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その2
名馬シルバーソード号との出会い、リーンの初恋散華、“絶望の谷”を封じる誇り高き騎士の亡霊、
そして、遺されていた僅かばかりの聖域と、蛇女の魅了を看破するドワーフについて
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というわけで“絶望の谷”の探索に向かうことを決めた英雄達。と、その前に、「何か助力がいただければ」と全うな冒険者らしく依頼人にアピール。
カタリーナ殿下はにこりと笑うと、アレクを連れて中庭にある厩舎へ。そこにはとても美人な葦毛の牝馬が、ぶるぶるる・・・とかしこまっていた。
「これは私の愛馬ホワイトジャスティスが産んだ4歳馬だ。ヘヴィ・ウォーホースとしてここまで立派に育ってくれた」
とても従順そうで、それでいて屈強そうな、まさに戦闘のために生まれたような名馬であるのが一目でわかる。
カタリーナは惜しげもなく言った。「アレクよ、君の愛馬とするがいい」
「!!! こんな素晴らしい・・・いただけません」と、固辞するアレクだったが、カタリーナは「君に乗ってほしいのだ」と強く勧める。
「こいつはクリットウォールを解放したときに生まれた可愛いやつだ。その戦いに貢献したグレイ=クロフォードの血を引く君にこそ、乗る資格がある。
そして、部下の手前ではあるが、今まで辛く当たったことに対する、私の謝罪と受け取ってほしい。さあ、名前をつけたまえ!」
そこまで言うなら・・・アレクは「パラディンの乗騎」をゲットしました。そして彼女の名前はシルバーソード号と名づけたのでした。
「よろしくね、シルバーソード」「ぶるるるる!」まるで長年連れ添っているかのように、見事に息の合うアレクとシルバーソード。
それを見て、目を細めるカタリーナと、他の英雄達。
その頃、寺院での治療業務が一息ついてふうう・・・とリーンとドネルガがお城の方へ戻ってきました。
彼らも病人の具合から、水が鉱毒に侵されている事がわかったようだ。「やはり、水がネックですねえ」「うむ、どうにかしないとなあ」
そんなことを話しながら城に近づいてくると、ぱっぱぱーっ♪と、晴れがましいラッパの音が。
カタリーナ殿下が城のバルコニーに出て、住民達に姿を見せたのだ。
「カタリーナ様だ、カタリーナ様がバルコニーに出られたぞ!」「ああ、きれいなお姿だねえ!」わいわいと騒ぐ街の住民達。
「まあ、カタリーナ様という貴族の方もいらっしゃるのですね・・・」と暢気にバルコニーを見上げるリーンであるが・・・
げげっ!(口をパクパクさせて)「カ、カタロニアスサマガ ナゼ ジョセイノ ドレスヲ キテ ラッシャルノ デスカ?」
「ありゃ!こりゃあどういうことだ!」と驚くドネルガ。すかさず周りの住民が教えてくれる。
つまりそれは・・・かくかくしかじか・・・カタロニアスという騎士は・・・一年に一度だけ本当のお姿に・・・
ポト、とペイロアの聖印を落としかけるリーン。ドネルガがあわてて拾う「だ、大丈夫か。あ!リーン・・・!」
ショックのあまりどこかへ駆け出していくリーン。かくて彼女の初恋は無残に散ったのでした(涙)
翌日群羊月28日の解放祭も無事終わり、幸日月1日に英雄達は“絶望の谷”への旅を始めた。
使い魔のカース君も戻ってきた。「ふう、しつこい奴らだった。ハードな休日だったぜ・・・」
彼は街を見物中、なぜか下水道でネズミ軍団との死闘となり、血みどろになっていた(ことを、誰も知るわけがない)。
そしてリーンは失恋を引きずって呆然ジシツ。「おとこ・・・おんな・・・どゆことー・・・?」とぶつぶつ馬上で呟いている(笑)。
ま、まあ、そんな英雄達一行であるが、クリットウォールから北へ馬で2日、水晶川とウェング川の交流地点をさらに北へ通り過ぎ、
やがて地図で示された“絶望の谷”の地域までやってくる。
ここは晴れの日でも薄暗い霧が立ち込め、不気味な獣の鳴き声や、カラスの姿しか見かけない。
田畑は途切れ、土地は痩せ、樹は黒ずんで枯れている。明らかにこれらは“絶望の谷”から流れてくる水の仕業だ。
「不気味な土地だなあ。なんか出そうだよお」とお約束どおり恐怖するファーザラード。やがてずぅーん・・・と廃砦が見えてくる。
用心深く近づいていく英雄達。崩れ果てた石造りの部屋に入ると、そこはタペストリーがかかっている。
そしてそのタペストリーから、ひゅーーー!と浮き出るようにゴーストが出現した!
