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轍の音 特集 - 過渡期GTO
GTO時代のVVVFには80年代から90年代の低騒音化された(であろう)後期型になるまでの間に製造された過渡期の音というのがあります。ちょいとそこらでは耳にすることができない独特な音が特徴です(初期型か後期型どちらかに近い雰囲気は持っていますが)。車両としては相鉄8000系、東急8500系、東急7700系です。このうち東急7700系のみ東洋インバータで、他は日立です。どれも私が一番好きな音だったりします。
87年から5年間にわたって、62年登場の7000系をVVVF化・冷房・ワンハンドルマスコンの搭載などを施した車両です。そのトップナンバーは7910Fが該当し、ボディだけは08年現在で46年使用されています。他の編成も最低40年は使われています。
音は7600系に似た変調パターンと1000系に近い雰囲気を持った音です。後期型よりも荒っぽいですが。登場当初は7600系と同じ音だったとか。ブレーキ方式が電気指令に変わったころから音も変わった、という説があります。後期型に向けて試験的にソフトを弄ったということでしょう。
ちなみに7915編成はこれまた貴重な東洋3レベルIGBTとなっています。IGBTの音は写真館の7000系列のページの7700系にあります。
さてこの車両ですが、種車となる7000系が製造25年目において日本初のオールステンレスカーの構体(骨組みと外板)の強度テストを実施することになりました。その結果溶接部分などの強度は製造当時とほぼ変わらなかったため構体を残して大改造、重量の関係で乗せられなかったクーラーも屋根に梁を渡し、台車を交換することで対応して、7700系として生まれ変わりました。改造は9000系に準じた部品を使用することでコストダウンしています。一部は十和田観光鉄道に譲渡されています。
その後池上線ワンマン化に向けて7200系を置き換えるために7700系を3連化して転用することが決定、当該編成は最後の3編成で、7913Fと7914Fは日本初のTASC制御を引っさげて一足先に転属、残った7912Fはサハ7950形(7962号車)をIGBTの試験のために電装します。主制御器は東急で初採用、東洋で初製造のIGBTで、7815号車に改番されて元の編成に組み込まれ、目蒲線で営業運転を行いながら試験しました。そして7912Fの転属の際、7913Fと7914Fから抜き取られて余ったサハ7950形を改造します。すでに1両が中間電動車に改造されていたため制御車に改造します。妻板を1000系に似たものとして部品を共通化し、シングルアームパンタグラフ化、7715号車は電装して誕生したのが7915編成です。7715号車の主制御器は1C2Mの3レベルインバータが2群、さらにSIV一体型となっています。4台の主制御器のうち2台は主制御器専用、残り2台はデュアルモードとすることで主制御器も補助電源も2重系となっています。普段は主制御器をバックアップしていて、SIVの故障時はSIVモードに切り替えることで運転を続けられるようにしています。
目蒲線が分断されるとついに7700系はじめての廃車が発生します。対象はすべて7950形で、7915編成に改造されたもの以外はすべて廃車となっています。
東急8500系は原則界磁チョッパですが、最後に増備された第42編成のうち0802号車(6号車)と8799号車(7号車)、0818号車(4号車)と0718号車(5号車)のみ8500系のVVVFへの更新と増備用の新型車(今の2000系)導入に向けた試作車で、GTO VVVFとなっています(1、2、9、10号車は界磁チョッパ)。このうち89年登場の0802 - 8799ユニットが日立の高性能インバータの試験も兼ねていて、インバータは正真正銘の試作品です。日立社内はともかくたった一つしか存在しません。制御装置は8799号車に搭載されています。このユニット、当初は第37編成に組み込まれていて、VVVF改造時に第42編成と入れ替えられています。編成組み換え直後は青帯のままだったそうですから、当時の第42編成はかなり異彩を放っていたんでしょうね。
| ←渋谷 | 貫通扉なし | 中央林間→ | |||||||
| 1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | 7号車 | 8号車 | 9号車 | 10号車 |
| M2c | M1 | T | M2 | M1 | M2 | M1 | T | M2 | M1c |
| デハ8642 | デハ0710 | サハ8979 | デハ0818 | デハ0718 | デハ0802 | デハ8799 | サハ8974 | デハ0809 | デハ8542 |
| 界磁チョッパ | 付随車 | 新造車、後期VVVF | 改造車、過渡期VVVF | 付随車 | 界磁チョッパ | ||||
| ユニット | 主制御装置 | 主電動機(出力) | 歯数比 |
|---|---|---|---|
| 8799 - 0802 | VF-HR-121Z | TKM-89(170kw) | 5.31 (85:16) |
| 0718 - 0818 | VM-HR-132 | TKM-86(170kw) | 6.07 (85:14) |
この編成表を見て違和感を覚える人も少なくないと思います。0から始まる車両はなんだと。これは俗にインフレナンバーと呼ばれていて、8500系は総勢400両も製造され、そのうちデハ8800形とデハ8700形が99から溢れてしまったため、後に使う予定の9000、そして他の8000系列に割り当てられている8501以下、なおかつ4桁を超えないように8799の次を0700...8899の次を0800としたのです。
現在42編成は一部に銀色で形違いのキセが見られます。これは9000系のクーラーを東芝製の大容量のクーラーへ交換したことに伴うものですが(それ以前はすべて同じクーラーで同じキセでした)、どういうわけか37編成ともども交換されています。写真も1つ目のキセの形が違うことがわかるでしょうか。
運用は主に平日限定(2008年3月のダイヤ改正により土休日運用にも就くようになりました)、主にラッシュ時間帯で、本数も1本ですから捕まえにくいことで有名な2000系よりも難易度が高いです。2007年11月末、理由が明かされぬまま長期にわたり緊急予備車として休車状態になり、大井町線転属の噂が流れましたが、2008年1月25日より復帰しています。
ここではおまけとして過渡期と後期型のmixも公開します。これは過渡期インバータを積んだ車両と後期型インバータを積んだ車両がそれぞれ隣り合っていて、しかも貫通扉がないのでこんな音が録れるわけです。こういうのを俗にミックスインバータなんて呼んだりします。この車両の他には京急の三菱+東洋が2種類、東京メトロ9000系第1編成が三菱+日立、JR西日本207系500番台(三菱)+1500番台(東芝)、GTO時代の大阪市交20系第一編成(日立+三菱 or 東芝)がミックスインバータです。
後期型GTOと基本的な走行音(界磁チョッパ)は写真館の8000系列のページの8500系にあります。
90年登場で、まだ高性能なGTOインバータができて間もない頃(東急8799ユニットの次くらい)のもので量産されました。高性能インバータといっても後のものと比べると性能が劣るため、モーターの出力を新7000系より抑える必要があり、他の部分で走行性能を確保するために6M4Tの編成を組むことになりました。
起動音に関しては聞きなれない音ですが、減速時は「いかにも日立」という音です。なんとも柔らかい音に加えて直角カルダンならではの吊り掛けチックな音が混じった独特の音です。とくに制動時の変調音に感動するファンは多いようです。起動音は比較的大きく、最初のパルスモードに入るときに前後衝動が起こるのが特徴です。車両によっては電動ノコのようなチュイーンという異音を発したり、国鉄の201系のようなジェット音を響かせることもあります。
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