D&D3.5キャンペーン第6話
「極彩の迷宮」
(2005/10/22 フォート・マッコイにて)
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その1
ベアトリーチェの悲しき逸話、ハーフリングによる豊穣祭テロル、卑劣なる暗器の毒に倒れるリーン
そして、黒きマントに身を包んだ名医と、ダークスレイヤー鍛造場所の判明について
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これはフラネスの大地に生きた5人の英雄の物語だ。
彼等は雄々しく戦い、勝利の歓喜に酔い、莫大な報酬を得たが、ときには苦い敗北にまみれ、人生の回り道もした。
そんな生々しい冒険者達の勲であるからこそ、人々に愛され続け、今もなお塔に幽閉された姫君に向かい、片思いのバードがよく謡っている。
その冒険者達の名前は、と問われるならば・・・
失踪した父の跡を次ぎ、滅した騎士団の再興を託された少女、アレク=カイン=クロフォード
(女性の人間、秩序なる善、ファイター1Lvパラディン7Lv)
キーオランドから来た貴族、太古スエル人の末裔、愛と野望に生きる男、ネヘリ家英公爵ティリオン(前姓はセカンフォース)
(男性の人間、混沌なる善、ローグ3Lvレンジャー5Lv)
心柔らかな(“弱虫”の雅語)、そしてエルフ王族の子孫でもあり、その人格が徐々に甦りつつある、ファーザラード
(男性のエルフ、真なる中立、ウィザード8Lv)
一本気の若き職工ドワーフ、驚異の武器を鍛えることを望む、ドネルガ=バーブン
(男性のドワーフ、混沌なる善、ファイター6Lvバーバリアン2Lv)
ペイロア神の敬虔な信徒であり、名誉ある戦士団長ロベルトを父にもつ頭脳聡明なる娘、リーン=スターファイン
(女性の人間、中立なる善、クレリック8Lv、※NPC)
そして彼らに仕える忠実な動物の僕たち。アレクの乗騎シルバーソード号とファーザラードの使い魔カース。そしてティリオンの動物の相棒ローン。
彼等が前の冒険において、グレイホーク馬車競争に勝利し、太古スエルの悪を鎮める礎石の謎が明かされたところから話は始まる――
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かくして英雄達は、この冒険中ずっと関わり合ってきた、太古スエル遺跡の秘密を知った。
リフト峡谷に潜む悪の軍団の大来襲を防ぐためには、“秩序にして悪を鎮める礎石”であるダークスレイヤーを鍛え直し、
然るべき地点に安置せねばならない。その地で我が身を呈して守り続けているアレクの父グレイ=クロフォードの代わりに。
それでは、今は壊れているダークスレイヤーを鍛え直す場所はどこなのか? それだけの高性能な鍛冶場は、フラネスのどこにあるのか?
ここでいったん、英雄達の足取りは止まった。そう、とりあえず今は足踏み、情報待ちの段階だ。
彼らを(今のところは)応援してくれている魔術秘密結社“八者の円”のメンバーである
ジャラージ=サラヴァリアンはグレイホーク大図書館で過去の文献を調べまわっているし
モルデンカイネンはアウタープレーンの九層地獄バァトルまで行って、敵のフォーンディッシュどもから情報を探っている。
ここはその筋の専門家である彼らに任せるしかない。じりじりしつつ、一週間が無為のままに過ぎたのであった。
折しも時期は豊穣祭の5日に入っていた。
ティリオンは自分の亡き妻ベアトリーチェの真相を探ろうと雇っていた情報屋から、調査報告を受ける。
盗賊ギルド長であるジ・イヤー(耳)が君に会いたがっていると・・・何らかの情報を渡す用意があると・・・
罠の可能性もある、と用心しつつティリオン、ヒマそうにしていたファーザラードとドネルガを何気なく誘い、そこに出かけることにした。
