ヤマアジサイの

花色のいろいろ−1

自生地・栽培条件・時間の経過によるちがい

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ヤマアジサイの花形装飾花の形栽培

花の色1自生地差|花の色2変異花の色3好みの色に花の色4花色のなぜ?

3,野生のヤマアジサイは、なぜか地域により花の色が異なっています。

a,装飾花、両性花とも白色・・・関東から静岡県、山梨県、長野県、愛知県までの太

 平洋側のヤマアジサイ。開花後、装飾花がしだいに赤くなる株が各地で見つかってい

 ます。


 左:クレナイ(長野県伊那産)、右:クレナイ、赤くなった花

b,装飾花、両性花とも青色か淡青色・・・関西以西、中国、四国、九州までのヤマ

 アジサイ。両性花の開花後、装飾花が紫色を帯びてくる株があります。


 イヨカンセツ(愛媛県産)

c,装飾花、両性花とも青色か淡青色・・・朝鮮半島南部、済州島のヤマアジサイ。

 サンスグク(山水菊)と呼ばれています。


 流星(済州島産)花に白い斑が入る品種

d,装飾花、両性花とも澄んだ青色・・・富山県、新潟県など日本海側、東北地方、

 北海道南部のエゾアジサイ。草姿はヤマアジサイに近いが遺伝的には、やや離れて

 いるとする考えもあります。


 エゾアジサイ(産地不明)

4,ヤマアジサイの花の色は、同じ株でも栽培条件で大きく変化するものがあります。

 また、これとは別に花の色は、開花後の時間の経過に伴って変化します。

a,栽培条件で花の色が変化しない。

・白花品種・・・栽培条件にかかわらず白い花が咲く。

・白花にしだいに紅がさしてくる品種・・・光が弱いと白花のまま終わることもあるが、肥

 料や土の酸度で紅が青くなることはありません。クレナイ、ベニガク、ベニテマリなどの

 品種。


 左右ともベニガク

・桃色の花の一部・・・栽培条件にかかわらず桃色の花を咲かせます。

 モモイロヤマアジサイなどの品種。


 モモイロヤマアジサイ(天竜川付近産)

b,栽培条件で花の色が変化する。

・関西以西産のヤマアジサイ、およびエゾアジサイの白花以外の品種は、肥料の成分

 や土の酸度などの栽培条件で花の色が変化します。

 花が咲くまでの1年間にヤマアジサイが吸収し、体内にある物質の影響で、花の色が

 決まるので毎年同じ色に咲かせるためには、それなりの努力と注意が必要です。花の

 色は、青からピンク、紫まで品種によりさまざまに発色します。

 開花直前に薬品などで、花の色を望みの色にすることはできません。


 左右ともムラサキヘンゲ・別名ベニヘンゲ、左2003年、右2002年、同一株


 左右ともイヨカンセツ


 左右ともミカタヤエ


 左右ともマイコ

c,時間の経過で花の色が変化する。

・青、ピンク、紫の花は、日数がたつとしだいに赤味が増してきます。これはアジサイだ

 けの特徴ではありません。アサガオの青花もしぼむ頃に見ると、ずいぶん赤味の強い

 色になっています。花がくたびれて?細胞の中がしだいに酸性になるからだという説が

 あります。

 ・白い花が真っ赤に変化していくのは、aで述べたように、魅力的な品種の特徴として

 よく知られています。

・白いガク片がしだいに緑色になってくるフジノタキのような品種もあります。


 フジノタキ

・青い花が黒ずんだ色になるイヨノウスズミ、紅糸覆輪がぼやけて全体が薄いピンクに

 なるハゴロモノマイ、また紫や赤の斑点が出るものもあります。ベニガクでは、ガク片

 の裏側まで赤く色付き、秋まで赤い花が見られることがあります。


 左右ともイヨノウスズミ


 ベニガク・ガク片の裏側が赤く色付く

d,病気による花の色の変化。緑色の花。

・前年までの花の色とは関係なく突然、緑色の花を咲かせることがあります。とても魅力

 的な緑色の花になりますが、ファイトプラズマという病原菌に感染したための変化で

 す。治療法はありません。他の株に感染するし、感染した株はしだいに勢力が衰え枯

 れてしまいますから、早めに処分すべきでしょう。間違ってもこのような花を買ってこな

 いようにしましょう。現在、開花初期から一貫して緑色の花のアジサイ品種はない。


 緑花:マイコプラズマによると思われる

*葉化病
細菌より小さいファイトプラズマの感染により、花を構成するガク、花弁、雄しべ、雌しべなどが緑色になる病気を葉化病と呼ぶ。アジサイ以外でも同様の病気が知られている。

一見魅力的な緑色の花になるので販売されていることがある。

ファイトプラズマという極小の病原菌が、細胞内に寄生することによって起きる植物の病気である。病気の植物は、しだいに衰弱して数年で枯死する。治療法はなく病気の株を焼き捨て他の株への感染を防ぐ。

感染は、吸汁性の昆虫により媒介される考えられているが、アジサイ類の媒介昆虫は、今のところ不明。感染株を切ったハサミや感染株との接触でも感染すると考えられるので注意する必要がある。

この2枚の写真はタイワントキワアジサイ:ガクウツギの近縁種に現れた病徴。あまり濃い緑色にはなっていませんが、これもファイトプラズマによる病変と云うことです。

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5,各地で発見された花の色の変異