これは、幻夢想界で起きた人に宿った十二神の物語。


かすかに霧がかり、すべての地形を把握する者はいない、幻夢想界。
望んだものは形となり、恐れたものもまた形となり、どこが生まれ、死んでゆく。
その幻夢想界に神話として語り継がれてきた物語、各月ごとを治める十二神の物語。
その神々は人々に宿り、神の存在を知らしめると共に人々を導く――


舞武元年、月神月――

若き帝、舞武が帝位に就く。

帝の交代、若き帝に対する心配、人々の不安が渦巻き、都は混乱に陥るかと思われた。
しかし、素早い決断と優れた人選、秀でた統率力で揺れていた宮中を治め、近衛隊長に高嶺ノ宵宮。側近に霖丸。
祭司長に南条鎌家を任命した。宮廷神官の双子、雷電、風雲も就任し、宮廷は賑わいすら見せた。
それはひとえに舞武帝が堅苦しい政治ばかりではなく、舞を楽しみという趣味を持ち合わせていたからである。

幻夢想界一の博識者とも呼ばれる、幻夢想界すべてを見回し、記録する者。言乃葉文紀が記録した、物語。
十二の神が幻夢想界に光臨し、地上で集まるべく人々に宿り、人々を神が思う正しき方向へと導く。

宿られた十二の宿られし者の物語……



シリアスもある純和風物語。