盗賊ギルドに行く最中で「なあ、もし俺が王になれるとしたら・・・」と今回の外出の目的を告げられたドネルガとファーザラードはびっくりしたが、
(リンク先になぜティリオンが突然そう切り出したのか、彼の心情が書いてあります)
そこは旅の仲間である。彼の苦悩を密かに察していたので、ティリオンに付き合うことにしたのだった。
一方、女の子であるアレクとリーンは、アネットの誘いに乗って、暢気に豊穣祭の大バーゲン会場でお買い物をすることに!(笑)
「こんなことをしていていいのかしら・・・私はそんな心境では・・・」と渋るアレクであったが、
リーンが「ふさぎこんでないで、いきましょう、いきましょう!」と積極的に彼女を連れ出す。ジャラージの家で鬱々していてもしょうがない。
今私たちにできることは、いつダークスレイヤーの鍛造場所が判明してお呼びがかかってもいいように、心身を健康に保っておくことである。
それに・・・アネットも会いたがっている。彼女ながらに、初めてできた親友のアレクとリーンに会える回数が残り少ないことがわかっているのだから。
というわけで英雄達は、いったん男組と女組で別行動をとったのであった。
盗賊ギルドに着いた、ティリオン、ドネルガ、ファーザラードを、ギルドの長ジ・イヤーは快く、そして油断せずに出迎えてくれた。
彼はいちおう武器は外すように言い、地下深くの一室に案内する。ここは盗賊でも選ばれた者しか入れない最深部である。
ひんやりとした空気の中、出迎えたのは、一人の黒いローブを被った男と、豪華に装飾された棺桶だった。
「これはこれはネヘリ家英公爵ティリオン様、ごきげんうるわしゅう」と皮肉っぽく上位貴族に対して行うお辞儀をしたローブの男は、
ティリオンの実の父、クロニン=セカンフォースである。
ジ・イヤー「言われたとおりにしたぜ、クロニン殿」 クロニン「ありがとう、お礼はいつもどおりに・・・ジ・イヤー」
飄々とした風情でこの中年男は、未だ自分に心を許していない息子に真相を語りだす。
「キーオランドに向かう葬送行列よりひそかに抜け出してきた。棺桶ごとな。キーオランドの貴族たる者、影武者の1人や2人は用意しているものだ。」
クロニンは棺桶の蓋を開ける。用心して近寄らないティリオンよりも先に、ファーザラードとドネルガがその中を見た。
そこには綺麗な、妙齢の美女がいた。ティリオンが昔、幼心で「ボク、おばさんのはなむこになりゅー!」と求婚し、
寂しげに微笑んでいたベアトリーチェの思い出、そのままの女性である。種族的に近いファーザラード気づく。「あ、ハーフエルフだ!」
クロニン「そう、彼女は人の倍は生きるからね。ティリオンが子供の頃に会った姿をまだ残していても、不思議ではない」
(じゃあこのカリスマ3の肖像画は・・・? なんと、ベアトリーチェが自分で書いた自画像だそうです。がくーん。印象派絵画ってやつですね。)
そしてクロニンは語り始めた。悲しいベアトリーチェの半生を。
キーオランド王侯貴族には二大勢力があった。一方はローラ家、そしてもう一方はネヘリ家である。
しかし統治者としての素質が低かったのか、それとも陰謀家としての才能がなかったのか、ネヘリ家はローラ家に比べ衰亡の一途を辿り、
ついにはお家断絶もやむなし、という危機に至る。しかしそれではローラ家の専横が始まってしまい、都合が悪い。
というわけでローラ家に抵抗する貴族勢力は、平和に過ごしていた平民、しかし先々代の御落胤
(ようするにエルフの女性と関係を持っちゃって生まれた娘)のベアトリーチェを見つけ、ネヘリ家当主として担ぎ出すことにした。
しかしいざベアトリーチェを宮廷に呼んできてビックリ! 何と彼女はハーフエルフではないか!
キーオランドの大貴族がハーフエルフなんて前代未聞だ、しかし他に代えはいない・・・ああもう、しょうがない!
