恐竜の群れはブロントザウルスだ。ほとんどは嵐で吹き寄せられた海草をむしゃむしゃ食べているが、そのうちの数匹は、何か光るものに向けて身体を寄せ合っている。

 なんだろう?人工物のようだが??

 僕はさらに接近してみる。だけど巨大なブロントザウルスの邪魔して前に進めない・・・ちょ、ちょっと、通してくれないか!

 POW!!POW!!POW!!

 たまりかねた僕はビームキャノンを上空に掲げて威嚇射撃を放った。しかしそれは・・・

 最悪の選択だった! 

 恐竜たちを追い払うつもりだったのだが、彼らは恐慌をきたしてあらゆる方向へ走りだしたのだ。そしてブロントザウルスは恐竜の中でも最大の重量を誇る。さらにここは行き場のない狭い海岸線。つまりは、僕の方に、数百トンもの肉塊が突進してくる!

 まともに立ち向かっても踏みつけられてお陀仏だ。僕は急いで戦闘機型に変形し、飛び立って逃げようとする・・・

 

リュート「ひ、ひひ、飛行モード変形!」

コンピュータ「イエス、マスター。変形完了まで・・・あと30秒・・・」

リュート「それじゃ間に合わないよ!!」

 

 ドドドドッドッドドド・・・!!

 肉眼でもはっきり見える、涎を垂らしながら目を血走らせてこちらに向かってくる巨竜の群れ。あと30秒もかかったら、変形途中に巻き込まれることになってしまう。

 僕は飛行型への変形をあきらめて、きょろきょろ周囲を観察する。どうする?どうする?

 陸地をそのまま柔らかい砂地に走っても、奴らに追いつかれる。空には上がれない。片方は断崖絶壁で進入不可能。

 ええい、こうなったらいちかばちかだ、僕は海に飛び込んだ!!

 

 ザッバアアンン!!

 

 水柱をあげてブクブク沈んでいく僕のロボット。

 しかしさすが最新鋭機だ。機動兵Ⅸには水中潜航装置が付いていたのだ!完全防水状態のまま、ジェット噴射で海の中を突き進むことができる!!

 そして僕が水中を泳いでいるうちに、浅瀬に轟くブロントザウルスの足音はやがて遠ざかっていった。ギリギリのところで逃げだせたのだ。

 ふう、やれやれだ。

 僕は海中から再び陸へ上がろうとする。さっきのブロントザウルスが群がっていたのは何なのか、調べてみなくちゃ・・・ところが・・・

 

コンピュータ「脅威レベルA+。敵意をもった原住生物が接近中です」

リュータ「なんだってー!」

 

 そう、一難去ってまた一難。巨大な敵影をソナーが感知したのだ。

 僕の機動兵Ⅸを捕まえようと、ぐんぐん泳いで近づいてくる獣がいる。巨大な爬虫類と鮫の混血のような外見をして、足の代わりにひれ状の水かきをもった肉食恐竜、タイロザウルスだ!!

 こいつは、普段は魚とかを食べる海竜だ。だけどたまたま空腹だったらしい。目先を変えて僕のロボットにかじりつこうとしている。

 「タイロザウルス、捕食行動に入りました」コンピュータの落ち着いた声が聞こえる。いかなるときでも冷静なんだな君は。思わず苦笑してしまう。

 ええい、だけど、僕なんか食っても、うまくなんかないぞ!

 やむなく僕は水中潜航モードのままで戦闘しなければならない。どんな速度であろうと、ここでの戦いは「中速」となってしまう。だから戦闘機型になって脱出することもできない。負けたら溺れるか、それとも食われるかだ!

 

【タイロザウルス】  装甲点:9  速度:中速  技術点:10

特殊能力:なし。

1R (タイロザウルス/18)(リュート/20+2) タイロザウルス/装甲点-2

2R (タイロザウルス/18)(リュート/23+2) タイロザウルス/装甲点-2

3R (タイロザウルス/13)(リュート/22+2) タイロザウルス/装甲点-2

4R (タイロザウルス/17)(リュート/19+2) タイロザウルス/装甲点-2

5R (タイロザウルス/16)(リュート/16+2) タイロザウルス/装甲点-2 ←OverKiLL!!

 

 しかし海が専門の恐竜相手の水中戦で、僕の操る機動兵Ⅸは敵を圧倒してしまう!

 うーん、すごい!この機体はすごい!!

 水中なのにまったく負荷を感じさせず駆動するじゃないか。そうか、コンピュータの反応速度がけた違いに速いんだ。

 これがサクラ・ドライバのマニュピレートシステムなのか!!

 

 小さな腐肉あさりの魚たちが、タイロザウルスの屍骸に群がってくる。

 すべての脅威を排除して、これで僕は、やっとこさ陸に上がることができた。

 さて、さっきのブロントザウルスが群がっていた、きらきら光るもの。それが何か調査してみることにしよう。

 それは、半ば砂に埋もれていた、カウボーイ・ロボットの残骸だった。

 燃料切れで廃棄されていたようだ。マシンを掘りだせる見込みはないが、操縦席の中には2箱の医療キットがあったので持っていくことにする。

 だけど、このコクピット・・・めちゃくちゃにコンソールが叩き壊されている・・・。

 次に乗るやつに使わせたくなかったんだな。だけどそれならデバイスを初期化すればいいだけでは?よっぽどロボット操縦が不器用な人間でないと、こんなことはしないぞ。

 まったく、「産業市」で遭遇したオランウータン整備士くらいの脳みそしかない奴だな。あーあ。ほら見ろ、内臓コンピュータはまだ生きているよ。

 僕は好奇心から、このカウボーイ・ロボットの操縦履歴データを復元してみた。機動兵Ⅸのコンピュータスペックならそんなこと朝飯前だ。ものの10秒もかからずにやってのける。

 ところが、ここで思いもかけない結果が出た。

 

コンピュータ「データ復元完了。最終操縦履歴は18時間4036秒前です」

リュータ「・・・君には驚かされっぱなしなんだけど」

コンピュータ「再計算しました。間違いありません。少なくとも昨日まで、このロボットは誰かに操縦されていました」

 

 カロシアン軍か?

 いや違う、カロシアン人の兵士なら、軍のロボットに乗るはずだ。だがこのカウボーイ・ロボットは間違いなく惑星タロス製のものだし、カロシアン軍に接収されたエンブレムも入っていない。つまり僕と同じタロス人が操っていたのだ。

 ということは、「嵐市」の中に、目覚めているタロス人がいるということだ!!

 

 

 

16話「姉さんがやってきた!」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/11 体力点15/18 運点10/12

【機動兵Ⅸ・人間型 装甲点12/12

 

 僕がやってきた「嵐市」。海岸部の調査で確信している。ここには目覚めているタロス人が、少なくともロボットを操縦できる人物が、絶対にいる!

 というわけで市内に入って気象庁の建物までやってきた。侵攻前は惑星タロス全体の天候を予知して、気象災害が予想されるときは警報を流していたところだ。それはつまり惑星全域を見渡せるスキャンシステムを備えた施設であり、重要区画なのだ。

 気象庁舎には2本の赤い旗が翻っていた。それは「暴風雨警報」を示すサインだ。職員が睡眠ウィルスにやられる前日に立てたのだろう。ということは、もうすぐ大嵐が来るのだろうか。心なしか風も湿っぽく、そして強くなってきた。

 ビルの外に1台の歩行ロボットが停まっている。これは旅行用に作られた汎用移動タイプのもので、4本の高い脚で楽々と地形を進んでいけるロボットだ。

 

【歩行ロボット】  装甲点:6 速度:高速  戦闘修正:-1

特殊能力:なし。

 

 もちろん僕が今乗っている機動兵Ⅸに比べたら見劣りするスペックなので、この歩行ロボットに乗り換える選択肢はありえない。だがそれより、僕が今いちばん気になっているのは、サーモスキャンをしたらこいつのエンジン駆動部分が余熱を持っていたということだ!

 

リュート「間違いない、誰かがこのビルの中に潜入している」

コンピュータ「同意します。マスター。その確率は89.3%です。どうかご武運を」

 

 僕は機動兵Ⅸを降りて、ゆっくりと、注意深く、気象庁ビルの中に入っていく・・・

 庁舎の中はがらんとしていて、動く人影は見つからない。

 海岸部にあったカウボーイ・ロボット、そして庁舎に留めてあった歩行ロボットを動かしていたのは、たぶんタロス人だと思う。だけど確証が持てないから、こちらから呼びかけるような目立つ行動は控えておくべきだ。

 だから静かに油断せず、いつでもレーザー剣を抜ける体勢で、ゆっくりとビルの中を歩いていく・・・

 そして中心区画まで達したとき、なんだこれは?

 そこにはブーンと唸りを上げている大型コンピュータがあった。職員が眠ってもまだ作動を続けていた?いや、誰かが再起動させたのだ!

 同じ部屋の床には、外で見た警報旗の説明を打ち出したプリント用紙がある。

 それを拾おうと屈んだ僕は・・・

 

 ごすっ

 

 いきなり後頭部に衝撃を食らい、呆気なく・・・

 

 < DEAD END >

 

 ・・・

   ・・・

     ・・・じゃないっっっ!!!!

 

 何者かによる正確な意識遮断の一撃を受けた僕は、気絶から立ち直った!

 がばっと起き上がり、痛む後頭部をさする。どこだっけここは?ああそうだ、気象庁ビルの中だよ。いきなり上方から奇襲を受けたんだ。くそ、誰だいったい?

