Essay - 柿田川湧水群を訪ねて  佐久間 鋭

編集方針
読みやすいように、段落を付けました。茶字にしてあるところです。
「はじめに」には佐久間鋭さんの紹介文が入ります。

はじめに
 今晩は 川仁です。同窓会は欠席だったんですね。お会いできなくて残念でいた。
 立高の同級生の佐久間鋭さんが、クラスで年に一度だすクラス誌に書いたものです。い いなと思ったので、同窓会で会った時に土曜会のことを話して、紹介してもいいですか、と了解を得 ました。
 如何でしょうか。メール流すのがよいですか。


タイトル
 柿 田 川 湧 水 群 を 訪 ね て                                  佐久間 鋭
Date: Tue, 11 Dec 2001 02:04:21 +0900
To: t-kojima@air.linkclub.or.jp
From: Toshie Kawani <xx6t-kwn@asahi-net.or.jp>
Subject: 柿田川湧水群を訪ねて

 柿田川湧水群をご存じだろうか。日本名水百選にも選ばれ、四万十川と並び称せら れる天下の
名水なので、行ったことはなくても名前ぐらいは知っているという方も多いだろう。 先日、富士山麓でしばらく過ごした折り、思いたって出かけてみた。湧水が湧き出る一帯は、現 在、柿田川公園として整備されている。静岡県駿東郡清水町という地名をお聞きになると、あ あ、次郎長の生誕地かと早合点される向きもあろうかと思うが、あれは清水市のほう、こちらは三 島市と沼津市に挟まれた小さな町だ。有名な三島大社にも近く、国道1号線に沿っていて、大変 わかりやすい。公園入り口にある案内板に従って樹の下道を行くと、まず、第1展望台に出る。 柵越しに見
下ろすと、そこはもう清水の湧き出る「わき間」である。水底から、透き通った水が ふつふつと
湧き出ている。よく見ると、噴出口はあちこちにある。豊かに湧き出る水は、たちま ち流れとな
り、あたり一面の水草をそよがせながら南の方角に下っていく。その清らかさと、豊 穣な湧水を
眺めていると、なにか胸が熱くなってくる。その思いは、続いて訪れた第2展望台で も変わらな
い。ここでも「わき間」を見ることができる。1日の湧水の総量が、なんと百万トン を超えると
いう。膨大な量だ。この湧水は、富士山に降った雨や雪が、地下の三島溶岩流を通っ てこの地で
地表に現れたものだそうである。公園のはずれにある木製の八つ橋まで行くと、湧水 を集めて蕩々と流れる柿田川が見える。水源からわずかな距離でこれほどの大きな流れを形成する 川を眺めていると、自然の豊かさ、美しさを実感せずにはいられない。この川は、わずか 1200m流れた先で狩野川に合流するが、その清流は大昔から、付近の住民にとって大切な生活用水と なってきた。しかしご多分に漏れず、近年この地にも宅地化の波が押し寄せてきて、このまま放置 すれば川の保護が難しくなるという懸念から、昭和61年、公園として整備された。この恵まれた 貴重な自然を守るため、先年、地元に「柿田川みどりのトラスト」が誕生し、春、夏の観察会、 富士山麓の植樹、下草刈りなど、自然保護の活動を行っているという。