「ネヘリ家のことは私どもで何とか面倒を見ますので・・・」とベアトリーチェはネヘリ派の貴族連中から体よく遠ざけられ、
半ば幽閉されるように、人目につかないよう、やはり森の中でひっそりと暮らすことになった。
もちろん、彼女がハーフエルフであることなんて絶対の秘密。だから極力誰にも会わないようにしていた。
彼女にとって許せる友達は、森の中で見つけた狼一匹のみ・・・これが今のローンである(ティリオンの動物の相棒である狼ね)。
そして、旧知の友人(恋人?)クロニンに連れられて、ティリオンが子供時代、彼女に会ったのもこの時だ。
しかし状況が一変する。名もないスコティ男爵という男がいきなりキーオランドの王座に着いたのだ。
第三勢力の誕生である。当主が種族的に問題のある難儀なネヘリ家にしぶしぶ組していたローラ家対抗勢力は、あっという間にスコティ王支持に鞍替えした。
もちろん、自分達が当主に黙っていいように使っていたネヘリ家の資産は、全て新王スコティに献上するかたちで。
(だからベアトリーチェの元に財産は、もはやない。10万オーブの持参金なんてのは、ティリオンパパのうそ。
「まだ結婚なんて・・・」と嫌がるであろうティリオンを誘い出すための方便に過ぎなかったのだ)
そして今やスコティ王派となった旧ネヘリ派にとって、ベアトリーチェの存在は邪魔者でしかない。
いっそ始末するか・・・というところになって、見かねたクロニンがかくまって彼女をグレイホークまで連れてきたのである。
彼には妻子もあるし、セカンフォース家当主でもあるので、旧知の仲とはいえ、これ以上世間体的にかくまうのは難しい。
だが、自由気ままに生きている彼の三男坊ならば・・・息子達の中でいちばん若い頃の自分に似ていて、
ベアトリーチェも懐かしい日々を楽しそうに語る時に、必ず口にする、ティリオン=セカンフォースとかいう男であれば・・・
「・・・しかし彼女は死んでしまった。ティリオンの縁談受諾を知って放たれた暗殺者の毒に殺されてな。あと1日遅ければ、花婿に会えたのだが・・・」
最後は少し涙ぐむクロニン。彼もまた若かりし頃を思い出し、その懐かしい思い出を反芻しているのだ。自分が貴族のしがらみでがんじがらめでなかった頃を。
そしてジ・イヤーの情報によれば、ベアトリーチェを手にかけた暗殺者は、アイウーズ帝国の息がかかっていた人間だったとのこと。そしてまだグレイホークに潜伏中だ。
ジ・イヤー「これは推論だがね、奴らが動いている場所は、北のリフト峡谷だけではない。ある一箇所に目をひきつけときながら、
予備手段として違うところで新たな陰謀の芽をつむいでいる。それがヤツラの常套手段だ。
喧嘩する時に片手だけで戦うか? 違うだろう。右手を押さえられたら、あらかじめ用意していた左手で殴り返す。ま、そういうものだ。
おそらく突然ぽっとキーオランドに出てきて玉座に上りつめた新王スコティのバックにいるのは・・・」
「それ以上はやめてもらいたい」と言葉鋭く、突如貴族としての威厳を見せ、ジ・イヤーを睨みつけるクロニン。
「私はキーオランドの貴族だ。これ以上、我らがキーオランドの王に対する無礼は御免被りたい」 黙って肩をすくめるジ・イヤー。
そしてまた、いつもの気軽な親父口調で、ティリオンに語りかけるクロニン。
「ま、そんなわけで、だ。この麗しき女性の亡骸は、夫であるネヘリ家当主ティリオン様のものでございます。それではお暇をいただきましょうぞ。
早いところ葬送行列に戻らねば、な。偽の棺桶に詰め込んでいたベアトリーチェと同じ重さの塩漬けハムも、そろそろバレる頃だ。」
と、また皮肉ったらしく貴族のお辞儀をして、部屋から出て行こうとする。「ほれ、ティリオン、父に礼を言わんかい!」とドネルガに促されるティリオン。
ティリオンはネヘリ家当主として感謝の言葉を述べた。最後に彼の父は、一つ忠告を授ける。
「ティリオンよ、目と耳に用心した方がよい。敵の影はあなたが思っているよりも長い。少なくとも他人がいるところでは、自らの地位は公言しない方がよかろう」
そして彼はダンディに哀愁を漂わせて去っていった。果たして父と息子がキーオランドで再び会う日はあるのだろうか・・・?