 きょろきょろあたりを見回す僕。するとすぐ近くに、壁にもたれかかっている、黒いレザースーツを着た、すらりとした体格の若い女性がいた。彼女は含み笑いをしながら、目が覚めた僕に近づいてくる。あ、ああ・・・

 

ケイト「まさかこんな所で再会するとは」

リュート「姉さん!」

 

 そう、ここ「嵐市」にいたのはケイト姉さんだったのだ。(←ゲスト出演)

 かつては対アルカディア解放戦争で重要な役割を果たした、サムライ・ソードの使い手。だけどなぜか今は、素性を隠して僕と一緒に惑星タロスで開拓農民として働いていた。

 彼女はカロシアン軍の侵攻直前に、旧友に招かれて惑星タロスを離れていた。おかげで睡眠ウィルスには罹らなかったけど、侵略を察知して急いでこの星に帰ってきたときは、もう後の祭りだった。だから仕方なく、僕と同じように眠りこけたこの星で、孤独なレジスタンス活動をしていたわけだ。

 そしてこの「嵐市」で調査中のとき、僕を侵入者と見間違えて、鍛え抜かれた白兵戦技で襲撃するにいたる、と・・・ひどいじゃないか!

 

リュート「敵と間違えて誤爆なんて、ずいぶんな挨拶だよ、イタタ!」

ケイト「どうやら、サワムラ家の一族にだけ、カロシアンのばらまいたウィルスは無効なようだ。まったく悪運が強いというか、なんというか・・・」

リュート「ううー!」

ケイト「男なら痛いとか辛いとか言うな」

 

 肩をすくめてクールに笑うケイト姉さん。くっそー!

 だけどよく考えれば、カロシアンの軍服を着込んでいた自分も悪い。気を取り直す。

 僕は強大な味方を手に入れたぞ!なんてったってケイト・サワムラは、たった一人で悪の異人種帝国を壊滅させた烈女だ。その破壊力をもってすればカロシアン軍なんてひとひねりだ!!

 そう、危険な仕事は人間最終兵器のケイト姉さんに任せちゃおう。機動兵Ⅸも彼女に渡して、僕は牧場に戻ってのんびりと・・・

 

ケイト「誰が最終兵器だ!」

リュート「 (ぎくっ!!) ソ、ソンナコトイッテナイヨ!」

ケイト「また他人に頼ろうとしているな、甘えん坊のリュートくん!」

 

 僕をいいようにいたぶるケイト姉さんは、自分が一足先に再起動させた気象コンピュータの予報結果を見せてくれた。

 どうやらまた巨大低気圧が襲ってくるようだ。今度のは特別大きいぞ。惑星タロスをほぼ一周するまで勢力が衰えない。待てよ、ということは・・・

 

リュート「その低気圧の中心で、僕が調合した覚醒ワクチンをばらまけば!」

ケイト「なんだそれは?詳しく聞かせてくれ」

リュート「ええっと、かくかくしかじか・・・」

 

 ここで僕とケイト姉さんは、今まで得た情報を交換するのと、これからの戦略を話し合うことにした。情報を整理すると、カロシアン軍をこの星から追い出すためには2つの方法がある。

 

 (1)敵司令官ミノスを倒す。

 (2)覚醒ワクチンでタロス全土の人々を起こす。

 

ケイト「この2つ、か」

リュート「じゃあ、戦闘力に長けた姉さんは(1)だね。カロシアン人には決闘の風習があるんだ。姉さんが司令部のある「首都」に乗り込んで一騎打ちを挑めば、きっと勝てるよ!」

ケイト「 ・・・ ・・・ ・・・ 」

リュート「機動兵Ⅸは姉さんが使って、僕はどこかで飛行型ロボットを手に入れる。僕の任務は(2)だ。びゅーんと飛んでって、低気圧の中心に覚醒ワクチンを投下すればいいんだ」

ケイト「・・・いや、だめだ」

リュート「なんでさ!」

 

 ケイト姉さんは悔しそうに腕を組む。機械操作ではお前にはかなわない。つまり「首都」までロボットを操って敵防衛線を突破する自信は、あまりないのだ。

 え?だけど??機動兵Ⅸなら大丈夫だろ???

 ところが姉さんは驚愕の事実を告げる。彼女は入植した当時、自分の宇宙船のメインシステムを惑星タロスのロボット応用工学に提供して、技術開発顧問とうんたらなんたら・・・

 要するに、秘密兵器の機動兵Ⅸの開発には、ケイト姉さんも一枚かんでいたということだ。

 

ケイト「今だから話すが、あの機動兵Ⅸに積んであるサクラ・ドライバ、あれはお前に特化したデバイスなんだ。初期起動させた者しか操縦士として認識しないセキュリティシステムになっている。もう私はあのロボットに乗れないんだ」

リュート「そ、そんなのって、ありかよ!」

ケイト「だから私が脇役に回る。私の任務は(2)だ。確かガーディアン市に、お前の乗り捨てたミュルミドンがまだ無傷であるんだったな。その飛行型機で低気圧の渦の中に入ろう」

リュート「そして僕は、首都に特攻!?」

ケイト「大丈夫だ、お前ならできる」

リュート「何を根拠に!全然、適材適所じゃないよ!」

ケイト「なぜならお前も宇宙(そら)の一族だからだ」

 

 ケイト姉さんはにっこり笑って僕の両頬に手をあてた。それは僕の抗議を黙らせるには十分すぎる行動だ。そして次にくる動作は、わかりきっている!

 思いっきりつねって引っ張り上げるんだ!イタタタタ!!

 

ケイト「しょせん私は渡り鳥だ。だけど、この星で生きることを選んだ、お前は違う」

 

 そう、これは姉さん特有の、照れ隠しなのだ。

 

ケイト「この星を守るんだリュート・サワムラ。それは、私よりお前の方が、適材適所だ」

 

 

 

17話「天上に、神はいまし」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/11 体力点15/18 運点10/12

【機動兵Ⅸ・人間型 装甲点12/12

 

 こうして僕と姉さんは再び別行動をとることになった。

 姉さんはひとまず、気象庁ビルの外に停めてあった歩行ロボットを操り、僕の突き止めた位置座標をもらって、「ガーディアン市」へと旅立つ。そこには僕が乗り捨てた戦闘機型にもなれる軍事ロボット、ミュルミドンがあるからだ。

 そして飛行形態で一気に巨大低気圧の中心に到達し、僕が調合したラベンダー色の覚醒ワクチンを投下。タロスの全人民を睡眠ウィルスから解放する手はずだ。

 問題はカロシアン軍に単身でケンカを吹っ掛ける、僕の方なのだが・・・

 「宗教市に向かえ」別れ際に姉さんはそう言った。

 剣の達人のケイト姉さんが言うには、僕はまだ、戦う心構えというか、サムライ・スピリッツというものが不足しているのだそうだ。覚悟も決めぬまま敵司令部のある「首都」に向かったとしても、返り討ちに遭うのがオチだという。

 

ケイト「そこで精神を集中して、まずは魂を鍛えろ」

リュート「またそんな抽象的な・・・」

ケイト「物事は目に見えていることがすべてではない。それが、私からの最後の忠告だ。では、フォースのご加護を!」

リュート「なんだよ“ふぉーす”って?あ、ちょっと!」

 

 姉さんは颯爽と歩行ロボットに乗り込み、「ガーディアン市」に向けて去って行った。彼女の歩行ロボットは武装が貧弱で心もとないけど、まあ姉さんならロボットに乗ってない時の方が強いだろうから、たぶん大丈夫だろうな。

 さあ、僕もここでグズグズしていてもしょうがない。次の目的地に向かおう!

 

 そして、さしたる障害もなく、あっさりと僕は「宗教市」に到着した。

 もともとここは「嵐市」のすぐ近くにある都市なので、この距離なら機動兵Ⅸの戦闘機型でひとっ飛びなのだ。

 聖堂や神殿、教会、墓地などの宗教施設を複合・合体させた「宗教市」。そこは惑星タロスに住まうすべての人々の、心の拠り所だ。

 伝説では、惑星タロスにおける初めての入植団が地表に降り立ったのが、この地点だったらしい。大地と共に生きる開拓惑星の僕らにおいて、まさにここは“聖地”と言える場所なのだ。

 

 ( シ ー ン ・・・ )

 

 そして今、この街は沈黙が支配している。

 街路には人っ子ひとりいない。不安な考えが頭に浮かぶ。もし、ここにやってきたのが僕だけならば、すべての神々の注意は僕に集中するんじゃないだろうか?

 いや、そんなまさか、考えすぎか・・・

 無学なカウボーイの僕にとって「迷信」も「宗教」もほぼ同じだ。区別はあまりつかない。だから少しだけ薄気味悪さを感じつつ、こっそりと「宗教市」の中心部までやってくることになった。

 ここは十字路だ。東西南北、すべての先には、それぞれ一つずつ神殿が祀ってある。

 

 平和の神殿  恐怖の神殿  無の神殿  栄光の神殿

 

 ・・・この4つだ。うーん、どれもこれもよくわからないな。神学研究なんてやったこともない。だから片っ端に入ってみることにしよう。まずは「平和の神殿」だ!

 

 「平和の神殿」は落ち着いた緑の公園の中にある。さすがに戦闘用ロボットに乗ったまま神殿に入るのは罰当たりだろうから、僕は機動兵Ⅸを降り、徒歩で中に入った。

 中には穏やかな笑みを浮かべて眠りこけている聖職者でいっぱいだ。たぶん見ている夢も平穏そのものなんだろうな。さあ、僕はここで何を祈ろうか?

 

 (1)完全な平和

 (2)戦闘での強さ

 (3)同胞の自由

 

 これから決戦に赴くのに(1)は変だし、いちばん強化したいのは僕の戦闘能力、つまりは(2)なんだけど、それはあまり平和の神様に祈るような事柄じゃない気がする。だから僕は(3)を祈ることにした。

 

リュート「願わくば、自分と同胞が自由になり、平和がもたらされますように・・・」

 

 そう祈りの文句を唱えると、どこかで鐘が鳴っているような音がする。

 再び目を開けたとき、僕は幸福で満ち足りた気分になった。

 運点が原点まで回復したのだ!