「来るな・・・来るなぁぁぁぁ・・・ここより先、来てはならぁぁぁぬぅぅぅ!」
「うわああああ!」ゴーストの発する≪恐ろしきうめき声≫により、意志セーヴに失敗して恐慌状態に陥るティリオン。
「出たか幽霊!」「ターンアンデ・・・」何とかとどまって、武器を構えるドネルガと≪アンデッド退散≫を放とうとするリーン。
しかし「待って!」と止めるアレク。彼らゴーストはアレクと同じ聖戦騎士団の鎧を身に着けているのである。
「私はアレク=クロフォード、クロフォード団長の娘です。そしてこの鎧は、あなた方の同胞、レイザー=マクギニス卿の着ていた物です」
「アレク!・・・おお、団長の娘・・・こんなに大きくなったのかぁぁぁぁぁ・・・レイザー、レイザー! その名を聞くはなんと久方ぶりであることかぁぁぁぁぁぁ!」
彼らはやはり聖戦騎士団の一員であったらしい。何らかの怨念でこの廃砦に未だ縛られている。アレクはさらに尋ねた。
「どういうことですか? なぜこの先に行ってはならないのですか?」
「それはぁぁぁぁ命あるものをぉぉぉぉ遠ざけるためぇぇぇぇぇ、この谷を我らが守っているからだぁぁぁぁぁぁ・・・」
おそらく生前は彼ら騎士をまとめていた、名のある部隊長クラスだったのだろう。
そして今はいちばん陰惨な姿をした敗残兵、蛆が涌き膿の染み出ているねじくれた四肢を持つゴーストが、どーんと英雄達の前に現れる。
≪身の毛もよだつ姿≫の頑健セーヴに失敗したリーン、その場にへなへなと座り込んだ「だめ、もう駄目、私のターンアンデッドじゃあダメですぅ〜」
ファーザラードは? とっくに逃亡して物陰で隠れてたところで、カース君に襟首を噛み付かれずるずると引き戻される(笑)。
ゴーストはアレクを認めたら襲い掛かろうとはしない。そして英雄達に対して、切々と今の境遇を語りかけた。
全ては4年前、大北方十字軍の最終到達地点である“絶望の谷”。
この地で邪悪な神事を行っていたバルリット=ゲンダークロス率いるアンデッドの軍隊に破れた聖戦騎士団は、壊滅的打撃を受ける。
辛く惨めな退却戦。しかしこの谷には邪悪な軍勢が雲霞のごとく押し寄せてきた。
もし騎士団がこの地域を引き払ったら、穴の開いたダムのごとく、魔物たちは荒野に解き放たれる。
よって、彼らは谷の入り口であるここに急ごしらえの砦を作り、そこに後詰となる騎士団の一部隊を置いた。
グレイ=クロフォードが残存部隊となる彼らに与えた命令は、死ぬまでここを守り抜くこと、そして、死んでからもここを守り抜くこと・・・
「我々はぁぁぁぁぁぁ谷から魔物が出ぬよぉぉぉぉ永遠の戦いをぉぉぉぉ団長にぃぃぃぃ命じられたぁぁぁぁぁ」
今日もまた一人、聖戦騎士団の姿をしたゴーストがかつかつと騎乗して(馬もゴースト)谷の中に入っていき・・・
そして戻ってこない・・・いや、戻ってきた。すうっとタペストリーの中から、また再生産された一人のパラディンのゴースト。
