D&D3.5キャンペーン第4話

「父と娘の絆」

2005/06/19 横浜市永田地区センターにて)

 

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その1

目つきの悪い鷲、二重人格のイタチ、アイウーズ軍のラディガスト攻囲、

そして、白馬の聖騎士カタロニアスとの出会いと、クリットウォールに浸透する鉱毒水について

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これはフラネスの大地に生きた5人の英雄の物語だ(・・・それに加えて今回は3頭ほど増える)。

彼等は雄々しく戦い、勝利の歓喜に酔い、莫大な報酬を得たが、ときには苦い敗北にまみれ、人生の回り道もした。

そんな生々しい冒険者達の勲であるからこそ、人々に愛され続け、今もなおグレイホークの大幼稚園などでは、シスターに招かれたバードがよく謡っている。

 

その冒険者達の名前は、と問われるならば・・・

失踪した父の跡を次ぎ、滅した騎士団の再興を託された少女、アレク=カイン=クロフォード

(女性の人間、秩序なる善、ファイター1Lvパラディン5Lv)

キーオランドから来た貴族、太古スエル人の末裔、古の帝国が残した遺産を求める探検家、ティリオン=セカンフォース

(男性の人間、混沌なる善、ローグ2Lvレンジャー4Lv)

心柔らかな(“弱虫”の雅語)、そしてエルフ王族の子孫でもあることも最近判明した、ファーザラード

(男性のエルフ、真なる中立、ウィザード6Lv)

一本気の若き職工ドワーフ、驚異の武器を鍛えることを望む、ドネルガ=バーブン

(男性のドワーフ、混沌なる善、ファイター4Lvバーバリアン2Lv)

ペイロア神の敬虔な信徒であり、名誉ある戦士団長ロベルトを父にもつ頭脳聡明なる娘、リーン=スターファイン

(女性の人間、中立なる善、クレリック6Lv、※NPC

 

彼等が前の冒険において、タングル森の「力の樹」の立ち枯れを救い、中立にして悪を鎮める礎石を防衛したところから話は始まる――

 

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今までの旅の情報からすると、太古スエル帝国が残した、悪を鎮める礎石は3つ。

マリエンヌ(防衛に失敗・・・)、タングル森(防衛に成功!)、そして最後の一つは、自由都市グレイホークにある・・・らしい。

ファーダ導師の塔で、どうやってそのグレイホークまで行くか、検討する英雄達。

いちばん良さそうなルートは、このままアートンサメイ河を下り、アーンスト伯都ラディガストから出ている定期船を使うことなのだが・・・

コツコツコツ・・・塔の窓を叩くクリーチャーあり。窓を開けると、バサバサバサっ!大きな鷲が乱入してきた!

「うわあああ!」その態度の大きさと、目つきの悪い巨鳥に驚く英雄達。「敵か!」霜降りの槌を構えるドネルガ。

「待ってください!」とリーン。「あなたは・・・シューティングスターね?」そうだ、と言わんばかりに、クケェー!と鳴く。

この鳥こそ栄光戦士団長ロベルト・スターファイン(リーンの父親)の愛鳥、シューティングスターだ(胸に一筋の白い羽を生やしていることにより、この名がついた)。

そして彼はぞんざいにふんっ、と足を伸ばす。そこには一通の書状が結び付けられていた。父ロベルトから娘リーン宛ての手紙だ。

 

<お手紙A>を参照

 

なるほどなるほど・・・ラディガストが戦場となるかもしれない今、そのルートは危険。

ロベルト団長が勧める、クリットウォールに向かうルートが、遠回りのようであるがいちばん現実的だ。

ありがとうお父さん、ということで、リーンは返事を書き、シューティングスターに託した。他の英雄達も一筆添えた。

 

<お手紙B>を参照

 

再びクケエー!とシューティングスターは一鳴きし、ラディガストで防衛の任に当たっているロベルトの元に飛んでいってしまった。

さあ、それでは自分達も出発しよう。ファーダ導師は好意から馬を与えてくれると言う。

「でもさあ・・・シールド・ランドも危なさそうだよお。また山賊なんかでたら・・・」と、また弱気の虫が騒ぎ出すファーザラード。

「こりゃ!ファーザラード!」ファーダ導師が一喝した。「ひい!」

老魔術師は意味有りげな笑みを浮かべる「肩にかけたギアスは解いてやろう。しかしまだ、お主の旅にはお目付け役が必要なようじゃな。」

「そ、それはまさか・・・(ガクブル)」タングル森修行時代の嫌な想い出が100%フィードバックするファーザラード。

どこからかシュー、シューという声が・・・いた! 天井の梁の上だ! 