 なるほど「わだつみに、地の底に、天上に、神はいまし」か。僕はずっと昔、子供のころに召使型アンドロイドから教わった歌の一節を思い出しながら、十字路まで戻る。

 

 次に来たところは「恐怖の神殿」だ。しかしそこに行き着く前に、見慣れないロボットが外に停めてあった。尖ったミサイルが上面に突き出した4足歩行のタイプだ。

 ああそうか、これは対空装備に特化したハリネズミ(Hedgehog)・ロボットじゃないか。

 

【ハリネズミ・ロボット】  装甲点:8 速度:低速 戦闘修正:+3(対飛行型のみ)

特殊能力:飛行中の敵に対しては戦闘修正+3を有しており、速度面の不利を補えるようになっている。

 

 もともとは飛行型恐竜への対空防御用として設計されたロボットだが、同様に飛行型ロボットに対しても効果はある。

 だけど、今乗っている機動兵Ⅸに比べたら、やっぱり見劣りするな。

 僕はハリネズミ・ロボットを選ばずにそのままに素通りして、「恐怖の神殿」を調べてみることにした。

 そこは巨大で不揃いな形をした建物で、すべてが黒い石で造られている。

 中に一歩進んで、入ったことを後悔した。ここもいたるところに聖職者が眠っていた。だが彼らは・・・眠っているはずなのに・・・息をしていなかったのだ!

 

 「うわあああ!」僕は悲鳴を上げながら、外の光の中へと駆けもどる。

 神殿から逃げ出したらわけのわからない恐怖はすぐに去った。だけど身体の震えが止まらない・・・技術点-1だ・・・

 僕は悟った。姉さんの言う通りだ。目に見えるものがすべてではない。

 ここ「宗教市」には「いる」のだ。人知を超えた、絶対的な、何かが・・・

 

 

 

18話「覚醒」  --Robot Commando-- 

 

【技術点10/11 体力点15/18 運点12/12

【機動兵Ⅸ・人間型 装甲点12/12

 

 「恐怖の神殿」を脱出した僕は、また十字路に戻って、違う神殿に入り直すことにする。

 次に訪れたのは「無の神殿」だ。ロボットから降りると、他の神殿と同じようにここも信者たちが寝っ転がって眠っている。

 ただ、それぞれがプラカードを手にしている。何て書いているかというと・・・『無為は悪なり』と、教団の標語が飾り文字で記されているのだ。いったい何なんだかよくわからないや。あまり深く考えぬまま、神殿の中に入っていく。

 だが・・・しかし・・・よくわかったのは・・・

 「無の神殿」という言葉通り、ここには何もないということだけだ。

 要するにここで得るものは「無」だ。何もない。なんだかなあ。僕は肩をすくめて神殿を出ようとする。ところが、ところがだ!

 「無」の神様は、僕が「ここを去る」という有為な行いに、代償を求めた!!

 

 (ここで運試し、出目は11、ギリギリ吉でした!)

 

 いったい、何をあくせくしているんだろう・・・

 何かをする理由なんて、どこにもないじゃないか・・・

 そして、何もしない理由なら、いくらでも見つけられる・・・

 もう何もしたくない・・・

 

 何も なにも  な に も   な  に  も  

 

 ・・・ ・・・ ・・・ ハッ!何を考えているんだ僕は!!

 

 のんびり屋の僕に「無の神殿」は恐ろしい試練を課してきた。だが、使命を思い出し、勇気を奮い起して神に立ち向かうことができた。

 僕はふらふらしながら神殿を出て、自分のロボットのところまで戻る。当然ことながら何も得たものはない。しかも・・・何も失っていない。

 運試しで減らした運点すらも、無くしていないのだ(運点を1点戻す)。

 

 何て奇妙なところなんだ「宗教市」は!!

 ほんとにこんな場所で僕の精神は鍛えられるのか???

 姉さんの薦めに乗ってやってきたのを半ば後悔しつつ、最後の神殿に向かう。

 ここは「栄光の神殿」だ。建物の造りは荘厳でどっしりしている。外壁には鮮やかな色のモザイクで戦闘場面が描かれていた。

 「宗教市」の神殿巡りを始めてから、なにもいいことがない。おそらくここも罠が・・・と、油断せずに祭壇に近づいていくと、いきなり僕の脳内で声が鳴り響いた!

 

天の声「汝は進んで全てを栄光のために賭けるか!!??」

 

 力に満ちた勇壮な声音だ。まさか、栄光の神様が、僕に天啓を与えたとでも?

 「ああ、そうだ!」半ばヤケクソになって、僕は叫び返す。

 すると天からの声は、こう返事をしてきたのだ。

 

天の声「ならば、敵に立ち向かえ!」

 

 僕の目の前に、いきなりカロシアン軍の兵士1人出現した!

 そいつはいきなりどこかの前線陣地から瞬間移動させられたらしく、レーザーライフルを持ってきょろきょろあたりを見回している。

 そして、カロシアン軍人の彼も同じく“天からの声”を聞いたのだろう。僕を睨みつけ、敵と見なして発砲してきた!

 僕も応戦のためにレーザーソードを抜く。否応なしに個人戦闘の始まりだ。広い神殿の中で戦いの音がこだまする!!

 

【兵士 技術点10 体力点10

1R (兵士/13)(リュート/18) 兵士/体力点-2

2R (兵士/16)(リュート/出目3) リュート/体力点-2

3R (兵士/16)(リュート/18) 兵士/体力点-2

4R (兵士/19)(リュート/18) リュート/体力点-2

5R (兵士/15)(リュート/18) 兵士/体力点-2

6R (兵士/21)(リュート/19) リュート/体力点-2

7R (兵士/20)(リュート/17) リュート/体力点-2

8R (兵士/17)(リュート/16) リュート/体力点-2

 

 しまった!敵は白兵戦闘のプロだった!殺される・・・!

 敵のレーザーライフル射撃は正確で、僕の身体に次々と穴が開いていく。敗北、すなわち死を覚悟したその瞬間・・・再び天の声が響く!!

 それはもはや人間の言葉というものではなく、僕の身体に、筋肉の一つひとつに、いや、全細胞の隅々にまで浸み通ってきたのだ!!

 

天の声「覚醒せよ!栄光を求める者よ!!」

リュート「う・・・あ・・・!!!」

天の声「 カ ク セ イ セ ヨ  ! 」

リュート「うあああああああああ!」

 

9R (兵士/15)(リュート/20) 運試し吉 兵士/体力点-4 ←KiLL!!

 

 それが神の啓示だったのか、それとも違う何かだったのかは、わからない。

 ただ一つ言えることは、僕は尋常ならざるスピードで敵の連射をかいくぐり、レーザーソードで確実に相手の喉を貫いたということだ。

 い・・・生き残った!

 あまりもの激痛に膝をつき、呼吸も荒くうなだれる。

 血まみれの死闘を制し、僕はカロシアン軍の兵士を倒したのだ。

 やがて敵兵士の死体は、まるで最初から存在しなかったかのように、神殿の中から消えた。

 そしていきなりガラス張りの天井から光が降り注ぐ。嵐が近付いてどんよりした曇り空だったのに、なぜか今だけ、雲の切れ目から太陽が姿を見せたのだ。その光はまるで魔法のオーラのように僕の体を包み・・・

 傷が消えていく!体力点が原点まで戻った。

 さらに戦闘能力が開花した僕の肉体は、原技術点が+1されていたのだった(そして現在の技術点も1点上がります)。

 

 すべての神殿を回った僕は、自分のロボットである機動兵Ⅸに乗り込む。そして戦闘機型に変形し、この都市から飛び去ることにした。

 散々な目にあったが、その反面、得ることも大きかった。もうこの「宗教市」に来ることはないだろう。

 次の目的地は、いよいよ、ここだ!

 いざ行かん、カロシアン軍の司令部のある「首都」へ!!

 

 

 

19話「高度1万フィートのロックンロール」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/12 体力点18/18 運点11/12

【機動兵Ⅸ・戦闘機型 装甲点10/10

 

 僕は操縦しているロボットを戦闘機型に変形し、一気に高度1万フィートまで駆け上がる。

 目指すは一直線、惑星タロスの「首都」だ。そこにはカロシアン侵攻軍の司令部があり、敵司令官のミノスもおそらくいるはずだ。

 

 キイイイィィィィイインン・・・

 

 快調な唸りを上げて「首都」にグングン近づく、最新鋭の戦闘ロボット「機動兵Ⅸ」。こいつのスピードとパワーなら、敵軍の中枢に乗り込んで勝てる確率は・・・

 五分五分といったところかな。

 あとは僕の、サワムラ家という戦士の末裔の、腕しだいだな。

 だけど何とかなるさ。もし僕が残念な結果で捕虜になったり殺されたりしても、姉さんが覚醒ワクチンを持って行ってくれたし!

 そう自分で自分を勇気づかせて、僕はバーナーを吹かして「首都」への進路を突き進む。

 カロシアン軍の迎撃機部隊も、僕というアンノウンを探知してスクランブル発進をかけてくるが、しょせん機動兵Ⅸの高空飛行速度にはかなわない。えっちらおっちら高度1万フィートまで上昇したとしても、僕の操る機動兵Ⅸはすでに遥か彼方へ去っている状態だ。

 痛快だ!カロシアン軍の防空警戒網が、まるでマシュマロに突き刺さるフォークのように、次々と破られていく!

 

 キイイイィィィィイインン・・・

 

 第1次迎撃防空網、突破!

 第2次警戒スクリーン、突破!

 第3次も、第4次も、最終警戒スキームも、突破! そして・・・

 

 見えた、「首都」だ!!

 

 上空から見下ろしたその場所は、気品のある、白い大理石の立ち並ぶ都市だ。だが郊外には病的な緑色をした設営ユニットが並んでいる、あそこが侵略軍の主力陣地なのか。

 こんな美しい街を、そしてこの星を、土足で踏みにじりやがって!

 本当に許さないぞカロシアン軍め!!

 

 キイイイィィィィイインン・・・

 

 僕は偵察がてら、市内に戦闘機形態のまま滑空して進入する。

 旋回しながら都市の全景を見回ってくると、レーダーが警戒音を発した。HUDに点滅する赤い光点が2つ、敵だ!