その後、とりあえず大人の気遣いで、ティリオンを部屋に残し、他の者は全員外の通路に出た。
「ベアトリーチェ、私の妻よ、ティリオンだ。君の仇を見つけ、必ずこの報いを・・・」幼い頃を思い返しつつ、感傷に浸るティリオン。
部屋の外では、タイミングよく盗賊の手下からジ・イヤーが報告を受けていた。「・・・なんだと!」
少々厳しい顔をして、ファーザラードとドネルガにこう告げる。
「あんたら、急いだ方がいい。ベアトリーチェを仕留めた暗殺者が、中央市場で騒ぎを起こした。」
ここで場面はカットアウト&カットイン。豊穣祭で人が沸き返る中央市場。
ショッピングを楽しむAHOの面々。その中でも特にはしゃいでいるのはアネットとリーンなのだが。
「まあ、かわいい花売りさんですこと!」と、リーンが少しアレクとアネットから離れて、少年の花売り子に近づく。
その時である、群衆の一人が、馬車競争の劇的な勝利者であるアレクに気づいた。
「きゃあ、アレクさんよ!」「握手して、握手!」「サインプリーズ!」あっという間にファンに囲まれる囲まれる・・・
こうして人だかりができると、次にやってくるのは様々な行商人である。「ねえ、野菜買っておくれよ!」「ステキなアクセサリはいかが?」
「まあ、人気者ですわね」と、自分の友達が有名人であることに鼻高々のアネット。
ここまでは、平和な光景だった。そう、ここまでは・・・
一人の、首から提げた箱で果物を売っていた少女売り子が、後ろの群集に押されて、中身を地面にぶちまけてしまった。
妙なことに、少女はささっと人ごみから離れていく。転がる果物の中に異質な物体が・・・これは・・・スクロール・・・?
アレク<呪文学>判定に失敗。それが何か即座にわからなかった。次の瞬間!
どがあああああああああん! スクロールに込められた呪文が発動し、視界いっぱいに広がる火球とともに、轟音がとどろき、舗装の敷石が吹き飛ぶ。
悲鳴! 吹き飛ぶ肉片! 降り注ぐ血しぶき! アレク、もうもうと上がる土煙の中で、その惨状を見る。
そのスクロールは周到に用意されたディレイド・ブラスト・ファイアボールだったのだ。うめき声を上げて横たわる巻き添えの被害者。
向こうの方で、スクロールをアレクの前に落とした少女が、衛兵隊に現行犯逮捕されていた。
アレクは反応セーヴに成功し、半減の18ダメージだけで済んだ。そして辛うじてアネットはかばっていた(と、DM判断)。
「大丈夫ですか、アネット?」「え、ええ・・・何が起こったのですの?」
アレクは大体想像がついていた。誰が狙ったのか、そして、誰を狙ったのか・・・それはアイウーズに敵対する私・・・
いや、ちょっと待て、爆発現場から離れたところにいて無事だったリーンが、リーンが倒れている!
近づいていた少年の花売り子も共犯だったのだ。背後の爆発音で振り返ったリーンの背中に、ドスっ!毒の短剣を刺していた!
逃げていく少年の暗殺者。リーン、とっさに唯一持っていた攻撃呪文であるシアリング・ライトを命中させた。胴体に光線で風穴が開き、絶命する暗殺者。
リーン「あいたたた・・・」すぐにキュア・モデレート・ウーンズとニュートラライズ・ポイズンを自身にかけるリーン。
「私は大丈夫です。さあ、急いでまだ息のある人を助けましょう、アレクさん!」「は、はい・・・!」
すぐにクレリックとしての責務を思い出し、爆破テロの巻き添えをくった無実の人々の救助活動に入るリーン。
だが、自分がこの惨劇の原因になった、という自責の念に駆られ、青い顔で動きも鈍いアレクだった。
グレイホークにおいて、後世“血の豊穣祭”(Bloody
Richfest)と呼ばれることになる、アイウーズの無差別テロは、こうして起こった。
被害を負った市民は、ウェインライト邸の広大な中庭に、丁重に運び込まれた。これもまた権力者の努めである。
横たわる死屍累々の被害者。その安否を確かめるため、門に殺到する群衆。混乱状態の中、様々な善と中立の宗派のクレリック達が治療に励んでいる。
その中で一人、立派に活躍している男性のクレリックがいた。気持ちが高ぶって気合が空回り気味のリーンに比べると、