真っ赤に輝いた目をしたウィーゼル(イタチ)がファーザラードを睨んでいる! そいつは威嚇の叫び声を上げた。キシャー!

「きゃー!で、でたあ!」部屋から飛び出そうとするファーザラード、しかし先回りしてドアノブの上にすとんと舞い降りるウィーゼル。

「よお、ひさしぶりじゃねえか、ファーザラード」「お、お前は、カース!」主人と使い魔にしかわからない言語で会話する二人。いじめっ子と、いじめられっ子の再会である。

「以後、イタチのカースを使い魔として、旅に同行させるがよい」とファーダ導師。

「まあ、師匠の言いつけだからな、面倒見させてもらうぜぇ、ファーさんよお。」と、どすの利いた声と鋭い爪でファーザラードの肩をぽんと叩くカース君。

「そ、そんなあー」と暗黒の少年時代がよみがえるファーザラード(いや、今だって少年なのだが・・・)

「きゃあー、かわいいですう!」「毛がまっしろ、ふかふか、きれいですねえ!」かわいいものには目がない女の子組のリーンとアレク、駆け寄ってさっそく頭を撫でてあげたりする。

すると言葉が通じない(=何も知らない)キャラクターには、首を傾げ、クーン、クゥーン、と百戦練磨のかわいこぶりっこポーズを披露するカース。

心がきゅーんとするファーザラード以外の英雄達。あっという間にパーティの人気者だ!

ファーザラード「みんな、だーまーさーれーてーるーよー!!」(笑)

さあ、新たな仲間もできたし、出発だ! シールド・ランドを抜けて、ウォルワース英伯爵が治めるクリットウォールに向かおう!

(なお、使い魔カースと主人ファーザラードだけの会話は、青字で記してあります。以後、凶暴イタチの二重人格振りをお楽しみください)

 

(ここでちょっとマスターシーン)ラディガスト攻囲中のアイウーズ軍本陣にて*********************

(回想シーンからスタート;♪らん、らんらら、らんらんらーん、らん、らんらららーん♪ ←ナウシカのBGMだと思いねぇ)

大樹を背にして、まだ赤ん坊の一つ目球体モンスターをぎゅっと抱きしめる少女。それを取り上げようとする大人達。

女の子が叫ぶ「だめ!この子、怪我してるのよ!」弱々しげに鳴く、ちびビホルダー「びほ〜」

「よこしなさい、それはお前が持っていてはいけないものなのだよ・・・」「びほ、びほ〜」

「ほら、お姉ちゃんが、変なもの見つけたんだお」と、ちびアレク登場。姉を指差している。

「アレク、あなたが言いつけたのね! だめー、奪わないで、殺さないで!」大人達の手をバックに駆け出す少女。「いや〜!」

(回想シーン、終わり)