 

コンピュータ「ミュルミドン戦闘機型、2機。迎撃態勢に入っています。遭遇確率58.7%」

リュート「タリー・ホー(目標視認)。このまま戦闘機形態で遭遇する」

コンピュータ「了解です、マスター。ミサイル安全装置を解除。いつでもどうぞ」

リュート「さあ行くぞ、最高のロックンロールを見せてやろう!!」

 

 相手はカロシアン軍の主力、ミュルミドンの戦闘機型。決戦前の肩慣らしとしては十分な相手だ。僕は翼をバンクさせ、太陽の中から奴らに向かって急降下する!

 

【ミュルミドン1】  装甲点:8  速度:超高速  技術点:11

【ミュルミドン2】  装甲点:8  速度:超高速  技術点:9

特殊能力:人間型と戦闘機型の可変型機であるが、今回の戦闘は戦闘機型である(戦闘中に変形することはできない)。

1R (ミュルミドン1/18)(リュート/19+2) ミュルミドン1/装甲点-2

2R (ミュルミドン1/19)(リュート/14+2) 機動兵Ⅸ/装甲点-2

3R (ミュルミドン1/17)(リュート/19+2) ミュルミドン1/装甲点-2

4R (ミュルミドン1/21)(リュート/19+2) Draw

5R (ミュルミドン1/14)(リュート/16+2) 運試し吉 ミュルミドン1/装甲点-4 ←Destroy!!

 

 ガガガッガッガガガガ・・・ドガアッ!

 機動兵Ⅸの搭載ガトリング砲が、まず最初の1機目に叩き込まれる。敵はふらふらと力なくループに入ったが、その頂点部でGに耐えきれなくなり、空中分解してしまった。

 空中に大きく咲いた、どす黒い煙の死の華。さあ、残りの1機、油断しないでいくぞ!

 

6R (ミュルミドン2/13)(リュート/20+2) ミュルミドン2/装甲点-2

7R (ミュルミドン2/20)(リュート/21+2) ミュルミドン2/装甲点-2

 

リュート「ミサイル来た、回避!」

コンピュータ「ロックオン外せます。余裕です」

 

 ( ザアッ・・・! 機動兵Ⅸは見事なバレルロールで敵の攻撃をかわすっ!! )

 

(敵機の無線通話)「く・・・くそッ・・・敵の新型は・・・化けものだ!!」

 

 先ほど倒したエリート機に比べると、こちらの敵機はそれほどの腕前じゃない。それでも必死に食らいついてミサイルを放ったのだが、僕の操る機動兵Ⅸは難なくそれを振りほどいて逆襲をかける。フットペダルを踏み込み、機体を急上昇させ・・・たと見せかけて・・・

 一瞬後に急降下!

 機動兵Ⅸはまるで鎌首をもたげたコブラのような機動をする。敵をオーバーテイクさせて、あっという間に後方についた!

 

8R (ミュルミドン2/14)(リュート/23+2) ミュルミドン2/装甲点-2

9R (ミュルミドン2/14)(リュート/20+2) ミュルミドン2/装甲点-2 ←Destroy!!

 

 ピ!ピ!ピ!ピーーーー!!!

 ミサイル照準が敵機ミュルミドンの後部エンジンと重なる。そこだ!!!!

 DOGOM

 容赦なく放たれた僕の必殺の一撃。

 未熟なもう1機のパイロットは、神に祈りを捧げる間もなく地面に墜落していくのだった・・・。

 

 こうして僕は迎撃機部隊を撃墜したのだが、こちらも少し損害を負ってしまった。

 最初のミュルミドンの機関砲がかすって、コクピットに破片を撒き散らされた。それが僕の腕を痛めて体力点-1だ。

 そして、ちょっと派手にやりすぎたかな。ミュルミドン2機が空中で散華したのは、下から見ても丸わかりだ。

 新たな敵機群がスクランブルをかけてくる。うわあすごい数だ。このまま上空に留まっても多勢に無勢なのは間違いないな。僕は速やかに決断を下す。

 

リュート「いったん退却だ。街中に入って紛れ込もう」

コンピュータ「了解。降下します。安全高度を維持・・・変形・・・完了です」

 

 スムーズに変形して人間型になった機動兵Ⅸ(装甲点は戦闘機型の8/10から人間型の12/12に変わります)。まだまだ大丈夫。まだまだ動ける!

 僕は操縦桿を小刻みに動かしながら、「首都」のビル群の中に入って街路に着地した。

 

 

 

20話「突き止めたコールサイン」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/12 体力点17/18 運点10/12

【機動兵Ⅸ・人間型 装甲点12/12

 

 3・・・2・・・1・・・TOUCHDOWN!!

 さあ、僕は「首都」に進入した。

 もちろん惑星内で最大重要拠点であるこの都市は、いたるところにカロシアン軍部隊がいる。最後の詰めを誤ってはいけない。とにかく気をつけて行動しなくちゃいけないぞ。

 ここでの選択肢は次の5つなんだけど、(5)はすでに市内を飛行して調査済みだから選んでも意味がない。残るは(1)~(4)のうちどこに行くかだが・・・

 

 (1)国立病院なら

 (2)国会議事堂なら

 (3)国立宝物殿なら

 (4)敵の陣地なら

 (5)市内を調べるなら

 

 だけど僕は、「首都」を歩くのは、この惑星に初めてやってきたとき、移民登録局へ申請コードを提出した時以来だ。正真正銘の田舎者なわけで、何の心当たりもない。

 だから片っ端から当たってみるしかないな。

 僕はまず国立病院に行ってみることにした。いずれ覚醒ワクチンでタロス中の人が目覚めたとき、やっぱり医療関係者は必要だろう・・・そう思ったからだ。

 僕は機動兵Ⅸに乗ったまま街路を歩く。だがここで、いきなりコクピットに警報が鳴り響く。コンピュータがカロシアン軍のロボット2を探知した。こちらに接近中だ!

 

 (ここで運試しは・・・出目11・・・凶!!)

 

 しまった!

 またミュルミドンと遭遇だ。しかもこの2台はよく訓練されたエリート部隊らしく、ご丁寧に探知レーダーを油断なく作動させていた。僕は何の遮蔽もない広いストリート上で、こいつらと相対してしまうのだった。

 奴らは巨大なロボット用マシンガンを構えて、僕の方に接近してきた。ええい、こうなればひと暴れして・・・

 

敵ロボット搭乗員1「アンノウン、コールサインを告げろ、合言葉は何だ?

 

 奴らは警戒心をあらわにして無線でそう聞いてくる。こちらは最新鋭機なので、襲いかかるのをためらっているようだ。

 待てよ、だったらまだ、なんとか素性を隠せるかもしれないぞ?

 戦闘は最後の手段だ。僕は慎重にカロシアンなまりのアクセントで返答する。

 コールサインの応答番号はいまだにわからない。だけどこっちが問いかける方、発信側であれば・・・僕は以前「産業市」で問いかけられたとおりに送信してみる。

 

リュート「こ・・・こちら、コールサイン88

敵ロボット搭乗員A「コールサイン88、ラジャー。こちらコールサイン7

敵ロボット搭乗員B「友軍機と認定する」

リュート「感謝する」

 

 僕は心の中で大きく安堵の溜息を吐いた。

 そうか。これで敵の合言葉がわかったぞ!対応するコールサインは887だ!!

 こうして同じカロシアン軍の振りをして、なに食わぬ顔でこの場を通り過ぎようとするのだが、くそ、奴らは馴れ馴れしく話しかけてきやがった。

 

敵ロボット搭乗員A「に、しても・・・見慣れない機体だな」

リュート「僕はミノス司令官直属の実験戦闘部隊だ。極秘任務で動いている」

敵ロボット搭乗員B「極秘任務?」

リュート「知りたいか???」

 

 はったりが通じなければ、やってやるしかないぞ。

 僕は機動兵Ⅸのレーザーライフルを奴らに向けた。これ以上僕と、僕のロボットにこだわるようなら、いつでもスクラップに変えてやる覚悟だ。

 一触即発の状況・・・だが・・・

 「いや、いい。早く通れ」彼らは、知らぬ間に自分で自分の命を拾っていたのだった。

 無駄な戦いを回避し、この警戒ポイントをさっさと通過して、国立病院に到着する!

 

 国立病院はカロシアン軍の野戦病院と化していた。

 睡眠ウィルスの効果によって、奴らは無損害でこの都市を鎮圧したので、あまり傷病兵で賑わってはいない。それでもそこかしこにカロシアン軍の将校はいる。

 幸い、僕はカロシアン軍の軍服を着ているからそれほど怪しまれないだろうけど、あまり長居はできなさそうだ。

 ロボットを降り、そそくさと建物の中に潜入する。

 だが失望したことに、捕虜になっているタロス人の医療関係者はいなかった。みんなどこかへ拉致されてしまったようだ。

 なのでここですることは、眠り病の情報を得るくらいしかないのだが・・・図書室はこっちか・・・角を曲がると・・・ドシン☆

 僕はカロシアン軍の情報将校と鉢合わせでぶつかってしまう!

 

情報将校「何だ貴様!ここは、一般兵は立ち入り禁止だぞ!!」

リュート「いやあ・・・すいません・・・」

 

 僕はにやにや笑ってごまかすしかない。

 だが情報将校は尋問のプロだった。僕のそんな不審な態度を見逃すわけがない。

 

情報将校「階級と姓名を述べよ、返答しだいでは・・・ぐあ!」

リュート「悪いが、眠ってろ!!」

 

 そして僕はそんな奴をそのままにしておけない。奇襲で顔面パンチをくらわせ、すかさず馬乗りになって、背後から頚部をぎりぎりと締め上げる!!

 

情報将校「お・・・の・・・れ・・・」

 

 思い知れタロス人の怒りを。屈強なカウボーイの腕力にかなうわけがないのだ。とぎれとぎれに声を出すのが精いっぱいで、情報将校は気絶してしまった。だけど僕も奴の抵抗で少し引っ掻き傷を負ってしまうことになる。体力点-1だ。

 こうして僕はやっと病院内の図書室に着いた。しかし想像通り、やっぱりすべてのデータはカロシアン軍に押収されてしまっていたのだった。

 

リュート「無駄骨だったか・・・」

 

 僕は落胆して国立病院を去ることにした。

 まあいい、ここに来るまでに敵の合言葉がわかった。それだけでも収穫はあった!