このような凄惨な修羅場に慣れている、堂々とした治療術だ。軍隊上がりのように思える。
ドネルガ、ファーザラード、ティリオンの男組が戻ってきた。予想以上の惨状に顔をしかめる。
さっそくリーンを手伝いに行くファーザラード。中庭の片隅で落ち込んでいるアレクに近寄るティリオンとドネルガ。
この事件の黒幕を知る全員。「敵の影はあなたが思っているよりも長い」クロニンの言葉が思い出される。
そして犯人を捕らえたウィリアム(アネットの兄、ウェインライト家の若主人、そしてグレイホーク警護隊の指揮官)が戻ってきた。
まず、遅発火球の巻物を転がした売り子の少女、これは悪い奴にドミネイト・パーソンをかけられた普通の少女だった。
そして彼女の精神を支配し、さらにはそれすら陽動として、無防備なリーンを刺した暗殺者は・・・少年ではない。中立にして悪のハーフリング・アサシンだった。
(ハーフリングが全員暢気な楽天家というわけではない、立派に悪い奴だっている)
「アイウーズの狙いは、おそらく・・・ああ、すまないが・・・」「ええ、わかっています。私たちは直ちにここから去らなければならない」
「だがどこへ? ダークスレイヤーの鍛え場所はまだわからぬのだぞ。」その時、ファーザラードの使い魔カースが、脱兎の如く飛び込んできた。
リーンが、再び血を吐いて毒に倒れたのだ。
再度キュア・モデレート・ウーンズとニュートラライズ・ポイズンをかけるリーン。平静を取り戻す。
「あたたた、またドジしちゃいました。さっきの魔法が発動に失敗していたみたいです・・・」 そんなはず、というか、そんなルール、あるわけがない!
とりあえずリーンは自分のベッドがあるジャラージの屋敷に戻し、平静に寝かせることにした。
ティリオンとドネルガは警備隊の詰所に行き、ハーフリング・アサシンの使用した短剣を検証する。
それは毒液が流れやすいよう、刃に溝が彫ってあるアイウーズ独特の暗器。しかしドネルガ、<製作:武器鍛冶>判定に成功。
さらに工夫が凝らしてあるのを見つける。まるでカッターのように先端が折れやすくなっており、さらには刀身内部が中空で毒が貯蔵できるようになっている。
そして妻ベアトリーチェに手を下した暗殺者の身体を検分したティリオンの方は、証拠品の中に、彼の雇い主が書き付けたメモが見つかった。
【弱イ奴カラ狩レ 彼ラニ恐怖ヲ刷リ込マセヨ 我ノ企ミニ手ヲ出セヌヨウ 思イ知ラセヨ】
これはつまり・・・顔を見合わせるティリオンとドネルガ。
一方、ジャラージの屋敷では、リーンが三度目の発作を起こす。どんどん間隔が短くなってくる!
とりあえずキュア系魔法と解毒薬で処置するが、いつまた再発するかわからない。オロオロするアレクとファーザラード。
そこにドアの呼び鈴を鳴らし、やってきたのは・・・クールな声音の男「ジャラージに請われてやってきた。患者はここか?」
先ほど救護現場で、著しい活躍を見せていた30歳くらいの鍛え抜かれた肉体を持つコード神の男性クレリック。
顔に大きな傷跡があり、黒いマントに身を包んでいる。そして医療鞄を持って脇に立つのは、少女の姿をして舌足らずの話し方をするホムンクルス。(笑)
彼こそはグレイホーク一の名医ベルナルド=ジェイクス(つまりB.J.だ)。そして少女型のホムンクルスは、コノピという名だ。
彼の医療技術の確かさはその筋にはかなり有名であるが、と同時に、診療費の高額さでも知られている。
(プレイヤーの皆さん「マジですか?」DM「ええ、マジです。」)
アレク「ええっと、その・・・」コノピ「はいはい、ちゃがりなさい!ちぇんチェーに任せえばすべれ安心なのよさ!」
かくしてベルナルドの正確な触診の結果、やはり、想像通りだった。リーンの病状を黒板にチョークでご家族(じゃないや、英雄達)に説明する。
ベルナルド「原因は明らかだ。体内に毒の短剣の破片が残っている。腹部のいちばん深いところに収まって毒を流し続けている。
コレを摘出しない限り、いくら解毒呪文をかけ続けたって、同じ発作がまた起こる。」 て、摘出ゥ!? そんな医学知識、フラネスにはないよ!