「・・・こうして少女フレイヤは駆けたビホ。汚い大人達から、もう必死に駆けて、駆けて、駆け回ったビホ。

 ・・・そしてたどり着いたところが、アイウーズだったビホ。フレイヤ様は彼の地で精進して戦いの腕を磨き、ついに悪の将軍の位を賜ったビホ。

 そしてこのときに助けられたビホルダーこそ、この偉大なる副官の私であるビホ!」

口述筆記を取らせているビホルダー。そう、ここはラディガストを攻囲しているアイウーズ帝国軍の天幕の中だ。

あ! ノリにノッテいるビホルダーの後ろから、フレイヤが天幕の中に入ってきた!「・・・ 何 を し て い る?」

びくう!とするビホルダー。つかつかつかと歩み寄り、ここまでの労作を一読するフレイヤ。ビホルダーが言い訳する。

「これはそのう、“ぷろぱがんだ”ビホ。アーンストを手に入れたら、民衆にウケル、お涙頂戴の話を提供する必要が・・・」

「くだらん」とクールに一言で斬ってみせ、書いてある羊皮紙をろうそくでメラメラと燃やすフレイヤ。「私に過去など必要ない。それよりも来るんだ、ビホルダー」

「は、はいい・・・」ショボーンとしながら天幕の外に出るビホルダー(しかし八つ当たりで筆記官をディスインテグレイトさせるのは忘れない)。

そこは、攻囲されているラディガストの城が一望できた。しかし、アイウーズ軍は苦戦している。

城の周りには天然の濠であるアートンサメイの大河があり、城壁まで効果的に近づけないのだ。

「やっぱりあのアートンサメイ河がネックびほ。ほら、また渡し船がオークごと転覆したビホ」ため息をつくビホルダー。

別働隊が河の上流から“何らかの手段”を行うそうだ。大将軍は、その動きを気取られないように絶えず正面を圧迫しろ、と私に仰せである」

「そのために、何千ものオークが死んでも、ビホか?」というビホルダーの問いに対し、フレイヤは冷酷に表情を変えずにこう言った。

「オークが何千匹死のうと、任務とは何の関係もない。私の知ったことか。」

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さてさて、そんな悪陣営の会話は露知らず、シールド・ランドの荒野を縦走している英雄達。

今日も日が暮れるというところで、ちょうど廃村に立ち寄ることができた。

この廃村は、かつては豊かな村だったのだろう・・・しかし今は、アイウーズ軍の略奪により、荒れ果て、人っ子一人いない。

馬を下りてゆっくりと用心しながら村中央広場の井戸の周りに集まる英雄達。

どこからともなく「う〜」「あ〜」とうめき声が・・・こ、これは・・・突然ぼごぉっと地面の中から屍骸が起き上がる。ゾンビだ!

虐殺された村の住民であった死者が、恨みを持って生者である英雄達に襲いかかってきた。

しかし、今さらこんな弱いモンスターに恐れをなす英雄達ではない。「哀れな魂よ土に還りたまえ!」とアレクが初の≪アンデッド退散≫に成功。

続いてリーンも本家本元とばかりにペイロアの聖印を掲げ、あっと言う間に周りの5体ほど塵に還る。

しかし次のラウンドには、またボゴボゴボゴ! 新たなゾンビが英雄達を取り囲む。

「おいおいおい、こいつはちょっとまずいぞい!」とドネルガ。たしかに元何百人もいた村人達を全員相手にするのは分が悪い。

英雄達は村の中央から外れ、撤退しようとするも、あちらからボゴ! こちらからボゴ! と次々にゾンビが土中から出現してくる。

「くそぉ、しつこい奴らだ!」苛立つティリオン。「も、もう1日の退散回数が、残り1回です・・・」と弱音を吐くリーン。

「いやだあああ、こんなとこで死にたくないようう」と泣くファーザラード。そんな絶体絶命のピンチ・・・に!

 

しゅばっ! 今まさにリーンに噛み付こうとしていたゾンビの一体にアローが突き刺さる。

(はい、ここでBGM)英雄達が見ると夕日を背にした丘の上に、見事なる白馬に乗り、きらきらと銀に輝く鎧を着たパラディンが!!!

その聖騎士は高らかに、芝居がかったよく通る声でこう宣言した。「シールド・ランドの安寧を乱す不浄の者よ、わが正義の剣で散るがいい!」

そして「跳べ!ホワイトジャスティス!」と言うと、白馬はヒヒーンといななき、彼はとうっ(ほんとにそう叫んだ)と馬ごと跳躍する。

リーンの前にすっくと立ちはだかるパラディン。「怪我はないか、娘よ?」優しく背後にいる女僧侶に問いかけた。

リーン「は、はい・・・」(ぽ〜)そして赤くなったリーンを「失礼つかまつる」と、抱っこして愛馬ホワイトジャスティスの鞍上に抱え上げる。「きゃ!」

騎士はゾンビの群れに突入し、「さあ放つのだ君の力を!」リーン「は、はい!≪アンデッド退散≫!」

それに乗じて、白馬の騎士は高らかに叫ぶ「うなれ我が剣よ、ジャスティス・ロイヤル・スラーーーーシュ!」

バタバタバタ、と将棋倒しのように倒れていくゾンビ達(いや、要するに≪薙ぎ払い強化≫なのですが)。

周りでは他の1Lvパラディン達もゾンビを掃討している。そう、これがシールド・ランドの秩序を守る騎士団「聖の盾」なのである。

 