 

 

 

21話「タロスの守護剣」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/12 体力点16/18 運点9/12

【機動兵Ⅸ・人間型 装甲点12/12

 

 次に僕が向かったところは国会議事堂だ。

 言うまでもなく惑星タロス地方政府の中枢であり、僕たちの為政者が眠ったまま捕虜になっているならば、速やかに救出しなければならない。

 しかし、ロボットに乗ったまま接近していくと、やはりここはカロシアン軍の厳重な警備下にあることが判明した。

 

コンピュータ「敵封鎖線の警戒レベル、トリプルA

リュータ「突破できる確率は?」

コンピュータ「およそ12.4%」

リュータ「むむむ・・・」

 

 この機体では目立ちすぎるか。コンピュータの冷静な判断を受け入れ、僕は機動兵Ⅸを降りて徒歩で潜入することにした。

 いっとき無人のままここにロボットを置いていくことになってしまうが、サクラ・ドライバは初期設定者の僕にしか作動できないので、、カロシアン軍に奪われるリスクは低いはずだ。

 

コンピュータ「ご武運を祈ります」

リュータ「なあに、すぐ戻ってくるよ。エンジンは温めておいてくれ」

 

 と、軽口を叩いてから自分の足で歩き始めるのだが、やはり心の中は不安でいっぱいだ・・・。

 カロシアン軍の軍服を着ているからすぐにはバレないとはいえ、腰にさしたレーザー剣だけで、敵の大軍相手に行うレジスタンス活動はとっても危険だ。

 と、そのとき、あることを思いついた。今こそあれを使うべきなんじゃないか?

 透明マント/モデル3!!

 以前、「知識市」の恐竜保護地区で放置されてあった、光学迷彩式のカモフラージュウェアだ。僕はそれを手に入れて、ある程度の使用に耐えるまで修理を施していたのだ。事前に充電しておいたし、これを被ってから、電源を入れれば・・・

 ブォン!空気の震える音が1回鳴った。作動成功。そして僕の姿は消えていた!

 まるで魔法のようだ。ビルの窓ガラスの前を通っても僕の姿は映らない。透明マントのおかげで誰からも視認されないのだ!!

 足音をたてないようにだけ気をつけて、僕は巡回中の警備兵の前をそおっと通り過ぎる。やっぱり、奴らはまったく気付かない!これならいけるぞ!!

 

 僕はそそくさと封鎖線を駆け抜けて、国会議事堂の中に入る。

 無敵アイテムの透明マントにも弱点はある。充電用バッテリーが脆弱で1時間しか光学迷彩が持続しないはずなのだ。

 だから早く、効率的に、議員たちを見つけなければ・・・

 早足で正面階段を駆け上がり、扉を開け、中に入る。

 しかし、ここにもタロス人はいなかった。お偉い政治家たちもまた、人質としてどこかに連れ去られてしまったのだろう。

 国立病院に続いてまた無駄骨か。くそう!僕は頭を抱えて弱り果てる・・・が・・・あることに気づいた。

 待てよ?何か引っかかるんだ。

 ここに政治家たちの人質はいない。そうだ。戦略的価値は失われている。なのに・・・

 なんでこんなに敵部隊が駐留しているんだ?

 それは、何か重要なものが、ここにあるからだ。

 僕はもう少しこの建物内を調べることにする。透明な姿のまま、前を通り過ぎて回廊を歩いていくカロシアン軍の衛兵2の後ろについて、コバンザメのように奴らを追跡することにした。

 やがて無警戒のこいつらは、こんな会話をし始めた・・・。

 

衛兵1「そのとおりさ」

衛兵2「まじかよ!軍服をきれいにしておかなきゃ!!」

衛兵1「うん、ミノス司令官が、やがてここまで視察にいらっしゃるからな」

リュート(息をひそめて)「 ・・・ ・・・ ・・・ ! 」

 

 僕の驚きに気づくことなく、まだまだこいつらはしゃべり続けるぞ。

 

衛兵1「もうすぐだな。剣を取りに来ることになっているんだ」

衛兵2「あの、ショーケースに入っていた、飾り物の剣か?」

衛兵1「俺の推測じゃあ、なんかの儀式に使うんじゃないかな・・・」

 

 そういって奴らは、知らぬがままに僕を最重要区画まで案内してくれた。

 奴らと一緒に部屋の中に入って、ショーケースを見て、はっと息をのむ。そうかわかったぞ。ここには、これがあったんだ!

 なぜ国会議事堂にこれほどまでの警備部隊が配置されていのか。その理由は、惑星タロスの人々にとって、とても大事なアーティファクトが安置されているからだ。

 

 タロスの守護剣!!

 

 それは、惑星タロスの代表者が持つ支配権のしるし。

 田舎者の僕でもウェブテレビの大統領就任式くらいは見たことがある。選挙で当選して民衆に信任された大統領は、式典のクライマックスでこの儀礼的な道具をうやうやしく帯剣するのだ。

 おそらく敵のミノス司令官は、カロシアン軍の侵攻計画がうまくいった証として、この宝剣を自分のものとしてタロス人に見せつける腹づもりなのだろう。

 いや、それならまだいい。ひょっとしたら、タロス人の精神的な支柱であるこのアイテムを、木っ端みじんに破壊して、抵抗意欲を打ち砕くつもりかもしれない。

 

リュート「そうはさせるか!」

衛兵1「なに、お前、何か言ったか・・・うわああ!」

衛兵2「どうした・・・ぐぎゃ!!」

 

 暴君に大切な宝物を奪われるわけにはいかない!

 僕は透明な姿のまま衛兵2人に襲いかかった。これは個人戦闘になるわけだが、もちろん僕は不意を打てる。奴らはまさかここに敵が潜んでいるとは思わず、まったく準備をしていなかったのだ。だから技術点も低くなっているぞ!

 

【衛兵1 技術点5 体力点8

【衛兵2 技術点4 体力点9

1R (衛兵1/8)(リュート/17) 衛兵1/体力点-2

2R (衛兵1/16)(リュート/19) 衛兵1/体力点-2

3R (衛兵1/8)(リュート/22) 衛兵1/体力点-2

4R (衛兵1/17)(リュート/16) リュート/体力点-2

5R (衛兵1/14)(リュート/21) 衛兵1/体力点-2 ←KiLL!!

6R (衛兵2/12)(リュート/18) 衛兵2/体力点-2

7R (衛兵2/9)(リュート/19) 衛兵2/体力点-2

8R (衛兵2/11)(リュート/18) 衛兵2/体力点-2

9R (衛兵2/11)(リュート/15) 衛兵2/体力点-2

10R (衛兵2/9)(リュート/17) 衛兵2/体力点-2 ←OverKiLL!!

 

 僕は衛兵2人を始末してから、息を整える間もなく、ショーケースのガラスをたたき割る。そしてタロスの守護剣をこの手につかんだ。

 ダッシュでこの部屋から駆け出す!

 恐れていたことだが、とうとう、僕の身体の輪郭がチカチカと明滅し始めてきたのだ。もうすぐ透明マントの持続時間が切れてしまう。そうなったら袋のネズミだ。ここから早く脱出しなければ!

 

 

 

22話「己の夢は己の力で」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/12 体力点14/18 運点9/12

【機動兵Ⅸ・人間型 装甲点12/12

 

 ジリリリリ・・・!!

 国会議事堂内に非常ベルが鳴り響き、別の兵士たちがあらゆる場所から駆けつけてくるが、光学迷彩の「透明マント/モデル3を被った僕は・・・

 追跡をかわして・・・なんとか・・・

 透明マントの電熱荷がオーバーフローになる。そして僕の姿が明らかになった。だがたどり着いたそこは、僕のロボット機動兵Ⅸのコクピット内だ。

 ふう。ギリギリセーフってやつだ!

 改めて奪取した戦利品、タロスの守護剣を見やる。切っ先が長くて飾りが彫られているから儀礼用の工芸品かと思ったが、刃の研ぎは鋭く、バランスもとれている。

 立派な武器になりそうだ。サムライ・ガールの姉さんなら、おそらくこの剣の価値もわかるのだろう。この剣が傍らにあると、なんとなく精神が集中されて研ぎ澄まされるような感覚がする。個人戦闘で使えば僕の技術点は+1されるのだ!

 

 僕は心強さを感じつつ「首都」内を移動する。

 透明マントは二度と使うことができない。つまり、これからの活動は、よりいっそう慎重に行わねばならない。

 こうして僕が次にやってきた場所は国立宝物殿だ。

 なんだか怪しげな博物館のような名前で偽装されてはいるが、タロスの人々は雑学で知っている。この巨大な灰色のビルには、タロス地方政府が管理するすべての金塊が保管されているのだ。

 つまりはここを敵が抑えてしまうと、惑星タロスの国家経済活動は完全に干上がってしまうことになる。だからやってきたわけだが・・・

 ほっ。

 僕は安どのため息をつく。

 まだ、カロシアン軍はこのビルの重要性に気づいていなかったのだ。もし知っていたら大軍団で占領しているはずだが、ここにいたのは暇そうな歩哨が1名だけだ。

 奴は自分の乗機のロボットから降りて、眠気を紛らわせるために煙草をプカプカ吹かしている。

 だったら話は簡単だ。僕はそのまま機動兵Ⅸで建物入り口に接近する。

 

歩哨「 ・・・? ・・・! ・・・!! ・・・!!!!! 」

 

 突然の敵機接近に慌てふためく哀れな男。そして奴が自分のロボットに乗り込んで応戦する前に・・・(ぷちっ)・・・僕はそいつを踏んづけるのだった。

 悪く思うなよ。これは戦争なんだ・・・。

 

 さて、機動兵Ⅸを入り口に停めて、僕は改めて国立宝物殿の正面玄関を抜け、中に入る。

 この建物内は、普通なら、僕のような田舎者では到底入れないような金融経済の中心地だ。問答無用で受付で呼び止められてホールドアップだろう。

 だが今はフリーパスで地下の大金庫前まで行き着くことができてしまった。タロス人の警備員が全員眠っているからだ。

 大金庫の広間には、貨物を扱う運搬用ロボットが駐機している。このロボットは巨大なカニに似ていて、8本の足と、貨物を持ち上げる2本の巨大なハサミを持っている。装甲された背中は重い荷物を背負えるように、分厚くて頑丈そうだ。

 

【カニ・ロボット】  装甲点:12 速度:低速  戦闘修正:±0

特殊能力:このロボットは大量の荷物や装備を運ぶことができる。

 

 大金庫の扉を前にして少し考える。

 このカニ・ロボットの頑丈なアームと尖ったハサミなら、扉を破壊できちゃうんじゃないかな?それこそキーロックなんかお構いなしに、突破して入れちゃうぞ。

 大金庫の中には、たくさんの金の延べ棒があるんだろうなあ・・・。

 

リュート「そのうち23本もらっても・・・」

 

 いや、今までの苦労を考えれば、もう少し多く持ってっても、いいんじゃないか?