「つらぁぁぁぁくうぅっぅぅ永久にぃぃぃぃぃ苦しむぅぅぅぅぅ・・・たぁたぁかぁいぃぃぃぃぃぃだぁぁぁぁぁぁ・・・」
胸に熱いものを感じる英雄達。
守っているのだ。彼らは。「後始末をしなかった」のではなく、「完璧にやっていた」のだ。
もし彼らがこの廃砦にいなければ、“絶望の谷”に巣食うアンデッドや魔物達はここを抜けてばら撒かれる。
そうしたら、クリットウォール初めシールド・ランドの民は鉱毒で悩むぐらいでは済まない。もっと酷い状況が生まれ得る。
そのことをつゆ知らぬ民衆から、災いの元凶と恨まれようと、敗北の軍と罵られようと、逃げ帰ったと蔑まれようと、
ただパラディンの誇りだけで、自らの肉体が滅してもなお、黙々と忠勤を貫いているのだ。
今や泣いているかのように嘆き悲しんでいる幽霊達。
「恐れと炎の目ぇぇぇぇぇ・・・奴さえぇぇぇぇ・・・いなくなればぁぁぁぁぁこの任務からぁぁぁぁぁぁ・・・」
「解放されるのですね? ならば誓いましょう、“絶望の谷”の主を倒し、あなた方の任務をなくすることを」とアレク。
驚愕するファーザラード「ええ!僕らの依頼は、“絶望の谷”から流れる毒の原因を調べるだけのはずじゃアイター!」
「どうしておめえは! 雰囲気が読めねぇんだ! この弱虫エルフぐぁー!」
また弱音を吐きかけたファーザラードは、熱い涙を浮かべるカース君に≪食らいつき≫をされて押し黙る。
聖戦騎士団の同胞であるアレクの誓いを受けた騎士の亡霊は、タペストリーの一枚を手に取り、英雄達の前に広げた。
「頼む・・・たのむぅぅぅぅぅぅ」と呟きながら。
どうやらTTTTTTTTT線の中が、キャラクターとして入り込める部分のようだ。
彼らは谷の奥まで攻め入ることができなかったので、まだ不完全で僅かな情報しか記載されていないが、それでも今回の探索の助けとなるだろう。
ありがたく受け取るアレク。いちばん四肢が損壊して不当な辱めを受けた部隊長の騎士幽霊は、こころなしか先輩として励ますような表情をした。
「行けぇぇぇアレクよ行くのだぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・父の無念を晴らせぇぇぇぇぇぇ・・・」
こうして英雄達は、永遠なる守りの砦の先にあるひしゃげた鉄の門(地獄一の門)を潜り抜け“絶望の谷”の中に入り込んだ。
時に幸日月4日のことである。
折から天気はじとーっとした曇り空、陰鬱な谷は霧が立ち込め、遠くを見渡せない(ルール的には20フィートより遠くは視認困難扱い。攻撃失敗確率20%)。
その霧の中を、“絶望の谷”の中央に走る穢れ川(鉱毒で青く染まっている)に沿って、英雄達は北上していく。
まずは何か情報が手に入るかも、と思い、タペストリーの地図にあった「墓守り小屋」に近づくことに決める。
すると朽ち果てた茅葺き屋根の掘っ立て小屋から、老婆のすすり泣く声が聞こえてくる。
小屋の外から声をかける英雄達。もしもしあなたは誰ですかー?