圧倒的な力の差で以って廃村のゾンビは浄化された。英雄達は礼を言おうと白馬の騎士の元にいく。

兜を取った彼は、まるで宝塚の男優みたいにすらっとした優男で、目鼻立ちのはっきりした短髪の美青年である。

「まあ、怪我がなくて何よりだったね。私がクリットウォールの領主であるウォルワース英伯爵カタロニアスだ。以後よろしく」

彼は聖の盾騎士団長でもある。一度悪のアイウーズ帝国に占領されたシールド・ランドの一部を奪回し、クリットウォールを解放した英雄だ(ちなみに15Lvパラディン)。

そして、ここら辺一帯をパトロールしていたら、ゾンビ達に囲まれて困っていた英雄達を見つけたというわけ。

英雄達が自分に会いにクリットウォールに向っていると聞いたら、カタロニアスは非常に喜び、ならば一緒に積もる話を聴こうと同行を許可する。

「おや、なんと可愛いイタチなんだろう!」くーんくうーん・・・一撃必殺のかわいこぶりっこをお見舞いするカース君が完全に彼を味方につけた。

ところが彼は・・・一人のパラディンを見たとき、微妙に表情が変わる。「ちょっと待ちたまえ、君の名は?」

「は、はい、私ですか。アレク=クロフォードと申します。」 

クロフォード・・・ざわあっと冷ややかな雰囲気が騎士団の中に広がる。

「クロフォードだと・・・」「おい、本当かよ・・・」「奴の娘ってわけか・・・」中には、地面に唾を吐き、露骨に敵意をむき出すパラディンもいる。

そしてカタロニアスも例外ではない。今までの快活な表情はどこへやら、視線を反らし、英雄達にこう言った。

「まあ、そこの女戦士も君たちの一員なら、来るがいい。だが我々と一緒は許さん、後ろから離れてついてこい

「なんだと!」露骨すぎる失礼な扱いにむっとするティリオンとドネルガ。「まあまあ、ここは皆さん・・・」とオロオロしてとりなすリーン。

グレイホークへ行くには、どうしても彼の助けは必要なのである。アレクも分別のつかない子供ではない。甘んじてこの屈辱を受けることにした。

 

クリットウォールを目指し、騎士団「聖の盾」と共に、微妙な雰囲気のまま旅路は進む。

アレク以外は客人としての待遇を受け、他の騎士団員とじょじょに打ち解けてきているのだが、やはりアレクにだけは、彼らの見る目は冷たい。

(だが、ときどき他の英雄達が彼女の元へ様子を見にくるのが、アレクはとてもうれしかった)

道すがら話をぽつぽつと聞くと、どうやらアレクの父グレイ=クロフォード率いる聖戦騎士団が、

大北方十字軍に参加している際にこの近辺にある絶望の谷という場所で一敗地に塗れた。4年前のことである。

グレイは散々の体で逃げ帰り、後始末もせず、大変邪悪な災厄を撒き散らしていったらしいのだ。

彼らはまるで忌まわしい言葉のように、それ以上口をつぐむ。父の不始末を娘に八つ当たりさせているような雰囲気だ。

野営をして、そんな話を騎士団の仲間から聞いているうちに、ティリオンがふと目に止めた人物がいる。

天幕からカタロニアスが出て行く。行く先は・・・テントの輪から離れたところで一人ポツーンと寂しそうにしているアレクだ。

まさか攻撃はされないだろうが、いちおう心配なので男テントにいたティリオンとドネルガ、それに(カースに耳を引っ張られて)ファーザラードも後をつける。

(カタロニアスは<聞き耳>技能を持っていないので、みんなの<忍び足>判定は成功!)

アレクは自分の神様マイアヘンに祈っていたので、彼の存在に気づかなかった。予想に反して、カタロニアスはそっと優しく、彼女の肩に触れる。

「マイアヘンか・・・すばらしい神に仕えているな・・・」 おお、キャンペーン初のマイアヘンに詳しいNPCだ!

「すまないな、部下を率いる立場上、君を快く迎えることはできないのだ。」 カタロニアス、アレクの騎士の誇りを奪った今までの仕打ちを謝罪。いい人だ!