 今回のコトが起こる前は、僕にもささやかな望みがあって、いつかは自分の恐竜牧場を開きたいなあ、なんて思っていた。ここの金塊が1本でもあれば、その夢はあっという間に現実味を帯びてくる!!

 

リュート「そうだ。これは当然の報酬だよ!」

 

 僕はカニ・ロボットに乗り込んだ。この運搬機械なら数百ポンドの金塊を一気に運べそうだ。ハサミを高速回転させ、大金庫をぶち破ろうとして・・・

 

 ・・・やめた。

 

 これじゃあ、侵略者のカロシアン軍と同じじゃないか。

 ここにある金塊は惑星タロスの人々の財産なんだよな。ただ1人起きているからって、僕が不当に奪っていいわけがない。

 ちょっと赤面してから肩をすくめて、僕はカニ・ロボットから降りる。そして地下の大金庫から地上に戻り、国立宝物殿を出るのだった。

 機動兵Ⅸのレーザーライフルで、この建物の出口をがっちり溶接加工しておく。こうしておけばカロシアン軍もここにある財宝をたやすく奪えないはずだ。

 あーあ、自分の牧場は持ち越しか。

 でもまあ、己の夢は己の力で切り開くべきだ。こんなズルしたって人生はちっとも楽しくないはずだ。これこそカウボーイの生き様ってやつさ!

 

コンピュータ「イエス。マスターの行動は正当です」

リュート「・・・へえ、ほめてくれてありがとう」

コンピュータ「思わず惚れ直す確率、78.6%」

リュート「 ・・・ ・・・ ・・・ 」

コンピュータ「どうしました?」

リュート「いや、なんというか・・・」

 

 本当に機械なのか君は???

 中に人間でも入っているんじゃないか?

 恐るべしサクラ・ドライバ。ジョークまでプログラミングされているとは(あまり笑えないが)。

 まあいいや、うれしいこと言ってくれるじゃないか機動兵Ⅸよ。君とならどこまででも戦えそうだ。

 さあ、最後の戦いが迫っているぞ。

 機動兵Ⅸのコクピットの中で、僕は顔をぱんぱんと手で叩いて気合を入れ直す。そして操縦ハンドルを握り、深呼吸。

 準備はOK?うん、OKだ!では行こう!!敵陣地へ!!!

 

 

 

23話「敵陣地に乗り込め」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/12 体力点14/18 運点9/12

【機動兵Ⅸ・人間型 装甲点12/12

 

 カロシアン軍の陣地は「首都」の野球場を接収して造営されていた。だから場所はすぐにわかる。遠くからでも敵の飛行ロボットが上空を旋回飛行しているのが確認できた。

 この「首都」内で、今までは建物の蔭に隠れながら目的地まで行き着けたけど、さすがに今度はそうもいかないな。敵との遭遇は覚悟するしかない。僕は機動兵Ⅸを人間型のまま、いつでも即応できるようにレーザーライフルを構えて、一定歩行速度のまま接近させていく。

 やがて野球場の外周に通じる狭い検問所に行き着いた。そこでは敵ロボットのミュルミドン小隊が警戒配置されている。

 カロシアン軍の憲兵がわらわらと検問所の周りに集まってきたぞ。やつらは外周無線で僕に誰何してくる。

 

憲兵「いったん停止!こちらはコールナンバー88だ、応答せよ!!」

 

 (ここで対応する合言葉番号のパラグラフに飛びます。すなわち・・・)

 

リュータ「コールナンバー7。こちらロングホーン実験小隊。ミノス司令官に顔見世でやって来た」

憲兵「・・・よし、通れ!」

 

 ふー、コクピットの中で安堵の息を吐く。「ロングホーン実験小隊」なんて口から出まかせの部隊名だけど、相手は信じてくれたようだ。

 ・・・「だが!」 うわ!まだ交信は続いていた!!

 威張りくさった憲兵が畳みかけるようにがなり立ててくる。

 

憲兵「隣の野球場内は立ち入り禁止だ。そこは将校専用区域だからな!!」

リュータ「りょ、了解!」

 

 よし、なんとか外周を突破して、陣地の中に入り込めたぞ。

 まもなく広いフェンスが見え、将校専用区域が主力陣地から離れて造られている。侵略軍の司令官ミノスがいるのは、きっとそっちに違いない。

 さっきの憲兵の警告を無視して、僕はフェンスの方に近寄っていく。

 そしてわかったが、こっちの区画にはそうそうたくさんのロボットはいない。だけど居並ぶのは手ごわそうな機体ばかりだ。どのロボットも、マシン外殻にキルマークが5つ以上ペイントされている「エース」だ。そうか、ここにいるのは・・・

 一騎当千のエリート部隊、ってやつだ。

 敵の中枢にいよいよ近づき、威圧と恐怖で僕がごくりと生唾を飲み込むのと同時に、駆動中のロボットが1体、さっきと同じように誰何をしてきた!

 

敵パイロット「とまれ、合言葉を言え!」

リュータ「こ、コールナンバー88!」

 

 まるで僕が生まれる前から修羅場をくぐりぬけてきたかのような、戦士の野太い声。

 僕はドキドキしながら、事前に手に入れていたコールナンバーで応答する。だが、奴の返答は僕の精神を凍りつかせるくらい、冷たいものだった。

 

敵パイロット「合言葉が違うぞ。戦友」

リュータ「・・・!」

敵パイロット「お前は将校専用区域にいる。所属部隊と姓名は?」

リュータ「 ・・・ ・・・ ・・・ 」

敵パイロット「待て、停まれ!」

 

 僕は覚悟してレーザーライフルの安全装置を外し、相手のロボットに向けた!

 「貴様、タロス人だな!」そう怒鳴ると、敵ロボットはさっきとはまるで違った速度で緊急応戦姿勢をとる。

 こいつは今までの一般兵が乗りまわしていたミュルミドンではない。それらの2倍はある巨大なボディと、レスリング選手のようなぶっとい腕と脚をもつ人間型の軍事ロボットだ。手には高圧出力式の臼砲を携えている。こいつの発射による反動に備えるため、必然的に太い胴周りで設計されているのだ。

 そう、こいつは塹壕や要塞を破壊するための専用カスタム機「クラッシャー」だ!!

 

【クラッシャー】  装甲点:14  速度:低速  技術点:8

特殊能力:このロボットは特に機敏ではないが、攻撃が命中するたびに、敵に2倍のダメージを与える。つまり通常の攻撃で装甲点-4。君がダメージを減らそうと運試しをして、吉と出たら2点、凶と出たら6点のダメージとなる。

1R (クラッシャー/16)(リュート/17+2+1) クラッシャー/装甲点-2

2R (クラッシャー/16)(リュート/17+2+1) クラッシャー/装甲点-2

 あ、でも・・・勝てる!!

 機動兵Ⅸの方が、圧倒的に速い!

3R (クラッシャー/14)(リュート/17+2+1) クラッシャー/装甲点-2

4R (クラッシャー/16)(リュート/20+2+1) クラッシャー/装甲点-2

 当たれば大穴が開くくらい敵の武装は強大だ。だが、当たらなければ意味がない!

 お前が手に持っているその巨大な臼砲は、ただの重りにしかならないのさ!!

5R (クラッシャー/16)(リュート/21+2+1) クラッシャー/装甲点-2

6R (クラッシャー/14)(リュート/18+2+1) クラッシャー/装甲点-2

 

コンピュータ「敵機体、抵抗衰弱。アイ・ハブ・イニシアチブ」

リュータ「よし、一気に押すぞ!!」

コンピュータ「ラジャー。このまま無傷で撃退できる確率、84.6%」

 

7R (クラッシャー/17)(リュート/20+2+1) クラッシャー/装甲点-2 ←Destroy!!

 

 POW!!僕の放ったレーザーライフルによるとどめの一撃が、敵ロボットの眉間に着弾し、コクピットブロックを貫通する。一瞬の静寂の後・・・

 

 ズガアアアッ!!クラッシャー・ロボは爆発四散した!!!!

 

 

 

24話「奇跡の空」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/12 体力点14/18 運点9/12

【機動兵Ⅸ・人間型 装甲点12/12

 

 DOGOM!! DOGOM!! DOGOM!!

 爆発したクラッシャー・ロボットの破片は派手に飛び散った。そして周囲にあったカロシアン軍の他のロボットや軍事施設に衝突し、誘爆を引き起こしている。

 この戦闘で敵の防衛陣地は完全に混乱した。僕はこの隙に機動兵Ⅸの駆動系を全開させ、ダッシュでフェンスを乗り越えて突撃する。

 エリート部隊の網は食いちぎったぞ。お次は何だ!?

 

 空からの攻撃だ!

 

 ピピピピ・・・!

 嫌な警告音がコクピット内に鳴り響き、僕は舌打ちする。対地ミサイルにロックオンされたのだ。その数は・・・え?待てよ??200以上????