老婆はシクシクシクと「助けておくれえ、ここから出しておくれよお・・・」と繰り返すだけ。どうやらここに囚われているようだ。
ティリオン「用心しろよ・・・」とこっそりドアの中をのぞき見ると、先手を打ってバーンとドアが開いた。
中から出てきたのは10フィート×10フィートの大型サイズモンスター、ハグ・アニス(山姥)である。
もうバレバレなのに、凶暴そうな爪を隠して、無力な老婆に見せかけ、英雄達をだまし討ちしようとしている。
「おお、助けに来てくれましたか、勇者よ! この婆はそなた達に御礼を差し上げたいと思います。さあ、小屋の中へドゾー」
ドネルガきっぱりと「そんなでかいババァはいねえ!」(笑)
「ムキー!よくもあたしの正体がわかったね!死んでおしまいっ!」とハグ・アニスは本性をさらけ出し、尖った爪で襲い掛かる。
ドネルガはガリッと引っかかれるものの、両方の爪攻撃は命中しなかったので、≪かきむしり≫の大ダメージはもらわなかった。
そしてファーザラードが魔法を唱える。「これ、人型には効くよね? えい! ディープ・スランバー!」
ハグ「むぉ・・・すう、すう、すう・・・」すやすやと寝息を立てて眠り込むハグ・アニス。
そして他のみんなによる「とどめの一撃」により、さくっと始末されてしまった。
しかし油断してはならない! 小屋の中から生首が2つ飛来してくる。これはヴァルグイユというモンスターだ。
もともとこの生首、聖戦騎士団の一員だったのだが、邪悪な秘術によりヴァルグイユになってしまったのだ。
麻痺をもたらす≪金切り声≫に多少驚いたが、所詮は1ヒットダイスのモンスター。これも駆逐される。
ハグがいた小屋には、彼女が今までかき集めていた宝物があったので、これを拾って英雄達は先へ進む。
次はそのまま西に行って「火葬場」と書いてあるところを調査してみることにした。
ここはぴっちりと分厚い鉄の扉で閉じられており、ファーザラードのディテクト・マジックでも透視できない。
ティリオンが<捜索>判定。罠はかかっていない。<聞き耳>判定を行うと、中からカリカリカリ・・・と扉を引っかく音が。
うーん・・・なんか予想はつくなあ。たぶん大量のスケルトンか何かがこの中に・・・成敗する?
でも無駄な戦いではある・・・だけど退路を絶たれるのも困る・・・ここで「あ、そうか」と全員思いついた。
扉近くの地面に杭を打ってつっかえ棒とし、中から開けられないようにしてしまえばいいのだ。単純なことだ。
というわけでそうしてしまう。さあ、先に進もう。扉の向こうからは残念そうなカリカリカリ・・・と引っかく音が・・・(笑)
(ここのプレイヤーの読みは全く正しく、もし不用意に扉を開けたら、元兵士スケルトン×100体と大会戦をやらかすところでした)
また穢れ川のところまで戻り、それを辿って北へ。途中、ワンダリングモンスターのシャドウなどに遭遇したが、これは難なく撃退。
やがて地面が砂地のような平原に出る。いや、砂じゃない・・・妙に白い・・・
ファーザラード「ひゃあああ!」何か踏んづけたらしい。人間の大腿骨だ。この白い砂は全て骨粉だ!
そして北にそびえているのは櫓(やぐら)の跡。といっても今は木が腐敗して、20フィートくらいの高さしかない。
大体予想がつく。聖戦騎士団は谷を進撃途中、ここで不意を撃たれ、取り囲むように配置された櫓から敵の弓矢が降り注いだ。
そして混乱したところに邪悪な魔術師バルリットの魔法と、アンデッド兵の集団が突進し・・・騎士団は負けたのだ。この白骨原野で。
騎士団の遺体はここに捨て置かれたが、邪悪な毒気で肉は朽ち果て、骨は穢れ川の鉱毒により粉々に砕けて・・・
ここで櫓の廃墟から降りてきて、英雄達に襲い掛かる獣がいる。櫓の死体を骨までしゃぶっていた、でっかいネズミ、ダイア・ラットだ。
全部で8体、目をらんらんと輝かせ、「新鮮な肉だ肉だー♪」と言わんばかりに飢えた牙で噛み付こうとする。
これは手早く倒さないと、噛まれたら病気で厄介なことになるぞ、というわけでファーザラードがウェブでネズミどもの足を止める。
そして騎乗したアレクとドネルガ、そしてティリオンの弓で、何のリスクもなくダイア・ラットは駆逐された。
(何か最近、ファーザラードの呪文が逞しくなってきていないか? 「ほう、使える奴になったじゃねえか。血が目覚めたのか・・・」ちょっと見直すカース君)
ティリオン、櫓に登ってみる。ひょっとしたら遠くが見渡せるかもしれない。
ところが櫓に登った彼を待ち受けていたのは、霧で体がぼやけている炎の巨人だ! 、霧の向こうから殴りかかってくる!