「父はそんな悪いことはしない人です。カタロニアス様、私は、父がここで何をしたのか、知りたいのです」アレクは気丈に見つめ返し、彼に問う。

至近距離で交錯する視線・・・しかしアレクは<知識-地域>を持っていない。カタロニアスの秘密に気づかなかった・・・

ふっとカタロニアスは微笑み、彼女の顔に触れた。「父上に似た良い目をしている。」そして意味ありげな言葉を残して去るのだった。

「我が城で真実を話そう。君の父グレイ=クロフォードの行ったことを。」

うーむ、やはりクリットウォールまで着かないことには・・・そしてその頃、匍匐前進でアレクに忍び寄っていた不審人物が・・・

がばっと立ち上がる! 殺気! 誰だ! 「アーレークーさーんー!」 目をらんらんと光らせている、恋する乙女、リーンだ!(笑)

「しし、心配して様子を見に来てみたのですが・・・ななな、何を、か、カタロニアス様と、はは話していたんですの?」動揺した震える声で尋ねるリーン。

(ヤバイ修羅場だ、逃げろ逃げろ、と男ども。「バッキャロウここからが面白いんじゃねえか」とニヤニヤしてファーザラードを引き止めるカース)

アレク「あの方は、すばらしい方ですね」リーン、手をぎゅっと握って「そうですよね、そう思いますよね!」

 

まあそんなこんなで乙女同士の恋愛談義が小一時間ほど。続く、わけ、だが!

そこにまた、くけー!とシューティングスターが急降下で飛来してくる。そして、じろっと英雄達を睨むと、ぞんざいににゅーっと足を伸ばし、文を渡す仕草。

リーンの父ロベルトの愛鷲は、彼からのメッセージを再度携えてきた。「まあ、ありがとうシューティングスター」と娘のリーンはこれを受け取る。

 

<お手紙C>を参照

 

えっ。リーンちょっと動揺。お父様に相対して戦っているのは、アレクさんの姉のフレイヤなの?

「いえ、そんなことないわ。ブラックガードはたくさんいますもの、ええ、同じ女性だってたくさん・・・」自分に言い聞かすように文を折り畳む。

そしてドネルガには謎めいた一文を伝えた。すなわち「穢れたる鉄は 誇り高きドワーフの手により 輝ける銀に変わる」という一文。

これは何を意味するのか? まあいずれわかる機会が来るであろう。

そして、娘のリーンは、父ロベルトに再度手紙をしたためる。徐々に、凍てついた親子関係が、解けていく。

暖かい春の雪解け水のような乙女の便り。これを読んだとき、果たして父はどんな顔をするのだろうか?

 

<お手紙D>を参照

 

そして英雄達と聖の盾騎士団は、悪の徘徊するシールド・ランドに突き刺さった唯一の善の棘、クリットウォールに入城した。

時に群羊月27日。明日の群羊月28日はどうやらお祭りらしい。ここクリットウォールをアイウーズから奪還した記念日なのだ。

人々は沸き立ち、領主のカタロニアスを迎える。そこかしこにいる手や足を失った傷痍兵が、この街のハードな過去を物語っている。

ここでティリオンは妙なことに気づいた。(病人が多いな、特に子供が・・・)

 

カタロニアスは英雄達を自分の城に招待する。今まで辛い目にあわせてきたアレクも一緒だ。

いや、むしろ彼女をいちばん招き入れたいようにも見える。

「あのお・・・カタロニアス様」聡明なリーンは(たとえ恋患いで頭がちょっとおかしくなっていたとしても)クレリックとしての役割を忘れてはいなかった。

「ご招待大変光栄なのですが、見たところ、この街には病人がたくさんいるようなので・・・寺院で治療の手助けを行わせていただけたらと・・・」

「賢明なるペイロアのしもべよ、そうしたまえ」カタロニアス、女の子イチコロよーんの笑みを浮かべる。

リーン「(ぱああ)はい、ありがとうございますぅ!」彼女は寺院で施療の手伝いをすることになった。

ドネルガもリーン嬢ちゃん一人では危ない、と一緒に行くことに(何せ今、彼女は普通の精神状態ではないのだ)。

「よいのですか、あまり面白い作業では・・・」とリーン。「いやなあに、城の中は退屈じゃからのお。」とドネルガ。

あ、カースは? 「じゃあ俺も!ちょ、ちょっと出かけてくるぜ!」祭りの雰囲気にウキウキしていたのだろう、しゅたたーと街中へ消えていった・・・(笑)

 

さて、それ以外の3人、アレクとティリオンとファーザラードはクリットウォールのお城へ。謁見室に通される。

カタロニアスはここで鎧を脱ぎ、着替えをするといって別室へ。するとそこでは侍従との不審な話し声が交わされているのを、聞いてしまった!