 

コンピュータ「イエス、マスター。無人戦闘機の襲来です」

 

 次に僕のもとにやってきた敵ロボットは、対地ミサイルを地べたにいる目標に叩きつけようと、わらわらと寄ってくる無人戦闘機の大群だった。

 そいつは防衛陣に入り込んだアンノウンが入れば無条件で自動離陸し、高空から侵入ロボットに向けて対地ミサイルを発射する戦闘プログラムが施されている。

 そして無人だから操縦士という人的ファクターを必要としない。よって、いくらでもかき集めて集中配備できる。その数が・・・

 ミノス司令官の完璧主義により235だとぉ!!

 僕は対空レーダーに映っている満天の星空のような光点を前に、途方に暮れた。

 

リュート「最大戦速!こいつらを引き離すぞ!!」

コンピュータ「追いつかれます。敵は飛行型で超高速、私たちは人間型で中速です」

リュート「じゃあ、235発の対地ミサイル一斉発射・・・避けきれる確率は・・・」

コンピュータ「希望的観測ならば、0.3%」

リュート「チクショウ!そんなのって、ありかよ!」

 

 ダン!と両手でコンソールを叩く僕。

 終わった。DEAD ENDは突然やってきた。

 唯一生き残れる手段があるとするならば、飛行型に変形してここから逃亡し、再起を図ることだ。しかしそれではミノス司令官を討ち果たし、占領者であるカロシアン軍を打ち破ったことにはならない。それから先は1人対数万機のロボットとの勝負になる。

 落ち延びたとしてもジリ貧だ。ゲリラとしていずれ狩られて、僕は処刑されるだろう。

 チャンスは一度きり、今しかなかった。奴らの防衛体制が未整備で、僕が操る機動兵Ⅸに対処する有効手段を考えていなかった、今しか・・・

 

 ポツ・・・ポツ・・・

 今日の朝から曇り空だった天候は悪化して、とうとう雨が降ってきた。

 ふっ、僕の涙雨ってわけか。

 もちろん全天候型である無人戦闘機部隊は、こんな視界不良など関係ない(レーダーで認識しているのだから、見える見えないは関係ない)。その様は、まるで雲霞の如く寄ってくるスズメバチの大群だ。そして獲物はここにいる、僕のロボットだ。

 終わった・・・

 僕はヤケクソ気味に足をコンソールに投げ出し、両手で顔を覆い、人生最後の瞬間を見ないようにする。対地ミサイルの集束命中により、機体もろとも熱蒸発するまで、あと何分くらいだろうか。

 

コンピュータ「マスター」

リュータ「なんだよ」

コンピュータ「現在、サクラ・ドライバの蓄積データをカロシアン軍に渡さぬよう、システムスキャンしております」

リュータ「君も律儀だな・・・で?」

コンピュータ「この“妨害フィールド”とは何でしょうか。私の初期設定機能には存在しておりません。フォルダごと削除してよろしいでしょうか」

リュータ「あっっ!」(ガバッとコクピット内で飛び起きる!)

 

 妨害フィールド!今の今まで完全に忘れていた!!

 それは「ジャングル市」の大密林。アンキロザウルスをサーペントⅦで絞め殺したときに、付近にあったキャタピラロボットの残骸に取り付けられていたオプション装置だ。何かの役に立つかもしれないと思って取り外し、機体を交換しつつも装備し続けていた。

 

リュータ「直ちにそのプログラムを作動!」

コンピュータ「しかしこのプログラムは認証されていません。ウィルスの可能性50.3%。ダウンロードすると当機体に危険が及ぶ・・・」

リュータ「 い い か ら っ ! は や く っ っ ! ! 」

 

 しぶしぶ機動兵Ⅸのコンピュータはプログラムを作動させる。コクピット内のメインスクリーンにこんな文字が映し出された。

 

 『飛行機等に作用する実験用--妨害フィールド--』

 

リュータ「スイッチON!!

 

 そして、奇跡は起こった!!

 僕の機体から発する妨害フィールドの超音波信号が、無人戦闘機の指示電波周波数帯を探り当て、偽の指令を送りはじめたのだ。

 ドガン!いちばん最接近していた無人戦闘機2機が、お互いがお互いを目がけて、衝突した!!

 そして他の無人戦闘機も、地面に突っ込んだり、隣の機体を射撃したり、意味なく宙返りを始めたりと、まったく意味のない行動を次々と取り始める。

 「敵の戦闘プログラム、完全に破壊されました」コンピュータがいつも通りの冷静な口調で報告してきた。信じられないが、本当だ。僕は九死に一生を得た。

 あのガラクタみたいなオプション装置が、こんな大詰めのところで役に立つアイテムだったとは!

 ふらふら飛び回る烏合の衆と化した無人戦闘機は、1機、また1機と、墜落して消えていく。やがて、あんなにいた敵機の群れは、すべて除去されてしまった・・・。

 脅威が過ぎ去り、ぽっかりとからっぽになった空。

 安全を確認した僕は、機動兵Ⅸを操り、敵陣地を歩き始める。

 

 しとしと降り続ける雨の中を・・・そして・・・

 

 いくつもの防衛網を突破して、とうとう僕はたどり着いた。

 敵陣地の中心部に到達したのだ。

 ついにここまで来た。僕の目の前に小山のような要塞トーチカがある。まだ侵攻してから間もない急ごしらえのくせに、重厚で立派な造りだ。

 敵国カロシアン軍の総司令官ミノスは・・・ここにいるのか?

 

 ( ド・ド・ド・ド・ド・・・ )

 

 何だろう、この地響きは?

 僕の周りの地面が震えだす。やがて地響きはものすごい轟音と化し、莫大な質量の泥が飛び散って僕の視界をさえぎる!うわ!何も見えない!!何も見えないぞ!!!

 

コンピュータ「警告!目標施設が動いています!!」

リュータ「動いている、って、このトーチカが・・・う、うわああ!!!」

 

 やっと視界がクリアになる。

 ここは敵陣地の中央だ。言うまでもなく、侵略者であるカロシアン軍の中枢だ。

 そして、その場所で、僕が見たものは・・・!!!!!

 

 

 

25話「最後の敵」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/12 体力点14/18 運点9/12

【機動兵Ⅸ・人間型 装甲点12/12

 

 泥の影の中から最後の敵が現れた。

 巨大な要塞トーチカだと思っていた眼前のそれは、立派な自走砲塔だった。ハルダウンした大穴から、わさわさとキャタピラで這い出て、僕の前に姿を現す。

 超巨大戦車ロボット!

 凶悪な甲虫を思わせるその機体は、宇宙巡洋艦搭載クラスの電磁パルス式レールガンを主砲として備えている。さらにはあらゆる角度をカバーするように、小型レーザー砲や対空機銃までが備え付けてある。多砲塔式の巨大戦車だ!

 ZAP!! レールガンが火を噴いた!

 それは、あいさつ代わりの景気づけの一発だった。一瞬にして閃光が包み、陣地の周りにあったロボットが巻き添えを食って破壊される。それらはもちろん奴らにとっての友軍、カロシアン軍の軍用ロボットなのだが、そんなのお構いなしだ。

 思わず生唾を飲み込む僕。

 もはや大きさからいって、こいつはもう戦車じゃない。陸上戦艦(Land-Battleshipといってもよいくらいだ。僕の操る機動兵Ⅸは、まるでゴリアテに挑むダビデのようだ。 どのような戦法を取るべきか、考えあぐむ僕の耳に、無線で冷酷な声が聞こえてくる・・・

 

ミノス「タロス人よ、こちらはミノスだ!さあ、わしの怒りを思い知れ!!」

 

 ZAP!! またレールガンが発砲!!!

 

リュート「うわあ!だめだっ!!」

 

 炸裂する光に僕の網膜は焼き尽くされそうだ。そして圧倒的な収束光は機動兵Ⅸのいる位置に過たず着弾し、僕もろとも蒸発しつく・・・すことは、できない!!!

 なぜなら、機動兵Ⅸのシールドが紫色に輝いて機体のすべてを包む。敵のレールガンによる破滅的な一撃を吸収・中和したからだ!

 

コンピュータ「サクラ・ドライバ、ファイナルモード発動」

 

 コンピュータがそのからくりを告げる。そう、これが我らタロス軍の最終兵器、機動兵Ⅸの真の力なのだ。シールドに組み込まれた素粒子飽和システムがあらゆる破壊エネルギーを中和し、敵の攻撃を無効化する(こっちの攻撃力が18以上のときは、どうやっても敵はダメージを与えることができない!)。

 名づけて、サクラ・ドライバ、ファイナルモード!!

 

コンピュータ「このエナジーフィールドの持続時間はおよそ30分および27秒です。その後、オーバーフロー状態となるため、全駆動エンジンは停止します」

リュート「・・・戦えるのか、僕は?」

コンピュータ「イエス、マスター。しかし敵の副砲はじめ他武装も、十分脅威です。要注意」

リュート「やってやるさ!」

 

 僕は機動兵Ⅸのメインエンジンを吹かし、ミノス司令官の操るスーパー戦車ロボットに向かって突撃する。

 また巨大な敵からの主砲の一撃!

 だが、周囲の副砲や小型砲によって僕のロボットの装甲は削られるものの、いちばんの脅威である主砲の電磁パルス式レールガンは、最終形態のサクラ・ドライバが発動したエナジーフィールドによって、有効命中にはなりえない!

 僕は弾雨をかいくぐって突進する。迎え撃つミノス司令官が咆哮した。

 

ミノス「こしゃくなあああぁぁぁぁ!!まねをおおおお!!!!」

リュート「侵略者どもめ、僕たちの怒りをくらえっ!」

 

 だが、奴の遠吠えなど聞こえず、僕の視界は真っ赤になり、スローモーションのように時間がゆっくり流れ始める。それだけこの戦闘に集中していたのだ。

 タロス人の誇りをかけた、この、最後の戦いに!!

 

【スーパー戦車】  装甲点:16  速度:低速  技術点:12

特殊能力:戦闘ラウンドで、スーパー戦車は攻撃力が相手の出した目より低くても、小型砲による攻撃のため、相手側はダメージを1点受ける。

1R (スーパー戦車/21)(リュート/20+2+1

 スーパー戦車/装甲点-2  機動兵Ⅸ/装甲点-1

2R (スーパー戦車/14)(リュート/17+2+1

 スーパー戦車/装甲点-2  機動兵Ⅸ/装甲点-1

 

 ゴスン!ガスン!周りのロボットなど、僕たちの外れ弾1発で破壊されてしまう。

 巻き添えを食ってはたまらないと、敵の大軍勢は次々とこの場から逃げ始めた。 

 

3R (スーパー戦車/24)(リュート/18+2+1

 *シールドによりダメージ無効 機動兵Ⅸ/装甲点-1 

 

 致 命 的 な 命 中 弾 !