「うわあああ!」あわてて避けるティリオン。「・・・?」 あれ、すかっと攻撃はティリオンの肉体をかすめる。
「おうい、どうかしたのかい?」とドネルガ。「いや、まあ、なんと言うか・・・??」と釈然としない返事をするティリオン。
カース君も偵察に出る。するするする・・・と櫓に登り、やっぱり「ちゅうううー!」と炎の巨人に驚かされる。
霧の向こうから、キャッキャっと、何か面白がるような声がする。殴りかかるが、すかっと実体のない巨人・・・
だんだんわかってきたぞ、これはブロッケン現象というやつだ。
おそらく櫓の向こう、北西に伸びる支谷の先にある光源から、何らかの影が濃い霧に投射されて、ここで巨人として驚かせる仕組みだ。
正体見たり枯れ尾花、というわけで櫓に落ちていた兵士の死体の所持品を集めた後、人騒がせないたずら好きを懲らしめにいくことにした。
支谷の先は溶岩池で、ときおりぼごおっと火が噴き出している。なるほど、これが光源か。
そして溶岩池に浸って、まるで湯船に入った子供のように遊んでいるのは、火の小鬼であるマグミンである。
マグミンは英雄達を認めると慌てて溶岩池の中に飛び込み、ぽちゃんと頭だけ出して「xalskdlaskdoawefr!xmkzsopxkjasopfuopsda!」と火界語で罵り始めた。
(おそらく「何でこんなとこまで来るんだ!想定の範囲外だろ!」とでも言っているのだろう)
とりあえずあっつい溶岩池の中に踏み込むのも馬鹿らしいし、火界語も話せないのでコミュニケーションもとりようがない。
というわけで、英雄達は支谷を戻ることにした。というか・・・ゴホゲホ! ここから発する硫黄のひどい臭いでむせ返ってしまう!
難易度20の頑健セーヴでリーンとファーザラードが失敗。-1d4の【耐久力】を失った。
そうか、これはこういう罠だったのか。全くの無駄骨だった・・・。
ふう、ひどい目に遭った。とりあえず白骨原野まで戻り、硫黄にあてられた者はリーンのレッサー・レストレーションで回復する。
ん? ティリオン発見。この白骨原野に何か足跡がある。4年前の古いものだ。
玉砕した聖戦騎士団の一人が、同胞の死体をかき分けながら・・・負傷してよろよろとした足取りで、北東の支谷に続いている。
唯一の生き残りがこっちに向かって行ったらしい。ティリオンの≪追跡≫を元に跡を追いかける英雄達。
こちらの支谷の行き止まりは・・・マイアヘンの神像が置かれた、小さな石の台があった。
その神像の前で突っ伏すように、聖戦騎士団の鎧を着た骸骨が一体横たわっている。
おそらくこの騎士は、最期の力を振り絞り、虐殺の戦場からここまでたどり着いて、自分の守り神であるマイアヘン像をここに設置したのだろう。
そして力尽きた。自分が騎士として最後にやるべきことをやって、安らかに眠った。
石台の上には、決して精巧な作りでない木彫りの像が、神々しい輝きを放っているように見える。
そう、この支谷全体には、このマイアヘン像から発するサンクチュアリの呪文が永続的に発動しているのである。
陰鬱きわまる“絶望の谷”の中で、ここならば魔物を恐れず、ゆっくり一晩眠ることができる。
ちょうど呪文も尽きてきたし、よかった・・・安堵する英雄達。そして先輩を丁重に葬るアレク。
今まで聖戦騎士団の先輩が成した、偉大かつ崇高な行いを数々と見て、必ずや立派なパラディンになろうと決意するのだった。
ワンダリングモンスターの心配もなく一夜明け、幸日月5日。名も無い騎士が遺してくれたサンクチュアリのおかげで快く休息を取り、
英雄達は再び穢れ川を北上する。櫓の廃墟を抜けると北に伸びる支谷が見えてきた。そちらの方からは
不審に思って近づくと、鎖に縛られた罪人のようなクリーチャーがいる。用心してアレクが近づくとそれは・・・フレイヤの顔をしていた!