「明日のお召し物でございます。」「何だ、このフリルは!」「ああしかしこれは特注品でして」「いらぬ、普通のスカートでよい!」

へ? これはまさか・・・(プレイヤーの皆さん、ピーンと来る)そして再び彼らの目の前に現れたカタロニアスは・・・女だった。

そう、今まで男装していたのだ。ウォルワース英伯爵カタリーナ。これが彼女の本当の名前である。

彼女は未亡人だ。本来この城の持ち主である夫は4年前のクリットウォール解放戦のときに戦死してしまった。

それ以来、後を託された妻の彼女はパラディンとして修行と研鑽を積み、ずっとこの街と聖盾騎士団を守り続けているのだ。

アイウーズ軍との最前線でもあるここクリットウォールでは、お貴族様のように女の衣装でさあダンスしませうというわけにはいかない。

常在戦場、いついかなるときも鎧に身を包み、猛々しい聖騎士カタロニアスであろうと、彼女は決意した。

亡き夫の遺志であるシールド・ランド再興の悲願を成就するまで、敵に見下されないよう、女性を捨て、陰惨な戦いを続けることを。

そしてカタリーナの男装は、クリットウォールの住民達も周知の上、暗黙の了解事である。

殿様も男の姿で踏ん張っているのだ、オラたちもガンバらんでどうすべえ、とカタロニアスを見るたび、彼らは悪との戦いに奮い立つのである。

だが、1年にわずか数日だけ、女性の衣装に身を包む時がある。それが明日から始まる「解放祭」だ。

この数日間だけは、亡き夫のことを偲び、彼女はドレスに身を包んでたおやかな女性のカタリーナに戻るのである。

(・・・以上、DMのオリジナル設定なので注意)(笑)

 

さて、カタリーナは、他の騎士もおらず完全に盗み聞きの心配がなくなったところで、アレクに父グレイの真相を話した。

大北方十字軍の渦中、ここクリットウォールを解放した後、引き続きダークスレイヤーを探索のため移動していた聖戦騎士団は、

やがて悪のアイウーズ帝国軍の集結地である「絶望の谷」という峡谷で雌雄を決することになった。

しかし戦運悪く、敵方の邪悪な魔道師バルリット=ゲンダークロス率いるアイウーズ軍に大敗北を喫し、騎士団は壊滅する。

決死の反撃によりバルリットの片目を奪ったものの、健闘そこまで。敗走の渦中、グレイ=クロフォードは忽然と姿を消した。

敗北の汚辱に耐えかね、彼が守るべき兵よりも誰よりも早く、シールド・ランドを東へ逆走して逃げ帰ってしまったと伝えられている!

その後、片目を失ったものの、善を撃退したバルリットは、邪神から褒美として永遠の活動能力を授かった。

強大なるアンデッド「恐れと炎の目(ザ・アイ・オブ・フィアー・アンド・フレイム)」となり、未だに“絶望の谷”の主となっている。

“絶望の谷”は峡谷なので、谷底には川が流れている。ここから流れ出る猛毒の水は、リテンサ川に混じり、クリットウォールに注がれる。

クリットウォールの民は毒と知りながらも、この水を使わないと日々の生活が成り立たない。

「そうか、それで体の弱い子供や老人から・・・」と呟くティリオン。「・・・鉱毒に汚染された水で衰弱していくのだ。」苦々しげに言うカタリーナ。

そしてその災いの原因を作ったのがグレイ=クロフォードと聖戦騎士団だとしたら・・・なるほど、他の者達のアレクへの憎しみも納得できる。

だが! 「君の父はそんな情けない人物ではない」カタリーナは鮮明に覚えている。共にクリットウォール解放のため戦った、誇り高き聖戦騎士団長のことを。

アレクはパラディンの誇りと共に、こう言うのだった。「ええ、父はそんな方ではないはずです。私が真実を確かめます」

カタリーナはうなずいた。「父の汚名をそそぐがよい、アレク=クロフォード。君にはその資格がある。」

かくして英雄達はウォルワース英伯爵から依頼を受ける。“絶望の谷”の鉱毒の原因を調査してくること。そして可能ならば、それを取り除くこと。

そこまでやってくれたら、グレイホークまで向かう軍船を1艘チャーターしてあげようと、彼女は快く承諾してくれた。

(そうすればアドマンドフォートにいる悪の海軍の襲撃など気にせずにニル・デイブ湖を渡れるのだ)

 

その頃、寺院内の診療所では、リーンが病人と奮闘していた。「ドネルガさん、シーツ持ってきて!あとそっちのおじいさんも!」

ドネルガをあごで使いつつ・・・初恋の君カタロニアスの真の姿も知らずに・・・(笑)

 

 

(その2へ続く)