 だが、紫色の守護天使、シールドから発せられるエナジーフィールドが攻撃を阻んだ!

 それでも小うるさい小型砲は、依然、機動兵Ⅸの装甲を削り取っている。

 残り装甲点は敵が12、僕が9!!

 

4R (スーパー戦車/19)(リュート/17+2+1

 スーパー戦車/装甲点-2  機動兵Ⅸ/装甲点-1

5R (スーパー戦車/21)(リュート/19+2+1

 スーパー戦車/装甲点-2  機動兵Ⅸ/装甲点-1

 

 いつのまにか、機動兵Ⅸとスーパー戦車が相い討つ戦場には、もはや誰も居なくなった。

 泥濘と驟雨の中、僕らは相対して移動し、射撃し、戦闘機動の限りを尽くす。

 

6R (スーパー戦車/18)(リュート/21+2+1

 スーパー戦車/装甲点-2  機動兵Ⅸ/装甲点-1

7R (スーパー戦車/17)(リュート/18+2+1

 スーパー戦車/装甲点-2  機動兵Ⅸ/装甲点-1

 

 「ふうはははっは!血がたぎるぞお!!」ミノス司令官が興奮して叫ぶ。

 そう、これは決闘だ。カロシアン人が大好きな、決闘と化したのだ。

 残り装甲点は敵が4、僕が5!!

 

8R (スーパー戦車/22)(リュート/19+2+1) Draw

 機動兵Ⅸ/装甲点-1

 

 そしてついに、残り装甲点は敵が4、僕が4!互角だ!

 次の接近戦が最後の激突になるぞ。いよいよクライマックスってわけか。

 

リュート「こういう機動はできる?」

コンピュータ「イエス、マスター。あなたなら大丈夫な確率、65.3%」

リュート「じゃあ、行こうかっ!!」

 

 舌なめずりして、僕は最後の突撃をかける。

 敵の至近距離の直前で、意表をついて上方に垂直ジャンプした。

 機動兵Ⅸは泥だらけの脚で敵の艦橋を踏んづけるっ!!

 

9R (スーパー戦車/17)(リュート/16+2+1

 スーパー戦車/装甲点-2  機動兵Ⅸ/装甲点-1

 

ミノス「こっ、この俺様を、踏み台に・・・!」

リュート「・・・してやるさ!!」

 

 コンピュータの卓越したリンクデバイスにより、僕のロボットは重力を無視して、くるりと難なく一回転してのける。頭が下になった僕の機動兵Ⅸが構えたレーザーライフルのその先には、艦橋後部がある。すなわちそこは、ミノス司令官が坐する、指令室だ!!

 

10R (スーパー戦車/19)(リュート/20+2+1

 スーパー戦車/装甲点-2 ←Destroy!!  機動兵Ⅸ/装甲点-1

 

 自由落下中に・・・DOGOM!!

 そこしかないポイントを、僕は正確に、撃ち抜いたっ!!!!

 

 

 

最終話「354!そして次の冒険への幕間」  --Robot Commando-- 

 

【技術点11/12 体力点14/18 運点9/12

【機動兵Ⅸ・人間型 装甲点2/12

 

おじいさん「・・・とまあ、これが、わしが若い頃のお話だ」

 

 今日から夏休み!

 タロス第7小学校の歴史自由研究サークルの子供4人組は、牧場に住む1人の老人に、歴史体験談を取材しに来ました。クラスメートの1人が彼の孫だったからです。

 今は広大な恐竜牧場を息子夫婦に譲り、悠々自適の(でもちょっと退屈な)年金生活を送っているこの人当たりの良いおじいさんは、孫の突然の訪問に大喜びです。取材に応じて昔話を語るのはもちろんのこと、子供たちにキャンプ宿泊施設を提供するばかりか、美味しい竜肉バーベキューの夕食までも作ってくれるのでした。

 そして今、たらふく平らげた夕食の後片付けを終えて、パジャマに着替えた子供たちを前に、老人は欠伸をしながら“あのときのこと”を思い出して話しています。

 50年前にあった出来事、電撃的なカロシアン軍の侵攻と、それを撃退して惑星タロスの自主自立を勝ち取った「カロシアン動乱」のことを・・・

 

おじいさん「さて!夜10時を回った。明日は川遊びだろう?」

小学生A「えっもうおしまい?艦橋をビームライフルで撃ち抜いて、そのあとは??」

おじいさん「話すまでもないじゃろ。ミノスごとスーパー戦車を吹っ飛ばした無敵の機動兵Ⅸに、向かってくる敵などいやしない。カロシアンの奴らはパニックになって散り散りに逃げて行った」

小学生A「それで?それで??」

おじいさん「それですべて元通りさ。その後、わしは政府からささやかな報奨金をもらって、それを元手にこの牧場を開いた。めでたし、めでたし!」(ウィンクする)

小学生B「うーん、でも、それは教科書と違うような。確か、巨大低気圧にあらかじめセットされていた覚醒ワクチンがタロス全土にばらまかれたんですよね。それで全人民が目を覚まして、侵略者のカロシアン軍を打ち破った・・・って、書いてありますよ」

小学生C「あ、私知ってる。校長が話してた。確かその低気圧って“タロスの神風”っていうんだよね」

おじいさん(頭をかきながら)「あー、まあ、それも間違いじゃないわなあ」

小学生B「最終兵器ロボットの機動兵Ⅸなんて、聞いたことないけど・・・」

小学生A「聞いたことなくたっていいんだよ!かっけええんだから!!」

小学生B「カッコ良いからって嘘を書くわけにはいかないだろう。正しいレポートを書かなきゃA+はもらえないんだぞっ!」

 

 たちまち、腕白な少年と秀才眼鏡の男の子はドタバタ取っ組み合いを始めました。そして、2人に挟まれて困ってしまうそばかすだらけの女の子。そんなまぶしいばかりの子供エネルギーを目の当たりにして、ニコニコしながら仲裁に入るおじいさんなのでした。

 

おじいさん「ほれほれ、ケンカはやめなさい」

小学生C「リューじいさんの言う通りよ。私、明日、図書館で調べてみることにする!」

おじいさん「ほう!それはよい心がけだ。お前さんはきっと大人物になるぞ。ベラトリクスに次いで2人目の女性大統領になるかもしれないな」

小学生C「えへへ・・・」

おじいさん「だけどな、本に書かれていることが歴史じゃないぞ。いちいち記録されていなくても、立派な行いをした人は、君の周りにもたくさんいるんじゃよ」

小学生C(小首をかしげて)「・・・?」

おじいさん(少し照れて)「おっと、嬢ちゃんには、ちょっと難しかったかな・・・」

 

 さて、やさしいおじいさんは素敵なお客人のためのベッドを4つ、シーツメイクしてくれます。涼しい夜風に吹かれてあとは寝るだけ。明日もきっと平和な一日で、良い天気になることでしょう。

 ところがこのとき、ちょっとした問題が・・・

 

おじいさん「ひい、ふう、みい・・・1人いないな。おやおや、こともあろうに、わしの孫がいないじゃないか?」

小学生A「ああ、ジェットなら、ケイばあさんの道場に行ったよ」

小学生B「お話を聞くより、身体を動かしたいって。木刀持って稽古つけてもらうんだって」

おじいさん「やれやれ、なんてこった。落ち着きのない・・・」

小学生C「あのね、ケイばあさんって素敵よね。すらっとしててさ、いたずらすると怖いけど、ときどき笑うと可愛いの!」

小学生A「ケイばあさんって、リューじいさんの姉貴なんだよね?」

小学生B「若い頃って、どんな人だったんですか?カロシアン動乱のときは??」

おじいさん「いやーそりゃもう、昔のケイト姉さんはなあ・・・っと、まあそれは、明日にでも話そうじゃないか。さあ、寝よう寝よう!!」

小学生ABC「はあーい!!」

おじいさん「さて、わしはジェットをここに連れてこなければ・・・」

 

 リューじいさんと呼ばれて子供たちに慕われている好々爺は、ジェット・サワムラという名の自分の孫--元気だけど落ち着きのない、冒険心に満ちて退屈が大嫌いな男の子--を探そうと、ログハウスの窓を開けました。

 すると牧場の真ん中に置かれた1体のロボットスクラップが目に入ります。軍事ロボットらしく洗練された人型フォルムですが、所属部隊不明のまま現役を引退し、今は子供がよじ登ったりする遊具として第二の余生を送っている、サワムラ牧場の名物オブジェです。

 満天の星空のもと、輝く月に照らされて、今はもう動かないはるか昔のロボット・・・

 外に出て、その機体に手をつき、おじいさんはそっとため息交じりにつぶやきました。

 

おじいさん「宇宙(そら)の一族・・・か。ジェットの奴め、血は争えん」

 

 他の子供たち3人は、ベッドできれいなシーツにくるまり、いつの間にやらすやすやと寝息を立て始めています。

 夜空に一筋、流れ星がきらりと瞬きました。見上げた老人は言葉を続けます。

 

おじいさん「なあ戦友よ、いつか彼も“星駆ける者(Star Strider)”になるんじゃろうなあ」

 

 すると不思議なことに、ずっと眠っていたロボットのコクピットにいきなり明かりがつきました。そして彼の問いかけに反応した冷静な声が、小さくつぶやき返すのでした。

 

コンピュータ「イエス、マスター。その確率は99.9%」

 

 

 

【次回、SF編は『スター・ストライダー』へと続きます】

【そしてこのブログ、お次はファンタジー編『仮面の破壊者』です。いまやアリオンの領主となったブリッツ君、魔女モルガーナを倒すため冒険に出発です。お楽しみに!!】