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轍の音 VVVFが賑やかな理由
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VVVF(Variable Voltage Variable Frequency=可変電圧可変周波数)インバータ制御は交流を出力する装置なので交流モーターが用いられます。モーターに交流を流すと、中のコイルが膨張と伸縮を繰り返します(交流の波形を見ればなんとなく理由がわかるでしょう)。するとつられて空気も振動します。この振動の周波数が低いと音として認識されます。この音のことを「磁励音(じれいおん)」と呼びます。しかし、普通に電気を流しても変化のない音が鳴るだけで、何段階も変化するということはありません。音が何段階も変化するのは、モーターを可変速制御するために周波数を繰り返し変えるからです(この音を変調音といいます)。実際には強い力で滑らかな加速を実現するため、という理由もあるようです。 まず起動時は3〜5秒間ほど一定の音程が聞えます(長さもまちまちでしかも一定でない場合もありますが)。これを非同期モードといって、文字通り交流の周波数とモーターの回転数が一致していません。ある程度加速すると同期モードあるいはパルスモードといって、周波数をモーターの回転数に合わせるようになります。SIEMENSのドレミファインバータはというと1音目だけでなく、音階部分すべてと、音階の最後の1音が間延びしている部分が非同期モードになります。 減速時はほとんどの場合加速時の音が逆から再生されたかのようになります。純粋に真逆になっているものもあれば微妙に、あるいはまったく違う音になっているものもあります。ただし回生ブレーキを使用している場合にかぎります。回生ブレーキを使用していても黎明期は失効速度が高いため途中で途切れてしまいます。現在では全電気ブレーキ(三菱では純電気ブレーキ)ができるものも増えてきていますので、そういう車両では最後まで聞くことが出来ます。 周波数は波形(パルス)が違うパターンをいくつか持っています。このパルスパターンをソフトウェアとしてROMに持ち、マイコンで処理しているので、人為的な音といえます。逆にいえばソフトウェア次第で音の鳴りかたが変わる、ということもできます。一番分かりやすいのが近鉄の初期のGTO車のほとんどの系列で、ソフトウェア変更前の面影がほとんど消えてしまうほどの変貌ぶりです。ほかには小田急1000形や新京成8800形、東急7700系、名古屋市交2000形の一部などもソフトウェアが変更されて音が変わっています。 IGBTが普及して間もない頃、ドイツのシーメンスというメーカーが古い技術となったGTOに対して「人為的な騒音ならいっそのこと音階にしてしまおう」というような理由で設計したGTOインバータが京急の快特列車に搭載され、邦楽にも使われて一躍有名になりましたが、実はJR東日本が日本初の交直両用通勤車 E501系が一足先に搭載しています。 インバータは半導体ですから寿命は短いです。ゆえに今GTOなどの素子を使用している車両もいずれはIGBTなどに変わっていくと思います。GTO派の方は早めに収録しておくことをオススメします。
録音のヒント 前述の通りVVVFはモーターのコイルが音の原因ですから、基本的にインバータ装置上より動力台車の真上で録音する方が大きな音で録れます(そういう意味ではVVVF車の変調音もモーター音になりますが、VVVFの場合もモーターの回転音やカルダンなどの駆動系の音が別途聞えます。変調と同じように回転が頻繁に変わってたら乗り心地が悪いわけで、コイルの音とモーターが回転する音は全然違うわけです。余談ですが当サイトではコイルの音を変調音と表現しています)。動力台車の真上でも、台車軸がある台車中央付近では2つのモーターの音がハモって多少音が大きくなる場合があります。また、貫通路や動力台車付近の乗降ドア直近などは音があまり遮られないため音が大きくなります。電動車同士の貫通路直近ともなると2つのモーターの音がハモってしかも音があまり遮られない場所なので大きな音が期待できますが、渡り板や連結幌のきしむ音、吹かれノイズが入りやすいというデメリットもあります。乗降ドア直近も吹かれノイズが入りやすいというデメリットをはらんでいます。 また、普通はインバータ装置本体からも音が出ています。三相交流をうみだすスイッチング素子のスイッチが「ジジジジ」とか「ビビビビ」と鳴っています。この音をスイッチング音といいます。ちなみにIGBTでは聞えないか、周波数が高すぎてモーターからの音とあまり変わりません。この音を録るときはマイクをインバータ装置付近、大体車両の真ん中あたりのシートの蹴り込みや3ドア車なら中央のドア付近に向けるといいです。ただ、車体の海側や山側の一方または両方に寄せて配置されています。要するに、車体のど真ん中には何もないということです。1C8M(1 Controler 8 Motor)は1つの制御装置で2両分8コのモーターを駆動するので、M車であってもこの音が拾えないことがあります。1C4M2群も2両分の制御装置を1両に集中しているのでやはり拾えないことがあります。ちなみに力行から惰行、惰行から力行、惰行から制動する際に「ジュイッ」という感じの音が鳴ります。鳴らないこともよくありますが。日立製GTOは音が大きい場合が多いようです。とくに90年代のインバータは強烈です。また、東洋GTOも後期の1C8M車は強烈なようです。 あと、ヒントではないのですが音鉄が良く使う用語として「フラット」というのがありますが、これは空転やブレーキなどで車輪が削れて平らになることで、タタタタタという音が聞えます。多くの音鉄は忌み嫌いますが、私としては特に気にしないどころかむしろ「これはこれで」という性質なので、遠慮なく公開してます。 |
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