そう、この世界においては、これは前代未聞の医療処置だ。普通のナイフで腹に穴を開けるなんて、まず無理。だが・・・ベルナルドには心当たりがあるようだ・・・
その時、英雄達の協力者、魔術秘密結社“八者の円”のメンバーであるジャラージとモルデンカイネンが、待ちかねた情報をようやく得て戻ってきた。
ジャラージはグレイホーク大図書館で書物と格闘して、そしてモルデンカイネンは九層地獄バァトルで悪魔と格闘して。
リーンがこんな時に何だか何ではあるが、とにかくダークスレイヤーの鍛造場所がわかった!
クランゲディン山というところにあるドワーフの鍛冶場で、かつてダークスレイヤーは作られたそうだ。
クランゲディン山・・・さっそく手持ちの地図を見るファーザラード。モルデンカイネン「クランゲディン山は、この世界にはないよ。エルフの魔術師くん。」
この世界じゃない、って、とすると、アウタープレーンか! ここでドネルガ、ドワーフ族に伝わる古謡を思い出す。
♪そこにいけば どんな武器も できるというよ 誰もみな 行きたがるが はるかな世界
その山の名はクランゲディン どこかにあるユートピア どうしたら行けるのだろう 教えてほしい
クランゲディン クランゲディン ジス・マウント・イズ・イン・アルカディア
クランゲディン クランゲディン 武器の園 クランゲディン♪ (「ガンダーラ」のメロディで)
(ああ今回はネタだらけだ)と、とにかく、アルカディアというプレーンにあるクランゲディン山に行けばよい。
クランゲディン山こそはドワーフの聖地。どんな武器も思いのままに作ってくれる鍛冶職人がいるらしい。
我々の世界であるフラネスからアルカディア・プレーンへ行くには、プレーン間を繋ぐポータルを経由しなければならない。じゃあ、そのポータルはどこ?
それはフラネス西方にある煌霧(きらめきり)山脈にあるドワーフの王宮の最上層部だ。
かつて煌霧山脈にはドワーフ族の栄華を極めた宮殿があった。しかし今は打ち捨てられ、廃墟となっている。
だが、アルカディアとを結ぶポータルはいまだ作動しているはずだ(実はモルデンカイネンも見たことはない。そこはドワーフ族にしか入れない聖域だったから)。
ドネルガ「じゃあ、そこに行けば、ダークスレイヤーが鍛え直せる!」
モルデンカイネン「うむ。しかし気をつけたほうがよい。おそらく敵もここまでの情報は入手している。球体の化け物が西方に向かったようだ。」
ゲッそれはおそらく・・・急がないと! アレク「ちょっと待ってください、リーンは、リーンのことはどうするのです!」
少しバツの悪そうな顔でベルナルド「ああ、それはつまり、先に言われてしまったのだが・・・」
つまり、クランゲディン山には伝説の鍛冶職人がいて(例えば、ひょうたんをスパッと割っても、またくっつくくらいの)伝説のナイフを作れるドワーフがいる、
と医療界の噂で聞いたことがある。あとはドネルガの持っているミスリル塊だ。
ダークスレイヤーを作った後の削り端さえあれば、リーンの身体を切開して、毒素の刀片を除去できるメスを作ってくれるかも!
だが、クレリックがいないと冒険は苦しいよ・・・と英雄達が途方に暮れていると、ベルナルドはずいっと前に出た。
「私が同行しよう。こう見えても、戦いの技は持っている。」と、グレートソードを手にして助力を申し出るのだった。
「ちぇんチェーのまた悪いビョーキが出たのよさ!」と、ほっぺたに手をやって自分の顔を押しつぶすポーズをするコノピ。
ベルナルド、コノピの頭をなでつつ「何、リーンの看病はコノピでも十分できる。彼女は、私の優秀な助手だからね」
というわけで今回の冒険には、NPCクレリック8レベルのベルナルドが同行します。コード神に仕えていて武器はグレートソードです。
残された時間はあまりない。毒による次の発作が起きれば、おそらくリーンは・・・って、次の発作は、いつごろなの?
(DM「うーん、午後6時かな。」とフォートマッコイの時計を見て言う。つまり、リアルタイムで午後6時になったら、リーンは天に召されます)
い そ げ ! ヽ(#゚Д゚)ノ
(DM「いやー、ここで1時間くらい昼食で、いいんじゃないすかあ?」 プレイヤーのみなさん「だめー!!!」)