 柿田川湧水群をご存じだろうか。日本名水百選にも選ばれ、四万十川と並び称せら れる天下の
名水なので、行ったことはなくても名前ぐらいは知っているという方も多いだろう。
  先日、富士山麓でしばらく過ごした折り、思いたって出かけてみた。湧水が湧き出る一帯は、現 在、柿田川公園として整備されている。静岡県駿東郡清水町という地名をお聞きになると、あ あ、次郎長の生誕地かと早合点される向きもあろうかと思うが、あれは清水市のほう、こちらは三 島市と沼津市に挟まれた小さな町だ。
 有名な三島大社にも近く、国道1号線に沿っていて、大変 わかりやすい。公園入り口にある案内板に従って樹の下道を行くと、まず、第1展望台に出る。 柵越しに見下ろすと、そこはもう清水の湧き出る「わき間」である。水底から、透き通った水が ふつふつと湧き出ている。よく見ると、噴出口はあちこちにある。豊かに湧き出る水は、たちま ち流れとなり、あたり一面の水草をそよがせながら南の方角に下っていく。その清らかさと、豊 穣な湧水を眺めていると、なにか胸が熱くなってくる。その思いは、続いて訪れた第2展望台で も変わらない。ここでも「わき間」を見ることができる。1日の湧水の総量が、なんと百万トン を超えるという。膨大な量だ。この湧水は、富士山に降った雨や雪が、地下の三島溶岩流を通っ てこの地で地表に現れたものだそうである。
 公園のはずれにある木製の八つ橋まで行くと、湧水 を集めて蕩々と流れる柿田川が見える。水源からわずかな距離でこれほどの大きな流れを形成する 川を眺めていると、自然の豊かさ、美しさを実感せずにはいられない。この川は、わずか 1200m流れた先で狩野川に合流するが、その清流は大昔から、付近の住民にとって大切な生活用水と なってきた。
 しかしご多分に漏れず、近年この地にも宅地化の波が押し寄せてきて、このまま放置 すれば川の保護が難しくなるという懸念から、昭和61年、公園として整備された。この恵まれた 貴重な自然を守るため、先年、地元に「柿田川みどりのトラスト」が誕生し、春、夏の観察会、 富士山麓の植樹、下草刈りなど、自然保護の活動を行っているという。

 公園内を歩いていると、貴船神社という小さな社が目に付いた。社前の立て札を見 ると、京都の貴船神社の分霊社だと書いてある。神社の奉賛会が建てた水五訓という札が立って いる。なかなかおもしろいので、カメラでスナップしてきた。

 公園内を歩いていると、貴船神社という小さな社が目に付いた。社前の立て札を見 ると、京都の貴船神社の分霊社だと書いてある。神社の奉賛会が建てた水五訓という札が立って いる。
 なかなかおもしろいので、カメラでスナップしてきた。

水五訓
 1.自ら活動して他を動かすは水なり
 2.障害に逢ひて激しくその勢力を倍加するは水なり
 3.常に己の進路を求めてやまざるは水なり
 4.自ら潔くして他の汚濁を洗ひ而して清濁併せ容るは水なり
 5.洋々として大海を充たし発して雲となり雨と変じ凍りては玲瓏たる氷雪と化し
   てその性を失わざるは水なり                           
(原文のママ)

水五訓
 1.自ら活動して他を動かすは水なり
 2.障害に逢ひて激しくその勢力を倍加するは水なり
 3.常に己の進路を求めてやまざるは水なり
 4.自ら潔くして他の汚濁を洗ひ而して清濁併せ容るは水なり
 5.洋々として大海を充たし発して雲となり雨と変じ凍りては玲瓏たる氷雪と化し
   てその性を失わざるは水なり                           
   (原文のママ)

 園内を一周し、駐車場の脇にあるレストランで休憩した。そこで出された水は、予 想に違わず
湧水を汲み上げたものだった。そのおいしい水を飲みながら、先ほど胸を熱くしたあ の思いにつ
いて考えてみた。水は、万物の根源といわれる。その水が、こうして限りなく純なか たちでこん
こんと涌き出るさまは、文字通り生命の泉を象徴しているといってよい。日頃ともす れば忘れ勝
ちな貴重な自然が、太古のままの形でそこにある。それが見る人を感動させる。

 園内を一周し、駐車場の脇にあるレストランで休憩した。そこで出された水は、予 想に違わず
湧水を汲み上げたものだった。そのおいしい水を飲みながら、先ほど胸を熱くしたあ の思いにつ
いて考えてみた。水は、万物の根源といわれる。その水が、こうして限りなく純なか たちでこん
こんと涌き出るさまは、文字通り生命の泉を象徴しているといってよい。
 日頃ともす れば忘れ勝ちな貴重な自然が、太古のままの形でそこにある。それが見る人を感動させる。

 

一番上に戻る

くらしきの話その1に戻る