「えっ?何でこんなところに・・・!」狼狽するアレク(攻撃ロール-2ペナルティ)。
そしてじゃらじゃらじゃらと鎖を鳴らし、英雄達に襲いかかってきた。これはチェイン・デヴィルという魔物で、
人の心を読み、その人と親しい者に顔を似せることができるのだ。そして、もう一つ恐るべき特殊能力が・・・
鎖を操る力≪鎖使い≫だ。チェインシャツを着ていたティリオンとリーンは難易度15の意志セーヴに失敗。
鎧に使われている鎖がキチキチキチ・・・と体を締め上げる!「くうう!」身動きできなくなる二人。
しかし善戦もここまで。英雄達は最初の混乱を克服して徐々に形勢を盛り返し、
最後はドネルガと、シルバーソード号に乗ったアレクの騎乗突撃により、チェイン・デヴィルを仕留めることができた。
そしてとうとう、英雄達は“絶望の谷”の最深部までやってきた。
穢れ川はさらに奥へと延びているが、その前に巨大な鉄の扉(地獄二の門)がそびえている。
ティリオンは用心深く<捜索>判定を行い、申し訳程度に設置された毒針の罠をみつけ、さらにそれを<装置無力化>判定で解除した。
ぎぎいい・・・とさび付いた音を立てて、扉が開く。そこには、穢れ川の源流である「青き池」があった。
もちろんこの青、不自然なまでに青白く、鉱毒の源であると言わんばかりに全ての生物が死滅している。
しかし、闇の魔物にとっては滋養溢れる水分以外の何物でもない。
用心して湖に近づいていく英雄達に、突然不意打ちで、遠距離から魔法が襲う! バシィイイン! ディスペル・マジックだ!
標的はアレク。決戦に備えてあらかじめかけていたシールド・オブ・フェイスやプロテクション・フロム・アローズといった補助魔法、
さらには魔法の武器や防具までもが無効化されてしまう。次発を撃たれる前に、これは急いで接近しなければ!
20フィート以上見渡せぬ霧の中、走って池に駆け寄る英雄達。
すると頭は女性、胴体は蛇という奇怪なモンスターが池からにょろろっと現れる。蛇のような舌をちゅるちゅると出しながら、共通語で語りかけてきた。
「シシシシ、よくここまで来たね。わらわはスピリット・ナーガのディオルアンケル。シシシシ」
「ということは、バルリットはどこにいるのだ?」と、引っ掛けようと誘いをかけるティリオン。
「シシシシ、バルリット様はここにはいない。副官の私がここにいる、シシシシ。そしてどこにいるか、お前らにしゃべるほど私は愚かじゃない、シシシシ(笑)」
というわけで、副ボス戦開始です。
シルバーソード号に騎乗したアレクが突っ込み≪悪を討つ一撃≫。効いた!
しかし敵は呪文に長けている。続いて向かってくるドネルガに対しチャーム・パーソンを唱えた。
「おお、おお、友に向かって、何でお前はその恐ろしい武器を向けるのか?」
(プレイの実際;DM「意志セーヴ14・・・どう、失敗? じゃあ、ドネルガはナーガを友達と思っちゃいまーす」)
ドネルガ「うーん、確かにお前は友達・・・」と霜降りの槌を落としかける・・・
(プレイの実際;DM「あ、ちょい待ち!戦闘中はセーヴに+5ボーナスがつくんだ、あ、それなら成功っすか。そっすか」)
ドネルガ「・・・なわけあるか! そんな長い図体の友達はいねえ!」(笑)
というわけで状況修正の差で危うくチャームを免れたドネルガ、ナーガにバチコーンと攻撃。
ナーガ「ひいいいいい!」とのた打ち回る。その後も彼女はアレクにブラインドネスなどかけるも、失敗。
そしてとどめは・・・ファーザラードによる必殺の「ディープ・スランバー!」ああ、DMの出目、今回は低いなあ・・・
スピリット・ナーガはすやすやと眠り「とどめの一撃」によりガスガスとhpを削られ、死んでしまったのでした。
たびたび仲間達を救う的確な呪文発動に「ボ、ボク、強くなったのかな?」とちょっと自信が芽生えかけるファーザラード。
しかしそれをドネルガがたしなめる。「いや、過信はよくないぞ。(お話し的にそういった奴から先に)死ぬから」(笑)